婚姻費や養育費(子の監護に要する費用)の盲点 | 子の連れ去り被害に遭わないために。親子断絶防止(共同養育)するために。

子の連れ去り被害に遭わないために。親子断絶防止(共同養育)するために。

有責配偶者による子どもの連れ去りを防止。また親子断絶にならないように法律を学び、より良い世の中に変えていく。共同親権、共同監護、共同養育を大切に。子にとって親という存在は一番の宝物。ツイッター(@hanabizone)でも情報発信中。

【概要】

民法第752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」とされていることから夫婦の同居・協力・扶助義務が生じているため、基本的に「基礎収入」と「子の同居人数」を勘案して婚姻費用を按分することになっている。離婚後においては、民法第877条1条「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」、同法2条「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」によって、同じく養育費を分担することになる。ただこの費用の在り方をめぐっては、裁判所の判断が如何に精密性を欠くかということを説明する。

 

(目次)

1.生活費の扶助は義務

2.算定表

3.潜在的稼働能力

4.婚姻関係破綻状態

5.親の扶養による考慮

6.相互扶助の矛盾

7.虚偽証拠

8.未成年の扱い

9.親子交流(面会交流)

10.相手方収入の類推

11.証拠書面の葛藤

12.裁判所の誘導

 

【本文】

1.生活費の扶助は義務

民法第752条及び第877条によって、扶助は義務化されている。しかし同居・協力については特に義務とはみなされないため、法の上では執行力がないとされる。同居義務違反による慰謝料が生じる場合もあるが、必ずしも夫婦関係の破綻が同居中から起きているとすれば、認められることはないとするケースもあるため、裁判所の裁量で決まることが多い。協力についても双方の育児における協力関係を求めても裁判所自体が軽視しているため、表記されているほどの効力を持たないのが現状である。しかし生活費としての扶助は、別居に至る理由が経緯があるにもかかわらず、杓子定規で決められることが多い。婚姻費用を請求するとなれば、その請求者に有責性の有無があるかどうかで扶助の金額が変わる程度であり、反対にいえば別居に至る相応の理由があるとき、有責性の証明をしなければならないため、高葛藤になってしまうことがある。また単独親権を得ようとして先に連れ去って別居するということであれば、子が社会人になるまでの生活費のみを双方の親が分担しながらも、親子断絶については触れないというような司法運用となっている。まさに司法運用の欠陥である。例えば新しい交際相手ができたから別居したというケースであったとしても、子どもと会えなくとも別居親は生活費を支援しつづけなければならないというようなケースもある。このような司法運用になっているからこそ、これからを担う若い人達にとっては、“結婚というのは辛い”というような印象をもつのではないだろうか。これでは生涯未婚率も高くなることだろうし、少子高齢化によって生じる税務負担も大きくなる。このままだど、幸せになっていくような仕組みにはならないと日々感じる。

 

2.算定表

婚姻費用分担や養育費の分担を巡っては、2019年12月23日に大幅値上げしたという算定表が用いられている。これは、裁判所が簡潔に決めるということで割り出した早見表の役割がある。簡単に言うと源泉徴収票に書かれた金額でパッと決めようということである。ここには大きな不備があり、東京と大阪の裁判所が定めた独自ルールであって法的根拠がないし、また基準を定めるにあたって算出した根拠すらもオープンになっていない。それぞれの家庭事情があって生活の負担割合が異なるのに、杓子定規で決める形をとっている。居住地(都会 or 田舎...)、居住環境(賃貸 or 持ち家 or 実家...)、財産状況(貯金、車などの保有)、医療費、弁護士費用、面会交流費用(親子交流費用)、児童手当などについてほぼ考慮することがない。また判断要素は基礎収入といいつつ、標準報酬(基本給)だけではなく残業手当を含んでおり、これでは個人成果は得られにくいため、働き損ともいえる状態になりうる。これまで家庭裁判所は、個別の状況に応じて計算するという方式をとっていた。しかしこれだとスピーディにならないということで算定表の導入に至っている。これには矛盾がある。●日本の司法統計をきちんと読むでもお示ししたように、平均審理期間(裁判所が判断するまでの期間)は寧ろ長くなっているのである。これには主に四つ理由がある。①審理期間を長くしたほうが弁護士の報酬が上がるという傾向にあることから、敢えて証拠となる資料を出すことを遅らせる心理が働いてしまう。それだけではなく②源泉徴収票の発行を待つとなれば、秋頃に審判をしていると直近3ヶ月間の給与証明書ではなく源泉徴収票で見ようして遅らせる裁判官の心理も働いてしまう。また当事者双方が、③算定表内の増減幅(±1万)という交渉が続くことで話し合いが長くなってしまう。これにとどまらず、単に働かないということであれば④潜在的稼働能力(もともと稼ぐ力)があるはずだ年収を裁判所が類推することがあり、実際の収入がなくとも多く払わなければならないというような強制義務が課せられることがある。以上のとおり、ざっくり勘定が成り立っている現状においては適正な審理になりにくいことから、支払義務者となったほうの労働意欲が低下し、結果的に社会の生産性を下げていると思う。また働かなくとも貰えるとなれば、権利者の労働意欲も低下する。これは大きな司法の欠陥ではないか。●児童手当による行政運用の盲点でも説明したとおり、本来の公費の意図になっていれば、相互扶助という点で盛んになる可能性を秘めていると思われるが、早急に検討する余地があるといえよう。

 

3.潜在的稼働能力

生活保護費を受けている場合には、令和4年2月4日の東京高裁による判決を見る限り、病歴、障害等級、就労実績、医師の見解によっては潜在的稼働能力には認められないとする事例もある。一方で、平成28年1月19日の東京高裁は、就労が制限される客観的や合理的事情がないのに単に労働意欲を欠いているという判断がなされた場合もある。よって客観的という判断からすると第三者からの就業制約あるいは就業不能という見方があり、証拠となりうるものがあることが必要であるといえる。そうなると客観的証拠のために深い親子断絶を受けているのであれば、休職や退職をもって療養せざるえなくなる。これには潜在的稼働能力について義務者および権利者の双方に当てはまるとも考えることができるから、社会の生産性としては後退していく。今後の判例にも踏まえながら評価されるべき事情となるだろう。またこれだけではなく、算定表から同居親が実家に住んでいるときに、勤務経験がそれなりにあって、子どもが3歳以上であれば、潜在的稼働能力として年収120万円程度とみなされる。このルールが知られておらず、前置調停で相場感の駆け引きに使われてしまう。明示的に算出方法が示されるべきである。

 

4.婚姻関係破綻状態

婚姻費用は、夫婦相互に扶助するという概念から義務となっている。しかし、有責性や別居期間が長ければ破綻性の観点から離婚が司法として認められる。一方で、婚姻関係の破綻があるという状況にかかわらず、婚姻費用を負担しなけらばならない不公正な義務が生じる。有責性があとで認められても既に支払った分は減額もされない。これは司法の平等性においては、制度欠陥があるといえるのではないだろうか。

 

5.親の扶養による考慮

算定表を決めるうえで扶養状態が考慮されるが、定年退職後となった実の親の税扶養にいれることによって、扶養人数が実質的に変わることから、この部分について司法で考慮される。これは弁護士を通すと大抵は教えてもらえない。どちらが得かどうかは税理士のほうが詳しいときがある。

 

6.相互扶助の矛盾

離婚調停と婚姻費用分担調停を同時に出すケースが非常に多い。離婚の意思があるならば、配偶者の相互扶助は不要とする前提である。しかし婚姻費用分担調停は、相互扶助を求める継続性がある。したがって、本来であれば同時に提出されたたきには相互扶助を放棄する意思があるとし、算定表で計算するとなれば、子の監護に要する費用(養育費)のみが争点でなければならない。

 

7.虚偽証拠

証拠が真実か虚偽なのか、調停書面では求められない。弁護士がついていたとしても、虚偽主張をすることがある。真実が分かったところで、単に誤記だったと言い訳するにすぎない。課税証明書で確認できるのだから、裁判所が直接、双方の収入を調査し按分すべきである。また算定表方式を選択したときには、一年毎に自動的に金額を見直して過不足、過払いを無くすべきである。そうでなければ、いちいち申立事件としてやり取りしなければならない。これは家裁運用の欠陥である。

 

▼実務上の課題

別居の理由は明確ではないのに、扶助の権利が濫用には当たらないとしている。そうすると同居義務があるにもかからず、信義則に反して連れ去り別居を支えるための金銭支援をしなければいけない。ならば、片方が単身で家出しても扶助する義務はあるのだろうか。

 

引用元

 

8.未成年の扱い

18歳で成人という扱いとなり、親権の役目を終えることになるが、生活費に関しては実態がどうであろうと、大学生などであれば、20歳(または大学卒業時)までは慣例として社会的な経済的な自立をしていないとして、相互扶助が認められる。自立のために奨学金などを使って進学することもできるはずであるが、そこは考慮されていない。裏を返すと、子どもが奨学金を借りていたとしても事実関係を知らず、生活費を按分されてしまう可能性がある。

 

9.親子交流(面会交流)

子の監護に要する費用(養育費)や婚姻費用の支払いと、親子交流は別次元で取り扱われるはずだが、実態としては子育てに関わる費用が全く扶助することがなければ、親子交流するまでの気持ちまで起きず、結果として親子交流の頻度が低下する。親子交流の根本的な意義を解釈されず、支払いがなければ子を会わせないというようなストーリーを作る弁護士も少なからず存在する。暫定的な費用としても、義務者は権利者に幾分か、支払っていたほうがよい。

 

10.相手方収入の類推

厚生労働省では、賃金構造基本統計調査という指標がある。源泉徴収票や給与証明書がないと計算できないので、相手方が提出を拒み続けた場合においては、賃金センサスによる計算でもよい。

 

11.証拠書面の葛藤

裁判所は、審判や訴訟であっても、婚姻費用や養育費(子の監護の要する費用)の証拠能力は、執拗な非開示部分があってもあまり指摘しない。離婚弁護士が、これに気づき葛藤させるような書面を提出する。自ら受任報酬のため、少しでも相手を苛立ちを引き起こして離婚させたいから。裁判所が税務署と連携して欲しいと思う。そうすればもともと証拠能力で争うこともないのである。

引用元

 

▼実務上の課題2

婚姻費用分担は、同居中でも可能である。配偶者が金銭的ハラスメントをするということであれば、扶助義務として申立はできるのである。ただし、過去に遡ることができないし、別居前に散財したり財産を移動させても、何ら生活費扶助のための調整機能は無い。相互扶助の調整能力には欠ける。

 

▼弁護士の解説(外部サイト)

まず基本的な生活が破綻するケースを以下に述べる。以下の場合だと算定表により、婚姻費用が14万かかる。これまでの住宅ローンなどを含めるとと、1.2万円の赤字である。これから食費などの費用がある。よって貯金の切り崩しとなる。

 

 [動画解説]

 

▼昔の話

引用元

 

▼生活費の扶助義務

配偶者が不倫して子どもを連れて別居しても、真面目に育児や働いた方が強い有責性を証明できない限り、生活扶助として支払う義務がある。虚偽DVで親子関係も断絶させられ、希死念慮が高まる。法の欠陥である。

 

 

▼まさに同居親ビジネス?

養育費(子の監護に要する費用)は、子のための費用なのに最大35%も成功報酬でこちらの弁護士に搾取されます。

 

 

 

 

引用元

 

 

 

●当事者の方へ

webから無料で書面を作れる弁護士事務所のサイトがあるのでオススメします。

引用元

 

12.裁判所の誘導

生活の相互扶助を目的として、実際に必要な金銭面を話し合うことが本来の目的である。そのため、司法統計が勝手に算出した「算定表」というのは、明確な根拠やエビデンスが開示されていない。それにも関わらず、標準的であるという文言を使っているため、混乱を招いている。そのような課題がありつつも、調停の段階から算定表を使う計算をするように促すパンフレットが、待合室に設置されている。そもそも相互扶助というのは、監護をするという意義であるため、子どものための生活や進路を話し合って生活費を決めていくのが望ましい。
 

●受領証書の発行:婚姻費や養育費(子の監護に要する費用)

 

●親子断絶防止するための立法(司法)

 

●共同親権が必要な理由をデータで見る

 

●chatGPTによる分かりやすい解説

 

●共同養育計画を大切にしよう

 

●別居監護であることの正当性

 

●生活困窮の解消や利権解消などに向けて

 

●「法務省法制審議会」の法案

 

●ブログのTOPページへ戻る

 

●免責事項