筋膜を整えて健康を取り戻す
筋膜調整セラピスト,理学療法士の半田です。
前回は,頭部と頸部の筋膜の他にも,手首や足首の支帯の調整も必要になることをお伝えしました。
今回は,その実際の方法を簡単にお伝えします。
そのためには,まず,筋膜の構造と生理学的側面を理解しておく必要があるので簡単に説明しておきますね。
まず,筋膜は「層」の構造をしています。
下敷きを重ねたところをイメージしてください。
その層の間に,疎性結合組織の層があります。
潤滑油でできているシートだとイメージしてください。
筋膜はこのシートがあるおかげで,お互いに摩擦を受けることなく滑る構造をしています。
しかし,なんらかの影響でこのシートがのり状になってしまうと,摩擦が生まれ滑らなくなってしまいます。
なぜ,滑らないことがいけないことなのでしょうか?
筋膜自体には,侵害受容器や固有感覚器が埋め込まれた形で存在しています。
筋膜が適切な緊張状態にあるときのみ,これらは適切に働くことができます。
さきほど説明したように,摩擦が生まれて滑らない状態になっていると,筋膜には過剰な張力がうまれ,そもそも受容器がうまく機能しなくなってしまいます。
すると,痛みがでたり,受け取る感覚にエラーがでたり,筋紡錘がうまく働かなかったりしてしまいます。
これが,筋膜が機能異常を起こすとさまざまな症状を引き起こす原因となります。
めまいを引き起こす原因にもなるんですね。
このように,筋膜にあいだにある潤滑油のシートがのり状になっているところは,厚くなって,硬くなっています。
そして,摩擦を受けとってしまう環境になってしまっているので,動かすと痛みがでます。
つまり,さわってみて,「硬くて,痛い」場所が筋膜がうまく滑っていない場所になるわけです。
筋膜調整の目的は,ここが再び滑るようにすることになります。
のり状になってしまったシートを再び潤滑油のようにさらさらにするためには,熱が必要になるんですね。
なので,硬くて痛い場所をみつけたら,そこをマッサージによって熱を与えてあげるわけです。
マッサージと言っても指圧のような圧ではなく,
あくまでも,筋膜を滑らせるようにマッサージして,熱を与えいきます。
これにはちょっとだけコツが必要になります。
が,動かないところに動きを与えるだけでも,筋膜に水和がおこり,動くようになることもありますので,まずは「動かす」ことを意識してマッサージしてみてください。
私が主催している筋膜調整セミナーでは,調整の仕方をしっかりと実技でお伝えしていますので,しっかりとした本来の方法を身につけたい方はぜひセミナーまで足をお運びください!
まとめます。
筋膜のうごきが悪くなることで,めまいが起こることがあります。
筋膜が原因でおきている「めまい」であれば,特に頸部,頭部,顔面,手首,足首の筋膜を整えることが必要になります。
硬くて痛い場所をみつけて,動きをつけるようにマッサージしてみてください。
「めまい」と「筋膜」シリーズはいかがでしたでしょうか?
筋膜を整えれば,改善が期待できる「めまい」があります。
目の前に,めまいで悩んでいる方がいたら,筋膜を整えてみてあげてください。
改善に導けるかもしれません。
めまいに対する筋膜調整の実際の方法は,
年に1〜2度だけ,セミナーでお伝えしています。
今年は8月の末のセミナーのみです。
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みなさまにお会いできることを楽しみにしております。
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「めまい」と「筋膜」シリーズ
*1.からお読みいただくのをおすすめします。
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5.「めまい」と「筋膜」 ~筋膜調整が必要となる領域vol.1~
6.「めまい」と「筋膜」 ~筋膜調整が必要となる領域vol.2~
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