北朝鮮への資金返還 米で批判
北朝鮮に対してマカオの銀行に凍結されていた資金を返還することに対して、アメリカでは「北朝鮮に誤ったシグナルを与えた」などとする批判が広がっています。ブッシュ政権の今後の北朝鮮政策に微妙な影響を与えることも予想されます。
保守派の論客の1人、前国連大使のジョン・ボルトン氏は、21日、NHKのインタビューに対し「資金の全額返還は、北朝鮮ばかりでなく、同じく核問題を抱えるイランに対しても、核の拡散防止の観点からも誤ったシグナルを送ったことになる。我慢さえすれば悪いことに対しても見返りを得ることができると思わせてしまった」と指摘しました。ボルトン氏は、資金の返還の確認にこだわり協議を再び拒んでいる北朝鮮について「いつものやり方だ」と切り捨て、「ブッシュ大統領が『北朝鮮の対応は不満だ。この取り引きはやめる』と宣言すれば、再び支持されるだろう」と述べました。また、ホワイトハウスでおととしまでアジア政策を担当したマイケル・グリーン氏は「北朝鮮を非常に強い立場に立たせることになった。結果を残さないまま外交交渉を進めるという目的だけに大事なテコを使ってしまった。戦術的な失敗だ」と指摘しました。アメリカ国内では、保守派を中心にヒル国務次官補が主導する今回の交渉への批判が広がっており、ブッシュ政権の今後の北朝鮮政策に微妙な影響を与えることも予想されます。
NHKニュース
“資金返還問題 時間が必要”
6か国協議で北朝鮮がマカオの銀行で凍結されている資金の返還にこだわっていることについて、中国政府で外交を統括する唐国務委員は、この問題が「いつ終わるのかわからない」と述べ、解決にはまだ時間が必要だという認識を示しました。
これは唐国務委員が、22日、北京市内で行われた日本と中国の交流会の場で述べたものです。この中で、唐国務委員は「大事なことは北東アジアの安全の枠組みをいかに構築していくかだ。凍結資金をめぐる問題はささいなことだ」と述べました。そのうえで、「銀行には銀行の立場があり、政府が口を挟む問題ではない」と述べ、中国の銀行が北朝鮮の資金の受け入れを拒んでいることについて、中国政府としても対応に苦慮していることをにじませました。唐国務委員は、この問題について、「いつ終わるのかわからない」とも述べ、解決にはまだ時間が必要だという見方を示し、6か国協議が休会する可能性もあることを指摘しました。6か国協議は、北朝鮮がマカオの銀行で凍結されている資金の返還を確認することを強く主張して、核の放棄に向けた議論に入ることができず、21日ま での予定を延長して、22日も協議が続いています。
NHKニュース
6か国協議 北朝鮮代表帰国へ
日本政府筋によりますと、北京で行われている6か国協議の北朝鮮代表のキム・ケグァン外務次官は、22日午後、帰国するという連絡が入ったということです。キム・ケグァン外務次官は北京の空港に姿を見せており、6か国協議は、核の放棄に向けた実質的な議論に入れないまま、休会する可能性が出てきました。
北京で開かれている6か国協議は、22日、4日目を迎えています。これまでの協議で、北朝鮮がアメリカの金融制裁によってマカオの銀行で凍結されていた2500万ドル、29億円余りの資金の返還にこだわる姿勢を変えないため、首席代表による会合は開かれておらず、協議筋によりますと、北朝鮮のキム・ケグァン外務次官は会場の釣魚台迎賓館には入っていないということです。こうした中、日本政府筋によりますと、北朝鮮代表のキム・ケグァン外務次官は、22日午後の航空機で北京から帰国するという連絡が入ったということで、北京の空港に姿を見せました。キム・ケグァン 外務次官がこのまま帰国すれば、6か国協議は、核の放棄に向けた実質的な議論に入れないまま休会する可能性が出てきました。
NHKニュース