「天、共に在り キリスト教への信頼感が一挙に崩れ去りつつある ㉖」
前回記事でキリスト者内村鑑三の非戦の信仰を紹介しましたが、特筆すべきことは、神のように崇められる天皇陛下に対して不敬事件を起こし、さらに日本国民が一致団結している日露戦争に対して非戦を宣べ伝えて「最大級の非国民」となってしまったことです。
さらに、キリスト者内村鑑三に感銘を受けた人々は、同じクリスチャンたちからの糾弾、罵声、罵倒は最も悲しく、精神的苦痛だったことを指摘しています。
著書「キリスト信徒のなぐさめ」にはこのように語っています。
「私は無教会となった。私は人の手によって造られた教会は私にはない。私を慰める讃美の声はない。私のために祝福を祈る牧師もない。
しかし、私は神を礼拝し、神に近づくための礼拝堂を持っていないであろうか。」
*
世の中からも、キリスト教会からも見捨てられた「キリスト者内村鑑三」ですが、無教会となって「聖書之研究」を個人的に執筆して発行しました。
常識に考えて「最大級の非国民」&「キリスト教会の敵」となった内村鑑三の執筆した本など、誰も読むはずがありません。
また、キリスト者内村鑑三も執筆したのは自分を認めてほしいとか、誰かの救いのためとかではありませんでした。
万人救済論において、次のように語っています。
「確かに、私は人を救うために伝道に従事しない。これは、私には絶対にできないことである。
私は未だかつて、ただの一人も救ったことはない。」
それなのに、多くの人々がキリスト者内村鑑三の教えに引き寄せられていったのです。
これは、人の思いでは理解できず、主イエス・キリストが共におられたとしか思えません。
*
私自身は長くプロテスタント福音派の教会に所属していたのですが、内村鑑三の教えとはまったく違いました。
プロテスタント教会の教えの根本は、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである(ヨハネによる福音書3章16節)」が聖書の中の聖書であるために
「人々の救いのために主イエス・キリストを宣べ伝える」という信仰の教えが土台です。
そのために、より多くのクリスチャンたちの協力を求めることとして、超教派の聖会は数多く開催されています。
その福音宣教には「お金」が必要ですので「献金」も募っています。
SNSのクリスチャングループでも、毎日のように人々を救うための主の働きを宣伝して、賛同者を募っている牧師や信徒たち、クリスチャン音楽家たちの投稿であふれています。
それは「イエス・キリストを信じて救われてほしい」ということが話の中心です。
*
私自身の場合は、音楽制作の働きで福音を伝えるために、何人ものゴスペルシンガーやクリスチャン音楽家とタッグを組んで、NHK大阪ホールなどで、難病や飢餓などで苦しむ子どもたちのためのチャリティーコンサートを開催していました。
そして、中村哲医師の殉教によって「天、共に在り」という信仰に引き寄せられたわけです。
「権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって」(ゼカリヤ書4:6
*
それから、私自身も非戦を宣べ伝えて、「私は誰も救えません!ただ神さまのみです」というクリスチャンになってから不思議なことが起き続けています。
その一つに、健康維持のためにテニスをしているのですが、仕事が終わって夜7時から近くの公園で個人練習をしていると、小学生や中学生たちのほうが親しげに近づいて来たので、仲良くなりました。
普通はお互いに誰かがいれば思う通りに動けないので、邪魔な存在に思うものなので驚きました。
以前は「今からサッカーするんですけど」と言われたりしたものでした。
その子たちは、夜8時でも家に帰りたくない子どもたちでした。
家庭の事情があり、寂しく、愛情を求めているのかもしれません。
その家族に「家族団らん」があれば帰宅していると思いました。
子どもたちはよくアニメを見ます。
家族で最も大切な「家族団らん」のシーンが多いアニメといえば「サザエさん」です。
*
サザエさんの著者「長谷川町子」さんも無教会派のクリスチャンであることを宣べ伝えています。
漫画家見習い中の時は、近くのプロテスタント福音派の教会に泣く泣く通っていたことが著書に描かれています。
しかし、一緒に通っていた師匠の田河水泡夫妻はそのプロテスタント福音派の教会があっていて、洗礼を受けて、その後は伝道師になっています。
長谷川町子さんのほうはその後、母親に誘われて、内村鑑三先生の弟子の矢内原忠雄先生から教わる無教会のクリスチャンになってから生き生きとしたクリスチャンになられて「サザエさん」が誕生しました。
「サザエさん」の単行本は、無教会のクリスチャン家族(母と姉妹)だけで作る道を選びました。姉妹社と名付けています。
たった一つ残っていた遺産の家を売り払って資金を調達したのです。
終戦直後でした。また、業界の初歩的なことを知らなかったので、初めは返品の山で、大損害をしたのです。
しかし、信仰者の母親は家族の手作りの本が、日本全土に広がることになると信じているようで「じゃんじゃん刷りなさい」と言いました。
さらに、サザエさん一家はクリスチャンになるという描写はなく、人々を救おうとしていません。
ところが人の常識では信じられないことに、イエスさまに大きく祝福されたのです。
アニメ「サザエさん」は1969年10月5日に始まり、57年目となる今年も継続中で、ギネス世界記録を更新し続けています。
神さまはサザエさんを通して「家族団らん」=「祖父母・父母・子どもたち」の繋がりの尊いことを宣べ伝えておられます。
また、日本国外からの留学生にとってサザエさんは、普通の家庭の日常会話を学ぶ格好の教材番組とされているというほどです。
その長谷川町子さんは1992年5月27日、心不全のため72歳で亡くなった二か月後「家庭漫画を通じて第2次世界大戦後の日本社会に潤いと安らぎを与えた」という授賞理由で、国民栄誉賞が授与されました。
「天、共に在り」
神さまが共にいるというクリスチャンを通して宣べ伝えられることは、それぞれの働きがあり、自分の方法と力によって救おうとせず、協力を求めるために宣伝をせず、お金を求めたりせず、その実は長く影響を与え続けるものという証があります。
「あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。」(フィリピの信徒への手紙2章13節)
長くなったので次回もさらにそのことについて見ていきます。
















