蛍族 | この先の行く末~お客が男になった時~

蛍族

彼からの電話



もう、深夜に近い。



今日もまた、仕事帰りで、最寄り駅からチャリ引きながら…なのかしら?



電話口に出てみると、聞こえてくるのは、思いの外彼の静かな声だけだ。



聞こえてくるであろう、車の騒音などもない。



『もしや、既に自宅?』


疑問に思い、問いかけると 肯定の返事。



『大丈夫なの?』



思わず、言うと



『ベランダで煙草吸ってるから』



喫煙者である彼が、唯一煙を吐き出せる場所。



それにしたって…。



いくら家族が寝静まった後とはいえ、自宅から浮気相手に電話とは。




蛍族だからこその、苦肉の策なのか。



それとも、彼の性格の問題?