薄日が作り上げた

淡い彩りの季節

ため息は白くあがきながらも

空に消えてくれるんだ


君にぶつけられた言葉の

上手い返事を今頃見つけたけど

それが言えたら

いい方向に向かっていけたって保証はない


軽い一押しで

いつでも転びそうな足は

帰り着きたい気もしない

家路をぼんやりたどっている

今にも消えそうな灯火が

この年の暮れと重なり

美しく見えるけど


溜めてしまった用事

まだ終わっちゃいない一年

振り返るのもどうかと


心と裏腹に

景色は支度している

次の年への準備を


散りばめられた光を見つめ

見とれていた間に

片付かない気持ちは

時にこっそりと連れ去られている

今みたいに

もっと口が上手かったら

あの時に悔いを

残さないでよかった?


ずっと一緒にいたのに

あなたのことを分かってなかった

会えなくなって気付いた

あなたの思いやりを


未来が眩しかった

夏の草原に並んで寝そべって

見ていた夢と

帰りたくなかった現実


夢でもあり

現実でもある

あのころの未来

あなたに伝え残した想いが

おっくうな私を動かしている

冬に備えるかのように

ぶちまけたいことを

せっせと溜めておいたけど

なんかもういいや


暖かい日差しと

僕と

休日とが

重なり合った頃合


落ち着きのない

時代の流れの中の

束の間が

ゆったりしている


体を緩ませて

カーペットで寝転がる

変な姿勢で

震えだした携帯電話も

気にならない

光も闇も

ぼやけてく霧

あからさまに

隠された街


さっきまで

傍にあったものが

まるで幻みたいに

僕らは遠くなる


霧の中に浮かび上がる

戸惑いの影

諦めの影

時間だけがこの夜を

上手に歩いてる


閉ざされた視界

なす術なく

ため息が一つ

霧に混じ入る

月がいちばん遠い夜

大きすぎるベッドで

一人でただ

愛を憎んだ


あなたを連れ去った

電話の後

私に向けられない

愛を憎んだ


月明かりに

掻き立てられた

寂しさが

暖かな手を求めた


交差する人の中で

見かけたのが

誰かに愛を向ける

あなたじゃなかったらよかった

昼休みの空想は

5時間目まで続いていた

窓の外には

翼を生やした僕がいた


黒板に書かれる文字に

眠気を誘われて

ますます深まる

白昼夢


真っ白なノートを

ぼうっと眺めて

人に見せられない

言葉ばかり育ててた


卒業生が残した

らくがきのある机に

かろうじて守られていた

自分の居場所

散り際の葉に
彩られた道を行く
踏みしめる落ち葉に
照らされて

銀杏が輝いている
先読みが作り上げた
儚さが余計なほど
眩しく今この時を

さっきまで気配もなく

止まっていたはずの時間

すっと呼吸を合わせるようにして

鳥が水面を蹴上がる


あんなに大勢で

舞い上がる姿でも

見ているこっちには

寂しく映る


渡り鳥よ

どこへ行く

何度聞かれたとも知れない

質問をする

またしても返事はない


月のいる夜を越え

太陽のいる朝を抜け

鳥は本能が選んだ

次の水面に向かう

空だけを住み処にして

言葉で閉ざすのをやめて

楽譜で縛るのをやめて

この時を流れている音楽を止めないで


あなたのドと

私のドは明らかに違う

レミファソラシどれも

同じ音を出せない


人の目を気にしないで

何かの意味に置き換えたりしないで

あなたに響いている音楽を止めないで


心で描いたきりの音を

もう二度と出せない音を

探し求めて

鍵盤は沈むよ


生まれるままに流れている

見えない未来に響いていく

音楽になった私を止めないで