高橋明日香さんご出演
Mcompany 「My Way」
昨日のおはなし編に続いて、ここから感想に行きます。
ひとまずは前回のお話編のリンクを。
さて、まずはできるだけ、先入観要素なしでのやつを。
あの、自分が引っ張られちゃうところのことですね(笑)
といっても難しいかな~どうしてもまざるかな~
書き出してみるまで分かりません!ww
●作品の雰囲気
この作品では大きな出来事は起きません。
ごくごくあたりまえの日常?の中だけで進みます。
日常…全ての人間誰もが経験するもの、とまでは言いませんが、
実際経験をした人もそれなりの数いるであろうし、
可能性、で考えたら誰しもに起こり得るようなもの、
そういう出来事ばかりのお話です。
出会いや繋がりのところは、なかなかない偶然かもですがw
でもやっぱり決してありえなくはない範囲で、
とてもとてもありふれた日常にすごく近い。
金三さんは死んじゃうけども、死の瞬間は描かれませんしね。
でもその日常が、ただの日常が、何かとても心に沁みるのです。
人が人を想う気持ち、それがもういっぱいに詰まっている、
だからなのかなって思います。
現代はいろいろと人間関係が希薄な世の中。
そんな中でこれだけ繋がりが生まれるのはレアなのかもしれません。
が、そのレアさに対してこれだけ温かみを感じるというのは、
人はそう言う部分を求めているからなのでは?と思ってしまいます。
言葉にすると浅くなっちゃうのですけどね(^^;
ただもう、そんな温かみが何だかず~~~~っと、
舞台の背後に流れているようでね~
なんてことのない会話ひとつに、
じわりじわりと、
じわりじわりじわりと、
常に心が包まれて少~しずつ何かが沁みてくるようでした。
強いパンチ力で雰囲気を届けて効かせてくる、
そういう舞台では決してない。
でもそれだからこそ、この日常そのままを描く作品に合うのではと、
思ったりしています。
まあもちろんただの日常の中には、
なかなかパンチ力ある出来事は起きませんが(笑)
このありふれた日常感は演出面でもなのかなあ。
全体的に特に起伏のないフラットな感じになっていると思うのです。
テンポの緩急を特に感じたりもないですし。
それでも漫才や、漫才に等しいやりとりも入ってきますので、
それがあることがもう緩急ではあったのかな?
とはいえ、下手したらとっても退屈になっちゃいかねない作り?
そんな気もするぐらいでもあったかと思うのです。
前にね、そういうフラット?なテンポで作られた舞台でね、
なんならな色々パンチ力ある出来事がね、
わんさか起きるようなお話でしたけどもね、
それでもテンポ感が単調すぎた?あまりに無策に作られた?
そして退屈極まりなくなったのか、
眠気を感じる以前に自然にオチて、
なんなら劇中ほとんど寝てた…ことさえありましたけども←
でもこの作品は真逆!!!
割と眠くなりやすい自分なのに、
3回の観劇全てで、
しかも3回目ではそれはもう素敵な寝不足の中でしたが、
コンマ1秒たりとも眠くならない!!
だから作品の作りもキャストさんの腕も、
それはもう素晴らしいものだったのだろうなあと思います。
あの劇場だからという良さもあったのかな。
やさし~い空気が、あの空間を包み込んでるようでね~。
皆さんが作るあの空気が大好きでした^^
それからBGM。
記憶にしっかり残っているメロディは実はそんなにないのですが、
もともと知ってる曲は除いてね。
でも、すごくこの優しい雰囲気作りに一役買っている、
そこは間違いないと思っています。
そして、メロディは強く印象に残そうとしてくる感じではないのに、
どういう雰囲気で流れていたかはすごく覚えてるような?
だからなんだろ?とっても上手にステージの上を引き立てた?
そういう曲だったのではないかと思ったりしています。
自己主張しすぎず、味付け要素であることをしっかり自覚して、
縁の下の力持ちとして最高の仕事をやってのけた?
そんなBGMなのかな~なんて勝手に思っています^^
また、とてもシンプルなセット、これも大きい。
使うのは2人が並んで座れるくらいのサイズしかない長椅子だけ。
これを、ひとつだけ使ったり、
複数をコの字型のように並べて病院の面会場所?屋上?にしたり、
そんな風に様々に使い分ける。
それだけで本当に場面が変わって皆がどこにいるのか見えるみたい。
さらには椅子から離れて自転車になって、
でもこれはまだ座るとか乗るとか近い使い方だから良い!
最後にはそういった用途からさえ離れ、墓石にまでなったりする!
大活躍!!!
屋上での花火のシーンなんかもね~、
まるでフェンスがそこにあるかのように見えたし、
生駒山ではホントに春の小高い場所にも感じられた。
これは皆さんの演技力によるもの?
照明なども大きな要素ではありますよねきっと?
ただの灰色のシンプルな空間が、
ホントに様々な場所として観ていて頭にイメージさせられる。
こういう舞台良いですね^^
あ、唯一、漫才のシーンだけは、
さすがにスタンドマイクに変わります(笑)
●お話のこと、好きなシーンなど
空気が優しければ、お話もあったかい。
悲しいシーンもあるけれど、
それもまた強い悲しみを与えて来るものではなくてね。
そのためかなんなのか、爆笑させられた後に何故か涙がとか、
自分としても不思議な状態で観ていたときもありました。
このテーマはかなり幅広くて書くことも多そうなので、
サブのテーマも書いておこうと思います。
○誠の人柄
まずね、誠がね、もういちいちあったかいのです^^
いや、あったかさよりも、最初はちとおっかない?(笑)
テキ屋さんだしね~
つか、手つなで松本さん観たときもヤクザだったよ(笑)
でもね、そういうちょっと荒っぽくておっかなそうなのに、
なんかね~人懐っこいというか、距離感きゅっと縮めて来て、
気付いたら仲良くなっちゃってるみたいなね。
不思議なあったかさを持った人でした。
そして妹の前ではとても不器用で可愛い(笑)
局面局面で目立つのは、
コンビの2人だったり、奥さんの千穂さんだったりなんだけど、
でも何と言うか、周りにいろいろあるところの中央に誠がいて、
縦横に働きかけに行きまくってる感じですかね~。
あくまで僕のイメージですw
○最初の大きなヤマ
比較的序盤の頃になるでしょうか…中盤までくらいかな?
がんの告知からコンビ結成の回想シーンに続くところ。
ここの流れはやられました…(遠い目)
まずは田代先生から、千穂さんと玉男さんへの告知。
がんの可能性を先に聞いていた千穂さんはとても静かでいる。
対して、再検査のこの日に初めて耳にする玉男さんは、
驚きのあまり言葉を失ったようにして、
視線と顔が、先生と千穂さんの間を行き来する…
あの玉男さんの表情はとても目に焼きついています><
そして静かに聞いていた千穂さんが、
手術ができないことを聞かされたときには少し強く感情を出す…
なぜ手術ができないのですか、、と。
あの強くも静かな口調がまた…逆に心に刺さって><
そして先生が去ってからの2人のやりとりもまた。
金三何か悪いことした?って千穂さんの言葉、
表では静かに静かに、それでも内の気持ちがものすごく溢れてた…
このときの千穂さんは、自分が観た3回ではいつも、
見える反応が違っていたのですよね。
顔を流れるものの量が、多かったり、なかったり、
それがなんだかすごくリアルで、演技じゃなくて本当に気持ちで、
毎回違うものになっているのかなって思えたのでした。
そしてそこから玉男さんが回想する、
金三ちゃんとのコンビ結成シーンが…ひどかった←
えー!!このながれずるい~!!!(笑)
千穂さんの気持ちに、それはもうあっぷあっぷで涙腺決壊寸前。
そんなシーンの直後なのに!!
なに!?この愉快すぎる場面!!!
「こんな面白い顔オレがいじらなければ誰がいじる」って、
ヒドい口説き文句だよ金三ちゃん!!www
バイト中(牛丼屋)なのに客の前で顔を掴まれ羽交い絞めにされ、
店長~と助けを求めれば、店長じゃないわ!と阻止されw
腕を極められたり、
なだぎさんのすごい膂力でぎゅうぎゅうにされたり。
コンビ組もうって言ってるのは金三ちゃんだろ?
それなのにひとり語りに入り込んだら急に
「邪魔だ」
とばかりに玉男ちゃんを後ろにふっ飛ばして!
そして自分で吹っ飛ばしたくせに、
「なんでそっちにおるんや」
とばかりに無理やり引っ張り起こしてまた締めあげて…
金三ちゃんは勝手だね~wwwww
というわけでですね、それはもうヒドい爆笑になるわけですw
この金三ちゃんと玉男ちゃんのやりとり、
いや、なだぎさんと土井さんのせめぎ合い!!
おもしろすぎた!ww
でもね…
これだけおもしろいのに、それを見て爆笑してるのに、
なんかね、すっげー涙出てくるんすよ。
たしかに涙出るくらい笑わされてるけど、それとは違う涙でね><
理屈で考えてみれば楽しいシーンなのに悲しめるその理由は、
一応説明はつくとは思うのですよね確かに。
でもすごく不思議なのが、涙が出ていながらも、
そのとき自分はそういうことを考えてはいないんですよね。
意識をしてないんですよ、そういう悲しみの原因を。
なんなら悲しいと自覚もしていないというか。
なのに、なんか、すげー涙出る、確実に笑いによるものじゃない涙。
悲しい?のか?よく分からん!けどなんかすごい泣ける><
なにこれ!!
ずるいわ!!
この一連の流れは、強いインパクトは本当にないはずなのに、
ものすごい力で僕の心をがっしり締めあげて離さない…
金三ちゃんが玉男ちゃんを力いっぱい抱きかかえてるように…
そんなシーンになりました。
ああ、でも着実に沁みる悲しみの後に、
逆方向に強い笑いで魅せるというのは、インパクトなのだろうか。
しかも、無関係でなければ、不自然なことでもない。
別れ?を意識させられたからこそ出会いを思い出す、
なんてことは自然なことですもんね。
○もう一組の漫才コンビ?
それと、これはお話の外に出るところになりますが、、、
この作品は前説が漫才コンビでした。
それは「テンガチャーズ」という結成ほやほやのコンビ。
(天下茶屋が由来)
芸歴30年のベテランと、1年目のほやほや新人という、
とんでもないでこぼこコンビ。
ぺーぺーくんに前説をさせたあとにベテランさんは、
芸人としては笑いが足りないよね、と言いだして、
2人でネタを始めます。
ベテランさんが滑り倒してぺーぺーくんはソフトなツッコミを。
そして会場中をキンキンに冷やしてw、
ご本人たちはいたたまれなくなって撤収するという。
ちなみに劇中の冒頭に出てくる漫才シーンで、
この滑り倒す前説のことがいじられたりしますw
本編観た方は当然分かるとして、
本編観てないけどこの感想を読んでるという方が万一いたら…
あらすじから、お分かりになられるでしょうかねえ。
このコンビは、玉男さんと、押しかけ弟子の松島くんなのです。
松島くんは芸人目指して上京したものの、
明確な道筋なくとりあえず東京に…では挫折してしまった。
帰阪して無気力に過ごす中でふと出会ったのが、
同じく帰阪して再出発しようと懸命に頑張るベテランコンビ。
懸命な2人の姿に惹かれて押しかけ弟子となった松島くん。
あらすじには書いていませんが、松島くんの弟子入りの経緯。
そして彼らにとってのラストシーン、生駒山のお墓のシーンで、
自分を相方に!と、松島くんから猛烈ラブコールがあったわけですが、
熱い想いが伝わったのですね~。
本編観ながら、何となく、予期するものが確かにありました。
・今井さんオマージュの作品
・直前まで舞台立ってたような人が突然末期がんと発覚
・そして松本さんのブログの記述
「なだぎさんにあの方を背負っていただく」
つまり…金三さんはほどなくして亡くなられるだろう…><
さらにそれを感じたときに、
「ということはあの前説コンビは…」という、ぼやっという予感。
そして、一度最後まで観た後にはね、
ゴールデンボールから、テンガチャーズへの、想いが膨らみました。
まじめな松島くんが、ついに弟子から相方となって、一緒に漫才を!
「大好きな金三ちゃん」
「憧れの金三師匠」
そんな想いを持つ2人は金三さんの分まできっと漫才頑張る!
なんかこう色々考えてしまうのです。
・・・ん??
・・・・・・てことはだよ???
これリピート観劇したときヤバいじゃん!!!
気付いてしまいました。
一度知識を持った状態で、もう一度あのコンビを目にしたら…
『開演前から泣けたらどうすんのよ!!!!( ̄□ ̄;;』
という危険が存在することに。。。
開演前の、なんか凸凹コンビの前説中に、泣いてる客がいてみろ?
おかしいじゃん!
そいつのお隣さんが初見のお客さんだったら…
コイツ何で泣いてんだよ、キモいなーーーー、、ってなるじゃん!
ヤバすぎるだろーーーーー!!!!!
とそれはもう危険ではないかと、思ったものです。
初日を観てそう感じて、翌日2日目の公演を観に行く…
隣には知人が座りました。
知人ならまだマシかもだけど…うーん><
そして開演が近付くにつれ、実はとても緊張が高まっていました。
前説始まったら自分は大丈夫なのだろうか…と。
・・・・・・・・・はいっ!!!!
カンペキな杞憂に終わりましたw
これは2人のある種の面白さに因るところが大きいかもしれません。
滑り倒す玉男さん
暴走玉男さんに呆れるどころかもはや無?のような松島くん
素晴らしいコンビでした←
そういう、自然な面白さと、
滑り倒されることのある種の緊張感wのため、
僕が懸念していた事象のことなど完全に頭から飛んで行きましたw
や、でも、皮肉でもお世辞でもなんでもなく、お2人には感謝です。
変にしんみりすることなく済んで、
そしてやっぱり、あれは面白かったと思いますし。
玉男さんが滑りまくったとしてもですよw
きちんと冷めきった松島くんがいてくれてw
HotとCoolですなww
でも個人的イメージでは玉男さんはHotよりHeatだったと思う
(英語弱いけどw
とっても良いもうひとつのコンビでした^^
感想しょっぱなっからすごい長さになりました(^^;
これ、まだまだ感想があるにもかかわらず、
さらには先入観的にひっぱられた要素のこともあるにもかかわらず、
一体どんな記述量になってしまうのだろう(^^;
大変な量になってしまいそうですが、
よろしければ・・・
もし、もし、本当によろしければ・・・
この後もお付き合いいただけましたらと思います(^^;