しずおかユニバーサルデザイン10年の記録
ユニバーサルデザインを施策に取り入れている自治体が増えています。
それについてはユニバーサルデザイン30号 でご紹介していますので、
ぜひご覧ください。
ところで自治体の中でユニバーサルデザインを最初に取り入れたのは、どこかご存じですか?
答えは静岡県
です。
静岡県は1999年に全国で初めて、ユニバーサルデザインを県政の基本的な考え方として位置づけ、
県をあげてユニバーサルデザインを推進してきました。10年という節目を記念して発行されたのが
『しずおかユニバーサルデザイン10年の記録 1999.4~2009.3』。
10年にわたるユニバーサルデザインの主要施策や実践事例など静岡県の数々の取り組みが
紹介されています。
冊子自体もユニバーサルデザインに配慮されていて、日本語版にはSPコード (音声コード)が添付されています。SPコードは紙に掲載された印刷情報を約2c㎡のデータコードに変換したもの。
これを専用の読取機を使えば音声読み取りができます。
静岡県では、情報のユニバーサルデザインの一環として県の印刷物のSPコード添付に
取り組んでいるそうです。
『しずおかユニバーサルデザイン10年の記録 1999.4~2009.3』
右下がSPコード。専用の読取機を使えば音声読み取りができます。
ユニバーサルデザイン30号発刊しました!
編集部の仲田です。
お待たせしました。ユニバーサルデザイン30号を発行しました。
特集では「UD先進国ニッポン」と題し、日本独自の発展を続ける
「日本型ユニバーサルデザイン」について考察しました。
アメリカで提唱されたユニバーサルデザインが日本に入ってきておよそ10年、
ユニバーサルデザインを取り入れた施策を策定している自治体も増えています。
編集部では30号を記念してこれまでのユニバーサルデザインの流れを振り返るとともに、
47都道府県にユニバーサルデザインの施策についてのアンケートを実施しました。
3月から4月という年度の切り替わりの忙しい時期にもかかわらず、
たくさんの自治体化からご回答をいただきました。
ご協力ありがとうございました。
第2特集は、山形県。吉村美栄子山形県知事のインタビューをはじめ、
アカデミー賞を受賞した「おくりびと」の舞台、酒田市や新庄の100円商店街など
元気な山形を紹介しています。
また以前UD探偵団でご紹介した井上眼科クリニックの事例も掲載しています。
医療施設にも、利用者主体のユニバーサルデザインが求められていく中で、
日本を代表する眼科専門病院、井上眼科クリニックのUD導入事例は、
多くの方の参考になることと思います。
表紙はニッポンの底力をイメージしたご飯と梅干しです!
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ユニバーサルマップ
ガイドマップが置かれていることをご存知ですか?
今回は私たち(ユニバーサルデザイン・コンソーシアム)がお手伝いした、
「新宿テラスシティ ユニバーサルマップ」をご紹介します。
誰もが使いやすい街にしたいけれど、まちづくりの計画では、改修工事に
すぐ着手できないというのが現状です。
このマップは、そういった物理的に解消できない問題を示しながら、主動線
を明確に案内することで安全・便利に施設を利用してもらうことを目的につくられました。

「新宿テラスシティ ユニバーサルマップ」の主なポイント
○ 簡素な文章で、大きな文字を用いる。
○ わかりやすさと目に優しい色彩を意識したカラーデザインにする。
○ 階段や傾斜地などは写真でも表示し、クリアできるものか判断し易くする。
多くの人が見ただけで内容がわかるようにつくられたこのマップ、
新宿テラスシティに行ったときにはぜひ一度手にとって見てみてください。
他の施設マップと比較してみてもおもしろいかもしれないですね。
[ユニバーサルマップの主な設置場所]
新宿ミロード:2Fインフォメーション
小田急エース:南館パンフレットラック
小田急サザンタワー:2Fエントランス
など
※新宿テラスシティホームページからPDFをダウンロードすることも出来ます。
スタッフ:井村
誘導サイン
こんにちはスタッフの立石です。
今日は営業での外回り中に気づいた例をご紹介します。
外回りではどうしても電車の利用が多くなります。
初めて行く所やあまり使ったことのない駅だと、
乗り換えたり出口を探すときに迷うことが多々ありますよね。
特に地下鉄の場合は外の景色が見えないのでスムースに移動できないことがあります。
そんな利用者のストレスにうまく対応している場所がありました。
乗り換えたい路線や方面が歩行中自然に理解できるように床に色分けして誘導しています。
太いラインと大きい文字で誘導してくれるので、迷うことなく乗り換えられました。
今までこういう場所で方向に迷った時は反射的に目線を上にして誘導サインを探していました。
サインは見つかっても矢印の方向がよくわからなかったりその先でまた迷ったりしていましたが、
床に表示してくれたことで安心して歩くことができると感じました。
以前は無かった誘導サインですが、利用者の不便さに応えた改善策だと思いました。
今は携帯電話のナビサービスなどでも細かく誘導してくれますが、
やっぱり歩いているその場でパッとわかるのが一番いいと思います。
路線がたくさん交わっていたり出口が複数ある駅ではあると助かりますね。
くねくねバー
スタッフの荒川です。
先日たまたま訪れた地下鉄の駅の階段で見かけた手すりです。普通は階段に沿って下から上まで(あるいは上から下まで)一直線に伸びているはずの手すりがご覧のようにくねくねと…

最初見たときはアレッ?何これ?って思いましたが、すぐにピンと来ました。ははあ、これはUDだと。つまり、手すりのバーをくねくねと曲げることで手をかける部分が水平に保たれ、手をかけたときに無理な力が要らず、とても手をかけ易いのです。
実際に使ってみるとそれはすぐに分かります。手すりが一直線のバーだと手をかけた時に手首が斜めになってしまいますのでどうしても無理な力が入り、手首に負担をかけてしまいます。それがこのくねくねバーだと水平部分に手がかけられますので非常に楽です。
しかも見た目にも、一直線のバーだと非常に無機質で冷たい感じがしますが、このくねくねバーなら何となくオブジェチックで楽しげな感じがしませんか?

使い勝手がよく、見た目にも楽しいこのくねくねバーの手すり。ちょっとしたアイデアでユニバーサルデザインは実現できるんですね。
自動販売機のユニバーサルデザイン
はじめまして!
スタッフの赤根です。
当ブログでは、暮らしの中で見つけた身近なユニバーサルデザインを
いろいろと紹介していきたいと思っています。
そこで、UD探偵団の一員として街中でのユニバーサルデザインを探していたところ、
ショッピングセンターの中にあるドリンク自動販売機が、
「これはユニバーサルデザインだ
」と思ったので、紹介します。
よくある一般的な自動販売機は、最上段のボタンが高い位置にあるので、
子供や車いすの方などは、届かなくて押せないことがあると思われます。
それを改善するために、この自動販売機は、低い位置にも最上段と同じボタンを並べています。![]()
また、このボタンの下に手すりがあるのも、UDですね。
その他にも、ドリンクの取り出し口が自動扉になっているのもUD的で便利です。
*写真をクリックすると拡大できます。
さらに、購入者が使うコイン投入口、紙幣差し込み口、コイン返却レバー、おつりの出口が
「オレンジ色」で目立つようになっていて、ひと目でわかるように工夫されています。
自動販売機メーカーやドリンクメーカーなどの企業も、
このような機器をどんどん採用してもらうことで、
他社と差別化でき、売上アップに繋がると思われますし、
結果的にUDを広げていくことになると思います。
今後、このような自動販売機が、街中にたくさん設置されるといいですね。![]()
フラに見るユニバーサルデザイン
スタッフの石井です。
ついこの間まで、都内各地で「お花見」や「桜まつり」が行われていました。
私の地元の公園でも「桜まつり」が開催。
屋台やバザーのほか、特設ステージが設置され、
地域のサークルらしき女性たちによる「フラ(ダンス)」を見る機会がありました。
(あいにくカメラもータイも持たず、写真がないのが残念)
実は以前から
「フラはダンスのユニバーサルデザインだ!」
と、思ってました。
ご存じの方も多いと思いますが、あの独特のしなやかになびく、
ハンドモーション(手の動き)は、
「手話を兼ねた振りつけ」であり、「詩の表現」なのです。
フラの手の動きの一つひとつに意味があります。
数年前に大ヒットした映画「フラガール」でも、その解説シーンがありますが、
あの動きは、花、雨、太陽、大地、風、愛、あなた、わたし、美しい、与える
・・・等々を表現したもの。
つまり、聴覚に障がいをもつ人でも、その意味を事前にわかっていれば、
概ね、「詩」が理解できるということです。
元々は神々に敬意を表し、感謝の気持ちや恋心、怒りなどを
踊りに託すためのものらしいのですが、
別の視点から見ると、ユニバーサルデザイン的に感じ取れます。
それでいて美しい。見事な踊りであり、総合芸術といえます。
ちなみに弊社発行の「ユニバーサルデザイン」04号(1999年SUMMER)で
一度取り上げたことのあるロックバンド「シャンテ
」。
こちらは手話で「歌う」バンドです。
WEBで検索すると、ほかにもたくさんの手話バンドが存在しているんですね。
参考:CD「ハワイアーナ・ベスト」(Victor)のジャケット
(私、よく聴いています。昔のハワイアンとはひと味もふた味も違う現代的なハワイアンです)
(イラストはこちら のサイトよりいただきました)
学校での色のバリアフリー
こんにちは。スタッフの大塚です。
今、ほとんどの小学校では、健康診断での色覚検査の実施義務がなくなり、
小4で行っていた色覚検査を行わなくなったそうです。(私はけっこう驚きました。)
そのため文科省では、色のバリアフリーについてのリーフレットを配布し、
学校における色のバリアフリーの啓発に努めてきたそうです。
そのリーフレットに書かれている主なポイントをご紹介します。
●色覚異常という言葉は一切使わず、配色のせいで困る生徒がいることを伝える。
●チョークの色は白と黄色(黒板が深緑色なので)にし、大きくはっきりと書く。
●配布する色刷りの資料は、白黒のコピーで見分けづらい箇所がないか確認するとよい。
自分が生徒だったころは、チョークが何色もあるとうれしくて、いたずら描きに使っていたこともありました(笑)
でも、その「色」で困っている人もいるんですよね。
黒板に大事なことを赤などのチョークで書く先生もいましたが、
緑地に赤というのは見えずらい例です。そのリーフレットによって、
先生方の配色に対する意識が変わるといいなと思います。
ユニバーサルデザイン26号の記事が大学入試問題に
今日はちょっとうれしいニュースです。
ある国立大学法人の入試問題にユニバーサルデザインの記事が使われました。
小論文で「日本の食料の現状と今後の課題についてあなたの意見を述べなさい」
という出題があり、ユニバーサルデザイン26号
の記事が引用されています。
農林水産省の方にお話をうかがって編集部でまとめた記事です。
ユニバーサルデザイン26号では「食べることは、生きること」
というタイトルで特集をしました。
ちょうど食品偽装や日本の食料自給率の低さが社会問題になり、
食をユニバーサルデザインの視点から考えてみようとスタートした企画でした。
食育を推進されている料理研究家の
服部幸應さんや宗教学者の山折哲雄さんのインタビュー、
小学校の食農教育などもご紹介しています。
私たちの記事がこのような形でお役に立ち、とてもうれしいです。
これからも、みなさんに共感していただける内容にしていきたいと思います。
(仲田)










