仙台目指して山形・宮城『那須湯元温泉』の温泉めぐり!最後は那須で休息です。➃ | サラリーマンおやじのさえずり小鳥っぷ(小旅行)

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サラリーマンおやじの休日ドライブと温泉巡り

見下せば藍をたたうる深き淵 鎮魂台を風掠め行く 真二つに天斧巖をつんざきぬ 三万年前のあけぼの 

と土井晩翠に詠われた「磊々峡」は名取川中流に位置する、秋保温泉入口の「覗橋」を中心とした東西約2kmの峡谷で、まさに字にように石や岩が重なっています。その川幅は、場所によってはわずか2m足らずと、名取川の最も狭まった部分にあたります。

 

 

かつては「覗淵」と呼ばれ「名取の御湯」を訪れた旅人が近傍にある雄大な奇勝地であることからつい覗かずにいられない場所、必見の場所でした。

 

 

昭和6年(1931)文人小宮豊隆により、石が重なる様子を表し「磊々峡」と命名され、秋保温泉の景勝地として内外に紹介されました。そんな場所を歩いてみようと朝の散歩の出かけてみました。ホテルから新秋保橋を渡ります。このあたりは磊々峡の東端、最も深く長い瀞となり、俗に「不動淵」とも称しているところが「お粂が淵」です。江戸浅草蔵前の反物問屋喜兵衛の娘、お粂と手代の新吉が駆け落ちした旅の果てに磊々峡まで来て、新吉が名取川の深淵にお粂を突き落として持参してきたお金を奪って逃げたため、その後お粂の幽霊がでるようになったとのこと。しかし新吉もついに磊々峡に身を投じてしまい、そしてその身はお粂が落とされた大淵に流れ着いたとのことです。

 

温泉街のほうに歩くとすぐに「磊々峡」入口があります。ここから覗橋までは約800m、壮大な巖の連続。急流に現れる奇岩、怪石を間近に眺めることができます。

 

 

途中には「天斧巖」「猪飛巖」「三筋滝」「時雨滝」「八間巖」「奇面巖」などの名所が、人々の暮らしの中で名付けられ、緑樹の渓谷の風景とともに特徴ある景観を成しています。

 

 

終着地点の「覗橋(臨潭橋)」は最近恋人の聖地に認定された覗橋ハートが見下ろせます。記念写真のスポットとしておすすめです。

 

 

ホテルに戻って朝風呂をいただいて出発です。先ほどの「覗橋」近くの「秋保ワイナリー」に向かいます。が開店前に時間調整で「釜房ダム」によってダムカードをいただいていきます。

 

 

仙台秋保醸造所(秋保ワイナリー」は、南北を山に挟まれた谷間にあり、すぐ傍らの渓谷には名取川が流れています。

 

 

秋保の谷と川に流れる涼やかな風は夏の間もブドウ畑に畝間を吹き抜け、猛暑時の湿気を飛ばし、果実を冷やし、酸味を保ったままブドウを完熟させる天の恩恵となります。

 

 

秋保温泉郷に位置し、建築家だったオーナーの毛利さんが設計したモダンな外観が目をひきます。敷地内には自社農園や醸造所、熟成庫、試飲スペース、カフェなども備え、人気のスポットです。

 

 

ワインラベルのデザインは仙台藩主 伊達正宗公の遺命により建てられた「瑞鳳殿」。豪華絢爛な霊廟、その黒漆塗りと金彩の扉をモチーフに、万華鏡は常に形を変え、新しく生まれ変わり進化していくことから、発展の願いを込めて、万華鏡の神秘的な美しき世界を「和」で表現しています。

 

 

試飲カウンターで3種類飲んでみましたが、左端のスチューベンロゼは白い花のような香りと豊かな果実味が味わえるドライなロゼワインで、買ってかえりました。

 

 

秋保地区の最期は、日本の滝百選に選ばれ、国の名勝にも指定されている「秋保大滝」です。落差55m、幅6mの大きな滝の轟音をたてて流れ落ちる様は豪快で日本三大瀑布のひとつといわれています?(那智の滝、華厳の滝、袋田の滝)

 

 

秋保大滝不動尊(西光寺)内にある滝見台から望めます。大滝不動尊は860年に山寺を開いた慈覚大師(円仁)が秋保大滝の壮大さに心を打たれて不動尊を祀ったことに由来し、「山寺の奥の院」と呼ばれてきました。

 

 

参道から本堂の横を通って少し上がったところに滝見台があります。

 

 

滝壺近くまで行くことができる遊歩道があり、下流の不動滝橋を下っていくと、滝壺近くから見上げる豪快な滝の様子が眺められ迫力満点です。流れ落ちる滝の飛沫は水しぶきを浴びているかのようでマイナスイオンもたっぷり味わえます。隠れた穴場スポットで一見の価値ありです。

 

 

秋保地区から抜け出し仙台にお土産を買いにいくことにしたのですが、前日仙台駅近くはかなり混んでいたことから秋保温泉の最寄り駅「愛子(あやし)」駅に車をおいて、仙山線で仙台を目指します。

 

 

仙台駅は8月6日から始まる「仙台七夕まつり」の準備で一足早く笹飾りが華やかに駅を彩っています。仙台藩主・伊達正宗が城下の繁栄を願って奨励したと伝わる伝統の祭りで、色とりどりのくす玉や吹き流しをつけた笹飾りが涼風で揺れています。

 

 

仙台駅でお土産を買い愛子駅に戻って一路今宵の宿「那須高原ホテルビューパレス」を目指します。

仙台宮城ICから東北自動車道にのり那須UCで降ります。本来は那須IC前の信号を右折してホテルに向かうのですがちょっと寄り道をして左折し、130年を超える歴史を持つワオナリー「渡邊葡萄園醸造(那須ワイン)」に立ち寄ります。創業は明治17年(1884)、黒磯地区の開墾とともに歩んできました。

 

 

ここに寄ったのは漫画神の雫最終章「マリアージュ」に那須ワインメルロー2005が載っていたからですが、ワイナリーでは試飲もでき創業当時からのクラッシクなラベルを貼ったワインや値のはるワインは飲めなかったのでNasuWineの赤白を試飲しましたがそのポテンシャルは分からずじまいでした。

 

 

いよいよ那須湯本温泉に向かいます。那須湯本温泉は奈良時代の開湯と伝わる日本屈指の古湯です。那須湯本温泉の源泉でもある共同浴場「鹿の湯」は、鹿が傷を癒したと伝わる自然湧出の白濁した単純酸性硫黄泉の力強い湯に名湯の名を実感します。江戸時代には多くの大名が湯治に訪れ、松尾芭蕉も立ち寄ったと言われています。そんな鹿の湯の名湯が注がれているのが、「那須高原ホテルビューパレス」の露天風呂です。白く濁り少しとろみのある単純酸性硫黄泉は様々な健康増進効果が期待できるほか、美肌効果も期待できます。決して広くありませんが木々の緑がせまる癒しのひと時を与えてくれます。

 

 

内湯は小さくかけ湯もしくが仕上げの湯という感じです。