筋膜を整えて健康を取り戻す
筋膜調整セラピスト,理学療法士の半田です。
前回は,平衡をつかさどる前庭も筋膜の影響を受ける可能性があるんだよという話をしました。
今回は,実際に筋膜調整が必要になる領域について,筋膜のつながりから解説してみますね。
このつながりを理解しつつ,筋膜調整で介入することが必須になります。
前回までは,眼輪筋や耳介筋のような,目や耳に近い筋膜のお話をしました。
しかし,その部分の筋膜の緊張を整えるだけでは不十分なんです。
なぜでしょう?
少し解説してみます。
眼輪筋は表情筋の1つです。
表情筋はその他に,鼻筋や口輪筋などがありますが,これらすべての表情筋は,浅筋膜に埋め込まれた形で存在しています。
この一連のつながりを「Superficial Musculo-Aponeurotic system:SMAS」といいます。
SMASは,下方では頸部の広頚筋に連続しています。
広頚筋も浅筋膜のなかにあります。
一方で,SMASの上方は帽状腱膜につながります。
帽状腱膜は浅筋膜に分類されます。
帽状腱膜(浅筋膜)には前頭筋,耳介筋,後頭筋が含まれています。
そして,帽状腱膜は項靭帯に付着する頸部後方の浅筋膜へとつながっていきます。
さらにいえば,項靭帯に付着する僧帽筋(筋膜)へとつながっていきます。
これで,頸部前面~顔面~頭部~頸部後面へとつながりました。
つまり,以上にあげた,どこか1つの部位の筋膜が適切な緊張状態になければ,筋膜の連続性により全体の緊張の均衡状態が崩れ,視覚や前庭の機能は適切に働かない可能性があるわけです。
また,項靭帯は深部の頸部筋群にもつながっています。
深部の頸部筋群の筋膜が過剰な緊張状態にあれば,固有感覚器や筋紡錘も適切に働くことができません。
これにより,めまいが起こることもあります。
頭痛やめまいに対して,頸部筋群(後頭下筋群領域)へのマッサージなどの介入で,変化がでるのはこのような理由もあるんです。
上記の理由から,めまいを訴える方に対しては,
頭部,頸部の前面,後面にかかわらず筋膜をチェックして,
調整する必要があるんです。
実は,さらに言うと,まだ筋膜を調整するべき領域があるんです。
次回は,さらに筋膜調整が必要になる領域も少し解説してみますね。
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「めまい」と「筋膜」 ~筋膜調整が必要となる領域 vol.2~
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【前庭リハビリテーション〜めまいの理学療法〜】
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講師:松村将司(杏林大学)*BPPV,前庭リハ
半田 学(TRIGGER)*めまいに対する筋膜調整
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「めまい」と「筋膜」シリーズ
*1.からお読みいただくのをおすすめします。
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5.「めまい」と「筋膜」 ~筋膜調整が必要となる領域vol.1~
6.「めまい」と「筋膜」 ~筋膜調整が必要となる領域vol.2~
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