マッカラン ファインオーク
匂い バニラ 甘い あんず ココナッツ
味 なめらか、優しい、薄いちょい塩、すっきり、
アフター えぐみ、柔らかさ ミルキー、
マッカラン 12
香り 焼き芋 黒糖
味 ちょいツン 柔らかさ、どっしり 甘さ うすーいエステリー感 古木
アフター まろやか 樽っぽさ 軽やか 華やか ひろがり、甘い。
ここ最近自宅では、ハイボール、お湯割りばかりだったので、久々のストレート。
ウイスキーにはまりだした当初はマッカランはあまり好きではなかった。
むしろ、こんなやわいウイスキーがウイスキーと言われるのは心外だと思っていたほどだ。
しかし、時間が経つと好みも変わる。
抱いていた印象とは全く違う。
華やか、柔らかさは当初抱いたやわさではなく、繊細さ。
思い出せば、タバコを吸っていた時のイメージが強い。だから、タバコの煙に負ける。
しかし、やめた今は前より香りを楽しめているのだろう。
軽やかに口の中で跳ねる。
春先にはぴったりの逸品。
花見の時期は終わってしまったが、来年あたりは桜の下でマッカランというのも悪くないかもしれない。
さて、今後は感想を書くために一口残ったウイスキーをこの勢いで片してしまおう。
色々と散策コースを考えていた今月の頭くらいに見つけたお店。
コーヒーのセットが2500円!
でも、めちゃめちゃ美味しいらしい。
滞在時間30分!
待ち合わせ不可!
打ち合わせ禁止!
精魂込めたコーヒーだから集中して飲んでもらいたい。という想いから、そういった決まりを設けているらしい。

お店の入り口には入店前の注意事項が。
一読して、扉を開けると、
いらっしゃいませ。につづいて、
表の注意事項を読んでいただけましたか?と尋ねられる。
はい。と応えて近くの席に座る。
店内は5人くらいがかけられるカウンターと二人用の席が二つ。
他には男性が一人。
お会計を済ませ、豆を購入するところだった。
メニューを見ると、ブレンドからストレート色々揃っている。
どれも大体1000円くらい。
せっかくなので、セットを頼む。
オリジナルブレンドの雅とデザートコーヒーの様な雫。
はっきり言って、超強気の値段設定だ。
なにやら、熟成豆を使っているらしいが、どんな風に熟成しているかはわからない。
カウンターの向こうでマスターがコーヒーを淹れているようだが、その手元は衝立で隠されていて見えない。
待たされること、15分。
まずは雅から。
見た目は真っ黒。当然底も見えず、覗き込む自分の顔が写り込むだけ。
これは相当濃く、苦く、重い。
そう思って覚悟を決めて一口。
ちょっとぬるめの液体が口の中で些かの粘度を持って滑り込んでくる。
濃さは深みに、苦味は旨味に、重さは華やかさにすり替えられ、今まで飲んできたコーヒーとは明らかに異なる飲み物だということがその一口から感じられる。
もっと言ってしまえば、未知の味に近い。
一般的に、コーヒーを注文し、目の前のカップの液体を紅茶だと誤解して飲む人がいないように、これから口に運ぶものが何なのかを認識している。
その上で、対象物と自らの経験してきた味との間にある隔たりを測り、対象物の味を再定義する。
例えば、こんな苦いコーヒー飲んだことない!
噛まなくて良い肉なんて初めて!
なにこのハーブ!カメムシみたい!!
そうして、その食品に対しての新しい価値を肉付けして食品一つ一つに幅広さを持つようになる。
簡単に言えば、一度定義された食品は味を再定義するだけで済む。決して、新たな名をつけることはない。
A5ランクの牛肉とオージービーフは共に牛肉だが、味は全く異なるものの、誰もがどちらも牛肉だと認めるだろう。
さて、ここで、カップの中の液体に話を戻そう。
一口二口と杯をあおるごとに、今飲んでいるのはコーヒーなんだと自分に言い聞かせる。
今まで感じたことのない、塩っけすら感じ、さらには合間合間に水で洗い流す。
しかし、口の中の微細な溝という溝にコーヒーが行き渡り、モンダミンでもしない限りスッキリとは流せないようだ。
コーヒーと水を交互に飲んでいるとまるでウイスキーのテイスティングをしているかのようだ。
たっぷりと時間をかけて味わった後、声をかけて、雫を出してもらう。
この時すでに30分近く。
心なし落ち着きがなくなってくる。
少しすると、雫がやってきた。
ショットグラスの七分目位までコーヒー。
その上に生クリーム。
これは、美味しいコーヒーゼリーを飲んでいるような感じ。
当然濃いが苦くもなく、とても飲みやすいものの、生クリームがアクセントになり、飲料というよりもテザートという印象が強い。
量が少なく、なんとなく落ち着かないので、3口程度で飲み干し、店を出る。
この後、ご飯を食べようかと思っていたものの、かなり満足してしまったからか、空腹感は感じなかった。
口に残るは細胞にまで浸透したのではないかと思う程にじみでてくる深い余韻。
流石にこの値段のコーヒーを日常的にのむことはできないが、何かの折に、また寄ってみたい。
コーヒーのセットが2500円!
でも、めちゃめちゃ美味しいらしい。
滞在時間30分!
待ち合わせ不可!
打ち合わせ禁止!
精魂込めたコーヒーだから集中して飲んでもらいたい。という想いから、そういった決まりを設けているらしい。

お店の入り口には入店前の注意事項が。
一読して、扉を開けると、
いらっしゃいませ。につづいて、
表の注意事項を読んでいただけましたか?と尋ねられる。
はい。と応えて近くの席に座る。
店内は5人くらいがかけられるカウンターと二人用の席が二つ。
他には男性が一人。
お会計を済ませ、豆を購入するところだった。
メニューを見ると、ブレンドからストレート色々揃っている。
どれも大体1000円くらい。
せっかくなので、セットを頼む。
オリジナルブレンドの雅とデザートコーヒーの様な雫。
はっきり言って、超強気の値段設定だ。
なにやら、熟成豆を使っているらしいが、どんな風に熟成しているかはわからない。
カウンターの向こうでマスターがコーヒーを淹れているようだが、その手元は衝立で隠されていて見えない。
待たされること、15分。
まずは雅から。
見た目は真っ黒。当然底も見えず、覗き込む自分の顔が写り込むだけ。
これは相当濃く、苦く、重い。
そう思って覚悟を決めて一口。
ちょっとぬるめの液体が口の中で些かの粘度を持って滑り込んでくる。
濃さは深みに、苦味は旨味に、重さは華やかさにすり替えられ、今まで飲んできたコーヒーとは明らかに異なる飲み物だということがその一口から感じられる。
もっと言ってしまえば、未知の味に近い。
一般的に、コーヒーを注文し、目の前のカップの液体を紅茶だと誤解して飲む人がいないように、これから口に運ぶものが何なのかを認識している。
その上で、対象物と自らの経験してきた味との間にある隔たりを測り、対象物の味を再定義する。
例えば、こんな苦いコーヒー飲んだことない!
噛まなくて良い肉なんて初めて!
なにこのハーブ!カメムシみたい!!
そうして、その食品に対しての新しい価値を肉付けして食品一つ一つに幅広さを持つようになる。
簡単に言えば、一度定義された食品は味を再定義するだけで済む。決して、新たな名をつけることはない。
A5ランクの牛肉とオージービーフは共に牛肉だが、味は全く異なるものの、誰もがどちらも牛肉だと認めるだろう。
さて、ここで、カップの中の液体に話を戻そう。
一口二口と杯をあおるごとに、今飲んでいるのはコーヒーなんだと自分に言い聞かせる。
今まで感じたことのない、塩っけすら感じ、さらには合間合間に水で洗い流す。
しかし、口の中の微細な溝という溝にコーヒーが行き渡り、モンダミンでもしない限りスッキリとは流せないようだ。
コーヒーと水を交互に飲んでいるとまるでウイスキーのテイスティングをしているかのようだ。
たっぷりと時間をかけて味わった後、声をかけて、雫を出してもらう。
この時すでに30分近く。
心なし落ち着きがなくなってくる。
少しすると、雫がやってきた。
ショットグラスの七分目位までコーヒー。
その上に生クリーム。
これは、美味しいコーヒーゼリーを飲んでいるような感じ。
当然濃いが苦くもなく、とても飲みやすいものの、生クリームがアクセントになり、飲料というよりもテザートという印象が強い。
量が少なく、なんとなく落ち着かないので、3口程度で飲み干し、店を出る。
この後、ご飯を食べようかと思っていたものの、かなり満足してしまったからか、空腹感は感じなかった。
口に残るは細胞にまで浸透したのではないかと思う程にじみでてくる深い余韻。
流石にこの値段のコーヒーを日常的にのむことはできないが、何かの折に、また寄ってみたい。
浴びるようにウイスキーを飲んだものの、良いウイスキーだったためか、頭痛はほとんどなく、多少の体の気だるさだけで済んだ。
ひたすら朴訥に丁寧ウイスキーを作っていく。
たっぷりと用意された朝食を平らげていく。
基本朝食べる習慣のない自分も小分けに色々な味が用意されると好奇心が刺激され、ついつい、つついてしまう。
つつくと平らげないと気が済まず、結局、ご飯をお代わりし、膳に用意されたおかずは全て平らげた。
膨れた腹を抱えながら準備をし、バスに乗り込む。
今日は樽焼きと樽詰めだ。
まずは朝礼を。
そのあと、樽焼き場へと移動する。
この樽焼きが迫力満点。
思った以上の豪炎が樽から吹き上げる。
火の粉が舞い上がり、ガラス越しのこちらまで熱くなっていくようだ。
聞けばこの樽焼きの機械も宮城峡工場の職人さんが作ったという。
そして、このために、奨励賞かなにかをもらったらしい。
ただ、樽を丁度いい加減で焼くための機械。
そして、職人の技を忠実に再現し、技術が拙くとも品質の良い樽を作っていく。
そこには昔ながらの頑固な職人の姿はなく、進歩、改善を日々心がけている職人の姿があった。
意外と長かった樽焼きが終わり、
次は樽にタガを入れる前のガマの葉を樽板と樽板の間に詰めていく作業を体験させてもらう。
かんかんかん。
コンコンコン。と
軽快な動作からすると至極簡単そうだ。
しかし、そうは問屋がおろさず、やってみると難しい。
さて、このガマの葉。
なんと、フランスから輸入しているらしい。日本でないわけではないのだが、経費がかかりすぎる。
その昔、余市工場近くでガマの葉を社員一同で刈ったことがあるらしいが、とんでもなく大変だったという。
刈り取って、洗って、乾かして。
それを笹が長くなったような葉で一枚一枚行っていくのだから、想像するだけで気が遠くなる。
この葉を板の間に滑り込ませ、丁度いい塩梅でスナップをきかせて、樽板の角を使って切り取る。
なにせ、正解がよくわからない。
液漏れを防ぐためなら、樽板の隙間にそって入れれば良いのでは?と思ってしまうが、そうではないらしい。
ただ、言われた動きをやれば、まぁ、見本みたいにはなる。
もちろん、あんまり綺麗でないけれど。
そのあと、職人さんがタガを入れて、樽のかたちを整え、最後にこれまた、特製の機械を使って、タガを打ちつけ、樽を締めていく。
一つ一つの作業に携わる人々の精一杯がその都度感じられる。
昨晩、宮城峡に就職してくる人達は、どういった動機の人が多いのか聞いた。
ウイスキーが好きだからとか竹鶴政孝に憧れてとか、そんな言葉を聞きたかったのだが、そんなドラマチックなものはないらしい。当然も言えば当然だろう。
新卒でとる場合などは、地元の若者が勤め口の一つとしてやってくるらしい。
それにしても、過酷な職場だなと想像に難くない。
何も知らないからこそ耐えられるほど長い長い時間がかかってようやく、自身の仕事の成果がわかる。
そして、その成果はその時にしてみれば遠い昔のこと。
次へ次へとウイスキーとともに自身の技術も円熟していく。
現代の仕事に求められるスピード感の蚊帳の外にある世界。
そういう心がけこそが徹頭徹尾叩き込まれるそんな職場のような気がした。
さて、樽の作業を終え、いよいよ、樽詰めを行う。
直前に作った樽を使うわけではなく、あれらの工程のあと、洗浄した違う樽を使う。
鏡板に皆で寄せ書きし、そして、原酒を樽へ注いでいく。
これはあらかじめ、大きな金属製のポットに入れられた原酒をホースで繋がった樽へ注ぐためコックを捻るだけだ。
たまたま近くにいた私が栄誉ある捻り役を仰せつかり、特に上手いことも言えず、一言挨拶して、捻る。
捻ればあとは、待つだけ。
待っている間に、記念撮影。
しばしの歓談。
そして、コルクで封をして、貯蔵庫へ。
この作業も、皆で手分けして転がしていく。
二人一組で行うので、呼吸を合わせないと片側に曲がって行ってしまう。
しかも坂なのでそんなに転がす必要もない。どちらかというとブレーキをかける感じに近い。
ゴロゴロと重くなった樽を転がしていく。
実際に10年後自分が飲むウイスキーを転がしている。
一体どんな時にこのウイスキーを開けるのだろうか?
そんなことを考えていた気がする。
貯蔵庫へ着くと、歴代ウイスキー塾の樽が。まさにそろそろ出荷という10年もののウイスキーもある。
こういった貯蔵庫には電気が通っていない。
理由は火事だという。
確かに、ちょっとした火でも起こればあっという間に全てが燃え尽くしてしまうだろう。
当たり前といえば当たり前の心遣いだが、考えもしなかった。
ここで、これから自分たちのウイスキーの10年が始まる。
聞けばいつでも言えば見せてくれるらしい。
見に来るかどうかはわからないが嬉しい心遣いだ。
最後は職人さんが樽を綺麗に収める。
いつの間にかちゃんと天地を整え、コルクが上に向いている。
これにもコツが必要で、何回転で奥まで転がるかとを目測し、それに合わせて、桟に乗っける前に、位置を調整したりするらしい。
薄暗い貯蔵庫を後にして、最初の会場に戻る。
たった1日半過ごしただけなのに、これでお別れというのが少し寂しい。
席に着くと住所の確認を行う。
これからの10年住所は変わったりするのだろうか?
きっと、この10年で多くのことが変わっていることだろうと思う。
何がどんな風に変わっているのだろう。
そんな見えない未来には怖さすら感じてしまう。
おそらく誰もがそんなことを考えていたのではないだろうか。
そんな空気を感じ取り少ししみじみしていると、最後の挨拶が始まり、修了証を工場長から頂戴する。
これにて、ウイスキー塾は終了となり、
なるとともに、おみやげ屋へ。笑。
少なくなったウイスキーの在庫の中に今年の前半で終売された、竹鶴の12年があった。
目を疑った。一度飲んでとても美味しく、コスパに優れていたので、ためらうことなく購入。
恐らく、売るものが枯渇して、虎の子の在庫だったのではないかと想像してしまう。
ドラマもようやくウイスキーが出来上がり、販売に悪戦苦闘しているところだ。
この先、北海道へ行き、自らが本当に望むウイスキーを作っていく過程が描かれることによって、その精魂込めて作られたウイスキーを飲みたい人が増えてくるだろう。
シングルカスクなどのウイスキーは1人何本までと決められていたし、多分、通販も一次ストップしていたような気がする。
こういうブームは一過性のものだが、より一層ウイスキーが飲みやすくなるのはとても喜ばしい。
次は余市のウイスキー作り体験に!
来年当たりますように。
それでは、だらだらと書いてきましたが、だらだらなりに終わらせることができました。
ここまで、お付き合い頂きありがとうございます。
月並みではありますが、
皆さん良いお年を。
このウイスキー塾は一泊二日で行われる。
余市のウイスキー作り体験とは違い、ホテル代も込みになっていることから考えてもかなりの格安イベントと思える。
さて、着替えを終え、ホテルの送迎バスに乗り込む。
すでに外は暗く、街灯も見当たらない。
折角の旅行なので、走ろうかと思ったもののとても夜走れる環境ではなかった。
少しだけ、消沈したが、今にして思えばどちらにせよ走れなかった分、この時点で諦めていたのは良かったのかもしれない。
ホテルに着き、夕飯の時間までお風呂に入ったりとゆっくりし、会場へ。
会場と言っても20人が座れるテーブルと椅子、そして中央に鎮座するは、酒酒酒酒酒酒の山があるだけで、それほど広くはない。
まずは、アサヒビールがずらぁ!と。
そして、アップルサイダー?がずらぁ!と。
さらに、炭酸水、氷、水、そして、ウイスキー。
伊達、フロムザバレル、鶴17年、宮城峡15年、宮城峡シングルカスク、竹鶴のNV。
ちょっと早く着き、ニッカの方とお話ししていると、
「あのー、食事会終わった後、そちらのお部屋を二次会で使ってもよろしいですか?」
突然の申し出にキョトンとしてもらったものの、ウイスキー好きと語らえるなど、なかなかないので快諾。
ちらほらと人が集まり、食事会がスタートする。
お酒も少し入ったところで、ちょっと長めの自己紹介を。
夫婦で、カップルで、結婚の記念に、親子で、ウイスキーが好きで。
皆、様々な理由で来ているだけあって、まとまりがなく、なんだかとても豊かで楽しい会だった。
美味しい食事に舌鼓を打ち、酔いも回ってきたところで食事会はお開き。
二次会は部屋を移動しての飲み直し。
残ったお酒を貰って、部屋で待機していると、ちらほらと集まり、8人で飲むことになった。
ここの皆がお酒に強い。
一次会で空いたウイスキーはフロムザバレルだけ。
あとは、残量の多少はあれど、それでも、数時間で全部を空けることになるとは思わなかった。
私はお酒に強くないので、途中でうつらうつらしてしまい、何度か記憶をなくしていた。
なんの話をしたのかと言われれば、
ウイスキーのことやら山形の蕎麦屋の話やら。
なかでも、竹鶴12年終売は惜しかったですなー。などと語り合い、蕎麦屋の話を聞いた親子は予定を変更し、明日その蕎麦屋を目指すらしい。
こうやって、思い出すとほとんど何も覚えてなくて、苦笑を禁じ得ない。
とにかく、楽しく、酒に飲まれ、けれど、そのまま、布団に潜れる幸せがあったことは間違いない。
とは言っても、お風呂に入り、アルコールを少しでも飛ばしてから、眠りについた。
どうか、明日二日酔いでありませんようにと願ったことは言うまでもないだろう。
いよいよ、明日の午前中でウイスキー塾も終了。
もう少しだけお付き合いください。
ウイスキーは様々飲めど、感想をさぼってしまっていたので、年末に瓶を捨てるためにも、少しずつ書いていきましょう。
今回はオールモルト。
シングルモルトではない割にモルト100%を謳っていたので、きっと年数の浅いウイスキーを使っているのだろうと判断し少し敬遠していたウイスキー。
が、少し調べてみると、
これはブレンデッドらしい。
理由は蒸留方法にあるらしい。
どうやらポットスチルを使うものと、カフェ式連続蒸留機を使用しているらしい。
ちょっと怪しいので、
この辺はまた調べなおしてみるとしよう。
さて、肝心の味はというと。
香り
余市に近い。スモーキーさもあり、潮っぽさもある。まだ、アルコール臭が若干残るも華やかさを予感させる。華やかさを、まろやかさ、それぞれをうっすら匂わせる
砂っぽさ。無機質な鉄のような鉱石のような香りにちょっとイラっとする。
味
柔らかい穀物。
ニュースピリッツがようやくウイスキーになり始めたかのような、柔和さ。
色でいうと、脱皮したての白。
生臭さは表立って感じないが、口全体に残る後味の最初の風味がニュースピリッツの香りに似てる。
スモーキーさ、潮っぽさは香りとは打って変わってあまり感じず、平坦なイメージ。
クリアでもなければ、芳醇でもない。
ただ、余市、宮城峡、伊達といったウイスキーの豊かな香りの可能性を存分に味わえる。
物足りなさは些か残るものの、最初の一杯にストレートでも充分、ウイスキー「らしさ」を感じることができる。
もしも、二十代の頃にジムビームやバランタインといった洋物に憧れず、日本のウイスキーということで、ここからスタートしたらもっと早くウイスキーを好きになったかもしれない。
大切な時に飲むのではなく、いつも傍にいてくれる。そんな安心をもたらしてくれる、庶民的なウイスキーな気がする。
と、「いつも傍に」とか言ってしまう自分はアル中なのではと強くなったので、忘れるためにもう一杯飲んで今日は寝ることにしよう。
楽しみに待っていた、ウイスキーブレンド講座。
4人一組になる様に机が分けられ、各々の目の前にはビーカーやスポイト、
ウイスキーが数種類とその他の見たことのある器具が並んでいる。
竹鶴正孝はウイスキー作りは科学だと捉えていたと聞く。
確かにこの場に座っていると、ウイスキーを変わったグラスで飲むぞ!という気にはならず、
むしろ、ちゃんとブレンドしないとウイスキーに失礼だと思わされる。
並ぶのは
余市のシングルカスク2種
ちなみにシングルカスクというのは一つの樽で取られたウイスキーという意味。
一般的に加水されていないので、アルコール度数が50度以上はある強いお酒になる。
以前までなんとなく、一つの樽で取られたという部分で、『まじりっけなし』のウイスキーと受け取り、ウイスキーとしての純度が高いと思っていたが、実際はそうではない。
アルコール度数が強ければ味が飛びやすく、熟成が進めば、味はまろやかになり、
馬鹿舌として言わせてもらえば、味の差異が小さくなってくるような気がする。
なんとなく人間の話をしているみたいだ。
赤ん坊や老人は性別の区別がつきにくいことがある。
さて、話を戻そう。
余市の隣に並ぶのは
宮城峡のシングルカスク2種
そして、世界でも希少なカフェ式連続式蒸溜機で作られた、カフェグレーン。
この合計5つのウイスキーを使ってオリジナルのブレンデッドウイスキーを作るのが
本講座の目的。
まずは計量に慣れるために実際に商品になっているウイスキーをレシピにしたがって調合していく。
これは20ml、それは60mlといった具合に混ぜていく。
この数ミリ単位で混ぜていくのが難しい。
慣れないスポイトで吸っては戻し、戻しては吸って、よりぴったりに近づけていく。
あと一滴でぴったり!!・・・・じゃないんか~い!!
と何度心の中で突っ込んだことだろう。
ここでの精度が本当に大切だと実感するのは商品の再現が終わり、他の人が再現したウイスキーも香り、さあ、自分のウイスキーを作るぞ!という段になったときだった。
1回目。
余市が好きだ。
余市みたいにしよう。
余市の原酒どば~。
・・・・まずっ。
2回目。
余市が好きだ。
でも、入れすぎるとおいしくないぞ。
ちょっとにしよう。
しかも、ここ宮城峡だから、50/50にしよう。
…ん~。まだ、余市じゃん。
3回目。
スポイトを握る腕が疲れてきた。
こんなことじゃ、ここで働けないな。
グレーンどば~。
余市系ちょびちょび。
宮城峡そこそこ。
・・・お、飲んだことないな、これ。
4回目。
ちょっと疲れてきて集中力も落ちてきたから、休憩しよう。ぐびぐび。
うまいな~。
これ、もって帰りたいな~。
えっと、こっちの余市を加えて、そっちの余市を減らして、
んで、グレーン減らして、宮城峡追加と・・・。
お、いいじゃん!これうまいじゃん!!
瓶詰め。
最終的にレシピを決めて、何ml調合するかを決めていく。
作成するのは200ml。瓶につめるのは180ml。
さきほどの分量を何倍かしただけなのに、難しさが一段上がった気がした。
さきほどまではグラス一杯程度、
そのおおよそ10倍の量を作るだけなのだが、
まず、スポイトで吸い取る感覚が今までと違う。
思ったよりも入らない。
だから、何度も入れる。
ここで、一度、痛恨のミスをしてしまう。
ふとした瞬間に入れる量が明らかにオーバーしてしまった。
このまま続けようか迷っていると、
講師の方が間違ったら
作り直してもらって結構です!遠慮なさらずに!
とアドバイスを。
十数年の年月を経て熟成されたウイスキーを
素人の失敗で無駄にするのは実に心苦しい。
この時ほど懐にスキットルボトルを忍ばせておかなかったことを
後悔したことはない。
気を取り直して、
失敗したウイスキーをステンレス製の容器へそそぎ、
一度使用した器具を水で洗い、
また、最初からスタートする。
本当のことを言えば、この後の調合でも
数mlの失敗はしている。
が、ここは調合の正確さよりも、心を痛めないほうを選択した。
味がわからないとは言わないが、その数mlの違いは絶対にわからない。
ましてや、余市のスモーキーなキーモルトは最小限に押さえたことで、
決して余市らしくなっていないだろうと判断したからだ。
北の厳しい大地が育んだ余市は逞しく、男性的なモルトだ。
山の香りをふんだんに取り入れた宮城峡は、華やかで女性的だ。
余市は少し入れてもその荒々しさが舌に残る。
華やかさはその荒々しさに消されてしまう。
ちょうどいいところちょうどいいところ。
ゆっくり慎重に微々たる足し算を繰り返していく。
引き算はできない。
そうやって、自分なりに調合したウイスキーは華やかな中にも
うっすらと潮風を感じる様に仕立てた。
『春風や 闘志抱きて 丘に立つ』 虚子
この俳句を口にするたび、海沿いの崖に立つ男性をイメージするが
今回は白いワンピースをなびかせる若い女性だ。
その顔は乱れた髪でうかがい知れないが、
背筋は伸び、遥か彼方を見つめている。
何かを決め、覚悟を決めた、凛とした雰囲気。
それが今回のウイスキーだ。
調合を終え、瓶につめると最後に蓋にコーティングする作業に入る。
コーティングといってもビニール製のキャップを蓋の上から嵌めて、
ドライヤーみたいなもので、収縮させていき、蓋に密着させるものだ。
これがなかなか難しく、いい加減であぶらないとビニールが溶けてしまう。
かといって離しすぎると、収縮するほどの熱が伝わらない。
前の人がやる様を覚え、何とか成功したと思ったものの
よく見るとまだ密着が甘い。
まぁ、これも一つの味だろう。
ラベルを張り。
ここに世界で唯一つのウイスキーが誕生した。
好きなウイスキーではなくて、
自分で作ったウイスキーがあるという幸せ。
今の世を見たら竹鶴氏はなんていうだろうか?
4人一組になる様に机が分けられ、各々の目の前にはビーカーやスポイト、
ウイスキーが数種類とその他の見たことのある器具が並んでいる。
竹鶴正孝はウイスキー作りは科学だと捉えていたと聞く。
確かにこの場に座っていると、ウイスキーを変わったグラスで飲むぞ!という気にはならず、
むしろ、ちゃんとブレンドしないとウイスキーに失礼だと思わされる。
並ぶのは
余市のシングルカスク2種
ちなみにシングルカスクというのは一つの樽で取られたウイスキーという意味。
一般的に加水されていないので、アルコール度数が50度以上はある強いお酒になる。
以前までなんとなく、一つの樽で取られたという部分で、『まじりっけなし』のウイスキーと受け取り、ウイスキーとしての純度が高いと思っていたが、実際はそうではない。
アルコール度数が強ければ味が飛びやすく、熟成が進めば、味はまろやかになり、
馬鹿舌として言わせてもらえば、味の差異が小さくなってくるような気がする。
なんとなく人間の話をしているみたいだ。
赤ん坊や老人は性別の区別がつきにくいことがある。
赤ん坊は0だから、老人は無限大から1を引こうが100を引こうが、無限大とさして変わりはない。
さて、話を戻そう。
余市の隣に並ぶのは
宮城峡のシングルカスク2種
そして、世界でも希少なカフェ式連続式蒸溜機で作られた、カフェグレーン。
この合計5つのウイスキーを使ってオリジナルのブレンデッドウイスキーを作るのが
本講座の目的。
まずは計量に慣れるために実際に商品になっているウイスキーをレシピにしたがって調合していく。
これは20ml、それは60mlといった具合に混ぜていく。
この数ミリ単位で混ぜていくのが難しい。
慣れないスポイトで吸っては戻し、戻しては吸って、よりぴったりに近づけていく。
あと一滴でぴったり!!・・・・じゃないんか~い!!
と何度心の中で突っ込んだことだろう。
ここでの精度が本当に大切だと実感するのは商品の再現が終わり、他の人が再現したウイスキーも香り、さあ、自分のウイスキーを作るぞ!という段になったときだった。
1回目。
余市が好きだ。
余市みたいにしよう。
余市の原酒どば~。
他のはセンスでパッパッパッ
・・・・まずっ。
2回目。
余市が好きだ。
でも、入れすぎるとおいしくないぞ。
ちょっとにしよう。
しかも、ここ宮城峡だから、50/50にしよう。
…ん~。まだ、余市じゃん。
3回目。
スポイトを握る腕が疲れてきた。
こんなことじゃ、ここで働けないな。
グレーンどば~。
余市系ちょびちょび。
宮城峡そこそこ。
・・・お、飲んだことないな、これ。
4回目。
ちょっと疲れてきて集中力も落ちてきたから、休憩しよう。ぐびぐび。
うまいな~。
これ、もって帰りたいな~。
えっと、こっちの余市を加えて、そっちの余市を減らして、
んで、グレーン減らして、宮城峡追加と・・・。
お、いいじゃん!これうまいじゃん!!
瓶詰め。
最終的にレシピを決めて、何ml調合するかを決めていく。
作成するのは200ml。瓶につめるのは180ml。
さきほどの分量を何倍かしただけなのに、難しさが一段上がった気がした。
さきほどまではグラス一杯程度、
そのおおよそ10倍の量を作るだけなのだが、
まず、スポイトで吸い取る感覚が今までと違う。
思ったよりも入らない。
だから、何度も入れる。
ここで、一度、痛恨のミスをしてしまう。
ふとした瞬間に入れる量が明らかにオーバーしてしまった。
このまま続けようか迷っていると、
講師の方が間違ったら
作り直してもらって結構です!遠慮なさらずに!
とアドバイスを。
十数年の年月を経て熟成されたウイスキーを
素人の失敗で無駄にするのは実に心苦しい。
この時ほど懐にスキットルボトルを忍ばせておかなかったことを
後悔したことはない。
気を取り直して、
失敗したウイスキーをステンレス製の容器へそそぎ、
一度使用した器具を水で洗い、
また、最初からスタートする。
本当のことを言えば、この後の調合でも
数mlの失敗はしている。
が、ここは調合の正確さよりも、心を痛めないほうを選択した。
味がわからないとは言わないが、その数mlの違いは絶対にわからない。
ましてや、余市のスモーキーなキーモルトは最小限に押さえたことで、
決して余市らしくなっていないだろうと判断したからだ。
北の厳しい大地が育んだ余市は逞しく、男性的なモルトだ。
山の香りをふんだんに取り入れた宮城峡は、華やかで女性的だ。
余市は少し入れてもその荒々しさが舌に残る。
華やかさはその荒々しさに消されてしまう。
ちょうどいいところちょうどいいところ。
ゆっくり慎重に微々たる足し算を繰り返していく。
引き算はできない。
そうやって、自分なりに調合したウイスキーは華やかな中にも
うっすらと潮風を感じる様に仕立てた。
『春風や 闘志抱きて 丘に立つ』 虚子
この俳句を口にするたび、海沿いの崖に立つ男性をイメージするが
今回は白いワンピースをなびかせる若い女性だ。
その顔は乱れた髪でうかがい知れないが、
背筋は伸び、遥か彼方を見つめている。
何かを決め、覚悟を決めた、凛とした雰囲気。
それが今回のウイスキーだ。
調合を終え、瓶につめると最後に蓋にコーティングする作業に入る。
コーティングといってもビニール製のキャップを蓋の上から嵌めて、
ドライヤーみたいなもので、収縮させていき、蓋に密着させるものだ。
これがなかなか難しく、いい加減であぶらないとビニールが溶けてしまう。
かといって離しすぎると、収縮するほどの熱が伝わらない。
前の人がやる様を覚え、何とか成功したと思ったものの
よく見るとまだ密着が甘い。
まぁ、これも一つの味だろう。
ラベルを張り。
ここに世界で唯一つのウイスキーが誕生した。
好きなウイスキーではなくて、
自分で作ったウイスキーがあるという幸せ。
そして、その幸せにつきまとう大問題。
いつ飲めば良いのだろう?
幸せの絶頂だろうか?
それとも、不幸のどん底だろうか?
いつでも好きな時に。
そう闊達に言いたいところだが、
なかなか難しい。
にしても、難問奇問、古今東西の問いの中でこんなにも幸せに溢れた問いがあるだろうか。
しかし、いつ何時事故に巻き込まれるかもわからない。
ならば、毎日持ち歩こうか?
でも、割れたらどうしよう?
マッサン人気で火がついてきたウイスキー業界。
今の世を見たら竹鶴氏はなんていうだろうか?
まぁ、まさか自分と奥さんがドラマの主人公になっているなんて思いもよらないことだろう。
全員の瓶詰めが終わると本日のカリキュラムは終了となる。
バスを降りた先にある建物に入り、階段を上ると、細長いテーブルに青い作業着やベルト、安全靴、ヘルメットがサイズ別に置かれていた。
遠くは京都から来ているというから驚きだ。
各自、サイズを確かめて、更衣室で着替え。
着替え終え、20名で使うには広すぎる会場へ。
名札が置かれた席につき、まずは住所の確認。
これは10年後に送られてくるウイスキーを届けるためのライフラインだ。
引っ越したら知らせないと10年後、このウイスキーと出会うことはない。
おそらく、役所の手続きよりも迅速に行うことは間違いないが、今回は特に必要ない。
誤字脱字のチェックをして、係りの人に渡す。
そうこうしてるうちに、今日のスケジュールを確認する。
まずは工場見学。
その後、自分でウイスキーのブレンドを行う。
塾長他の挨拶を終え、塾生の挨拶。
夫婦にカップル、親子に、友達、1人参加。
遠くは京都から来ているというから驚きだ。
そそくさと挨拶が終わると、もうお昼。
近くのレストランへ移動する。
ここでは特に席は決められておらず、適当に座っていく。
ここでは特に席は決められておらず、適当に座っていく。
席にはすでにサラダやパンが置かれていた。
全員の着席を確認すると、メインの食事が運ばれてきた。
なんとも良い匂いのするチキンのハーブ焼き。これをナイフとフォークで食べていく。
これが難しい。
ぷりっぷりのモモ肉は筋に沿って切らねばなかなか切れず、かといって、見ず知らずの人間に囲まれた中で、先陣を切って手を使うわけにも行かない。
味がわからなくなるほど集中してチキンを片付ける。
食後のコーヒーを飲むと程よい時間になり、いよいよ講義が始まる。
蒸留所へ戻ると来た道とは違う道を通り、川沿いの建物も何もないところで降ろされた。
この川から講義は始まる。
竹鶴政孝はまず余市に蒸留所を作った。
そして、複数の蒸留所を持つことを夢としていた。
余市の荒々しさと対照となるようなウイスキーを求め、ここ宮城峡に目をつけた。
聞けばその川の名は「ニッカワ」と呼ぶらしい。
山々に囲まれた栄養を豊富に含んだ水で作るウイスキー。
それを熟成させるに適した湿度環境。
そういった理由でここに蒸留所が作られた。
そんな話を総務?の方が話されていて感銘を受けつつも、寒さのあまりはやく切り上げたかったのはみな同じ気持ちだっただろう。
川から離れ、お土産売り場でトイレ休憩。
そそくさと用を済ませ、お土産売り場を徘徊。
何か違う。
何だろう?と思いながらフラフラしてると集合の合図。
そこで、案内の人が、
「マッサンのおかけで売るウイスキーがなくなってきてるんですよね~。宮城峡シングルカスクの15年なんてあそこにあるので終わりみたいですよ」
なるほど!
お土産のボリュームが前回よりも少ないんだ!と合点がいく。
これは、明日のお土産は戦争になるななどと勝手に臨戦態勢にはいる。
さて、次はこのお土産売り場に併設された政孝とリタの手紙やらパスポートやらゆかりの品々の紹介。
一つ一つを説明していけばきりがない。とスコットランドで結婚したリタの外国人滞在許可証なるものだ。
当たり前の話だが結婚すれば国籍が変わる。
母国にいながら外国人として認知された証拠の品というわけだ。
当日であれば国際結婚は珍しいはずでさらに、母国で日本人に嫁ぐとなるともしかしたら初めてのことだったかもしれない。
リタは常に寂しさと戦っていたイメージがあるが、それは結婚した時から、スコットランドにいようが関係なく襲ってきたものなのだと痛感した。
ささっと、展示品をみ終え、外に出る。
案内所の前に着くと、宮城峡の看板の前で突然の記念撮影。
そこで撮ったは計3枚。
1枚目は程よく緊張し、
2枚目は位置を調整し、
3枚目は
「それでは、みなさん笑顔デー!
ニーカッ♩ニッカッニッカッ♫ニッカ♬ニッカ‼︎ 」
と突然歌い出すではないか。
これには真面目顔を作っていた私も驚きを通り超してあまり破顔してしまった。
そこから歩いて、一般見学コースへ。
そこでは通常入れない場所まで入ることができ、実に詳しい説明を受けた。
実際にもろみを舐め、麦汁を飲み、ニュースピリッツを口にする。
こんなにも面倒な手順を踏みんでもまだウイスキーは出来上がらない。
なんとも意地悪なスピリットだ。
一通り見終え、事務所へ。
少し休憩すると、本日の山場、ウイスキーのブレンド講座が始まるが、それはまた次回で。
気がつけば今年も残すところわずか・・・
本当にあっという間でした。
残り二ヶ月を切っていますがなんとか乗り切りたいところです。
さて、今回はまたまた宮城峡へ行ってまいりました。
今回の理由は抽選で当たった、ウイスキー塾への参加のため。
当選した時には飛び上がるほどうれしかったです。
何せ、この企画に参加すると10年後にみんなで樽詰めしたウイスキーが送られてくるというもの。
10年もののシングルカスク。その上原酒のときから立ち会っているともなればわが子も同然でしょう。
考えるだけでもよだれが出てきます。
今年最後のウイスキー塾は今月の頭に行われました。
その様子を忘れてしまう前に書いていきましょう。
当日。
宮城県外からの参加とあって、時計と睨めっこして眠りに落ち、ふとおきて時間を確認しては、眠りに落ち、朝方の雰囲気を感じながらも、外はまだ暗く、
『まだ、寝れるな』
と時間を確認すると、起床予定時刻ぴったりだった。
急いで、準備を済ませ、家を出る。
いつもより早い時間だったが、平日ということもあり、いつもと同じように電車は満員。
ただし、いつもとは逆方向の電車に乗ったとたん、非日常なんだと改めて感じた。
新幹線の中での駅弁も考えたが、新幹線の出発までそこそこ時間があったので、
立ち食いそばを食べることに。
食後のコーヒーは新幹線の改札を抜けたところにあるコーヒー屋にした。
しかし、ここは待合室に併設されたカフェで、ほぼ満員。
しばらく立ち飲みし、時間はあるのにあわただしさを感じ、
数分後に空いたソファーに座って、ようやく一息。
有給をとって、今日明日とウイスキーにどっぷり浸かれることを考えると
その幸せさに頬は緩みっぱなし。
ただ、その距離の遠さが到着までの予断をゆるさない。
大体、風の吹くまま気の向くままに目的地へ向かうスタイルが多いため、
かっちりした時間割りには緊張が隠せない。
座席は?何号車?何時?今日で間違いないよな?
ちらちらとチケットを見直し、ほっと胸をなでおろす。
携帯で、今日の天気を確認する。宮城は晴れらしい。
新幹線の出発時刻が近づき、ホームへ向かう。
平日の朝型とは言え、そこそこの人が並んでいる。
老夫婦に小さな子供をつれた家族、カップル、サラリーマンとさまざまだ。
ホームに滑り込んでるくる新幹線に興奮を隠しきれず、近づく子供。
それをあわてて、とめるお母さん。
ぼんやりしてるお父さん。
それを微笑みながら眺める私。
決して家族団らんがほほえましいのではない。
あの子供が中学生くらいになった時にウイスキーが届くことに
笑みが抑えられないだけだ。
緩んだ口元からよだれがたれていないか、眼鏡を直す振りをして、
確認し、歩を進め、新幹線に乗車した。
新幹線の中はとても快適だ。
本を読んでも良い。
携帯で遊んでも良い。
なんなら仕事をしたって良い。
何をしようか考えていたらいつの間にか、
眠りに落ち、あと10分で仙台に到着するとのアナウンスが流れた。
とりあえず、本を開き、1ページ読んで、
携帯をいじった。
外を見ると明らかに知らない街並み。
今年の正月には二度も仙台に来ることになるとは思わなかった。
二度目の仙台はどんな旅行になるだろう。
新幹線を降りて『青葉城恋歌』で気分を盛り上げようと
探していると、曲がiphoneに入っていなかった。
先日調子が悪くなり、その時リセットしたせいで、
入れ忘れていたらしい。
少し残念だが、最近お気に入りの歌を引き続き聴くことにした。
気がつけば、作並へ行く電車に乗り換えて、あとは出発を待つだけ。
ここでもやはりそこそこ電車は混んでいて、学生が多かった。
この時読んでいたのは『ツナグ』
目新しい設定に物語に引き込まれていった。
が、いつまでたっても出発しない。
時間は数分過ぎている。
・・・まさか
この電車は仙山線ではないのかもしれない・・・
ふとそんな不安がよぎる。
しかし、案内板にしたがってたどり着いた記憶はある。
が、ちゃんと行き先を電光掲示板かなにかで確認したわけでもない。
反対側のホームに電車は停まってなかったか?
→NO
車内放送は聞いたか?
→NO
日本で電車が遅れることはあるか?
→ラッシュ時なら
こんなのんびりとしたダイヤで遅れるということがありえるのだろうか。
万が一違っていたら、私は集合時間に間に合わせられるだろうか?
確認のために一回ホームへ戻るか?
いや、しかし、この電車の形は先日宮城峡に行った際に乗った電車に酷似している。
それに旅行者っぽい人もいるし・・・
すると、アナウンスが流れる。
『この電車は・・・、・・・、作並、・・・、・・・・に停まります』
ふううううううううううううううううううううううう。
心で大きく息を吐き、ここでようやく宮城峡へ間に合う確信を得る。
数十分後、作並駅へ到着し、
ウイスキー塾のお迎えのバスに乗り込む。
天気は晴れ。
空気もうまい。
そういえば、前回は到着したとき大雨だったことを思い出す。
蒸留所に入ると、すでに観光客が。
・・・以前よりもずっと多い。
これが朝ドラ効果なのかと感心していると、
バスは蒸留所の奥へと向かう。
樽置き場、社員食堂、などを横目に
事務所へ到着。
いよいよ、ウイスキー塾が始まる。
本当にあっという間でした。
残り二ヶ月を切っていますがなんとか乗り切りたいところです。
さて、今回はまたまた宮城峡へ行ってまいりました。
今回の理由は抽選で当たった、ウイスキー塾への参加のため。
当選した時には飛び上がるほどうれしかったです。
何せ、この企画に参加すると10年後にみんなで樽詰めしたウイスキーが送られてくるというもの。
10年もののシングルカスク。その上原酒のときから立ち会っているともなればわが子も同然でしょう。
考えるだけでもよだれが出てきます。
今年最後のウイスキー塾は今月の頭に行われました。
その様子を忘れてしまう前に書いていきましょう。
当日。
宮城県外からの参加とあって、時計と睨めっこして眠りに落ち、ふとおきて時間を確認しては、眠りに落ち、朝方の雰囲気を感じながらも、外はまだ暗く、
『まだ、寝れるな』
と時間を確認すると、起床予定時刻ぴったりだった。
急いで、準備を済ませ、家を出る。
いつもより早い時間だったが、平日ということもあり、いつもと同じように電車は満員。
ただし、いつもとは逆方向の電車に乗ったとたん、非日常なんだと改めて感じた。
新幹線の中での駅弁も考えたが、新幹線の出発までそこそこ時間があったので、
立ち食いそばを食べることに。
食後のコーヒーは新幹線の改札を抜けたところにあるコーヒー屋にした。
しかし、ここは待合室に併設されたカフェで、ほぼ満員。
しばらく立ち飲みし、時間はあるのにあわただしさを感じ、
数分後に空いたソファーに座って、ようやく一息。
有給をとって、今日明日とウイスキーにどっぷり浸かれることを考えると
その幸せさに頬は緩みっぱなし。
ただ、その距離の遠さが到着までの予断をゆるさない。
大体、風の吹くまま気の向くままに目的地へ向かうスタイルが多いため、
かっちりした時間割りには緊張が隠せない。
座席は?何号車?何時?今日で間違いないよな?
ちらちらとチケットを見直し、ほっと胸をなでおろす。
携帯で、今日の天気を確認する。宮城は晴れらしい。
新幹線の出発時刻が近づき、ホームへ向かう。
平日の朝型とは言え、そこそこの人が並んでいる。
老夫婦に小さな子供をつれた家族、カップル、サラリーマンとさまざまだ。
ホームに滑り込んでるくる新幹線に興奮を隠しきれず、近づく子供。
それをあわてて、とめるお母さん。
ぼんやりしてるお父さん。
それを微笑みながら眺める私。
決して家族団らんがほほえましいのではない。
あの子供が中学生くらいになった時にウイスキーが届くことに
笑みが抑えられないだけだ。
緩んだ口元からよだれがたれていないか、眼鏡を直す振りをして、
確認し、歩を進め、新幹線に乗車した。
新幹線の中はとても快適だ。
本を読んでも良い。
携帯で遊んでも良い。
なんなら仕事をしたって良い。
何をしようか考えていたらいつの間にか、
眠りに落ち、あと10分で仙台に到着するとのアナウンスが流れた。
とりあえず、本を開き、1ページ読んで、
携帯をいじった。
外を見ると明らかに知らない街並み。
今年の正月には二度も仙台に来ることになるとは思わなかった。
二度目の仙台はどんな旅行になるだろう。
新幹線を降りて『青葉城恋歌』で気分を盛り上げようと
探していると、曲がiphoneに入っていなかった。
先日調子が悪くなり、その時リセットしたせいで、
入れ忘れていたらしい。
少し残念だが、最近お気に入りの歌を引き続き聴くことにした。
気がつけば、作並へ行く電車に乗り換えて、あとは出発を待つだけ。
ここでもやはりそこそこ電車は混んでいて、学生が多かった。
この時読んでいたのは『ツナグ』
目新しい設定に物語に引き込まれていった。
が、いつまでたっても出発しない。
時間は数分過ぎている。
・・・まさか
この電車は仙山線ではないのかもしれない・・・
ふとそんな不安がよぎる。
しかし、案内板にしたがってたどり着いた記憶はある。
が、ちゃんと行き先を電光掲示板かなにかで確認したわけでもない。
反対側のホームに電車は停まってなかったか?
→NO
車内放送は聞いたか?
→NO
日本で電車が遅れることはあるか?
→ラッシュ時なら
こんなのんびりとしたダイヤで遅れるということがありえるのだろうか。
万が一違っていたら、私は集合時間に間に合わせられるだろうか?
確認のために一回ホームへ戻るか?
いや、しかし、この電車の形は先日宮城峡に行った際に乗った電車に酷似している。
それに旅行者っぽい人もいるし・・・
すると、アナウンスが流れる。
『この電車は・・・、・・・、作並、・・・、・・・・に停まります』
ふううううううううううううううううううううううう。
心で大きく息を吐き、ここでようやく宮城峡へ間に合う確信を得る。
数十分後、作並駅へ到着し、
ウイスキー塾のお迎えのバスに乗り込む。
天気は晴れ。
空気もうまい。
そういえば、前回は到着したとき大雨だったことを思い出す。
蒸留所に入ると、すでに観光客が。
・・・以前よりもずっと多い。
これが朝ドラ効果なのかと感心していると、
バスは蒸留所の奥へと向かう。
樽置き場、社員食堂、などを横目に
事務所へ到着。
いよいよ、ウイスキー塾が始まる。




