アポロ計画からおよそ半世紀,アメリカは再び人類月面着陸計画「アルテミス計画」を完遂するべく,2022年9月後半に,計画の最初のミッションとなるアルテミス1号を打ち上げる予定です(元々は8月29日に打ち上げ予定もエンジン不具合から延期,その後9月4日の打ち上げも燃料漏れが見つかり延期となっています)。
このアルテミス1号は無人の試験飛行という位置付けで,月周回軌道へ到達して月を周った後に地球に帰還するという42日間の短い宇宙旅行の安全性検証を目的とします。
加えて,日本の小型月探査機「OMOTENASHI」など欧州やカナダ,オーストラリア等の複数プロジェクトが相乗りしており,国際的な協力の下進められる月探査プロジェクトでもあります。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡にしても今回のアルテミス計画にしても,アメリカの宇宙開発における構想力と実行力には舌を巻きますね。
NASAはアルテミス1号を発射させた後にも,アルテミス2号・アルテミス3号を打ち上げ,早ければ2025年には人類の月面着陸を予定しているとのこと。
映像技術が進化した今,月表面からの景色が全世界に届けられるでしょうから今からワクワクしているのです。
そしてこのアルテミス計画のことを知った上でお月さまを観察すると,お月見も一層楽しくなるかもしれません。
昨日2022年9月10日は中秋の名月が輝きました。
「中秋の名月」とは旧暦8月15日の夜に見える月のことで必ずしも満月になるワケではないのですが,昔から一年の中で最も月が美しく見える日だと言われています。
今年の中秋の名月は満月と重なり,その美しい姿を無事に観察することができました。
夕方ごろに急に雲が多くなって,先行き不安な空模様が広がりました。
しかし,夕方になって雲は残っていたものの,雲の切れ間も見えて,キレイな月を観察できる希望が湧いてきます。
そして夜が進むにつれ雲は少なくなっていきました。
月の隣には明るく光る木星。
本日9月11日の夜には木星と十六夜月が接近する姿が見えることでしょう。
真夜中12時近く。
雲も晴れてまん丸お月様が南の空に南中する直前の姿をとらえました。
カメラ:OM-D E-M5 MARK III
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
撮影日時:2022/09/10 23:20
焦点距離:600mm(35mm換算)
F値:8.0 / シャッター速度:1/1000sec / ISO感度:400
とてもキレイです。
アルテミス計画では,写真のちょうど下側の月の南極付近に人類が着陸する予定となっているようです。
ちなみにこれまで月に降り立った人類は12人いるんですって。
思っていた以上に多かった。
アルテミス1号の打ち上げが予定通りうまくいっていたら,今頃は宇宙飛行船が月を周回しているので,それに思いを馳せながらのお月見になっていたことでしょう。
次こそはトラブルなくロケット打ち上げができることを願っています。
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ということで,昨年に引き続き空模様には翻弄されながらもお月見ができたので満足しています。
少しずつ夜風も涼しくなって,初秋を感じながらの月見というのもなかなか風流なものですね。
気がつくともう秋も初めです。
これからはだんだん涼しく,そして寒くなってくることでしょう。
まだ暑い日も続き午後の空には夏の雲が浮かんでいますが,そろそろ見納めといったところでしょうか。
そして残すは11月という秋も終わりの寒い日に見られるであろう皆既月食が,月が魅せる今年の天体ショーのクライマックスです。
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