たった一つの事 ~その6~
「『ファン・・ フォテ・・・ フォリア』
あたしの病気、もう治らないんだって」
切れ切れで、苦しそうな息をしながら彼女はそう言って・・・
「お医者さんとお兄ちゃんが話してるのを聞いちゃったの」
そんな話しをするとさ
「人はねぇ、死んだら神様のところに行って 『お前は生きてる時にどんな事をしてきたか?』 って聞かれるんだって。」
彼女は、苦しそうな顔にうっすらと困ったような笑顔を浮かべると、自分の事をこう言うんだ。
「困るよねぇ、アタシは本を読んでただけで 『いい事』 も 『悪い事』 もしてないんだもん」 ってね。
そして 『亜矢』 ちゃんはこう言うんだ。
~続く~
あたしの病気、もう治らないんだって」
切れ切れで、苦しそうな息をしながら彼女はそう言って・・・
「お医者さんとお兄ちゃんが話してるのを聞いちゃったの」
そんな話しをするとさ
「人はねぇ、死んだら神様のところに行って 『お前は生きてる時にどんな事をしてきたか?』 って聞かれるんだって。」
彼女は、苦しそうな顔にうっすらと困ったような笑顔を浮かべると、自分の事をこう言うんだ。
「困るよねぇ、アタシは本を読んでただけで 『いい事』 も 『悪い事』 もしてないんだもん」 ってね。
そして 『亜矢』 ちゃんはこう言うんだ。
~続く~
たった一つの事 ~その5~
逃げていった主人公を見て、ますます逆上した刑事さんは辺りにいる同僚や部下に片っ端から連絡して
「俺の妹が、極悪の変態誘拐犯にさらわれたからソイツを取っ捕まえてくれ」 なんて言って!
主人公は 『亜矢』 ちゃんを抱えながら必死に逃げるんだけどね、なんとか追跡をかわして主人公が彼女の様子を見ると、
なぜかグッタリしていてとても顔色が悪かったんだ。
で、主人公が心配して声をかけると気がついた 『亜矢』 ちゃんは、自分が入院していた理由と 「なぜメリーゴーランドを見たい」 と言っていたのか、その理由を話し始めたんだ。
~続く~
「俺の妹が、極悪の変態誘拐犯にさらわれたからソイツを取っ捕まえてくれ」 なんて言って!
主人公は 『亜矢』 ちゃんを抱えながら必死に逃げるんだけどね、なんとか追跡をかわして主人公が彼女の様子を見ると、
なぜかグッタリしていてとても顔色が悪かったんだ。
で、主人公が心配して声をかけると気がついた 『亜矢』 ちゃんは、自分が入院していた理由と 「なぜメリーゴーランドを見たい」 と言っていたのか、その理由を話し始めたんだ。
~続く~
たった一つの事 ~その4~
で 『亜矢』 ちゃんが主人公と出会って遊園地を目指し始めた頃、ある病院で血相を変えて大暴れしている男がいたんだ。
それで、困った看護婦さんが 「警察よ!警察を呼んで!」 と言うんだけどさ、その暴れてる男は看護婦さんの方を向くとこう言うんだ
「俺がケーサツだ」 って、しかも懐から警察手帳も出してね。
で、どうやらこの刑事さんは 『亜矢』 ちゃんのお兄さんらしいんだけど、妹が病院を抜け出した事に関して暴れていたようなんだけどね。
ひとしきり暴れると、妹の事を心配して半狂乱になって外へ飛び出していくんだ。
そしてちょうど、見ず知らずの主人公と一緒に歩いている妹を見た刑事さんはさらに逆上して、話しも聞かずに主人公を誘拐犯と決めつけちゃうんだけどさ、主人公は 『亜矢』 ちゃんを抱えると
「少しだけ時間をくれ」 って言って逃げちゃうんだ。
~続く~
それで、困った看護婦さんが 「警察よ!警察を呼んで!」 と言うんだけどさ、その暴れてる男は看護婦さんの方を向くとこう言うんだ
「俺がケーサツだ」 って、しかも懐から警察手帳も出してね。
で、どうやらこの刑事さんは 『亜矢』 ちゃんのお兄さんらしいんだけど、妹が病院を抜け出した事に関して暴れていたようなんだけどね。
ひとしきり暴れると、妹の事を心配して半狂乱になって外へ飛び出していくんだ。
そしてちょうど、見ず知らずの主人公と一緒に歩いている妹を見た刑事さんはさらに逆上して、話しも聞かずに主人公を誘拐犯と決めつけちゃうんだけどさ、主人公は 『亜矢』 ちゃんを抱えると
「少しだけ時間をくれ」 って言って逃げちゃうんだ。
~続く~
たった一つの事 ~その3~
店長に殴られた主人公は、それでもケロッとした顔で出て来てさ、殴られたのを見て心配して駆け寄る 『亜矢』 ちゃんに 「別に思ってたほど大した事はなかった」 って答えてさ。
一方で、店内では殴ったハズの拳がめちゃくちゃになって半泣きになってる店長と、店長のために救急車を呼んでいる店員さんの姿があったよ。
で 『亜矢』 ちゃんは主人公の強さに驚いて 「すごく強いね」 って言ったけど、彼は急に不機嫌になってさ
「どんなに強くなっても彼女一人引き止められないんだぜ」 って言ってさ。
どうやら彼、合賀平吉って名前らしいんだけど・・・ 空手で高校生日本一になったほどの実力者らしいんだけどさ、
そうやって空手に一生懸命うちこんでいるウチに付き合っていた彼女が離れていったらしくて・・・
別れ際に 「空手、空手ってあなたはいつもそればっかりじゃない!
カラッぽでつまんない」 って言われたってさ。
それがショックで空手もやめたらしいんだけどね。
そんな事が起きてるかたわら、また別の場所ではこの二人に関して別の一悶着が起こっていたんだ。
~続く~
一方で、店内では殴ったハズの拳がめちゃくちゃになって半泣きになってる店長と、店長のために救急車を呼んでいる店員さんの姿があったよ。
で 『亜矢』 ちゃんは主人公の強さに驚いて 「すごく強いね」 って言ったけど、彼は急に不機嫌になってさ
「どんなに強くなっても彼女一人引き止められないんだぜ」 って言ってさ。
どうやら彼、合賀平吉って名前らしいんだけど・・・ 空手で高校生日本一になったほどの実力者らしいんだけどさ、
そうやって空手に一生懸命うちこんでいるウチに付き合っていた彼女が離れていったらしくて・・・
別れ際に 「空手、空手ってあなたはいつもそればっかりじゃない!
カラッぽでつまんない」 って言われたってさ。
それがショックで空手もやめたらしいんだけどね。
そんな事が起きてるかたわら、また別の場所ではこの二人に関して別の一悶着が起こっていたんだ。
~続く~
たった一つの事 ~その2~
「もしかして、俺がメリーゴーランドに連れていってくれるなんて思ったりしてないよな?」 そんな高校生の質問に、女の子は言葉で答えるかわりに
その不安げな瞳に涙を溢れさせながら俯いてしまったんだ・・・
もうね、それを見てその高校生はものすごくゲンナリしたんだけど
「こんな小さな女の子を放り出したら寝覚めが悪いだろうなぁ」 って、呟くと腹をくくってメリーゴーランドまで連れていく事を約束してくれるんだ。
そうして街を歩いていると、その女の子 『亜矢』 ちゃんがどこかのお店のショーウインドーを覗き込んでいて、主人公がその先を見ると彼女くらいの女の子用の子供服が売られていてさ、
入院服のまんまじゃあ可哀相だと思った主人公は、彼女にその服をプレゼントしてあげようと思ったんだ。
ただ、彼はまとまったお金を持ってなかったから店員さんに 「今、お金を持っていないんで後から払いに来るって事でお願い出来ませんか?」 そう言うと・・・
奥から店長さんが出て来て 「そんな事を言ったら殴られるよキミ」 と言ったんだけど、
主人公は 「殴られて済むんならいくらでも殴られますけど」 なんて言っちゃってさ、
店長さんは大声で笑うと
「じゃあ私のパンチを受けて立っていられたら代金はチャラにしてやろう」 と言って主人公を殴るんだ。
~続く~
その不安げな瞳に涙を溢れさせながら俯いてしまったんだ・・・
もうね、それを見てその高校生はものすごくゲンナリしたんだけど
「こんな小さな女の子を放り出したら寝覚めが悪いだろうなぁ」 って、呟くと腹をくくってメリーゴーランドまで連れていく事を約束してくれるんだ。
そうして街を歩いていると、その女の子 『亜矢』 ちゃんがどこかのお店のショーウインドーを覗き込んでいて、主人公がその先を見ると彼女くらいの女の子用の子供服が売られていてさ、
入院服のまんまじゃあ可哀相だと思った主人公は、彼女にその服をプレゼントしてあげようと思ったんだ。
ただ、彼はまとまったお金を持ってなかったから店員さんに 「今、お金を持っていないんで後から払いに来るって事でお願い出来ませんか?」 そう言うと・・・
奥から店長さんが出て来て 「そんな事を言ったら殴られるよキミ」 と言ったんだけど、
主人公は 「殴られて済むんならいくらでも殴られますけど」 なんて言っちゃってさ、
店長さんは大声で笑うと
「じゃあ私のパンチを受けて立っていられたら代金はチャラにしてやろう」 と言って主人公を殴るんだ。
~続く~