第36回 国際福祉機器展 H.C.R.2009
2009年9月29日(水)~10月1日(金)に東京ビッグサイト東展示ホールで
開催された第36回 国際福祉機器展 。
主催は全国社会福祉協議会、保健福祉広報協会。
3日間で 10万人を超える来場者があり、とても盛況でした。
展示されていました
会場では、福祉機器や福祉車両などの大規模な展示が行われ、
福祉関係者、福祉機器を使っている人やその家族が最新の情報を入手し、
試せる場になっています。
利用者の声を聞き、最先端の技術が応用され、進化を遂げる福祉機器には
目を見張るものがあります。
ユニバーサルデザイン28号 でもご紹介した
アクセスインターナショナル のブース
また特別なニーズのある人もそうでない人も使いやすい家庭用リモコンなど
ユニバーサルデザインの製品開発や提案なども数多く見られました。
高齢化が進み、ますます福祉サービスや機器による支援が求められています。
 
 
ベーダ国際ロボット開発センター
 が発表した
ユニバーサルビークル「ロデム」
編集部 仲田
日常の「不便」に気付くまなざし
10月1日、東京・ミッドタウンタワーで行われた
2009年度の「グッドデザイン賞ベスト15」をはじめとする
特別賞の記者発表会に出席しました。
11月6日には、今日発表された「グッドデザイン賞ベスト15」の中から
グッドデザイン大賞1件が決定し、
大賞以外の14件がグッドデザイン金賞に確定します。
具体的な受賞作品など、詳細はグッドデザイン賞のホームページ
 を
見てもらって、ここでは特別賞の中にあった
ふたつのフォントを紹介したいと思います。
まずひとつ目は、今年新設された「グッドデザイン・フロンティアデザイン賞」を
受賞した株式会社デンソー+タイププロジェクト株式会社の
自動車用フォント「ドライバーズフォント」です。
フロンティアデザイン賞は近未来の生活を示唆する
「まだ実現されていないものごと」に送られる賞です。
ドライバーズフォントは、
運転中のドライバーが安全かつ快適にカーナビ等の
表示デバイスから情報を取得することをめざして開発されたそうです。
『それは究極の「ちら見」フォント』というコピーが印象的でした。
ふたつ目は、「その時代の生活者の支持を得て様式に至る
完成度を持つと認められるもの」に送られる
「グッドデザイン・ライフスケープデザイン賞」を受賞した、
株式会社イワタの「イワタUDフォント」です。
高齢化による老眼や白内障、また弱視などといった悩みを抱える人だけ
ではなく、ユニバーサルデザインの視点から年齢や能力の違いに
関わらず、読みやすく、誤読されにくいことを
基本コンセプトに開発されたフォントです。
両者とも文字情報を対象者に正確に伝えることが最大の目的になっています。
「ドライバーズフォント」と「イワタUDフォント」は、自分が車を運転していたり、
老眼や白内障、弱視に悩む立場になったりしたときにこそ、
有効性を実感できるのだと思います。
現在は老眼や白内障、弱視の状態を体験できるゴーグルがあり、
あくまで一時的とはいえ、視覚に障害のある人の困難さを感じることができます。
今回の「ドライバーズフォント」と「イワタUDフォント」の特別賞受賞は、
日々何気なく接している「文字」への関心を向けさせてくれました。
日常の小さな不便に気付き、その現状に満足せず、改善を実践する。
「言うは易し」ですが、これは誰にでもできることではありません。
今回のふたつのフォントの特別賞受賞は、日常の小さな不便を改善した
実践者が正当に評価された好例だと思います。
UD編集部 富樫

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暮らしを彩る匠の女たち展
女性伝統工芸士を応援する讃の会
 が主催する
「暮らしを彩る匠の女たち展」が10月6日~11日、
東京港区の女性と仕事の未来館
 で開催されます。
現在、わが国には、国が指定する210の伝統工芸品産地があります。
日本人の暮らしのなかで育まれ、受け継がれてきた手技を守る伝統工芸士は4671人。
そのうち544人が女性です。手技を磨き、感性を育み、創意工夫をして、
個性的で質の高いモノづくりをされています。
第6回目を迎える今年のテーマは「光と波と」。 
13名の女性伝統工芸士による作品の展示の他、
体験コーナーやミニ講座も開催されます。
本物の良さを実感し、伝統工芸を身近に感じることのできる展覧会です。
日本の力を再発見するきっかけになるかもしれません。
ぜひ足を運んでみてください。
 
 
日時:2009年10月6日(火)~11日(日)  9:30~20:00
       *初日10/6は14:00オープン、最終日10/11は9:30~15:00
会場:女性と仕事の未来館
主催:讃の会+グループ匠美
後援・協力:カワイ化粧品、イトーキ、セラリカNODA、大地を守る会、
女性労働協会女性と仕事の未来館、企業メセナ協議会
ユニバーサルデザイン25号
 の特集「くらしに生きる伝統工芸」では、
讃の会をはじめ、女性伝統工芸士の紹介をしています。
UD編集部 仲田
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ユニバーサルデザインの専門サイトをリニューアルしました!
こんにちは。
涼しくなって、そろそろ秋の気配を感じる毎日です。
今日はユニバーサルデザイン専門サイト、リニューアルオープンのお知らせです。
サイト名も一新し、「ユニバーサルデザイン.jp
 」となりました。
 
 
「ユニバーサルデザインの最新事例を知りたいな…」
「ユニバーサルデザインって何だろう?…」
そんなみなさんにおすすめです。
新サイトでは、ユニバーサルデザイン誌の記事をもとに
まちづくり、建築、交通、製品、サービスなど
ユニバーサルデザインの最新事例を紹介しています!
ユニバーサルタウンに住んでいる小学生のユーちゃん
と一緒に身近なユニバーサルデザインを考える
「はじめてのユニバーサルデザイン 」も掲載。
さる山を舞台にした「まんが ゆにばーサルらんど 」もスタートしました。
UD探偵団ブログともども、「ユニバーサルデザイン.jp
 」をよろしくお願いします!
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こうべ だれでもトイレ
神戸の市営地下鉄を降りて改札に向かう途中で見つけたマークです
笑った顔のようにも見えるし、人と人が助け合っているようにも見えます。
これは「こうべ だれでもトイレのマークだそう。
「ユニバーサルデザイン」の頭文字Uをモチーフにしています。
神戸市 はユニバーサルデザインのまちづくりのひとつとして
「こうべ だれでもトイレタウン計画」を実行しています。
2009年7月31日現在で、市内97の建物や駅で「こうべ だれでもトイレ」が整備されているそう。
遠くからもパッと目につき
急にトイレに行きたくなる子どもや旅行者にもうれしいマークですよね
神戸は「世界一ユニバーサルなまち 神戸をめざして」のキャッチフレーズで、
さまざまな取り組みをされています。
UD探偵団 ユッキー
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山形・新庄100円商店街

商店街を元気にするにはどうしたらよいでしょう?
そんな悩みを抱えた商店街がユニークは企画で集客や売り上げをのばしています。
山形県新庄市で活動するNPOがはじめたイベント「100円商店街」が全国に広がっています。
詳しくはユニバーサルデザイン30号 の山形県特集でご紹介しています。
毎月記事を提供しているJDNの「ユニバーサルデザインの今」 にも掲載されています。
編集部 仲田

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子ども向けワークショップ「UD移動ミュージアム」開催

8月3日、子ども向けワークショップ「UD移動ミュージアム」が、
東京ミッドタウン・デザインハブで開催されました。
当日は16人の小学生が参加。ミュージアムでは、実際のUD製品を手に取ることができます。
展示品の中には初めて見るものもあったようで、子どもたちは興味津々。
九州大学の平井先生から「ユニバーサルデザインとは、物以外も含めて、
いろいろな人が使いやすいこと」というお話を聞いた後は、気に入ったUD製品を1つ選び、
「こんな風に変えたらいいな」と思う試作品を創作します。
カラフルなスポンジや粘度、針金のモールなどを使って、
子どもたちは、楽しみながらも真剣な眼差しで取り組んでいました。
最後は、完成した作品の名前や特徴、誰が使うのか、一番のポイントなどを、皆の前で発表。
「持ち手が柔らかいから、お年寄りから小さい子まで使える」、
「ハンドルがついて持ち運べる」など工夫も満点です。
子どもたちの想像力溢れる作品が、多数でき上がりました

この模様は、次号の「ユニバーサルデザイン31号」のUDニュースでも取り上げる予定です。
ぜひご覧ください。(編集部 佐藤)

キッズデザイン博2009開催中
すでに開催中ですが、キッズデザイン博2009
が
8月6日~9日の4日間、東京青山のTEPIA
で行われています。
8月5日発表された第3回キッズデザイン賞
 受賞作品が
会場に並び、実際に手にとり、体験できます。
子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン、
創造性と未来を拓くデザイン、
子どもたちを産み育てやすいデザインの顕彰制度。
乳幼児用品や玩具などの子ども向けの製品・サービスに限らず、
大人向けのものでありながら、子ども目線を持った、
良質な商品や施設、プログラム、調査研究活動などを幅広く募集。 
受賞作品には「キッズデザインマーク」の使用が認められます。
第3回キッズデザイン大賞は「蒸気レスIHジャー炊飯器
」(三菱電機)が受賞。
そのほかプロダクトに限らず、建築、食品、演劇、教育プログラムなど
さまざまな作品が各賞を受賞しました。
記者発表会の審査評で、「どの作品にも発想の転換があり、
子どもの目線で考えたときにそれが実現できる」という、
赤松幹之氏(産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門長)の
言葉が印象に残りました。
キッズデザイン博2009では、
受賞作品の展示の他、キッズデザインをテーマにした
親子で楽しめるワークショップなどもあります。
この週末に親子で遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
日時:2009年8月6日(木)~9日(日)
    10:00~19:00 (土日は17:00まで)
場所:TEPIA(東京・青山)
主 催:キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO)
共 催:経済産業省、財団法人機械産業記念事業財団
後 援:内閣府、総務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省、
東京都、板橋区、財団法人日本産業デザイン振興会、日本赤十字社
協 賛:安藤建設、鹿島建設、CSKホールディングス、積水ハウス、東京ガス、
東京電力、トステム住宅研究所、凸版印刷、富士通、フレーベル館、
ミサワホーム、モノづくり推進会議
<お問い合わせは>
キッズデザイン協議会
事務局
TEL:03-3570-9535(平日10:00~17:00)
エレベーターの呼び出しボタン
こんにちは。夏休みを利用して海や山に旅行している人も多いはず。
今日は、黒部渓谷鉄道
・トロッコ電車の始発駅のある宇奈月温泉

で見つけたUDをご紹介します。
写真は宇奈月ニューオータニホテル
のエレベーターホール。
エレベーターの呼び出しボタン(乗り場押しボタン)が、
大人が押しやすい高さと少し低い位置の2ヵ所にあり、
子どもや車いすの人が押しやすいようになっていました。
通常、低い位置には、障害者が利用しやすいことを示す
国際シンボルマーク の通称「車いすマーク」が付いていますよね。
でも宇奈月ニューオータニホテルのボタンには、車いすマークの代りに
「このボタンを押したときはドアがゆっくりしまります」と書いてありました。
車いすマークのボタンと押すと、安全のためエレベーターの
ドアがゆっくり閉まるように設定されているのですね。
オフィスビルや駅のエレベーターも同様の設定になっていて、
車いすマークのボタンを押した人が「ドアが閉まるのが遅い」なんて
文句を言っている光景を見ることがあります。
車いすマークを表示しなくても必要な人はこのボタンを押すでしょうし、
押したことでドアの閉まるのが遅くなることをきちんと伝えています。
宇奈月ニューオータニホテルのホスピタリティの高さを感じました。
旅行者の多くがお金と時間に余裕のある年配の人だし、3世代、4世代の
家族旅行も増えていますから、施設やサービスのユニバーサルデザインが
ますます求められていくでしょう。
UD探偵団 ユッキー
ETCカードと「移動」のユニバーサルデザイン
探偵団の石井です。
土日限定の「高速道路、どこまでいっても1000円」のおかげで、
高速道路利用が増えているようですね。
遠出する場合、従来の価格と比較すると価格破壊的な値段なのですから、
車利用が増えるのも納得できます。
今年の盆休みは車で帰省さる方が増えるのかもしれません。
このお得なサービスを受けるには「ETCカード」が
必要なのはご存じの方も多いはず。
まだ普及段階のようですが、まだよくわからないという人のために、
どのような恩恵があるのか?
そしてどこがユニバーサルデザインらしいのかをご紹介します。
これが私が持っている「ETCカード」です。
持っている場合と持っていない場合で比較してみましょう。
●ETCカードなし
・料金所で料金を支払うために、車を完全に止める。
・財布からお金をとりだす。
・徴収係の方に料金を払う。料金によってはおつりをもらう。
・お金を財布か車の小物入れなどにしまう。
・ブレーキを解除し、車を発進させる。
 これがオートバイの場合は、車のように車内にモノがおけないので、
 ポケットの開け閉めなど意外と面倒なのです。
●ETCカードあり
・料金所にさしかかったら時速20km/h以下にスピードを落として通過。
 (ETCカードを事前に車内にセットしておくことだけは必要)
これだけです。
単に便利、スピードアップというメリットだけではないのです。
たとえば・・・
・手や指先を怪我しているとき
・老眼などで財布の中身が見づらいとき
・雨や強風で窓を開けたくないとき
・車の運転に支障のない範囲で障害がある人
・初心者マークの方で、支払いに慣れていない人
・高齢運転者マークの方で、支払い時のもたつきが気になる人
・おつりをもらう時など、車外にお金を落とすミスがなくなる
以上のように「料金を支払う」場面において、ハンディをもつ状態の時、
より多くの人に便利さと安全を提供しているのです。
なんといっても、システムがスマート。
いわば「移動・交通のユニバーサルデザイン」のひとつとして、
今後ますます普及していくものといえそうです。
ちなみに、ユニバーサルデザイン29号で「移動を支える」の特集 を掲載しています。













