国道53号富士川街道(身延道)沿いに変わることのない春の贈り物・桜紀行!山梨富士川地域 | サラリーマンおやじのさえずり小鳥っぷ(小旅行)

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国道52号はかつて甲斐国(山梨県)と駿河国(静岡県)を結ぶ街道のひとつで「甲州往還」「駿州往還」と呼ばれていましたが、富士川流域に沿って通っていたことから「富士川街道」とも呼ばれていました。とりわけ日蓮宗総本山・久遠寺と日蓮の廟所に詣でる日蓮宗の信者の信仰の道でもあることから「身延道」でもあります。そんな富士川沿いには桜の名所がたくさんあります。花咲く風景に出会いにでかけます。

 

身延町の中心、「身延山久遠寺」は鎌倉時代に日蓮上人によって開かれた日蓮宗の総本山。山梨県南部に位置し、身延山、七面山、天子ヶ岳、鷹取山の四つの山と富士川、早川、身延川、波木井川の四つの川に囲まれたこの地は、釈迦が法華経を説いたインドの霊鷲山と同じとし、自らが聖地としたのです。文永11年(1274)聖人は幕府に三度諫言するもかなわず、「三度聞き入られずば山林に交わる」の故事にならい、信者であるこの地の領主・波木井(南部)実長の招きより身延に入山し以来9カ年を過ごします。

 

境内にある大きなしだれ桜が枝いっぱいに淡いピンクの花をつけた様子は桜の花が地面に垂れ下がるほどで圧巻です。手入れの行き届いた境内は荘厳さを感じさせ、桜と寺の伽藍の構図は、『これぞ日本!』の春の図で風雅な雰囲気の浸れます。寺院を取り囲む山々にも各種の桜が咲き誇り夢のような美しい。

 

 

国道52号から身延山を目指して「総門」をくぐります。日蓮上人が身延入山の折り、領主南部実長公とお会いになられた「逢島」の遺跡に立つ門が総門です。二十八世日奠上人が寛文5年(1665)に建立したもので、門には三十六世日潮上人の筆による「開会関」の扁額が掲げられています。この門を入ることによって仏さまの世界に入っていくことを示しています。

 

 

一番人気の駐車場は参道商店街にある「門前町中町町営有料駐車場」ですが、この日はフリーマーケットが開催されて使用できず、偶然三門脇の空き地に停めることができたのですが、2番人気の「せいしん駐車場」にいくことをオススメします。裏手に位置し三門からは遠いのですが、斜行エレベーターがあり、一瞬で本堂や五重塔の行けます。お年寄りやちょっと歩くのはという方にはもってこいです。

 

 

例年お花見シーズンの3/30から4/3の9:00~16:00は両駐車場まで侵入禁止になりますので、三門まで20分歩くことになりますが「総門有料駐車場」も規制区間外になるので時間帯を問わず車を停めれます。

 

 

門前商店街を抜ければ観光協会の目の前に「三門」」が、桜樹の向こうに姿を現します。空。無相。無願の三つの門をへて悟りに至ることから本堂に至る正面の門を三門といいます。寛永19年(1642)に建立されましたが焼失し現在の門は明治40年(1907)に再建されています。(日本三大門)

 

 

三門をくぐると正面が「菩提梯」右手には「男坂」「女坂」の分岐路があります。男坂は五重塔、本堂前に、女坂は甘露門前にでます。どちらもゆるやかな山道を歩いていく参道です。しかしながら健脚な方は是非、二十六世日暹上人代の寛永9年(1632)に、佐渡ヶ島の住人、仁蔵の発願によって起工、完成した高さ104m、三門と本堂を一文字にむすび、御題目「南無妙法蓮華経」になぞらえ、7区画にわかれた287段の石段「菩提梯」を上られることをおすすめします。

 

 

菩提梯とは悟りに至る階段のことで、この石段を登りきると、涅槃の本堂に至ることから、悟りの喜びが生ずることを意味します。

 

 

石段から見上げるかたちで桜越しに五重塔が見えてきます。平成21年(2009)に明治8年以来134年ぶりに創建当時の姿で復元建立され、大伽藍も一層優美な物となりました。

 

 

久遠寺境内のしだれ桜は全国しだれ桜10選のひとつです。久遠寺の総受付であるこく報恩閣の入口前庭には樹齢400年を経たシダレ桜が参拝客の目を楽しませてくれます。

 

 

開基堂脇にも見事なしだれ桜があり、

 

 

大客殿前にも枝を支柱でささえられたしだれ桜があります。

 


身延山ロープウェー駅方面へ歩きせいしん駐車場の方から樋沢川を渡り、「西谷」といわれる宿坊が軒を連ねる道を下って三門に戻ります。西谷がこの時期桜のもっとも綺麗な場所になります。樋沢川沿いの西谷の紅しだれ並木は美しいです。

 

 

まずは川を渡ってすぐの「本行坊」や

 

 

麓坊」の桜を見ます。

 

 

戦国武将・武田信玄の祈祷所として建立され、坊名の「武」の文字は武田家に由来する「武井坊」の角を曲がって

 

 

「岸之坊」「北之坊

 

 

信行道場」の桜を堪能します。

 

 

かつて富士川舟運の要地として栄えた南部町にも町を彩る大自然からの贈り物・桜が4月私たちの目を楽しませてくれます。国道52号を南に走り「新船山川橋北詰」を右折し案内板に従って進みます。まずは「原間のイトザクラ」に。旧法眼寺境内の南側に、町内一の一本桜の巨樹が佇んでいます。四方に枝を張った堂々たる迫力のシダレザクラです。細い枝は地面に届くほど垂れさがり、風に揺れる姿はとても優美です。淡い紅色の花をいっぱいに咲かせています。

 

 

旧妙善寺にあるエドヒガンザクラの古木が「本郷の千年桜」です。樹齢は600年以上とされています。毎年白っぽい花をつけるのでシロヒガンとの別名もあります。

 

 

帰り道がら富士川町にある日本さくらの名所100選に選ばれている「大法師公園」に行こうとしたのだがすでに駐車場は満車ということであきらめてもうひとつ先の南アルプス市にある「高峰山妙了寺」に向かいます。

 

 

日蓮総本山「身延山久遠寺」に次ぐ寺で「裏身延」と言われた古刹です。昭和24年(1949)に起った火災のため経堂、、宝蔵、総門を残し消失しているものの、参道から続く境内にはソメイヨシノ、エドヒガンザクラ、イトザクラが30本ほどあります。

 

 

なかでも火災を逃れた樹齢100年超のシダレザクラが見事です。境内がそれほど広くないので桜が密集して植えられており、境内全体が桜色に染まります。

 

 

帰路の途中に是非寄っていただきたいのが富士川流域で一番北の市川三郷町にある「みはらしの丘 みたまの湯」です。世界的に貴重な特異地形である「甲府大三角形構造盆地」の東南端、北東-南西走向の曽根断裂温泉帯から湧出したアルカリ性単純温泉という大地の神様(ガイア)が授けてくれた「地球の体液」と呼ぶにふさわしい最高級の名湯です。露天風呂からの眺望は絶景で、昼間は八ヶ岳連峰から南アルプスまでの大パノラマをゆったりと湯船に浸りながら眺めることができます。