- 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- ドラムライン
Amazonより
ニューヨークのハーレムで育ったデヴォンは、マーチング・ドラマーとして天才的な才能を持っていた。その才能に目をつけたA&T大学マーチング・バンド部のリー監督は、デヴォンを特待生としてスカウトする。マーチング・バンドとは、スポーツ競技のハーフタイム12分間に、華麗で一糸乱れぬ演奏とパフォーマンスを行い、観客を聴覚と視覚の双方から楽しませる事のできる、総合エンターテイメントだ。A&T大学は今年も最大のライバルであるモーリス・ブラウン大学との、“名誉と青春”を賭けた優勝決定戦を控えていた。デヴォンは入部早々その天才的なドラム・テクニックを披露し、周囲を圧倒する。だが、自らの才能に溺れた言動や勝手な行動が、やがてバンド・メンバーや監督との軋轢を生んでいく……。
これぞ青春!
マーチング・バンドの恐ろしいまでの体育会系っぷり(坊主にさせられてしまう所などには、笑ってしまうけれど)に恐れをなしつつも、音楽とリズムに満ち溢れた楽しい映画。
主人公デヴォンがぶち当たるのは、マーチング・バンドの正統派スタイルを目指すリー監督、また和を大切にするドラムラインのリーダー、ショーンの二人。
「バンドは一つ、音楽も一つ」
彼らは当然アドリブなどを嫌うわけで、テクニックに自信を持ち、鼻っ柱もテクニックと張るくらいに強い、デヴォンとの衝突は必然ともいえる。
お約束ではあるけれど、監督やショーンと和解する場面もいい。和解には、デヴォンの父もちょっとした役割を果たしている。また、哲学科専攻ながら、ダンスを何よりも愛する、ガールフレンドのレイラとの話も、とっても青春。
管楽器をやっていたので、マーチングバンドの華はパーカッションなんだっけ、と少し悲しく思いつつ見ていたのだけど、圧倒的なドラムラインの迫力に、そんなことは忘れました。マーチングバンドの華は、ドラムラインでOKです。笑
(これは一般的な事なのでしょうか?
それとも、ここ南部では、リズム感溢れる黒人系の人々が主になるから?)
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公式サイト(こちら )に、マーチング・バンドの歴史が載せられており、興味を持ったので転載しておきます。
マーチング・バンドのショー・スタイルの歴史――その目を見張るような壮観さと派手なパフォーマンス――は、マーチング・バンドの監督として最も有名な人物の一人であり、アメリカで最も優れたマーチング・バンドとされているフロリダ州タラハシーのフロリダA&M大学(FAMU)の名誉監督であるウィリアムズ・フォスター博士が、46年、同大学のマーチング・バンドの監督に就任した時に思いついたものだ。
それまでの伝統的なマーチング・バンドの軍隊調のスタイルは、フォスター博士によって伝統を打ち破られ、アップビートで非常にエネルギッシュなショーへと変わったのである。
アトランタ高校のバンド監督でありFAMUの卒業生であり、フォスターのスタイルを継承しているドン・ロバーツ(映画化にあたり、テクニカル・アドバイザーを依頼)は、軍隊調とショー・スタイルのマーチング・バンドの違いについて、このように語っている。「ショー・スタイルのバンドは、とてもエネルギッシュであり、ポップな曲を演奏している。それも最新のポップスだけじゃなく、“熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ作曲の管弦楽曲。非常にリズムの早いアクロバティックな曲)”やジャクソン5などの曲も演奏している。そして、生徒たちは競技場に一切楽譜を持ち込まない。演奏する曲は、すべて暗記する。しかも、ただ踊るだけじゃない。楽器を演奏しながら、決められた位置を守りつつ、振りつけられた動きをしながら暗記した曲を演奏するのさ」以上、公式サイトより転載(一部、中略)。
演奏しながら、踊って、フォーメーションもキメて。
マーチング・バンドの演奏部分を聞く/観るだけでも、きっととっても楽しい。
「スウィングガールズ」を観ても楽器を吹きたくなったけど(生徒たちが直ぐに上手く吹けちゃうように見えた所には、文句タラタラ、ブーブー言ってましたが)、合奏したーい!、と思う映画でした。や、吹くだけで手一杯だし(というか、今は音が出るかどうかも、怪しいし)、こんなアクロバティックなこと、出来るわけありませんけど。