私は、人前で話すのが苦手です。

 

 

子どもの頃から、自分の気持ちを言葉にするのが下手で、いつも誰かが代わりに言ってくれていました。


「とっこちゃんが言いたいのは、こういうことでしょ?」
「そう、それそれ!」
そんなふうに、代弁してもらうことでしか、自分の想いを伝えられなかったのです。

 

 

 

それは、大人になってからも変わりませんでした。


『医療のパラダイムシフトサミット』を開催していながらも、「私は話すのが苦手だから…」「立派な肩書きもないし…」と、どこかで自分を小さく見積もって、誰かに想いを伝えてもらうことに頼っていました。

 

 

 

そんな私に、「もう、そろそろ終わりにしよう」と語りかけてくれたような存在がいました。
清水涼子ちゃんです。

 

 

涼子ちゃんは、2025年7月20日、静かに旅立ちました。
まるで、このサミットを見届けるかのように——。

 

 

彼女の夢は、「愛と笑顔の講演家になること」。
病と向き合いながらも、最後の最後まで、自分の声で、自分の言葉で、想いを伝え続けました。

 

 

 

看取り士の柴田久美子さんは、サミットの中でこう問いかけました。
「人は、何のために死ぬのか?」

 

その言葉と、涼子ちゃんの生き様が、私の心に静かに届きました。

 

 

 

「私は、もう“誰かの言葉”じゃなくて、自分の声で、自分の言葉で、自分の想いを伝えよう」
そう、決意したのです。

 

今朝の空

 

先日、日本アーユルヴェーダ協会から、勉強会の講師依頼をいただきました。
もしこれが1年前だったら、きっと「私なんかが…」と思っていたと思います。

 

 

でも今の私は、違います。

涼子ちゃんが残してくれた“勇気の種”を、しっかりと受け取って、育てていきたい。
そんな気持ちで、今、前を向いています。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

 

先日、ある方からこんなご相談を受けました。

「家族が病気になって、医師から “10年生存率は20%”と告げられました。どうしましょう。」

 

 

…あなたなら、どう感じるでしょうか?

「たった20%しか生きられない」と思うのか。
「20%も生きられる可能性がある」と思うのか。

 

 

この違いは、
コップに半分だけ水が入っているのを見て、
「半分しかない」と感じるか、
「まだ半分もある」と感じるか

 

その見方に通じています。

 

 

 

そもそも「生存率」とは?

生存率とは、病気の診断や治療から一定期間後に、どれだけの人が生きているかを示す数字です。

 

たとえば「10年生存率20%」とは、100人が同じ病気にかかったとして、
10年後に生きている人が20人いるという統計データ。

 

 

これは「未来の予言」ではなく、過去の集計にすぎません

 

しかも、そこに含まれているのは、あなたの家族ではなく、別の誰かの人生です。

治療法も、体質も、生き方も、支えも、時代も、すべて違う。

だからこそ、「あなたがその20%に入る可能性は、十分にある」と私は思います。

 

 

 

数字の見方で、生き方が変わる

医学は進歩し続けています。


新しい治療法、回復力、心の持ちよう、支える家族の存在…
統計では測れない“生きる力”が、私たちの中にはあるのです。

 

たとえば同じ数字でも:

  • 「10人に2人しか生きられない」と思えば、不安や絶望に包まれ、

  • 「10人に2人は生きられるんだ!」と思えば、希望と行動力に変わります。

どちらが良い・悪いではなく、その人が選べる視点なのです。

 

 

 

そして、こう問いかけてみてください

「この“20%”という数字を、“怖れ”ではなく、“希望の入口”にできないだろうか?」

 

たとえコップに半分の水しかなかったとしても、「この水で何を育てよう?」と考える人は、
自分の人生のハンドルを、数字ではなく“自分の手”に取り戻していけます。

 

 

 

最後に

数字に心を支配されそうになったとき、
ぜひ、そっと自分にこう声をかけてください。

 

「私は、統計じゃなくて、“今ここに生きている存在”なんだ」

 

誰かの数字では測れない、あなた自身の物語を、どうか大切に。

 

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

〜医師が語る“疲れた自分”への処方箋〜

 

昨日、点滴について書きました。今日は「ニンニク注射」について。


名前のインパクトから「ニンニクが入ってるの?」と聞かれることもありますが、実際にはニンニクそのものは入っていません(笑)

 

 

主成分は、ビタミンB1(チアミン)やB群、ビタミンCなど


疲労回復や代謝促進などを目的として、点滴や静脈注射で体に直接届ける方法です。

ビタミンB1特有の匂いがニンニクに似ているため、「ニンニク注射」と呼ばれています。

 

 

ニンニク注射で期待される効果

  • 疲労回復
     エネルギー代謝を助け、体内にたまった乳酸を分解・排出。

  • 肩こり・腰痛・筋肉疲労の軽減
     神経と筋肉の働きを整える効果。

  • 風邪の初期症状をサポート
     免疫機能の回復を後押し。

  • 二日酔い対策
     アルコール代謝を助けるため、回復が早まるとされる。

  • 美容ケア
     代謝が上がることで、肌の血色が良くなると感じる人も。

 

 

注意点も忘れずに

  • 一時的な対処にすぎない
     根本的な体質改善には、やはり生活習慣の見直しが必要です。

  • 匂いに敏感な方は注意
     注射中や後に、体臭や口臭がニンニクっぽくなる場合があります。

  • 体質によっては副反応も
     アレルギーや発疹、吐き気などが起こることがあります。

  • 保険適応外です
     ニンニク注射は自費診療(自由診療)扱いのため、健康保険は使えません。
     事前に、取り扱っている医療機関かどうかを電話などで確認することをおすすめします。

 

 

 

心と体、両方への“処方箋”

ニンニク注射のように外から補うケアも時には大切。


でも私は、それと同じくらい
「内側からのケア」も大切にしています。

 

 

夜、ベッドに入ったら、両手をそっと胸の上に重ねてみてください。
その手のぬくもりに、きっと心が少しほっとするはずです。

 

「今日もよくやったね」
「疲れたね。でも、ここまで来たね」

そんなふうに、自分で自分を労わることも、
れっきとした“医療”だと私は思うのです。

 

 

あなたが今日も、自分を大切に過ごせますようにクローバー

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

 

診察室でよく聞く言葉のひとつに、
「点滴してもらえませんか?」という訴えがあります。

 

 

風邪や体調不良のときに、なんとなく「点滴をすれば早く治る気がする」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。

 

 

でも実は、
点滴には、医学的にも心理的にも“メリット”と“デメリット”があるのです。

今日はそのことについて、少しお話したいと思います。

 

 

点滴のメリット

🔹 すばやく水分や栄養を補える
高熱や嘔吐、下痢などで脱水しているとき、経口よりも速やかに補給できます。

 

🔹 お薬が早く効く
解熱剤や痛み止めなどを静脈から直接入れることで、即効性が期待できます。

 

🔹 安心感につながる
「点滴=治療されている」という実感があり、患者さんの不安がやわらぐこともあります。

 

🔹 食事がとれないときのサポートに
体力が落ちている方や、飲食が難しいときには、点滴が頼りになります。

 

 

 

でも、点滴にはデメリットもあります

⚠️ 血管トラブルや感染のリスク
何度も針を刺すことで、血管が炎症を起こしたり、腫れたりすることがあります。

 

⚠️ 医療の手間やコストがかかる
点滴は医師や看護師の管理が必要な処置です。必要性が低い場合には、他の方法を優先した方が良いことも。

 

⚠️ 本当の休養が取れなくなることも
一時的に元気になった気がして、無理をしてしまい、かえって回復が遅れるケースもあります。

 

⚠️ 依存してしまうことも
「点滴をすれば大丈夫」と思い込んでしまい、身体の声を聞けなくなってしまうこともあるのです。

 

 

 

「点滴してほしい」の奥にある想い

実は、「点滴してください」という言葉の奥には
“体のしんどさ”だけではない、心の声が隠れていることも多いのです。

 

たとえば…

💭 「誰かに助けてほしい」
💭 「ちゃんとケアされたい」
💭 「わかってもらいたい」
💭 「安心したい」

 

そんな気持ちが、無意識のうちに言葉になっているのかもしれません。

 

私は毎晩、眠る前に
「徳子、今日もよく頑張ったね。えらいぞ。よくやったね。大好き」
といって、自分を抱きしめるようにセルフハグをしています。

 

 

誰かに言ってもらえなくても、
自分自身が、自分の一番の味方であっていいと思うのです。

 

 

たった一言、自分にやさしい言葉をかけるだけで、
ふっと緩み、心があたたかくなることがあります。

 

 

今日も頑張ったあなたへ。
どうか、自分に「ありがとう」と言ってあげてくださいね。

あなたの体と心に、必要なのは、
点滴よりも“いたわりのことば”かもしれません。

 

 

 

だからこそ私は、「点滴をする・しない」という判断だけでなく、
その人の“本当の想い”に寄り添える医療でありたいと、日々感じています。

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

嫌な出来事が起きたとき、
病気になったとき、
人間関係やお金のトラブルに見舞われたとき…

 

 

「相手が悪い」
「ウイルスのせい」
「親や遺伝、環境のせい」
「会社や社会、国が悪い」

 

あるいは、
「全部、自分が悪いんだ」と、
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

 

 

そんなとき、

よく耳にするのが「自己責任」という言葉。


なんだか冷たく、厳しく響くこの言葉に、拒否反応を持つ人も少なくありません。

 

 

でも、私は思うのです。
「自己責任」とは、誰かを責めることでも、
自分を責めることでもない、と。

 

 

『医療のパラダイムシフトサミット』にご登壇いただいた
がんサバイバーの髙原和也さんは、こう語ってくださいました。

「がんも自分でつくっていたんだと、今は思っています」

 

 

また、胎内記憶研究で知られる池川明先生は、
「子どもたちは、生まれる前にどんな人生を送りたいかを決めてくる」といいます。
中には「病気も、自分で選んできた」と話す子どももいるのだとか。

 

 

それが本当かどうかは、誰にもわかりません。
けれど少なくとも、
「誰かのせいにする」生き方では、
私たちの人生は変わっていきません。

 

 

自分が“望んで”その体験を選んだとしたら?
そこに、どんな意味があるのでしょうか。

 

苦しい体験、辛い出来事にこそ、
魂の成長のヒントが隠れているのかもしれません。

 

 

私は「自己責任」とは、
自分を責めるためのものではなく、
“自分の人生を自分の手に取り戻す”ための姿勢だと思っています。

 

 

「自分の人生に責任を持つ」
それは、自分の人生を創造できるということ。

 

それが、私の考える「自己責任」の本当の意味です。

 

 

 

 

 

 

 

『医療のパラダイムシフトサミット2025』のアーカイブ受付中

7月31日まで! 7,700円でご視聴頂けます。

命の話。 看取りの話。 死を通して、生を学ぶ時間。

これは「学びのコンテンツ」ではなく、「心で感じ、人生を動かす体験」だと私は思っています。

 

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野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。