昨日は子ども・子育て会議の幼児教育・保育部会(第3回)でした。
新制度に沿った事業計画をたてる上で最も重要な要素である「量の見込み」についての議論となります。特に、待機児童数が多摩26市中3年連続ワーストとなった小金井市においては、保育分野におけるこの「量の見込み」はしっかり協議することが求められます。
▼「量の見込み」の算出について
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(配布資料より)
ニーズ量の見込みは、ニーズ調査結果を用いて算出した推計結果を「量の見込み(暫定値)」としているが、過去の実績と比較して極端な差異の場合、見込量の補正を行う必要があるものと考えます。
①ニーズ調査では、保護者が希望する事業の利用開始時期を把握できない。
(例)0歳児保護者の保育所希望の場合、実際は3歳からの保育希望であっても、すべて0歳児保育の希望(3号認定)として計上される。
②希望する事業は、すべてニーズ量に計上されるため、ニーズ量が大きくなりやすい
(例)保育所に入所し、かつ、他の不定期事業を複数利用するといった、実際の利用以上のニーズ量が推計される。
そのため、ニーズ量の見込み(暫定値)を以下の視点から検討する必要がある。
●過去の利用状況と比較して多過ぎる、あるいは少な過ぎる見込みになっていないか
●ニーズ量の見込みの補正方法や独自の算定設定の考え方は適切か
●確保方策の検討にあたり留意するべき視点はあるか
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国の手引きを基本としながら、上記の点を踏まえて「量の見込み」を算出した旨の説明がありました。
▼保育施設の「量の見込み」(暫定値)について
市が示した見込み数字は以下の通りとなります。
<0歳児>
平成27年:253人、平成28年:251人、平成29年:249人、平成30年:247人、平成31年:245人
※ちなみに、平成25年の実績値は170人ですが、この年の4月1日時点の待機児童は53人=合計:223人
26年度の正確な数字がないのですが、0歳児の保育枠は11人分増えており、かつ0歳の待機児童が25年対比32人増ですから、223+11+32=266人という計算になります。
26年度の数字が示されていないので若干アバウトな試算となりますが、色んな試算をしたなかで様々な角度からの「量の見込み」の補正を検討する必要性もあるのではないでしょうか。
<1・2歳児>
平成27年:885人、平成28年:861人、平成29年:853人、平成30年:846人、平成31年:840人
これは、該当のタイプの推計児童数×利用意向率(保育所等希望の割合+実績(※1)/2)で算出した「量の見込み」です。
(※1)「平成26年4月1日現在の認可保育所・認証保育所・その他保育施設の入所児童数」+「平成26年4月の待機児童数」=785人÷1,980人(平成26年4月1日現在の住民基本台帳1・2歳)=39.6%=利用実績
算出方法
1・2歳の「量の見込み」の暫定値の算出は、小金井市独自の工夫がされています。通常の考え方では単に「利用意向率=保育所等希望の割合」のみで計算するところ、実績の数字を割合で出して希望割合と足したのちに2で割るという手法をとっています。
会議の資料は隣の方との共有でしたので、じっくり数字をみて計算はできませんでしたが、事務局(市)の説明によると、このほうが実態に合っているのではないか、とのことです。
小金井市として一定の工夫余地があったことは評価したいところですが、この数値自体が適切なのかどうか、まだ私には判断できません。
委員からは、感覚的だけども数字が低いのではないか、という指摘や補正する余地があるのかどうか、という質問・意見があったり、保育所施設の長い目でみた時に就学前児童が減る傾向があることから、経営を考えると大きすぎる数字はどうか、という意見もありました。
▼これからのポイント
個人的には、「量」に関して今後重要になってくる要点は以下だと考えています。
①児童数の推計が今の算出した数字でよいのか
→「のびゆくこどもプラン」で推計した子どもの数から大きくギャップがあるため、同様の算出方法で推計した児童数をもう少し検証する必要があるのではないか
②事業計画の目標設定をどこを基準に置くのか
→「量の見込み」暫定値によると、見込み量のピークは0・1・2歳において平成27年度がピーク(3歳以上は平成28年度がピーク)を迎え、あとは減る傾向にある
小金井市の待機児童問題が悪化した要因は、就学前児童の推計と実態にギャップが現れた際にその見直しをかけずに積極的な保育所整備を見送ってきたことが挙げられます。推計はあくまで推計なので、その動向を見定めながら、柔軟に見直しをかけて実態にあった保育環境整備ができる体制にすることが肝心です。その点は議会で指摘していきたいと思います。
委員のみなさま、毎度お疲れ様です。ありがとうございます。
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