演劇企画 heart more need
「高額時給制アシュトレト」
感想書く難しさとの戦い進行中w
でも、何かそれが楽しい、そんな作品ですね^^
ここまでの感想はこちら。
さてさて、今回は個々の事象を、
と思ったのですけどひとつそのまえに。
●全体通して思ったこと
大きく二点、思ったことがありました。
まず一点目。
全体的にハマり役と思える人が多かった印象です。
前にとあるウデの立つ役者さんが
「ハマり役をやるんじゃなくてハマり役にするんですよ」
と素晴らしき笑顔(ニヤリとw)で言ってくれたことがありますが、
その方の言葉を思い出しました。
普段良く演じる方向とは違う役を演じている、
という方もいらしたと思いますが、
それでもハマっていた人がいる印象強いです。
ハマった筆頭は長戸さん。
初見のはずですが、もう他にイメージできないw
でも他の役をやってるの観たらそれはそれですごいハマりそう!
優しいお父さんとかちょっと見てみたくなる。
どこまでも日常だった佐和さんだから案外イケるかも?
怖すぎることさえも日常という今回の恐ろしさとのギャップが、
果たしてどうなるか?
それからさちこ椎名さんも筆頭格と個人的に。
椎名さんはこういう極めて線の細い役…ギブテンのスミレもですが、
やっぱり印象ハマるのですよね。
か細く、簡単に折れてしまいそうな、
良く言われる幸薄感もあるからかもですが(^^;
存在感を消す隠すというより細~く絞ってしっかり自己主張?
その場にいるのに潜んでいる感?(ドラえもんの石ころぼうし?)
そんな感じ。
田村とのバトルを見せた後でも、また存在感空気感を絞れるあたり、
暗殺者として、市井に潜む殺し屋として、最高級品だと思う。
だからこそあの「呪詛としての女神」に最適だと思う。
椎名さんは普段「動」の気を持つ印象強いですが、
「静」の気でも戦える。
さすがカメレオンだ。
このお二人のハマり感は自分の中ではとても大きかった。
それからゆきこの中村ゆかりんさんも。
極めて鋭い頭脳と、それを活かす様々な所作と言えば良いか。
主に男性に対してだけど、「女を武器に」というよりは、
男心の内側を上手に探ることができる感ですかね、
そこに鋭い頭脳が作用する。
小悪魔感とんでもない。
それから「狡猾さ」と自分が思った点を、
知人が「処世術」でもあるのかもと言っていた。
なるほど処世術、そこは狡猾さよりも適切だと思いました。
えーーーー、難しく言いましたすみません!!
要するにですね!
あの子怖い!本気で惚れたらヤバい!!
コテンパンにされる予感でいっぱい。
良い結果になるなら良いけどそうでないなら身を滅ぼす!
そんな恐ろしいまでの狡猾小悪魔感があった、です。
天然系の小悪魔も確かに怖いけど、
こういう頭が極めて切れる方の小悪魔ってさらに怖いわ…
中村さんは普段が普段なのでw
今回ますます役者としての腕、役としてのハマり感を、
個人的には感じることになりました。
それから塩崎こうせいさん。
はい、もう説明要りませんよね(笑)
そして多分この方は、何を演じてもハマり役にする!!
あとは、、細川さんも言っていたという青柳さん。
理由を説明できないですが、何と言うか…やるね(笑)
6CのTRUSHで可愛らしいシャンピをやって、
ハマったなあ~と思ったものですが、
今回観てみて、あれ?やっぱり青柳さんはこっちなのか?
と説明はつかないけれども思いました。
童顔なので印象がそちらに引っ張られがちなのかもですが、
キリッとした鋭さ、しっかり者感、声の強さなど、
「意志の強さ」をすごく感じさせてくれて、
そこがハマってたのかなあと個人的に。
そして、感じたこともう一点。
シーン、人、セリフ、それらの重み?ですね。
ステージにいる人誰しもの、意味が、重みが、
とても深く重く感じられた作品でした。
セリフの一言一言、目線のひとつひとつ、
脚本家が書いて、演出家が演出して(同じ人だけどw)
そして役者が演じる。
そうして舞台上で客席に示すものひとつひとつに、
それぞれ逐一、何か意味があるのでは?何か示唆していないか?と、
常に意味を求めて目を光らせることになった芝居でした。
確かに作品全体として出演者数は多くはない。
シーンごとに、ステージに居る人数はさらに少ない。
だからではあると思うけれど、きっとそれだけじゃないだろうな。
や、もちろん意味がない芝居はないとは思いますが(たぶん)、
意味があるだけでなく重みづけがすごいと思えた感じです。
本当に重いかどうかはもちろん分かりませんが、
自分はそう思わされまくってしまいました。
これだけハマってると思えたキャストさんだらけで、
(名前挙げてない方だって皆さんすごく良かったですし)
全てのシーンを重~~~く届けて貰えて、
そりゃもう名作品にならないわけがないわけです。
作り手さんと演じ手さんの完全勝利ですね。
さて、ようやくというか、個々の話へ…
これがまたどうかくか迷いどころですが。
●謎だったりあれこれ考えたり、のいろいろ
各処で既にいろいろ議論され書かれてもいるので、
いまさら書くのもアレなんですけども…
ま、自分の観劇記録だから、ってことで遅まきながら(^^;
○各人のバックにいるのは???
佐和さんは謎のようできっとシンプルで、
碓井に言った通りなのでしょう。
明治時代のはせがわなんたら開祖の宗教的なやつ。
日本を滅ぼすための呪詛としての女神を作っている。
むしろ謎なのは、
元公安部(は確実でしょう)で、そういう人間がなぜ堕ちたのか、
あるいは最初からそういう人間で、むしろ公安に入ったのか、
(後者の場合はなぜ「元」になったかが気になるけれど)
そういう方ですよね。
まあ考えてもきりがないし、もし分かったとしても、
この話の解釈には恐らく関連しないだろうからここまで。
五味と縣はただのヤクザ?
見るからにもう暴力系の香りが漂いますが、
しかも五味は確実にチンピラじゃない方、
で良いとは思います基本的には。
ただそれでも謎めいているところ。
宗教団体との繋がり方はどういうものだったのか?
それと一介のヤクザにしては情報収集力が長けてすぎはしないか?
というところですかね。
前者は仲間内で色々話したし、細川さんの話も聞けたようで、
一方がミスったら、そちら側の全消去プログラムが発動、
みたいなのは分かります。
なんか互いに利用もしくは協力し合う関係で、
危機管理として延焼を防ぐための破壊(江戸の火事かw)なのか。
ただ消去プログラムの発動きっかけは謎。
佐和さんが捕まった…この時点で失敗と見なして発動、
でも良いんだけども、分かりやすいし。
ただ縣が来たときに、「助かったよ」と佐和さんは言っている。
そして撃たれると分かって表情を変えているようにも見える。
これは、、発動していないことを意味してはいないか。
それとも発動することは佐和さんも分かってて、
他国に送られての拷問とか、そこからの機密の漏えいとか、
そういうのを免れたことへの「助かった」なのか?
で、最初から縣に撃たれるのも分かってた?
言葉の意味合いと表情変えるところが今一つ自分的に腑に落ちない、
が、分かっていたと考えた方がいろいろとつじつまは合うけども。
でもって謎がより深いのがヤクザ側。情報収集力ハンパない。
実働はこちら側だとは思うのだけど、
一介のヤクザ組織に、しかも人手の数的に、
組員全員がこちらの作業をしている訳では恐らくないと思うけど、
どうしてこれほどの情報力があるのかなと。
バイト参加者の監視とか、佐和さん消去時の場所突き止めるとか、
何人動かしていたらそれだけできるのか、
さらにはヤクザは決してプロじゃないわけで、
それだけの腕があるのか?とか。
碓井だって素人じゃないわけだろうからねえ。
あとは、全消去プログラムが発動してて、
五味がW幸子のラストバトルを行おうとしたのも不思議。
ああ、あと、情報収集だけでなく、「お仕事後始末」もだ。
バイトの「お仕事」のそのあと、
現場の「後始末」をしているのは恐らく彼らですよね。
事件が公にならないようにしなければならない、
そう考えるとその手際もとんでもないと思うのですよね。
実はただのヤクザでなくて、プロ側に寄った組織だとか、
あるいは情報源はそれこそ宗教団体側だったとか…
むー…いろいろ考えてもあちらを立てればこちらが立たず。
どちらの解釈にしたとしても、五味の独断は、きっとバレるよね。
すっごい怒られちゃうだろうし、
宗教団体側が情報源としたらそれこそ五味が消される?
あーでも、碓井もプロという訳でなく、
ヤクザ組織が意外と頑張ってた、という解釈で、
ひととおりはまとまらなくはないけどもね。
五味はさちこに肩入れしすぎちゃってたから、
ついついラストバトルで自由にしてあげたくなったのかもだし。
その肩入れもまた謎なのですけどそこはまたのお話でw
そしてなんだかんだで結局一番の謎は碓井は何者かw
ここはもうお手上げw
現役公安部でもきっと良いのだろうとは思ったのですが、
拷問できる外国に送るとか、公安がやるかな?…やるかなw
考えても考えても答えは出ないし不毛だけど、
考えて考えて考えるのが、、、楽しいねこの作品w
ここは謎っていうのとも違うかもだけど…
○ゆきこ嫌いさちこ好き?
五味さんですね。
頭の良い女が嫌い?説を知人が提唱していましたが、
ホントに、なんだったんだろう?
最初に感じたのは、もちろん初見時のことですが、
W幸子のラストバトルで、なぜさちこに肩入れ?と見えたこと。
単なるラストバトルでひとりに絞る義務的見届けではないのか?
そう思うのに、最初からさちこに声掛けして、
仕合が始まってからも声を掛けるのはさちこにばかり。
はて???と思ってリピートして観たときに、
いろいろ見えてくるものが。
3人の女性との面接。
どれも、途中で笑うの怖いし、目つき悪いし睨んでるし、
怖い人感全開はどの面接でも同じ?
という気はしなくもないのだけれど、
最初からやけにゆきこに当たりが強い…ような気もしなくもない。
そういう仕事だったらどうしたのかという強い問いですね。
# このやりとり、「でも…違うんですよね?」と返されて、
# そうですね…とスーっと引いていくところが実は好き
ただ冬美に対しても少し凄んだりもするからなあ。
# じっと見てくる冬美に対して、「…あ゛?」って…怖っ。
だから深読みしすぎかもしれないとも思いますが、
それでも僅かな口調の差などが、当たりが強いと思えてしまいました。
ゆきこには当たりが強いと思えるだけでなく、
さちこには何か、、、柔らかい??
最初の面接から違うと思って観てみると、
その後の五味の行動が全て一貫性があるようにも思えてきます。
柔らかさの最初は、面接は良くわかんないとして、
あれかな?吉岡射殺後ですかね、放心状態のさちこへの声掛け。
手強くなるから頑張ってとも言ってますしね。
そんな様々な事象の中で、すごく気になったこと。
手を洗うさちこにバイト料持ってくるシーン、
最後にさちこの前髪に、そっと触れるというか、かき上げる?仕草、
あれなにーー!!初日観たときは気付かなかったのですよね~。
二回目観たときにびっくりしたのですよね~。
このシーンのさちこに掛ける言葉。
「やめたい?やめたいよねえ…良いんだよやめても」
っていうのありますよね。
これも初日に観たときはある種の挑発のように思っていました。
どうせやめられない抜けられないのに、やめれるならやめてみろ、
といった感じの挑発ですよね。
ただ二回目以降の観劇では、もしかして本気の言葉?という気もして、
この五味という役が実に深いものに思えていました。
疑念のまま書くだけ書いて終わりで考察とかじゃないですけどもw
謎っぽいやつ…
もっとあった気がするんだけど、細かくいろいろ、
時間が経つにつれて、
あとこのブログをどう書くかあれこれ感がてるせいでもある?
だんだんポイントわかんなくなってきちゃいました(^^;
本当に書きたいのって一体なんだったんだろう…
その気持ちが未だ掴めないまま進行中(^^;
この後は、個々の人物についてかな~
って五味は既にだいぶ書いちゃったぞww