すっぴんマスター -11ページ目

すっぴんマスター

(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

今年もよろしくお願いします。

年越しはいつものように相方の実家。
夕方までブログ書いて(いつもおもうが、今年もあと何時間というところでブログ納めをして、よいお年を、などということに意味はあるのだろうか。しかも翌日にはこうしてもう書き始めているのに…)、さすがにもうインフルエンザは大丈夫そうだったので、ごくかんたんな、ウォーミングアップ程度のトレーニング(プッシュアップ、レッグレイズ、ヒップリフト、フルスクワット各10×3セット)をして出発。適当にテレビ見たり映画見たりして時間つぶして、2355見ながら年越し。映画納めはエスケープ・ルーム2。

今年の目標は、まずこのようにして年末に体調を崩さないことかな…。気の長いはなしだが。ただ、たぶん崩さなかったこといままでになかった気もするし、原因もわからない。ひとなみに手洗いうがいはやってるし、今年に関しては睡眠もわりととれてた。筋トレをしているひとは、超回復中免疫力が下がっているので風邪をひきやすくなるが、前の記事にも書いたように、冬場はちょっとサボりがちになるからあまり関係ないようにおもう。なのでなにをどうすればというのはないので、10月頃また鎌倉に行って大仏様にお願いするほかない。それ以外ないのだ…!

トレーニングに関しては、この冬か、間に合わなければ次の冬、あったかいトレーニングウェアなど買いたい。公園トレのデメリットはやはり野外であるということで、嵐の日はできないし、夏は暑く冬は寒い。せっかくいいルーティンができているので、ぼくはわりと外見、様式をおろそかにするところがあるから、そのあたりしっかりしようとおもう。今年のハロウィンで42だしな。

読書については、冊数をせめて月2冊程度にまでは戻したいというのと、あとわりと大型の読書が最近できてない気がするので、なにかひとつくらい読み切りたい。短編集や新書ばっかりなのだ。さしあたり団藤先生の『法学の基礎』だが、ずっと寝かせてる渡辺康行『「内心の自由」の法理』もいい加減読みたい。そこまで重厚でなくても、最近買ったものでいったらアンジェラ・サイニー『家父長制の起源』とか、ずっと見えるところにあるローレンス・クラウス『私たちは何を知らないのか』とか、なんでもいい。文庫新書でないなにかを読み切りたい。





数学も法律も語学も、やりたいことはまだまだたくさんある。みたい映画もいっぱい。精読癖は悪いことではないが、なにごともテンポよく、多少の不明をおそれずすすんでいかないとまったく追いつかない。なんとか時間の流れに食いついていきたい。なんというか、いまそういう時期だという感じがする。ブログもがんばります。みなさん、今年もよろしくお願いしますね。




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ブログ納め。今年の年末記事も無計画に筋肉と妥協で乗り切ってしまった。



去年はいつもやってた筋トレ総括的なやつが間に合わず、年始にやるとか言ってて忘れてしまったまま大晦日である。そして今年も時間がない…。

ただ、年始にやるかっていうと少し迷っていて、忘れそうだからいうわけではないが、少なくとも筋トレまとめに関してはもう少し早い時期にやったほうがいいのかもなどと考えている。なぜなら、毎年必ずと言っていいほど、11月に体調を崩し、大幅に体重を落とすうえにトレーニングじたいが行き届かないものになってしまうからである。今年は11月を乗り切ったのでいけるかもとおもえたが、やっぱりクリスマスイブにインフルエンザになってしまった。まだ微妙に治り切ってないのでトレーニング再開は年明けになる。幸い食欲には響かなかったので体重に影響はなさそうだが、とりあえず充実した状態ではないわけなのである。そうでなくても好調不調はあるわけだし、計測などするならもっとまめにやったほうがいいようにおもわれるのだった。


じゃあいまやってみれば?ということで、ちょっと上腕や大腿計ってみたけど…2022年末とあんまり変わらないか少し下回るっぽい。悲しいね。ただ、気づいたんだよ。冬って寒いんだなって。3,4年前から懸垂器具のある公園でトレーニングするようになって、ついでにパラレルバー・ディップスもガンガンやるようになって、背中、胸、腕は目に見えて成長してるんだけど、冬は寒い。ぼくトレーニングの服とか持ってないので、8割くらいはスーツのままやったりしてて、それじたい不便はないんだけど、コートとか家においてきてからやるから、まあワイシャツとかカーディガン。寒いのだよ。どうもそれが、冬場に、露骨にサボらせないまでも、週2回から3回の公園トレをたとえば1.7回から2.5回くらいにしてしまってる気がする。気がするっていうかたぶんそう。来年度といわず、近いうち冬用のなにか服を買ったほうがいいのかなと思ってる。


あとせっかくだから書いとくと、11月くらいにはシシー・スクワットを取り入れてみた。






何年も前にやってみて、これは膝を痛めると直観してすぐに中止、以後こわくてやってなかったんだけど、けっこう長い間、念入りに、コンヴィクト・コンディショニングのスクワットで関節鍛えてきて、そろそろできるのではないかとやってみた次第。大腿にいままでなかった量と質の負荷がかかり、久しぶりに爽快なまでの筋肉痛になった。そして同時に、痛めることなく、また痛めそうという感覚もなくできたことで、これまでのやりかたが間違ってなかったとも実感されたのだった。

床までしゃがむコンヴィクト・コンディショニング(プリズナートレーニング)のスクワットは、臀部やハムストリングスにも効く。しかしシシー・スクワットは負荷がほぼぜんぶ大腿四頭筋にいくので、背部には届かない。ブリッジ系とスーパーセットでやるといいです。


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さて、今年はなにがあったかな、どこに行ったかなと、写真やXなどで振り返ってみたが、マジでディズニーばっかりだな。2月のランドが雪かなにかで中止、3月7日にランド、5月16日にドナルドのパルパルーザを見にまたランド、7月19日にウィークナイトパスポートで17時からシー、10月17日にランドでディズニーハロウィーン、そして11月1日ははじめて貸切のシーに。


マイメン・ジェラトーニ









一年通して書ききれないくらいたくさん幸せな気持ちをもらってきた。ありがとうディズニー。

毎回リサーチ不足で、ドナルドのパルパルーザとか、すごい楽しみだったのに、座る位置が悪く、目の前を帰っていくドナルドが通過するだけだったりしたが、やっと、なにをどうすればいいのかわかるようになってきた感じだ。あと今年のハロウィーンにはついに美女と野獣のガストンが参加。ギデオンもかわいかったなあ。

あとは、その貸切の時に、ふだんは入らない(入れない)ファンタジースプリングスに行くことができた。最近できた、アナ雪、ラプンツェル、ピーターパンのエリア。アナ雪とラプンツェルに乗ってきた。これも、当日、というかそこの近くにいくまで入れることを知らず、入れんの?!とほとんど叫びながら入場したのだった。


来年1月15日からのパルパルーザは『ヴァネロペのスウィーツ・ポップ・ワールド』で、ドナルド以上に楽しみにしている。ヴァネロペはシュガーラッシュのキャラクター。もっと子ども向けを想像していたのだけど、たいへん骨太な内容のうえに、ゲームのはなしだからぼくらにはピッタリであった。そして、オリジナルの、英語のヴァネロペの声がよくて…。ふつうの映画は字幕、アニメは基本日本語吹き替えというふうにぼくらではなっているのだが、シュガーラッシュはなぜかオリジナル音声の字幕で見たのである。あの、ちょっとしわがれた、きれいではない声がぴったりでかわいくて…。とにかくシュガーラッシュが大好きだということです。1にはザンギエフとかベガも出てくるぞ!2にはディズニープリンセスが全員登場する夢みたいな場面が2回もあります。


https://www.tokyodisneyresort.jp/treasure/vanellopessweetpopworld/



ディズニー以外だと、7月25日に職場のゲーム仲間をひとり連れてモンハンの大狩猟展に出かけたくらいかな。




フルフル アルビノエキス入り


そう、今年はモンハンも大きかった。ライズ買って、サンブレイク買って、帰宅して映画みないときはずっとモンハンやってた感じだ。サンブレイクは、ぼくがこれまでやってきたのとはいろいろルールが違うけど、ペイントボールやホットドリンク系が不要になったのはかなりよかったし(あれはあれでなつかしくもあるが)、なにより操竜と盟友がいい。特に操竜、条件を満たしたモンスターに乗って操ることができるというのは、これまでずっとしたくてしたくてたまらなかったことだ。結局はモンスターが好きなので。次はモンスターをオトモとして連れて行ける盟竜をやってもらいたい。


そんなところです。徹底してエンタメに振り切った1年だったかも。来年も楽しく心穏やかで、実り豊かな1年でありますように。みなさまよいお年を。




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年末投稿、もともと漫画と、小説など文筆作品はわけて見てきたが、去年より同じ記事にまとめることにしました。


【漫画】

今年は『税金で買った本』9巻から『蟻の王』19巻まで、ぜんぶで55冊の漫画を読んだ。まあこんなものなのかな。体感的にはちょうどいいけど、月5冊くらいが望ましい?減らそうとはしてきているわけなんだけど、読みたくないわけではないし、あんまり読まないでいるとものすごい速さで感性が鈍るので…。とはいえすでに、本に関わってはいるけど書店の現場からは離れているという状況で、信じられないことを忘れたりしてる。出版社とかどんどん忘れてんだよな…。現場のひとたちは、戻ったらすぐ思い出すよとなぐさめてくれるが…。コミックは関係ないが、特に2年か3年いた専門書エリアでの得難い知識が失われるのは痛い。


現状、継続して読んでるものの新刊を買うばかりで、もはや感覚が鈍るもなにもないわけだが、今年はなにかおもしろいことあったかな…。テラフォーマーズ再開くらい? 前の巻を覚えていない、そして見つからないという状況だったがおもしろかった。テラフォーマーズを読むとむかしの勤務店、閉店させてしまった店を思い出して少し切なくなる…。


それから、もともとバキキャラが好きな相方が、スピンオフの『ガイアとシコルスキー』にハマり出して、読み直したり、バキアニメをくりかえし見たりもしたな。実際『ガイアとシコルスキー』はかなりおもしろい。最近『花のチハル』も読んだけど、バキのスピンオフはみんな絵がうまいし愛にあふれていて最高だ。どのくらい板垣先生が関与してるのか不明だが、二次創作的には終わらせないという気概も感じさせる。ゲストキャラも楽しいし、本編では板垣先生が直感で突破したとおもわれる箇所を納得いくかたちで補ってくれたり、とにかく楽しいのひとことである。あとそうだ、最近まで知らなくて、それを知ったから読んだのだが、『花のチハル』には龍書文と郭春成が出てくるぞ。








【小説・評論など】

漫画以外では12冊だった。書店所属でこんなブログをやっているということを考えたら呆れてしまう数字だが、去年が9冊だったので、少し戻ってよかった…。何回も書くけど、このブログは書評ブログである。訓練のため、おもしろくてもおもしろくなくても、読んだものについてはすべて書くということだけ決めて始めたものだった。いまみなさんが読んでいる、この、これは、そうしたことの実りである。その評価は読む方がすることだが、そういう方法が一定以上の成果をもたらしたことは実感として理解している。問題は、そうすることによって読む量が桁違いに少なくなってしまったということだった。一冊一冊、なにかそれなりのことを書こうとして読んでいたら、当然精読することになるし、書く時間もしっかりとらねばならず、読書量激減はものの道理だった。というわけで、ぼちぼちぼくなりのスタイルもできてきたし(15年とかそれをやってたわけだから当然なのだが)、いったんこの「必ず書く」をやめようということになったのである。でどうなったかというと、書評を書かなくなり、それでいて少子化のように読書量減は止まらないのだった。とりあえず今年はわずかに持ち直したけどさ…。

骨の髄までしみついた精読癖がもう抜けないんだろうなとはおもう。まあそれはそれでいいことなんだろうけど、もっと斜め読みとかできないかなこのひと。作家が手すさびで書いた軽い随筆を、なんでそんなガンギマリの顔で読むかな。読書とは闘争なのか?力の解放なのか?解放のカタルシスを得るために力んで読んでるのか?ある種そうなのかも…

去年同様、通勤時に仕事に関係する論文を読みまくっているというのはあった。必要な読書ではないが、せっかくなのでちゃんとやろう、という感じで、なになにの本を集めて紹介する、など、ことあるごとに正確な知識や認識を得るために関係するものを複数読むようにしているのである。公共系のお仕事なので、なるべくバイアスをかけたくないのだ。

電子も読んでるが、今年はわりと読み切れた電子が多くて(5冊)、それはまあよかったかも。


たった12冊なので書き出しちゃうと、トマス・ハーディ『ハーディ短編集』、ダニエル・ソロー『証明の読み方・考え方 原著第6版』、芹沢正三『素数入門』、東浩紀『訂正する力』、土屋恵一郎『怪物ベンサム』、五十嵐太郎『誰のための排除アート?』、ツルゲーネフ『ルーヂン』、保坂和志『生きる歓び』、瀬山士郎『集合と位相』、野村修也『説得力を高めたい人のための法的思考入門』、北村英治『なつかしのジャズ名曲CDブック』、三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、以上。トマス・ハーディ読んだの今年だったか。おもしろかったよなあ。


数学の本を3冊読めたのはよかった。と言ってもうち2冊はブルーバックスで、通勤中の電子だから、計算や証明も目で追うだけだったけど。

ただ、去年も紹介した、共立出版から復刊された『証明の読み方・考え方』はかなり良かった。時間かけてじっくり読んだし、いまでも拾い読みしてる。ぜんぶ初歩といえばそうなんだけど、すべての技術を手癖で終わらせずにゆっくり解説していく本なので、なにより知的興奮がすごかった。数学やらないひとにもおすすめ。きっと日常生活や仕事にも生きる。


そういう意味では『説得力を高めたい人のための法的思考入門』も実践的かな。あんなに広い領域をよくこんなにコンパクトにまとめたなあとおもう。不足を感じたら、巻末にぎっしり参考文献があるからそれを追えばよい。





12冊でベスト本もないが、その証明の本と、小説なら『ルーヂン』かなあ…。1年くらい前にロシア文学の「余計者」について研究していて、その流れで買ってあったのを一気読みした。ドブロリューボフとか読んでた頃。たんに「余計者」の概念だけをみると気付けない悲劇性みたいのを、ツルゲーネフもこんな時代からちゃんと書いていた。しょうもないんだけど、あわれみと、ある種の共感こみで描かれてる。





読み終えてはいないんだけど、今年はやたらと岩波文庫でロシア文学の本買ってたかも。ブルガーコフとかプラトーノフ。来年はまずそのへんから読んでいこうかな。


仕事と趣味をかねた法律系の本は、まずは著作権とプライバシー権を極めなければというのがあるのに、今年もぜんぜんやらなかった。九条の大罪の感想書いてるせいか、そういうのより刑法の論文とかが多めになっちゃう。刑法学の泰斗・団藤重光『法学の基礎』もついに買った。まだぜんぜん読んでないけど。

そんなところです。

あと、超話題作の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、新書とはおもえない読み応えの労作なので、おすすめです。久しぶりに批評を読む興奮を味わいました。









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クリスマスイブからインフルエンザでぶっ倒れていた。当初は発熱がなかったために微妙に病院いくのが遅くなり、まだずるずる具合悪い。年末のまとめ記事もこうしてギリギリになってしまった。まあ、インフルエンザになっていなくてもいつもこのくらいなのだが…



とりあえず映画。というか映画館。去年よりディズニーリゾート通いが始まっているため、あまり映画館には行けなかったようにおもう。正確かどうか自信はないが、Xをみる限り5回だな。5回か…。去年が12回。やっぱり最低月1ペースは守りたいかも。マーベルもなかったしなあ。


1月25日に『アクアマン/失われた王国』。DCもひとなみにチェックしてはいる。ティム・バートンのバットマンで育ったみたいなところはあるし、ノーランのバットマンも大好き。マンオブスティールからのスーパーマンも追ってる。ワンダーウーマンだけは、いつか見なきゃってなりながら機会を逸している。フラッシュはこないだ見た。ハーレイクインも大好き。しかし、あまりにも酷評ばかり耳に入るので、こわくて『ジャスティス・リーグ』は見れていない。そんなレベル。DCは、よくもわるくも『ダークナイト』の呪いが大きいんじゃないかとおもう。MCUが成功させたユニバース戦略、ゴジラやシャマラン映画にも見られ、かなり一般的な方法になってきているとおもうが、それをやるときに必ず生じる、人物の軽量化みたいなことが、DCのストーリーやキャラクターにあんまりなじまない感じがするのだ。

アクアマンはとりわけ評判がよく、たぶんバットマンの次に好きだし、ジェイソン・モモアはローマン・レインズみたいでカッコいいし、見ようと決めていた。ブラックパンサーの続編と雰囲気が似ていて思い出そうとすると混乱してしまう感じだが、まあ期待を裏切らないおもしろさだった。

DCユニバースは、MCUのガーディアンズ・オブ・ギャラクシー監督のジェームズ・ガン主導で、2025年のスーパーマンを皮切りに仕切り直すようである。役者も変わってしまうのだとすると、ちょっともったいないなあと感じてしまう。





4月15日、ディズニー/ピクサー『ソウルフル・ワールド』。コロナ禍で公開されなかったディズニー映画がまとめて上映される機会があり、とっくにディズニープラスで鑑賞済みだったが、観てきた。

ぼくでは、同じくピクサーの『リメンバー・ミー』と対になっている。どちらも映画として高く評価すべき作品だが、ぼくはどうしても個人的にみてしまう。なぜなら、ぼくも、ひとりでこそこそ、独学でピアノ(厳密にはシンセ)の練習をしていた少年だったからだ。ミュージシャンを夢見、ひとり熱心に、独自の方法で、しかしそうとうなギターの腕前を身につける『リメンバーミー』のミゲル、しかし家族に否定され、自作のギターを叩き壊されるミゲル、あれは、まちがいなくあのころのぼくだった。ぼくは、ディズニー映画をこういうふうに鑑賞できたことはいちどもなかったようにおもう。初めて「オレの映画だ」と感じることができたのが『リメンバーミー』だったのだ。

そしてそれと対になる『ソウルフルワールド』。ミゲルが「かつていたかもしれないぼく」なら、ソウルフルワールドのジョーは「今後いたかもしれないぼく」だ。中年に至りながらミュージシャンを目指しつつも音楽教師で満足のいかない日々を送るジョーは、ピアニストでもあるのだ。あの、「こんなはずはないのに」という感覚、「これさえなんとかなれば」という歯がゆい感覚、涙が出るほどよくわかる。これは音楽に限らずパーソナルな表現を志したものであれば必ずわかる感覚だと思う。セットでおすすめです。





5月30日『おいしい給食 Road to イカメシ』。めったに見ない邦画だ。テレビ神奈川やMXで放送されていたドラマをなにかのときにたまたま見て、基本的に日本のドラマを見ることはないのに、気づいたら最後まで見ていて、「あれ?いまの、すごいおもしろかったのでは…?」と見るようになった。サブスクで見れたり見れなかったり、ぼくはまだ走破していないが、映画も素晴らしかった。甘利田先生をみてると、ぼくなんかまだまだぜんぜん本気で生きてないな、となる。





8月22日、ディズニー/ピクサー『インサイドヘッド2』。これもものすごく楽しみにしていた。あのピアノのテーマを聴いただけでうるっときちゃうくらいには好きである。ちょっと疲れてきたので詳細は省くが、初見、数えることのできるいくつかの区域に感情をわけてとらえる、というのがいかにも西洋的な感じがしてしまうかもしれないが、その感情じたいにもわりとアバウトにさまざまな感情があるので、そうした無批判さもしだいにどうでもよくなってくる。




そしていちばん最近。12月16日『スピーク・ノー・イーブル』。マカヴォイがまたなんか正気じゃないひとの役やってる!という予告情報だけでダッシュしたが、『胸騒ぎ』という映画のリメイクらしい。なんかおかしい、どっかおかしい知人に、少しずつプライベートを侵食されていく、非常にストレスのたまる胸くそ映画で、最高だった。あとで、オリジナルの『胸騒ぎ』は『ファニーゲーム』の強い影響下で作られたと聞き、とても納得してしまった。マカヴォイは、スプリットのあれの経験もあってか、あるいは舞台仕込みのやや大袈裟な芝居がいいのか、こういうのほんとうまい。たまたま撮影時についていたという筋肉も、スプリットのビースト以上のバルクで、正常なコミュニケーションを無効にする男性性みたいのがよく出ていた。あと目が、白目がいいんだよねこのひとは…。


以上です。




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第35話/恋人繋ぎ



ジャックのジャーマン・スープレックス3連発、都合5連発によりダウンしたピクル。ジャックはみずから手をあげ勝ち名乗りをするのだった。

観客や実況は、光成の判定を待たずにジャックが勝ち名乗りをしたことをやたらと気にしている。光成が試合を止めることはよくあるが、それはあくまで、攻撃が度を過ぎていたり、必要以上のことが起きたりというときに限られていたようにおもう。審判もいない、というのが地下闘技場なのだし。だが、その肝心の光成は、花山とともに、思わせぶりに会場から消えている。光成が判定を下すというより、勝ち名乗りであれなんであれ、勝敗が決したと思われるところでいちおう光成がきまりをつける、というのが正しく、その彼がいまいないなら、観客たちもざわつく状況になってしまっている、といったところだろう。


前の時ほど露骨ではないが、今回もジャックは歓声を堪能しているようである。バキはまだ会場にいるが、やはり思わせぶりにうつむいている。刃牙や花山、光成になにか違和感のようなものを感じさせる行動が、一連のジャックのもののなかにあったようだ。


ピクルが立ち上がっている。ぜんぜん元気っぽいので、やっぱり光成がいたら続行させてたのかな…などともおもうが、肝心のピクルが戦意喪失しているようだ。


顔の半分を失いながらピクルが笑う。優しい笑いだ。そして、手四つの位置関係でゆるやかに右手を差し出す。一種の握手である。ジャックはそのうち両手でこれを握ってしまう。ピクルへのトラウマ的大敗の記憶がジャックを強くしたぶぶんはあったろう。おもうところはかなりあるにちがいない。

そのジャックに、ピクルは「ジャック 勝ち」と告げる。しゃべったことにジャックとしてはまず驚きなのだが、これはピクルがジャックの勝ちを認めたということであり、ピクルは「勝ち」の意味を理解しているようだ。

そうして、なにかを預けるように、どこか満ち足りた雰囲気のピクルが試合場をあとにするのだった。



つづく



これは、ピクルはもう引退かもしれないなあ。

かつてのピクルは、相手を倒すたび、もしくは相手の唯一無二性を理解して“親友”であることを確信するたび、涙していた。強者は友である。しかも得難い友である。しかし、それが強者であることを理解するという状況は、すでに闘争が始まっていることを意味する。そしてあの時代、闘争はどちらかの死に帰結した。それが食糧でもある以上、その運命からは免れない。だから泣く。しだいにその描写はなくなっていったが、そのことはあまり重要ではない。ピクルは現代にきて毎日たくさんの刺激を受けている。ただの生理現象でもあり、泣かなくなったとしても不自然ということはない。問題はファイトへの意識である。これは、ピクルの強さを育んだ環境と直結しているから、実質彼が強い理由そのものだったのだ。今回のピクルには、敗北しながらも、じぶんを食わせようとしたり、食われる恐怖におびえたりというところがないのである。それはどういうことなのか。


都会での経験といくつものファイトを経て、まずピクルでは闘争と食事がイコールではなくなっていったのだろう。倒したら食べなければならないということはないし、闘争と呼べるような内容にならなくても食べていい。両者は独立したのだ。そしてこの独立、つまり差異化というのが、他ならぬ言語の機能なのである。ピクルにとって闘争と食事は、別のものとして認識する必要がなかった。エスキモーはあまりにもありふれたものであるために「雪」そのものを指す単語を持たないというが、それは、なんらかの現象、たとえば雪景色から、わざわざ雪を抽出する必要がないということだ。ピクルにとっても、闘争と食事は一体のものであるから、どちらかを指示する必然性を彼はもたなかった。だが、都会での生活は彼に闘争なしでの食事を強いたし、また同時に、優れたファイターとのたたかいは、闘争に食事が添えられる必然性を削いでしまった。そうして、彼のなかでふたつは分かれていった。言葉を獲得するとは、なだらかな曲面のうえに網目を落とし込み、価値の違いにおいて事物を差異化して受け取るということなのである。


流れからすると、言葉を獲得したからそうした差異化ができるようになったことになりそうだが、こうして書いてみると逆にもおもえる。闘争と食事が分離したから、彼において言葉を得る準備が完了したのである。ここまでの言語理論はソシュールのものだが、別の目でいえば、フロイトは、他者の獲得を同じように考えている。乳児のみる世界は海のように連続した一体のものだ。これが、ある不快(仮説的には乳房の不在)を経て、快感原則と現実原則を手に入れ、世界に最初の分節をほどこすことになる。不快なもの、おもいどおりにいかないものを弾き出し、直面することで、世界は初めて連続体ではなくなるのだ。この最初の一撃、最初の分節に近い衝撃が、ピクルでは闘争と食事の分離で起こったのだ。そしてその強い衝撃が、彼に言葉を使用する準備を整えさせた。彼がしゃべったという事実は、原因ではなく結果なのかもしれない。


ともあれ、彼のフィジカルも、また非エエカッコしいともいえる無慈悲なまでの野性も、環境が育んだ必然的なものではあった。その環境に対応する原理が、その、闘争と食事の一体性だった。これは戦国育ちの武蔵が強いのと同じしくみだ。しかし、環境は失われ、それに対応するためにあった彼のスタイルも解体したとなれば、この結果は予測もできたろう。ゴミから流れる液体を燃料にする野性である。たぶん、肉体的にはそこまで弱くなってはいない。なまってはいるかもしれないが、もとの強さを考えたら無視できるものだろう。ただ、彼はもう以前のファイトができなくなっている。忘れてしまっているのだ。ピクルの晴れやかな笑顔含め、「引退」という語が浮かんでしまったのは、それが実力云々ではない根本的な変化によるものだからだったのだろう。いずれにせよ、しばらくそっとしてあげてほしい。












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