「体にいい」と聞いて何となく続けていませんか? 

 

テレビやSNSなどで「これが健康にいい」と紹介されると、つい深く考えずに取り入れてしまうこと、ありませんか? 

そして一度習慣になると、本当に自分の体に合っているかを見直さないまま続けてしまうこともよくあります。 

 

 

 

 

気をつけたい“思い込み健康法” 

 

私が診療の現場でよく出会うのが、こんなケースです。 

 

 

「油ものは控えています」とおっしゃる高脂血症の患者さん。 

 

よく聞いてみると、毎日ヨーグルトやチーズ、牛乳など乳製品をしっかり摂っている方が意外と多いのです。 

 

乳製品自体が悪いわけではありません。 

 

ただ、飽和脂肪酸を多く含むため、人によっては血中コレステロールを上げやすく、 「油ものを控えているつもりが、知らずに脂質をとり過ぎていた」ということが起こります。 

 

 

 

情報をそのまま信じる前に 

 

「体に良い」と言われる食材や習慣でも、体質・持病・年齢によってメリットとデメリットは違います。 

 

ヨーグルト     :腸内環境を整える一方で、脂質・糖質の取り過ぎには注意 

ナッツ:良質な脂質と抗酸化物質が豊富だが、高カロリーなので“ひと握り”が目安 

玄米     :食物繊維が豊富だが、胃腸が弱い人や貧血気味の人は工夫が必要 

 

「良い」とされる情報をそのまま受け取るのではなく、自分の体に合うかどうかを確認することが大切です。 

 

 

 

 

習慣を見直す3つのステップ 

 

まず知る:成分や栄養価を理解する 

自分の体を観察する:体調・検査値の変化をチェック 

必要なら調整する:量を減らす・調理法を変える・医師や栄養士に相談する 

 

 

 

 

まとめ 

 

「健康に良い」と聞くと、つい安心して習慣化してしまいがちですが、 “万人に良いもの”は存在しません。 

 

テレビやネットの情報を取り入れるときこそ、

 自分の体質や持病を考える 

検査値や体調の変化を見て調整する 

 

この2つを意識するだけで、健康法が“自分の体に合う本当の習慣”へと変わっていきます。

 

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。