松田聖子のアルバムの収録音量波形について、既に『North Wind』『Silhouette』『風立ちぬ』『Candy』『ユートピア』の5枚は SACD/CD ハイブリッド盤の CD 層と Blu-spec CD2 盤とで比較し、『Pineapple』は CD 選書盤と Blu-spec CD2 盤とで比較した。
今回は松田聖子のアルバムとしては最後に『SUPREME』を取り上げ、CD 選書盤(SRCL 3179)と Blu-spec CD2 盤(MHCL 30119)のトラック5「時間旅行」とトラック10「瑠璃色の地球」で、収録音量波形を比較した。
<「時間旅行」の収録音量波形解析>
CD 選書盤
最大音量: -0.20 dB (L: -0.20 dB, R: -0.20 dB )
平均音量: -20.96 dB (L: -20.97 dB, R: -20.94 dB )
Blu-spec CD2 盤
最大音量: -0.81 dB (L: -0.82 dB, R: -0.81 dB )
平均音量: -17.90 dB (L: -17.77 dB, R: -18.04 dB )
<「瑠璃色の地球」の収録音量波形解析>
CD 選書盤
最大音量: 0.00 dB (L: 0.00 dB, R: 0.00 dB )
平均音量: -22.32 dB (L: -22.42 dB, R: -22.21 dB )
Blu-spec CD2 盤
最大音量: -1.11 dB (L: -1.11 dB, R: -1.11 dB )
平均音量: -18.61 dB (L: -18.57 dB, R: -18.66 dB )
収録音量波形から、平均音量については Blu-spec CD2 盤は CD 選書盤よりも 3 dB(時間旅行)あるいは 4 dB(瑠璃色の地球)ほど高く、「最大音量と平均音量との差」については Blu-spec CD2 盤は CD 選書盤よりも 4 dB(時間旅行)あるいは 5 dB(瑠璃色の地球)ほど小さいことが示された。
「最大音量と平均音量との差」とは曲の中での音量の上下変動(抑揚・メリハリ) であり、CD 選書盤の方が良いことが分かる。
CD 選書盤ではほぼすべてのピークが固有の高さを保持しているのに対し、Blu-spec CD2 盤では最大音量のレベルで切り揃えられたピークが目立つ。
『SUPREME』について、CD 選書盤は初回盤(32DH 440)と同じマスタリングで、Blu-spec CD2 盤にもパッケージにはリマスタリングの表記はない。
しかし、Blu-spec CD2 盤では平均音量が上げられ、さらには波形の多数のピークがクリップしないようにリミッターでカットされていることが明らかで、リマスター盤だ。
後日記事
関連記事