演劇企画 heart more need
「高額時給制アシュトレト」
感想シリーズ、ようやく最後です!
が、今回一番長いかも(^^;
大変と思いますが、最後までお付き合い頂けましたらと(^^;
まずはここまでのリンク
「高額時給制アシュトレト」感想(そのさん)
「高額時給制アシュトレト」感想(そのに)
「高額時給制アシュトレト」感想(そのいち)
ではラスト行きます!
●個々の人やら事象やらのあれこれ(続き)
○対というか対比的な感じのもの
・ロンドン橋落ちた
・てめえごるぁぁぁぁぁぁ!!
この絵面怖いなーーーーと思ったところ。
上手ではさちこがそれまでにない明るい雰囲気で鼻歌交じりに化粧。
その一方で、
下手では吉岡くんが縣からそれはもうすごいことになっている。
縣の音量が増すと、
椎名さん(さちこでなく椎名さん)も音量コントロールして、
どっちの音もしっかり耳に届く。
撃退して命を保ったさちこと、失敗して命を失いゆく吉岡くん。
その行く末の明と暗が、くっきりこう…見せつけられる?
皮肉なのか何なのかもう、、、怖いわー><
とはいえ、ここ最初は確かゆきこの殺しのシーンともかぶってた?
だから吉岡とさちこの対比だけじゃなかったとは思うんすけど、
だからここ2人だけ抜き出して考えちゃダメかもですけどね(^^;
・ゆきこに惚れたために命を落とした縣
・さちこに惚れたために命を落とした五味
(五味は本当に惚れてたかはもちろん不明)
バイトに参加している2人に惹かれてしまったゆえの末路?
これもまた呪いの影響なのか…
なんてことはもちろんないでしょうけども、
ついつい因果を考えてしまいたくなりました(笑)
しかも2人とも相手からは一切何にも思われていないというかw
縣は前回書いた通りですし、
五味なんか惚れたがゆえに?さちこの援護をしようとしたら、
そのさちこに無防備な姿を晒して殺されるというね。
皮肉にもほどがある、2人コンビなこの死に方(^^;
撃たれ横たわる姿もどこか近いものがありました。。。
・戦った末に死んだ田村
・勝ち残った冬美
小さな光だけが照らす中、並んで座る、生と死。
良い絵面とでも言うか、この対比がとても良くて、
このシーン全体がもうかなり好きでしたけどね。
命の炎が少しずつ少しずつ小さくなるように息を引き取る田村。
変な言い方ですけど良い死んで行き方でしたね~。
息も絶え絶え?かすかに紡ぎ出すような声でね、
そして、ここ寒くないですかって…うああ何か切ない!
どうしようもないやつだなーと思ってましたが死に様が心を捉える!
そんな田村に、冷静に、まっすぐ見たまま、言葉を返す冬美。
何の喜びも感慨もなくて、無気力?にも似た姿で、
こういうのに本当に疲れちゃったんだな…っていう姿。
あの静かな光景はとても心に焼きつきました。
そしてさらに、ゆきこが現れて、
「生と死」だったものが「死と死」に変わるようにね。
静かに息を引き取った冬美と田村の姿…
っても冬美はゆきこの身体で隠れて見えにくいのですがw
でも、穏やかに死んでいる2人が並ぶところは、これもまた好きでした。
そして…やはり最後はこの2人。
・戻って来られたゆきこ
・戻って来られなかったさちこ
(さちこの方は、恐らく、ですが)
同じテーマの中に突っ込むのが正しかったか分かりませんが、
ここはちと長ーくなるのでやっぱり分けときましょう。
てことで以下!!
○さちことゆきこ
思わぬところで人の温かさに触れた。
そこで、「正気を取り戻した」とでも言えば良いだろうか…
恐らく呪いから解かれ、人の道に戻ってくることができたゆきこ。
対して、ゆきこのその変化を知ってもなお、変わらずにいた?さちこ。
女神候補の最後の2人は、直接対決なしで1人に「選別」された、
と、そんな解釈もできるかなとなんとなく思っていますが…
たださちこが戻れているかいないかは「?」つきです。
僕が観た3回が比較的?、さちこがあちら側にいるままかな~、
と思えたのラストだったことが関係しているかもしれません。
マルチエンディングとされた、最後のさちこの反応。
だから最後の最後までさちこの全ての気配にアンテナ張りました。
どうも、自分がしてしまったことの大きさに気付き…
的なエンディングの回もあったようなので、
それを観ていたらまた違ったのかもしれませんけどね。
# そもそも、アンテナいくら張ったって、僕の目や頭では、
# あのときさちこにどんな気持ちが下りて来ているか、
# 分かるものではまったくもってありませんでしたけどね(^^;
とはいえ…
ゆきこの方はまだ「こちら側寄り」だったという印象が、
途中途中でも感じられていた気はするのですよね。
さちこの方が無感情に遂行できるようになっていた感じはありますし、
ってもこれは2人の元からの性格の違いもあるとは思いますが。
それと、本当に無感情っぽくやろうとしたのは伊坂のときだけで、
あのときはもう彼女は全てを失い、
「自由」になってしまった後のことだからとも思えますが。
ただそれでもやはり、ゆきこの方は、
自分がやっていることへの嘲り、疑問、後悔、のようなものを表す。
冬美との戦いに勝った後も、嬉しさも何もなくて、
あのときの自嘲的な笑い声は何だかもう痛烈だったなあ><
さちこはそういうところはない。
さらに言えば、どちらかと言えば望んで続けたい気持ちがあった?
やることなすこと全てダメだった自分にとって初めての、
向いてるかもしれないと感じた「仕事」。
ある種のやりがいに近いものを感じていた??
こういうあたりも、さちこの方が向こう側に行ってしまいやすい、
そんな要素になってたのかなあなどと思ったりしています。
そんなさちこがより「怖い」と思えたのが、旦那を殺す話のとき。
彼はもちろんバイト参加者ではない。
これまでのように襲ってくる人間ではないただの一般人。
にもかかわらず、そんな人を殺すことに一切の躊躇も感じさせず、
しかも「簡単だよ」と…。
こんな恐ろしい言葉が他にあるか?
人の命を奪うことに対してこんなにも無感情でいられる、
そんな状態に堕ちてしまっている…まさに呪い。。。
しかも自分の手で殺すことに何の抵抗もなくて、
殺してバレることさえも心配していない。
今までバレなかったのは五味や縣たちの支援があったからでは…。
これが心が麻痺している状態なのか?
交換殺人を持ち出したゆきこの方が遥かにまだ人間味を感じる。
交換殺人はバレにくくする最適手段。
この状況なら当然これを提案するんだろうな~と思っていたら…
いやいやこの人自分で殺る気マンマンだよ!怖っ!!!!
と、初日に心底思ったものでした。
とはいえさちこにもまだ可能性はあったのかもしれない。
人の道に戻れる可能性が!!
でも、そのルートは残念ながら、閉ざされてしまった…
もし店長野島のプロポーズがを受けることができていたら、
あるいは人の道に戻ることができていたのだろうか。
愛してくれる人の存在を得て、
たぶん一番こだわっていた愛する息子とのことも改善されていたら、
彼女は呪いから解き放たれていたのかもしれない!!
だがしかし!!
その可能性がその道が、目前で断たれてしまった…田村の野郎!ww
あのとき田村が襲って来なかったなら、どうなっていただろう?
ただまあ、、、ラストバトルに至る可能性はあったから、
女神を作る「儀式」は続いてはいただろうから、分かりませんけどね。
○ゆきこのこわさ
はいっ!ここまでとは違う、ゆきこのこわさです。
ここは、ゆきことまゆりの関係性のお話!
知人がずばりと言い当てたこと、
「ゆきこのまゆりへの想いは恋愛感情」
なんと!良くそこに気付くな!!!
それでまあいろいろ腑に落ち・・・ない!!
恋愛感情だとしてもちとぶっ飛びすぎだろゆきこ!!
どうしてましたーいかがわしい仕事だったら
五味じゃないけどホントそう!!
っていうか、ゆきこ、そこ踏まえて来てるよね?
それでも良いと思ってるよねきっと?
恋愛感情で、そこまで、できるもの???
だいたいそれ以上のヤバささえも可能性はあるわけで…
しかも、あの面接でのゆきこの落ち着きっぷり、何あれ…
さちこや冬美との違いを考えるとそれはもう恐ろしい。
どういう覚悟があればあんな状態でいられるんだ。
さちこや冬美はいかがわしい系としか思ってなく来てるわけだしね。
そして、少しお金を払ったあとのまゆりへの態度。
何て友達思いの良い子なんだ~~~と一瞬思えるが、
なにかがおかしい。
15万という金額を一笑に付すかのごとく…
学生だぞ?学生の15万だぞ??
そのトーンにはそりゃまゆりもびっくりするよね??
まあこの時点でゆきこにとってはもうね、15万は確かにはした金だ。
だから仕方ないっちゃないんだけども…
でもその金額を全額自分が出す気持ちに一片の曇りもない。
最初からどこかねじが外れてるからこその気がしなくもない。
もちろんあのバイトの仕組みのせいは大きいだろうけど。
そういう雰囲気や、ポンッといきなり200万を渡すところに、
まゆりはそれはもうゆきこへの怖さ嫌悪感を、強めていくのでしょうね。
そして、、、伊坂とまゆりの密室に踏み込む…
いや、、ほんと、、どうやって入ったんスか(^^;
そして、どうしてそこだと分かったんスか(^^;;
「またストーカー」
「あんた気持ち悪い」
まゆりのこれらの言葉。
これは過去にもこういうことがあったことを示す言葉であり、
まゆりがひっそり抱えていた本心なのでしょうね(^^;
っていうかこう思えて当然というか(^^;
このときのまゆりさん、実に気持ちの良いぶちまけ方でした(笑)
さて、こうしてまゆりを失ったゆきこさん。
瀬田によってこっち側に戻ってこれましたけども、
この後どうなって行くのでしょうね…(^^;
○さちこのこわさ
殺し屋として凄腕になりすぎてしまったさちこさん。
椎名さんホントにハマり役だと思ったさちこさん。
誰かに守って支えてもらわなければ生きて行けなさそうな、
か細さ脆さの雰囲気を持つさちこさん。
でしたが・・・
市井に潜む暗殺者としては、その脆さこそが大いなる武器に?
田村襲撃の気配を察知したのもすごかった。
あれは本質的には弱い草食動物なればこその、
危機察知力ではないだろうか(憶測どころかもはや妄想w)
田村や伊坂との戦いはそれはもう体術的な強さも十分ありましたが、
少なくとも伊坂に対しては、まずか弱い女性というところでの、
油断を誘うことができている訳ですよね。
# 手を差し出すとそれを取る伊坂がまた…あのエロおっさんめ!w
その油断を突くからこそ先手を取り反撃を許さずに仕留められる。
戦いに長けているのでなく(長けてたけど)、暗殺にこそ長ける!!
それにまったく油断してない田村とも互角以上でね。
どうしたらあそこまで強くなったのかはすごい気になるけどww
ただまあ店長が頑張ってくれたからという要素は確かにある。
それがなかったらどうなったかなあ(笑)
それにね、あの丸めたパンフ、その場にあるもので戦えるって…
ロシアの特殊工作員赤い風かよ!!(Byマスター○ートン)
で、ちと役柄上のことから離れて、
シンプルに、ああいう戦いを椎名さんで観られる、
嬉しかったすね~^^
派手さはないけれど「実」に徹したリアルな感じの戦い、
やっぱりああいうの大好きですし、
普段なかなか観られない椎名さんだからまたいっそう嬉しく^^
話は戻り…
最後のさちこの姿。
そしてあの後彼女はどうなっていくでしょうね。
自分は彼女が戻って来られなかったと解釈した時点で、
彼女自身で瀬田を殺しに行くルートも可能性のひとつと考えました。
そもそも最初自分で殺す気だったわけですしね。
ただ・・・その可能性はあの時点でのさちこには一度も来なかった、
ということが椎名さんのツイートで判明!!なんだってーー!!!w
とはいえ、その後は分からない…とささやかな抵抗w
呪詛としての、呪い、女神。
手練れの女性暗殺者を作り納品する、ことが目的ではありましたが、
どこまでが呪詛なのか、そこが気になっていました。
そして思ったのが、
「倫理感が麻痺し、殺すことに抵抗を覚えない状態」になり、
さらには「その状態で居続ける」ことがまさに呪詛なのでは?
ということでした。
つまり、平気で人を殺しに行けてしまう…
指示を受けて人を殺しに行けるだけでなく、
最初瀬田を殺そうと考えたように自分の意志でも殺しに動ける?
そういう状態。
まあこれはホント憶測なのですけどね。
ただもし彼女がゆきこに何も言われないまま瀬田を殺していたら、
きっと、完全に、元には戻れない理想の「女神」に、
なっていたでしょうね。
○でもやっぱり佐和さんでしょう!w
この世界で、ある意味一番、日常の姿を見せていた?w
様々な怖さのすぐ隣で日常のままいる、
それこそが一番の怖さだったりするわけですがね。
でもとにかく、単体で見ることがあるなら、
「ただの人の良いおもしろいおじさん」
にしか見えないとさえ思う人。
このキャラもう大好きですw
吉岡殺害のシーンは、観客の心を一気に突き落とす、
この世界を一番徹底的にひっくり返す瞬間だと思います。
吉岡くんのところでも書きましたが、
恐怖からの安堵、みたいな彼の気持ちの動きは、
観客の気持ちの動きとある程度リンクしてると思うのです。
緊張からの安堵みたいなね。
最初に大きく緊張感を与えておいて、
そこから一瞬油断をさせ、、、た瞬間に一気に!!!
全客席の座面が一瞬で消えさると観客全員がどすんと尻餅、
なんかそんなかんじw
とーこーろーが、
その中でも佐和さんは、普通のおじさんの顔したまんま。
AVやパチンコの話と同一線上に、人を殺す話があるかのよう。
異常なことが異常でないことの異常性!!
(連呼しすぎるとゲシュタルト崩壊起こしそうw)
おいおい子供に初めてボール投げさせた父親か?w
暴力側の人間だと少なくとも顔に書いてある五味たちの方が、
まだなんだか人間味を感じるよねww
でも、こんな佐和さんがもう大好きww
(無論実在したら絶対に関わりたくないw)
そういうのは佐和さんというか、演じる長戸さんの凄さ、
になるのだろうけども…
そういうところでおもしろいというかびっくりしたのが、
碓井に拘束された時の4つのお話w
初見でまったく分からない状態で聞いているのに、
ウソっぽさと、ホントっぽさとを、話の一言目から感じさせた!!
もちろん3話目はすぐウソって分かるんだけどw
2話目の最初、年数言っただけなのに、
「何かウソっぽいな」って感じさせられたし、
4話目はもういきなり、「これ核心か!?」って思わされたし。
え?意図してそういう話し方してる?というか、
どういう意図ならウソっぽさホントっぽさになる???
ここはすごくおもしろかっただけでなく、
ある種の感動を覚えるようなところでもありました。
それまでの柔和な顔から、
「千代に八千代に」
そう言って見せたあの真顔もなんかもう良かったなあ~
○もうお金いらないのにね…
自分のお店を開くために、身体を売ることも厭わず必死だった冬美。
ここまででも書きましたが、青柳さん、
ホステス&ママ役、びっくりするくらい良い雰囲気だったのかなと。
童顔に引っ張られがちなのですが、
意志の強そうな目の力が、凛とした強い声の力が、
彼女にはあると思っています、これは普段からそう思ってます。
そこがこの役に良い雰囲気をもたらしたのかなあなんて思います。
最初の電話の相手…どんなロクデナシだw
このときも、面接の時も、焦りやいら立ちみたいなものが滲み出つつ、
お店に対する強い想いがすごく伝わってきた。
逆に、これまた既出ですが、田村戦とゆきこ戦のところ…
若さとは裏腹に、奇妙に疲れた雰囲気!!
もはやオートマチックに続いて行く戦いに心が疲れてしまった?
これまた良い雰囲気でね~><
お店に来てた野島店長(なんたる世間の狭さw)を見送るときの笑顔、
ああいう時間は自分の責任ある仕事ではあっても、
彼女にはむしろ安らぎだったのかなあ、なんてを考えてしまいます。
田村を退け、また心の疲れを感じてそうな中で、現れるゆきこ。
こんな連戦は、また心に重くのしかかりそうですよね。
「もうお金いらないのにね」
この言葉も、先述のゆきこの自嘲的な笑いと同じように、
すごく沁みてきます><
が!!それでもスキを突くかのような不意の速攻。
そのときの視線はやっぱり凄い。
それを受けるゆきこもまた凄い。
唯一の、女性同士の接近戦、お2人の殺陣はすごく見応えありました。
もうちょっと見ていたかったです^^
やっぱり青柳さん、ダンスの力量は素晴らしいですし、
こういう戦いでも体幹のバランスというか姿勢の良さというか、
カッコ良かったなあ~
でもそれを退けるゆきこ。
初撃を読まれ?受けられた時点で体勢不利はあったか。
最後、死を受け入れたような表情は、、、切なくも美しい><
惜しむらくは、このときのゆきこの表情もまた、
最後まで観てみたかったです。
●感想の最後に
いろいろ考えながらブログを書いてあらためて思った怖さ、、、
このお話って、ここでの数々の事象って、
あり得なさそうで、あり得ないとは言い切れなくて、
現世とはまったく別の次元のお話などではなくて、
今、自分がいる日常のすぐ隣で、
しれっと普通にご飯を食べているような、
そんな風に自然に日常の中に溶け込んでいる…いてもおかしくない、
そういうものだと思えたわけです。
本当の危険は案外近くに転がっていたりする?そんな感じ。
すぐそばにあって、ドアを開けていつでも待っているかのように。
気をつけていたら免れることができるのか、
それとも気付いたらいつの間にか渦中にいてしまうのか。
そんな風にして誰しも堕ちてしまうものがこの世にはある…
そう思えてしまいました。
どういう形で「表」に出るかは分かりませんが、
いやあるいはこの話のように潜み続けるのか、分かりませんが、
いつなんどき自分が「当事者」になってしまってもおかしくはない?
そういうものなのかもしれないのかなあ・・・とね
フフフフフ(怪)
というわけで、
演劇企画 heart more need
「高額時給制アシュトレト」
感想シリーズは終わりです!!!
ムダにながーいながーいブログではありますが、いつもながらw
最後までお付き合いいただけた皆さま、
もし万一いらっしゃいましたら、本当にありがとうございました!!