北資金問題「大きな前進」と米次官補=韓国代表「引き出し自由に」
【ソウル10日時事】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で米首席代表を務めるヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は10日、ソウルの韓国外交通商省で記者団の取材に応じ、マカオ当局がバンコ・デルタ・アジア(BDA)の凍結資金を全額解除する用意があるとする米財務省の発表について、「北朝鮮が核放棄に向けた措置を取れるようにするための大きな前進だ」と歓迎する考えを示した。
韓国首席代表を務める千英宇外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長との会談後に語った。
また、千本部長は「BDAの口座が凍結される以前の状態となり、すべての口座所有者が自由に資金を引き出すことが可能になる。これを契機に北朝鮮が非核化措置を早期に取ることが重要だ」と強調した。
時事ドットコム:北資金問題「大きな前進」と米次官補=韓国代表「引き出し自由に」
北朝鮮へ大型風船9個飛ばす 「拉致」ビラ1万枚入り
北朝鮮による拉致被害者を調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)は10日、韓国の市民団体と協力し、南北の軍事境界線に近い江原道鉄原で、同会のビラ1万枚を9個の大型風船に入れて北朝鮮側へ飛ばした。
ビラはビニール製の十数センチ四方。片面には北朝鮮に拉致された人々へのメッセージを印刷、同会が北朝鮮に向けて毎日1時間、短波ラジオ放送「しおかぜ」を行っていることを伝え、聴取を呼びかけている。
裏面には、北朝鮮の人々や幹部への訴えが印刷され、拉致被害者に関する情報の提供に対して1000ドル(約11万9000円)、情報の価値によっては1万ドル以上を支払うとし、同会の連絡先を記している。
荒木代表は「北朝鮮脱出者(脱北者)の中には北朝鮮でビラを見たという人もおり、北朝鮮から韓国側に抗議もきている。今後もしおかぜとビラで訴えを続けたい」と語った。
北朝鮮へ大型風船9個飛ばす 「拉致」ビラ1万枚入り|拉致|社会|Sankei WEB
北朝鮮資金返還:「マカオ当局が凍結口座の解除準備」
【北京・西岡省二、ソウル堀山明子】米財務省は10日、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で凍結されている北朝鮮関連資金(約2500万ドル=約30億円)の返還問題について「マカオ当局がすべての凍結口座の解除を準備している」との声明を発表した。方法や金額など具体的内容は不明だが、米国は当初検討していた中国国有「中国銀行」を通した一括返還ではなく、52口座の名義主へ直接返還する方向で調整している模様だ。
訪韓中のヒル米国務次官補は同日、米財務省声明の直後に会見し「障害は取り除かれた。北朝鮮は早期に国際原子力機関(IAEA)と協議し、(核施設停止などの)履行を急ぐべきだ」と強調。6カ国協議の初期段階措置合意に基づく核施設の稼働停止・封印を実施するよう促した。
ヒル次官補は同日夜、ソウルで訪韓中の武大偉・中国外務次官と米中2国間で代表協議を行い、今後の6カ国協議の対応について話し合う。
米財務省は先に、凍結解除された資金は人道・教育分野に限って使うことで米朝が合意していると発表しているが、マカオ当局がどのように北朝鮮の使途を制限するのかは不明。ヒル次官補は「適切な手続きが必要で、具体的にはマカオと北朝鮮当局が合意することだ」と述べるにとどめた。また、韓国政府当局者は「北朝鮮に任すことにした」と述べ、北朝鮮当局の裁量に委ねる方針へ譲歩したことを示唆した。
一方、韓国外交通商省の千英宇(チョンヨンウ)朝鮮半島平和交渉本部長はヒル次官補との会談後、「これで05年9月の北朝鮮口座凍結前の状態に戻った」との認識を示し、「明日からBDAの凍結口座はマカオで自由に引き出すことができる」と述べた。韓国政府当局者によると、マネーロンダリング(資金洗浄)の懸念対象にBDAを指定、取引停止した米財務省の制裁措置については、今まで通り有効という。
BDA問題は、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議進展の大きな障害になってきた。前回協議(先月22日休会)で、北朝鮮はBDA資金の全額返還確認後、寧辺(ニョンビョン)核施設の稼働停止などを盛り込んだ初期段階措置を履行すると表明。履行期限となる14日までの実施は困難とみられている。
同問題をめぐり、米財務省はグレーザー米財務副次官補(テロ資金・金融犯罪担当)を3月下旬から北京に派遣。約2週間にわたり中国銀行のほか、香港などの金融機関への資金移管による解決を目指してきた。しかし、中国銀行などは違法資金の疑いがもたれている北朝鮮資金の扱いに難色を示し、必要書類の不備など技術的な問題も重なり協議は難航していた。
北朝鮮資金返還:「マカオ当局が凍結口座の解除準備」-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ