(No.ym-111)
※マンガ本編は解説文の後にあります。
本ブログのメインコンテンツの4コマ単位マンガは昭和20年の物語を描く「ヨシノとミコト編」を公開しています。
第3部が終わったところまで公開していますが、今回は第3部と第4部の「間」のページに入れる内容として、一つの歴史的な出来事を描きました。
<とりあえず一言>
いつもだと記事冒頭に漫画をアップした後に駄文を記すという順番ですが、今回の絵は一定以上には「禍々しい(これは感情的な意味でして、見た目がグロテスクなわけではありませんので、その意味では身構えなくても大丈夫です)」と判断したので、画面をスクロールさせてから見る形になるように、先に駄文を持ってきました。
本作をブログで公開する段階では、たびたびこのような措置を行っています。
本は見る前に「めくる」という作業が必要ですが、ブログにも「スクロールさせる」という作業をあえて加えることがあります。
さて、ガジェットとは、今日的には小型のデジタル機器、電子機器などを中心とした面白い道具のことですが、ここでは固有名詞です。
最初の核実験の際に炸裂した核爆弾には「ガジェット」という名前が付けられていました。
ご存知の方も多いと思いますが、最初の核実験はアメリカによる原子爆弾の一連の研究開発、マンハッタン計画において、1945年7月16日午前5時10分(現地時間)にニューメキシコ州の砂漠にて行われました。
この実験は「トリニティ実験」と名付けられています。
この実験で炸裂した「ガジェット」と同じタイプの原子爆弾が、それから一ヶ月も経たない1945年8月9日に長崎に投下された「ファットマン」です。
人類史上初の実戦で用いられた原子爆弾は8月6日に広島に投下された「リトルボーイ」です。
リトルボーイとファットマンは内部構造と核分裂に用いられた物質が異なります。
リトルボーイの核分裂反応に用いられた物質は「ウラン235」です。
一方、ファットマンは「プルトニウム」を用いています。
ウラン235はごく簡単な言い方をしてしまえば、一定量の塊を作るだけで連鎖的核分裂反応が起こり爆発的なエネルギーを放出します。
リトルボーイは核分裂反応に至らない量の塊を2つ、爆弾の中に内蔵し、投下後にその2つの塊をくっつけるという構造であり、比較的シンプルです。
構造がシンプルなので投下の際の成功確率は高いと判断されたのと、ウラン235自体が入手困難な物質だったので、事前に動作確認(核実験)は行われませんでした。
一方、プルトニウムは比較的入手性は高かったものの連鎖的核分裂反応を起こすためには複雑な機構が必要でした。
周囲から均一に圧力をかけてプルトニウムの密度を上げるための機構は「爆縮レンズ」と名付けられています。
そして、この複雑な機構をもった爆弾については、実戦使用の前に核実験が行われました。
記事冒頭で記したトリニティ実験です。
本作「ヨシノとミコト編」では、原爆投下を行った国の側の描写として、その経緯と歴史的な出来事を紹介する意図で盛り込むことにしました。
ヒロシマ、ナガサキの原子雲と異なるのは、この爆発自体では死者は出ていない(※)ことです
とは言うものの、この爆発はヒロシマ、ナガサキに連なるものであり、禍々しいことには間違いないと個人的には感じています。
(※ただし、実験場の周辺では住民のガンの発症など汚染による影響が報告されています)。
では、以降が漫画の原稿部分です。
ガジェット
<ここまでのお話のまとめページ>
★第一部★
第一幕「あの人との出会い」
第二幕「運命へのプロセス」
第三幕「動員学徒の日常」
第四幕「動員学徒の放課後」
第五幕「座敷童の帰宅」
★第二部★
第一幕「バンブーランス・前」
第二幕「優しき軍神」+インターミッション
第三幕「バンブーランス・後」
第四幕「墮テンシ、目覚める!」(前半)
第四幕 〃 (後半)+インターミッション
★第三部★
第一幕「トナリグミ1995」
★第四部★
インターミッション「ガジェット」←Now
Next→第一幕「乙女の秘め事」
<お知らせ>
(1)BOOTHで通信販売を開始しました!
扱っているのは、只今ブログで掲載誌ている「ヨシノとミコト」の第1部と第2部を収録した同人誌「墜ちたテンシと太陽の物語(1)」です。
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