2022年8月。ミラーレス一眼による木星および土星,火星の撮影
昨年2021年12月に打ち上げられたNASAの新望遠鏡,ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた木星の写真がつい先日公開され大きな話題になっています。出典: NASA, James Webb Space Telescope北極と南極ではオーロラが青い光を放ち,木星の緻密な縞模様と衛星および木星をとりまく輪がはっきりと写り込んでいるのが分かりますね。近赤外光を使って撮影しているので,図鑑などで見るオレンジを帯びた木星の姿とは少し色合いが異なりますが,本格始動したばかりのウェッブ望遠鏡の大きな可能性を感じる1枚であることは間違いなさそうです。木星の撮影さて,そんな木星ですが,日本からはここ最近夜8時ごろに東の空から上りはじめ,真夜中には南の空に明るく輝く姿を観察できます。2022年8月28日(日)。この日は夜も雲ひとつない快晴だったので,久しぶりに木星をミラーレスカメラで観測してみました。■■■この日の夜中に最も明るく光っていた星が木星。まずは木星の縞模様が写るように少し露出を短めにして撮影。撮影日時:2022/08/28 22:45焦点距離:600mm(35mm換算)F値:13 / シャッター速度:1/60sec / ISO感度:64縞模様がうっすらと見えます。確認のためもう1枚。やはり縞模様が確認できますね。ノイズなどではなく,木星の木目が写真に記録されているのが分かりました。一方,露出を長めに設定すると今度はガリレオ衛星が見えてきます。焦点距離:600mm(35mm換算)F値:9/ シャッター速度:1/4sec / ISO感度:500この日は4つのガリレオ衛星のうち3つが見えました。左から,ガニメデ,カリスト,(木星),エウロパという木星の衛星です(イオという衛星は木星と重なって見えず)。1兆円以上もかかったウェッブ望遠鏡とは比較にならない低い解像度ではありますが,数万円の望遠レンズでも木星表面の模様や木星の月を観察できるのは驚きであり,いつ見ても感動を覚えるのでした。土星と火星の撮影木星以外にもこの日は土星と火星も夜空で輝きます。まずは土星。撮影日時:2022/08/28 21:35焦点距離:600mm(35mm換算)F値:10 / シャッター速度:1/40sec / ISO感度:200相変わらず輪を持つ堂々とした姿は気品すら感じます。そして火星。こちらは朝方に南の空に上がってきた姿を撮影。撮影日時:2022/08/29 04:05焦点距離:600mm(35mm換算)F値:9/ シャッター速度:1/4sec / ISO感度:500サイズも小さく,木星や土星のような目立った特徴のない惑星ではありますが,今年12月1日には2年2ヶ月ぶりに地球に最接近するので,徐々に大きくなって観察しやすくなることが期待されます。最後に久しぶりに惑星の撮影を行いましたが,焦点距離600mmの望遠レンズでも実際には写真に点にしか写らず,画像をトリミングしてようやくその姿がぼんやりと拝めるようになるといった感じです。家には錆びついた古い天体望遠鏡もあるので,惑星の詳細が知りたいときはこちらを出してきて観察しています(望遠鏡とカメラを接続しようと思っても結局よく分からず仕舞いでした)。惑星をカメラでキレイに写すのはなかなか難しいですが,それでも十分すぎるくらい宇宙の神秘を映し出してくれるので個人的には満足しているのです。撮影機材カメラ:OM-D E-M5 MARK IIIレンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II