河名木 ひろし
「ラグーナ―もうひとつのヴェネツィア (Bee books)
」
「アックア・アルタ―ヴェネツィア高潮 (Bee Books)
」
Bee Books
花粉症で疲れた目に優しい写真集。笑 ほんと、コンタクトが入んなくて、困っちゃいます。
と、それは置いておいて、本の話にもどります。「ラグーナ/LAGUNA」は副題に「もうひとつのヴェネツィア」とあるのだけれど、ヴェネツィアではなく、その周辺のラグーナの佇まいを写したもの。
先日読んだ、塩野七生さんの「漁夫マルコの見た夢 」のマルコが住んでいたような辺りなのかな。この風景は、昔からあんまり変わっていないんじゃないかなぁ、と思いました。
この中で、私のお気に入りの一枚は、「Laguna Nord」という遠くに陸を望む一枚。ほとんど官能的とも言える、緩やかな波が美しいです。こういうのは潟ならではの風景なのかな。
もう一冊の、「アックア・アルタ」はヴェネツィアの高潮を写したもの。風景が主だった「ラグーナ/LAGUNA」とは異なり、こちらではほとんどすべての写真に人物が写り込んでいます。膝や腰辺りまで水につかりながらも、なぜか楽しげな人々の表情が印象的です。「あとがき」から引くと、ヴェネツィアでは晩秋から春にかけての大潮の時期に、シロッコ(アフリカ大陸からの南風)に雨という気象条件が重なると、潮位が異常に高くなり、街のあちこちが冠水する高潮に見舞われるのだとか。そういえば、私がヴェネツィアに行った時も、朝方は思いっきり冠水していたのを覚えているのだけれど、あれも晩秋のことでした。
河名木さんの写真略歴を見ると、「1947年 東京・深川の運河沿いに生まれる。」、「1973年 初渡欧。約一年間を各地で過ごし、特にかつての深川の運河の様子を彷彿とさせるヴェネツィアに魅了される。」とある。日本にも、かつては豊かな水の世界が隣にある、そんな世界があったのだよね。運河とかお堀とか、やっぱりいいよなぁ。
こちらも気になります。
今回の二冊ではほとんど文章がなかったんだけど、これは紀行文のようだし、面白そう。
後はこちらか。長らく積みっぱなし…。
写真で見てもやっぱりヴェネツィアって不思議な街だなぁ、と思うんだけど、それを知るためにはやっぱり早いとこ読むべきだよなぁ。
■参考■
地球観測研究センター(EORC)
の「千年にわたり作り上げた水の都、ヴェネツィア
」。
こういう機関があるんですね、面白い~。