オリオンと牡牛と火星
11月に入りました。
さすがに夜は寒くなり秋も深まってきたことが感じられます。
一方で昼間は暖かい日もあり,毎年11月はこんなに暖かかっただろうかと思わされることもあります。
地球上の街の気温は気圧配置などによって暖かくなったり寒くなったりと同じ時期でも年によってまちまちですが,地球から見る天体の動きは恐ろしいくらい規則的なリズムを刻んでおり,今年もオリオン座が例年と同じタイミングで東の空から上ってきているのでした。
夜中の23時。
東の空の地平線から上るオリオン座を撮影してみました。
郊外に出向いて町明かりの少ないポイントでの撮影です。
キレイに並んだ三ツ星がオリオンのチャームポイント。
薄く雲が広がっているのはご愛嬌。
オリオンが追いかけるのは先に空に上ったおうし座。
ここ最近は牡牛の2本の角の間を火星が動いています。
ちなみにこの火星,11月に入って「逆行」という不規則な運動を始めました。
この不規則な動きが「惑星」と呼ばれる所以ですね。
地球が火星に接近している証拠でもあります。
12月1日には火星が2年2ヶ月ぶりに接近して最も明るく見えるようになります。
火星の逆行運動は2023年の1月上旬まで続き,それ以降は再び星座の間を西から東へと順行するようです。
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さて,冬を代表する星座,オリオン座に話を戻します。
こちらは以前に大阪都心部から撮影した写真。
ベルト部分に当たる三ツ星の下に,縦方向に3つの星が並んでいるように見えます。
「小三ツ星」と呼ばれています。
その正体は有名な「オリオン大星雲(M42)」。
拡大撮影。
中央の星がなんだかぼんやりと滲んでいますね。
私の写真では星雲感はありませんが,天体写真が上手な方がキレイな写真をウェブ上にアップしてたりしますので,ご興味ある方はそちらを参考にしてください。
このオリオン大星雲は星が新しく生まれようとしている現場なのです。
ベテルギウスにリゲルに三ツ星に大星雲。
多くの明るい星を抱えるオリオン座は冬の夜空を彩る星座界のスターであるのは間違いないでしょう。
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ということでいよいよ冬の足音が近づいてきました。
年末に向けて忙しい日々が続きます。
最後に
オリオン座も東の空に上りいよいよ2022年も終わりが見えてきました。
残る天体イベントとしては今月8日の皆既月食(+天王星食)と,12月の火星接近でしょうか。
皆既月食は19時過ぎから。
【出典】国立天文台より
果たして晴れてくれるんでしょうか。
2022年天体ショーのクライマックスです。