「戦争と平和 ⑯ イスラエル国民から世界に広がる神の正義」
前回記事をさらに深堀します。文春オンラインの特集記事の中で、岡 真理教授(パレスチナ問題に詳しい京都大学名誉教授)がイスラエル国内のことを次のように教えてくださったことは、クリスチャンの私にとって非常に重要なことでした。
「イスラエルの国営ラジオ放送のインタビューで、キブツで一旦は人質になりながら解放されたユダヤ人女性の証言が放送されました。
自分たちを人質にとったパレスチナの戦闘員たちは人道的に扱ってくれたと彼女は語っています。
頻繁に水もくれて、室内は暑いからと外に涼みにも出してくれたと。
彼女とともに人質になっていた者たちは一人を除いてみんな殺されたのですが、殺したのは到着したイスラエルの治安部隊だったと彼女は証言しています。
外で涼んでいたイスラエル人の人質たちはパレスチナ人戦闘員たちもろとも殺されたと。」
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この事実を伝える証言は非常に驚きました。
イスラエル国民にとって、パレスチナの戦闘員は恐ろしい敵と教育されています。
さらに「ハマス襲撃事件」を起こしたので絶対に赦せない敵です。
ですからイスラエルでは「パレスチナの戦闘員とハマスは悪」で一致する報道ばかりで、その真逆なことを伝えないと思われていました。
私自身もそうでした。「イスラエルを襲撃するパレスチナの戦闘員とハマスは悪」それにつきます。
しかし、イスラエル国内の放送において、パレスチナの戦闘員たちは人道的に扱ってくれたと人質になった女性監視員は語り、私たちを殺したのはイスラエルの治安部隊だったという真実が報道されました。
さらに、ナハル・オズの監視員の生存者2人の内の1人マヤ・デシアトニク氏は、イスラエルの公共放送局KANに対し、「目の前で起きていること(ガザ地区でのイスラエル襲撃準備)を三か月前から報告し続けたにもかかわらず、私たちはイスラエル軍に殺されたのだ」と訴えました。
その小さき者の叫ぶ声に突き動かされて、報告を無視し続けた諜報員たちが内部告発をしたのです。
ネタニヤフ政権に幻滅した諜報員たち以外にも、10月7日の攻撃に至るイスラエルの不手際について内部から明かす人々が出てきました。
それゆえ、イスラエルのネタニヤフ政権がハマス襲撃事件を事前に知っていながら、故意に起こさせて、その報復によってパレスチナ人たちの民族浄化を決行するというネタニヤフ政権の悪の計画が露見しています。
つまり、ネタニヤフ政権の悪の計画がなければ、ハマス襲撃事件は起こらず、女性監視員たちも音楽祭を楽しんでいた人々も他の人たちも殺されたり、人質となって拷問やレイプ犯罪も起きることはなかったのです。
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ネタニヤフ政権は、それを否定し、「陰謀論だ!」「傾向報道にだまされるな!」「ハマスは悪だ!」「反ユダヤ主義が広がっている!」ということを徹底的に主張して、武力侵攻によるジェノサイド(集団虐殺)を続行しています。
このようなネタニヤフ政権のウソ、偽り、惑わしにイスラエル国民の多くの人々は負けず、真実を拡散して、正義の道を歩もうとしています。
私自身は、ハマスの人質となったナアマ・レビイさんが解放された後の人質返還要求の集会で、「拘束されている時に最も怖かったのは、イスラエル軍の攻撃だった」とイスラエル軍による爆撃で死ぬことへの恐怖を赤裸々に語っている動画をYouTubeで拝聴して、とても心に響いたのです。
さらに動画では、「戦争反対!ネタニヤフ政権の退陣を要求する!」という数万人による大規模なデモを行なっているイスラエル国民の姿を見ました。
イスラエル国民の多くの抗議者は、戦争の拡大が人質の命をさらに危険にさらすと主張している。
愛する人々の安全な帰還を実現するため、戦争終結とハマスとの合意に踏み切るようネタニヤフ首相に訴えたのです。
またパレスチナとの二国家共存にも賛成しています。
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前述の文春オンラインの岡教授の記事より引用します。
イスラエル軍の最初の攻撃(08~09年)の後、サラ・ロイさんというガザの政治経済研究の世界的第一人者が、「世界は60年かけて、難民を再び難民に戻すことに成功した」ということを書きました。
サラ・ロイさんはユダヤ系アメリカ人で、ご両親はともに第二次世界大戦のホロコースト生還者です。
「60年かけて、難民を再び難民にすることに成功した」とはどういうことか。
1948年、イスラエル建国に伴う民族浄化によりパレスチナ人が祖国を喪失したことによって、75万人以上のパレスチナ人が難民となり、国連が提供する難民キャンプでの生活を余儀なくされました。
その彼らはどうなったか。20年が経っても、国際社会は何もしてくれない。祖国解放のためには自分たちで銃を持って戦うしかないと、次々に解放運動が生まれた。
1987年の第一次インティファーダ(編注:イスラエル占領下の民衆による、占領に対する一斉蜂起のこと)でも、占領下に20年置かれていた者たちが、子供たちまで手に石を握りしめて、イスラエル軍に立ち向かっていきました。
パレスチナ人は銃を持ち、あるいは石を持ち、自らの運命を自ら闘って切り開く。歴史の主体、政治の主体として立ち上がったのです。
しかし、ガザは封鎖され、「世界最大の野外監獄」となり、あまつさえその全土が無差別に爆撃され、破壊され、ガザのパレスチナ人は再び、配給がなければ生きていけない難民の状態に戻ってしまった――
「難民を再び難民に戻すことに成功した」とは、そういう意味です。
引用以上
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しかし、現在のイスラエル国民は違います。数万人規模のイスラエル国民は立ち上がり、真実を宣べ伝えて、正義を行なうために、ハマスやパレスチナ人ではなく、悪を行なっているネタニヤフ首相のシオニスト政権と闘っています。
そして、パレスチナの戦闘員に対して人道的に扱ってくれたことが正直に伝えられました。
さらに10月7日の「ハマスによる残忍な行為」としてイスラエル政府が世界に喧伝したこと(赤ん坊の斬首、焼き殺したこと、音楽祭での大量レイプ……)は、
ZAKAという遺体回収ボランティア団体のメンバーが広めた偽証であることを、パレスチナのジャーナリストたちは伝えていましたが、イスラエルのハアレツ紙が調べれば、それが真実だと証明されたために、イスラエル国内でそれを報じたのです。
本来であれば、真実を調べることもなく、「ハマスは残忍非道な悪です!」と伝えて終わりだったでしょう。
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何が何でも「ハマスとパレスチナ戦闘員は悪!」に仕立て上げ、ハマスやパレスチナ人に対する憎悪を拡散しながら、巧妙に「反ユダヤ主義」を広めて、ユダヤ人たちを危険に追い込んでいるネタニヤフ政権と同じことをする世界中の人々たちが少なくありません。
キリスト教会の中も同じで、びっくり仰天させています。
牧師たちは「ハマスのテロリストがイスラエルに侵入し、殺害を祝福し、薬物の影響下で民間人を強姦し、家族を生きたまま焼き殺しました」と発信して、ハマスへの憎悪を植えつけます。
そして、「ユダヤ人がパレスチナの子どもを殺していると非難されています。」ということを主張して「反ユダヤ主義」に対する憎悪を植えつけているのです。
その一方で、イスラエルの国民の数万人の人々は真実を求めて、公正さを宣べ伝え、正義を行なう道を歩んでいるのです。
そのことは「イスラエルの神」の「聖書の教え」を思い起こさせます。
主の御手にあって王の心は水路のよう。
主は御旨のままにその方向を定められる。
人間の道は自分の目に正しく見える。
主は心の中を測られる。
神に従い正義を行うことは
いけにえをささげるよりも主に喜ばれる。
高慢なまなざし、傲慢な心は
神に逆らう者の灯、罪。
勤勉な人はよく計画して利益を得
あわてて事を行う者は欠損をまねく。
うそをつく舌によって財宝を積む者は
吹き払われる息、死を求める者。
神に逆らう者は自分の暴力に引きずられて行く。
正義を行うことを拒んだからだ。
歩む道が曲がったりそれたりしていても
清く正しい行いをする人がある。
いさかい好きな妻と一緒に家にいるよりは
屋根の片隅に座っている方がよい。
神に逆らう者の欲望は悪に注がれ
その目は隣人をも憐れまない。
不遜な者を罰すれば、浅はかな者は知恵を得る。
知恵ある人を目覚めさせるなら
彼は知識を得る。
神に従う人は逆らう者の家を識別し
神に逆らう者を災いに落とす。
弱い人の叫びに耳を閉ざす者は
自分が呼び求める時が来ても答えは得られない。
(箴言21章1~13節)
人よ、何が善であり
主が何をお前に求めておられるかは
お前に告げられている。
正義を行い、慈しみを愛し
へりくだって神と共に歩むこと、これである。
(ミカ書6章8節)
そのイスラエルの国民たちを通して、知らず知らずのうちに聖書が教える神の正義を知った世界中の人々が応答して、正義の道を歩んでいます。
また、少数ですが、クリスチャンたちも応答して立ち上がっているのが見受けられます。
その正義の道を歩むことは自分自身が抱き続けた「夢」を失うことでもあります。
次はアメリカのトランプ政権の行っている軍事介入を通して「夢」を失うことを見ていきます。
自分が抱いていた夢は消えても、神さまからの夢が起こされるということです。












