「My Way」振り返り(おはなし) | 未来に向かって ~旅立ちの朝~

未来に向かって ~旅立ちの朝~

応援している大切な人たちのことを中心に、日常をつづっていきます

高橋明日香さんご出演

Mcompany 「My Way」





とてもあたたかい空気でいっぱいに満たされた公演が、

日曜日に無事に幕を閉じました。

トリプルコールにスタンディングオベーション?

その場に、いたかったなあ><


当初は最初の2日間しか都合つかない、2回の観劇の予定でした。

でもその2回で感じたものが本当に素晴らしくて、

もう一度観たい、後悔はしたくない、そんな想いがもう止まらず、

かなりな賭けでしたけれども、3回目にトライしてみて、

そして行けてしまいました。

最後1回の追加を、観に行けて本当に良かったです!!




振り返りや感想の前に、そんな素敵な公演のことを少し書きます。


「今井雅之さんへのオマージュの作品」


主宰の松本勝さんが、今井さんへの想いを込めて、

そんな舞台を作りたいと今回の形になったようです。


今回の脚本演出、そしてキャストの皆さんも、

今井さん作品への出演経験など関わりのある方ばかりで、

また今井さんへの想いを皆さんがそれぞれにお持ちで…

そういうメンバーでした。


そして作品の中に出てくる要素としては、

今井さんの作品

・THE WINDS OF GOD

・手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~

にちなむものであったり、

今井さんが良く履いていた?赤い靴下であったりと、

今井さんを、今井さんの作品を、良く知っている人にはきっと、

記憶や、心を、つつくものがいくつもある作品だったと思います。


とはいえ、そういうところとは無関係に、何の予備知識がなくとも、

今回の作品そのものが素敵なものだったと思いますが^^



ただ個人的には、だいぶ、オーバーラップさせました(笑)

「手をつないでかえろうよ」

あすぴー目当てで観に行ったこの公演、

自分の中に今なお深い深い印象を残しています。

DVDなどで見返すことができない公演の中では、

自分の観劇経験の中でも随一というくらいに印象深いです。

印象的なシーンの光景を鮮烈に呼び起こすことができるような。。


ま、ここについては後に振り返るとしまして、

本編の振り返りに行きたいと思います。




●あらくないあらすじ

日頃、全国のお祭りを飛び回る、的屋の山田誠。

たまたま出店予定の祭りが延期になったことから予定が空いたため、

入院している妹の見舞いにと、久々に地元大阪に戻った。


誠は見舞いの前に寄った公園でひとりの女性に声を掛けた。

最初は誠を訝しがる女性だったが徐々に打ち解け、

夫の仕事の都合で最近大阪に越してきたこと、

夫はお笑い芸人をしていること、

東京で活動していたが地元に戻ってやりたいと言い出したために、

大阪に移ってきたこと

そんなことを誠に語った。

せっかく知り合ったのだからと、互いに名乗り合う。

彼女の名前は柏木千穂といった。



誠の妹、咲楽(さくら)の入院先は、

誠のかつての先輩が経営する病院。

咲楽は大きな事故で半年も入院していた。


誠が咲楽の元に着くと、何やら咲楽は若い男性と談笑。

咲楽に近づく悪い虫かと勘違いして凄んでみるが、

ただの顔なじみであると知ると途端に、

「仲良うしてやってな」と優しい兄の顔になってみたり。


そこに通りかかった、かつての先輩であり、院長である田代から、

咲楽がそろそろ退院できそうだということを聞いたりもする。



さらに誠は古い知人に偶然の再会をする。

病院でたまたま誠が声を掛けた男性は、

かつて誠がテキ屋を始めたての頃に地方の祭りで世話になった、

漫才師の玉男だった。


玉男と相方の金三…コンビ名はゴールデンボールズ…

25年前、営業先の祭りでまだ仕事に不慣れだった誠を見た2人は、

仕事の合間に誠の屋台を手伝ったりしていた。


その後、東京で活動していたゴールデンボールズは、

金三の希望で3カ月ほど前から、金三の地元大阪に拠点を移し、

再出発しようとしていたのだった。


玉男が病院にいたのは、相方の金三が入院したためだという。

さらにふたりが話していると、玉男に声を掛けてきた女性が…

玉男と面識が深そうなその女性は、なんと先ほど会った千穂であり、

千穂が先ほど語っていた夫というのが金三だったのだ。


さらに、千穂は入院中の咲楽とも、既に顔なじみになっていた。

また咲楽と話していた若い男性松島は、金三たちの弟子だった。

千穂や松島は、金三の面会に来ては、ここで話をしていた。

若い咲楽や松島の話を千穂が聞き役になって、

彼らの話のこと、夢のことに、背中を押したりしていたのだった。



金三の入院は…

最近になって体調が悪そうにしていたところ、急に楽屋で倒れ、

そのまま入院になったというものだった。

そして検査の結果判明したのは、

金三は膵臓がんに侵され、転移もして外科的治療はできない状態。

さらに、余命は半年もない状態だという…。


ほんの数日前まで元気にステージに立っていたのに!!

言葉も出ない玉男だった。



田代が止めるのも聞かず、退院してステージに立ち続ける金三。

月末には漫才コンクールがある。

金三と玉男はこれまで賞などには縁がなく、

これだけのベテランでいまさらという思いもありつつ、

それでも何としても優勝したい思いが金三にはあった。


ステージに立つのは身体に負担を掛け続けることになる。

下手をすればがんの治療さえ止めざるを得ない状況。

田代は千穂に、金三を説得するように伝える。


しかし金三は千穂と話す中で、

「もし神様がいるのなら、舞台の上で死にたいなあ…」と、語る。

心の底から漫才を愛して止まない金三のその言葉を聞いた千穂は、

もう何も言わないからあなたの好きなようにしてね、と、

彼の想いを受け止め、そっと背中を押すのだった。



一方、咲楽は退院が決まった。

咲楽はずっと兄に伝えられていなかった想いがあった。

そのことを千穂に相談したりもしていた。

それは、歌手になるため東京に行きたい、ということ。


留守ばかりの兄は知らなかったが、

咲楽は歌のレッスンをずっと続けていた。

そして東京のある有名な事務所のオーディションに受かっていた。

事故のことを伝えても、きちんと治してからで良いと、

伝えてくれていたという。


退院のその日に、意を決して誠にその想いを伝える咲楽。

そんなうまい話があるかい、と一蹴しようとする誠。

それは妹を心配するからこそ…それは咲楽も分かってはいた。

しかし自分はもう子供ではない、好きなことをしている兄のように、

自分も一度は好きなことにトライしてみたい、そんな想いがあった。


自分でお金を貯めて東京に行く!!

咲楽は気持ちを爆発させて、その場から去った。


年の離れた兄妹である誠と咲楽。

さらに、2人は実の兄妹ではなかった。

生まれたばかりの頃、家の前に捨てられていたのを誠が見つけ、

両親がいない誠は祖母に頼み込んで我が家にその子を迎えた。

そして本当の妹のように溺愛して大切にしていた。


子供だ子供だと思っていた妹がいつの間にか大きくなって、

そんな咲楽の言葉は誠の胸に刺さった・・・



いよいよ漫才コンクールの当日。

誠は田代を伴い、また千穂は咲楽を伴って、

ゴールデンボールズの雄姿を見に来た。


だが、最後のネタのオチを、飛ばしてしまう金三。

なんとか思いだせ、思いだせなければアドリブで何とか!

そう促す玉男。

そのネタは、昔に戻れるならいつが良いか、というものであり、

金三の答えは「戻らなくて良い」というもの。

そのオチが出て来なかった金三が言いだしたのは…

今こうして地元に戻り漫才を続けられていること

玉男と一緒にできていること

そんな、想いだった。


金三が突然言い出した言葉に驚いたた玉男であったが、

自分はやはり戻りたいなあ…と答えた。

出会った頃に戻って、

もっと金三を好きになって、漫才を愛して、

金三ともっといっぱい、いっぱい、

漫才を一緒にやりたいな…と。



コンクールは終わった。

ゴールデンボールズは残念ながら優勝はできなかった。


あの日の口論以来ぎくしゃくしていた誠と咲楽だったが、

劇場のある通天閣の屋上で、漫才の感想を語り合っていた。


そして兄は不意に、ビリケンさんに話しかけ始めた。


近くのタバコ屋の娘が東京に行って歌手やりたいなんて

言いだすんですよ…どう思います?

え??その娘なら…必死に努力すれば大丈夫??

ビリケンさんがそういうなら大丈夫か

夢持って生きるのが一番ですもんね


兄が突然始めた三文芝居を驚いたように聞いていた咲楽。

そして話を続けながら懸命にビリケンさんの足の裏を擦り続ける兄。

妹の夢をかなえてやって欲しいと、何度も何度も懸命に。

咲楽はそんな兄の背中に向かって、ありがとうと、呟くのだった。




春・・・


千穂と玉男と松島は、生駒の山にいた。

それは、金三の墓参りだった。

金三は亡くなり、この地で眠りについていた。


年明けに来たときは曇っていて見えなかったが

大阪の街が一望できることを、地元出身の松島が告げる。

その景色を玉男たちは眺めていた。


これからどうするか…

金三について大阪に来てはみたものの、その金三が亡くなった。

それでも大阪に残るという千穂と、そしてやはり残るという玉男。

いまさら東京に戻って漫才を…とは思えないと語る玉男。

玉男にとっての相方は金三だけだった。


そこに突然

「自分がいるであります!!!」

と松島が言いだす。

亡くなった金三師匠の代わりにと…


何歳離れてると思ってるんだ…突然のことに面食らった玉男。

千穂に助け舟を求めたが、

こんなに言ってるんだから良いじゃない、と千穂までが言う。

先に帰る!と玉男は、逃げ出すように山を下り始めた。。

千穂は、かつて病院で話したように、松島の背中を押した。

あきらめたら終わり、追っかけなさい!


玉男を追って走り出した松島を見送った千穂は、

金三に語りかけた。

心配しなくても大丈夫だからね!





駅・・・


神妙な面持ちで、ベンチにひとり座る咲楽がいた。

いよいよ東京に発つ日だった。


そこに突然現れる誠。

「見送りに来てくれたん?」という言葉に、

『これから福岡や』と返す誠。

しかし咲楽にはそんな兄の言葉は見え透いていた。


家を出る際のことを語る咲楽。

祖母が泣いていたこと。

自分も泣きそうになったが懸命に堪えたこと。

そんな様子を兄が笑い飛ばす。

「これから勝負しに行くってのにピーピー泣いててどないするんや」

乱暴だが温かい応援の言葉…


東京に着いたらすぐ祖母に電話するように言う誠。

「兄ちゃんにはええんか?」

『俺はええんや』

また見え透いた嘘をつく兄。

そんな心を全て分かって妹はからかう。


そして突然咲楽は立ち上がった、新幹線の時間だった。

実は全く心構えをしていなかった誠は、

先ほどまでの強がりは一切なくなり、突然の事態に驚きを隠さない。


万が一のときはいつでも帰ってこい、そんな兄の言葉に、

うち絶対負けない!そう強く誓った咲楽は、

最後にじっと溜めて…兄に告げた。



「はよ結婚しな」



『おま・・・・最後にそんな』


誠が最後まで言い切る前に扉は閉じ、咲楽は旅立った・・・・



先ほどまでふたりが座っていたベンチを振り返ると、

ひとりの女性が座っていた。

また声を掛ける誠。

その女性が身重であることに気付いた誠は、応援の言葉で見送った。


そして、自分自身も福岡へ、気合を入れて向かうのだった。



☆END☆




割としれっと書くことができたのはシンプルな舞台ゆえか…

いや、きっとそれだけじゃなくて、

とても印象深かったから、かな?^^


次回から感想に入って行きたいと思います!!


早く書き終えないとね。

あの方に届けたいので(誰だよw