呼び水
友人が薦めてくれた店へ彼と行く。
その友人とは、気も合うが、味覚も合う。
味覚が共通するのは、私にとって、とても大切な事の一つだ。
どんなにユーモアがあっても、寛大な人柄であっても、味覚が合わない人とは、結局仲良くなれない。
『当たりだ』
彼と食事をしながら、友人に感謝する。
美味しい食事は、その後の私達を楽しませる呼び水となる。
お腹が満たされたら、次は体。
なんてケダモノ。
でも、二人きりになれば、私達は只の動物になるのだ。
そこに存在するのは『相手が欲しい』ただ、それだけ。
言葉の代わりに溜め息。
時に叫び声。
そうして、私達は互いの体に集中する。
すると、空気は密度を増して行き、私の目を曇らせる。
ぼやけた筈の視界の中で、彼の体はくっきりと輪郭を持ち、私に影を落としていく。
その友人とは、気も合うが、味覚も合う。
味覚が共通するのは、私にとって、とても大切な事の一つだ。
どんなにユーモアがあっても、寛大な人柄であっても、味覚が合わない人とは、結局仲良くなれない。
『当たりだ』
彼と食事をしながら、友人に感謝する。
美味しい食事は、その後の私達を楽しませる呼び水となる。
お腹が満たされたら、次は体。
なんてケダモノ。
でも、二人きりになれば、私達は只の動物になるのだ。
そこに存在するのは『相手が欲しい』ただ、それだけ。
言葉の代わりに溜め息。
時に叫び声。
そうして、私達は互いの体に集中する。
すると、空気は密度を増して行き、私の目を曇らせる。
ぼやけた筈の視界の中で、彼の体はくっきりと輪郭を持ち、私に影を落としていく。
薬指
『あぁ。もうだめかも』
その波が私に押し寄せた時、私は彼の手を求め右手を伸ばす。
すると、分かっていたかのように、彼が私の手をしっかりと握った。
『あっ…』
絶頂を迎えると同時に、私の指に何かが当たる。
彼の結婚指輪だ。
『不倫』という二文字が、改めて私の体を貫いた。
その波が私に押し寄せた時、私は彼の手を求め右手を伸ばす。
すると、分かっていたかのように、彼が私の手をしっかりと握った。
『あっ…』
絶頂を迎えると同時に、私の指に何かが当たる。
彼の結婚指輪だ。
『不倫』という二文字が、改めて私の体を貫いた。
蛍族
彼からの電話
もう、深夜に近い。
今日もまた、仕事帰りで、最寄り駅からチャリ引きながら…なのかしら?
電話口に出てみると、聞こえてくるのは、思いの外彼の静かな声だけだ。
聞こえてくるであろう、車の騒音などもない。
『もしや、既に自宅?』
疑問に思い、問いかけると 肯定の返事。
『大丈夫なの?』
思わず、言うと
『ベランダで煙草吸ってるから』
喫煙者である彼が、唯一煙を吐き出せる場所。
それにしたって…。
いくら家族が寝静まった後とはいえ、自宅から浮気相手に電話とは。
蛍族だからこその、苦肉の策なのか 。
それとも、彼の性格の問題?
もう、深夜に近い。
今日もまた、仕事帰りで、最寄り駅からチャリ引きながら…なのかしら?
電話口に出てみると、聞こえてくるのは、思いの外彼の静かな声だけだ。
聞こえてくるであろう、車の騒音などもない。
『もしや、既に自宅?』
疑問に思い、問いかけると 肯定の返事。
『大丈夫なの?』
思わず、言うと
『ベランダで煙草吸ってるから』
喫煙者である彼が、唯一煙を吐き出せる場所。
それにしたって…。
いくら家族が寝静まった後とはいえ、自宅から浮気相手に電話とは。
蛍族だからこその、苦肉の策なのか 。
それとも、彼の性格の問題?