以前の記事と重複する内容から始める。
中学2年~高校2年の4年間、当時トップアイドルだった松田聖子のファンで、LP を持っていた。
2nd アルバム 『North Wind』 から 7th アルバム 『ユートピア』 の頃にあたる。
高校卒業前に、アイドルを聴くのを卒業し (といっても、アイドルで聴いていたのは松田聖子だけだったが)、20代になって LP を手放した。
しかし、若い頃聴いた歌で印象深いのは何歳になっても心に残っているもので、50歳になろうかという時になって、また聴きたくなり、2nd アルバムから 7th アルバム までの LP およびリマスタリング版の Blu-spec CD2 盤を買った。
ところが、Blu-spec CD2 盤の音質には満足できず、LP ばかりを聴くことになった。
その後知ったのは、限定数販売の SACD/CD ハイブリッド盤があったということ。
中古市場ではかなり高値で取引されていたが、好きな曲が多かった5枚のアルバム 『North Wind』 『Silhouette』 『風立ちぬ』 『Candy』 『ユートピア』 のハイブリッド盤を入手した。
ハイブリッド盤は、マスターテープの記録信号のダイナミックレンジを出来る限り損なわないように収録してあり、満足の音質だった (ごく一部に、マスターテープの経年劣化によると考えられる箇所があるが)。
SACD 層で聴く聖子のヴォーカルやプレゼンスの生々しさだけでなく、サウンドイメージ・音の響き・余韻の美しさにおいても Blu-spec CD2 盤より一段どころか二段も三段も上。
それにしても、入手した5枚のハイブリッド盤は中古にもかかわらず、ディスク・デジパックジャケット・帯のすべてが美品で、SACD 層で聖子を聴いていた前オーナーたちのオーディオファイルそして聖子ファンとしての思い入れが伝わってくる。
5枚のハイブリッド盤のうち、『ユートピア』 以外は既に記事にしたので、今回は 『ユートピア』 を。
<所有する LP、Blu-spec CD2 盤、SACD/CD ハイブリッド盤>
10曲が収録され、作詞は財津和夫による1曲を除いてすべて松本隆による。
松田聖子の曲のうち、財津和夫がクレジットされた曲で特に好きなのは、『Silhouette』 に収録されている 「あ・な・たの手紙」。
『ユートピア』 の収録曲で、高校時代に聴いていた時も、そして今聴いても一番好きなのは 「赤い靴のバレリーナ」。
かつて聴いていたアルバムを再び聴くようになって、今さらながら知って驚いたのが、「赤い靴のバレリーナ」 の作曲と編曲。
作曲は (福岡県出身で甲斐バンドの) 甲斐祥弘、編曲は (中島みゆきや徳永英明の曲を数多く手がける) 瀬尾一三。
道理で、高校時代から他の松田聖子の曲とは雰囲気が違うと感じてはいたが。
SoundEngine を使って、Blu-spec CD2 盤と SACD/CD ハイブリッド盤の CD 層とで冒頭曲の 「ピーチ・シャーベット」 の収録音量の波形比較を行った (SACD 層は波形解析できない)。
以下に示すように、コンプレッサーの使用程度の違いが一目瞭然。
Blu-spec CD2 盤に見られる波形の様に、コンプレッサーを過剰使用して波形をフルスケール (0 dB) のレベルでバッサリ切り捨てたような音を、「ハイファイな音」 とか 「いい音」 などとは呼べない。
Blu-spec CD2 盤
SACD/CD ハイブリッド盤の CD 層
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