「千葉市美術館蔵 新版画 進化系UKIYO-Eの美」その1(再掲) | とんとん・にっき

「千葉市美術館蔵 新版画 進化系UKIYO-Eの美」その1(再掲)

「千葉市美術館蔵 新版画 チラシ」

 

「新版画 進化系UKIYO-Eの美」、去年、日本橋高島屋で観て、感動しました。

再掲しようと思ったのは、コトラーさんのブログを読んだのがきっかけです。

 

コトラーさんのブログ

『進化系UKIYO-Eの美 新版画』展

 

「新版画 進化系UKIYO-Eの美」、日本橋高島屋から始まって、1年を過ぎ、やっと千葉市美術館に戻ってきました。戻って来たとは、作品すべてが千葉市美術館の所蔵品だからです。で、展覧会の会期は11月3日(木・祝)まで、もう終了しました。

 

僕が観たのは2021年8月から9月の日本橋高島屋S.Cでした。

日本橋高島屋で「千葉市美術館所蔵 新版画 進化系UKIYO-Eの美」を観た!その1

日本橋高島屋で「千葉市美術館所蔵 新版画 進化系UKIYO-Eの美」を観た!その2

 

その時ブログに、以下のように書きました。.

近来まれにみる充実した展覧会でした。

新版画の魅力を余すことなく伝えています。

千葉市美術館の新版画コレクションから約120点で構成されます。

 

千葉市美術館所蔵 

新版画ー進化系UKIYO-Eの美

新版画とは、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識を継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンルです。伝統的な彫りや摺りの技術に、同時代の画家による清新な表現を合わせようとした版元・渡邊庄三郎(1885-1962)の試みに始まりますが、昭和に入っていくつもの版元が参入し、大きな流れとなりました。

この展覧会では、千葉市美術館が誇る新版画コレクションから、その歴史を通覧します。橋口五葉の《浴場の女》や伊東深水の《対鏡》といった最初期の初々しい名作から、川瀬巴水の情感豊かな日本風景や吉田博の精緻な外国風景、山村耕花や吉川観方による個性的な役者絵を経て、昭和初期のモガ(モダンガール)を鮮烈に描いた小早川清のシリーズ《近代時世粧》に至る、新版画の成立から発展型への歴史を約190点の作品によってたどります。

昨年から東京・大阪・山口を巡回した展覧会の最終展観となる千葉会場では、新版画の先駆ともいうべき、明治末期に来日して日本の職人とともに木版画を制作したヘレン・ハイドとバーサ・ラムの作品約50点もあわせてご覧いただきます。美人・風景・役者各ジャンルの花形作家たちの競演を、伝統技術の粋と革新的な表現の煌びやかな融合を、ぜひご堪能ください。

 

巡回

[東京]

2021年8月25日(水)~9月12日(日)

日本橋高島屋S.C.

[大阪]

2021年9月15日(水)~9月27日(月)

大阪高島屋

[山口]

2022年4月23日(土)~6月19日(日)

山口県立萩美術館・浦上記念館

[千葉]

2022年9月14日(水)~11月3日(木・祝)

千葉市美術館

 

以下、日本橋高島屋S.C.で開催されたときに載せたブログを、その1とその2をそのまま再掲します。

 

「新版画 進化系UKIYO-Eの美」チラシ

 

「新版画 進化系UKIYO-Eの美」案内板

 

千葉市美術館所蔵 新版画ー進化系UKIYO-Eの美

 

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ:新版画誕生の背景
第1章:新版画、始まる
第2章:渡邊版の精華
第3章:渡邊庄三郎以外の版元の仕事
第4章:私家版の世界

 

近来まれにみる充実した展覧会でした。

新版画の魅力を余すことなく伝えています。

千葉市美術館の新版画コレクションから約120点で構成されます。

 

ここではプロローグから第2章までをその1とし、第3章、第4章をその2として、分けて掲載します。


プロローグ:新版画誕生の背景

小原古邨「古鷺」明治後期

 

山本昇雲「今すがた 花やしき」
明治42年(1909)

 

高橋松亭「ふじ川上り舟」明治42-大正12年(1909-23)

 

第1章:新版画、始まる

フィリッツ・カベラリ「女に戯れる狆」
大正4年(1915)

 

橋口五葉「浴場の女」
大正4年(1915)

 

伊東深水「対鏡」大正5年(1916)

 

チャールズ・バーレット
「ベナーレス水辺」大正5年(1916)

 

第2章:渡邊版の精華

伊東深水「近江八景 瀬田の唐橋」
大正7年(1918)

 

伊東深水「近江八景 三井寺」
大正6年(1917)

 

伊東深水「近江八景 堅田浮御堂」
大正7年(1918)

 

伊東深水「新美人十二姿 浴衣」
大正11年(1922)

 

伊東深水「新美人十二姿 口紅」
大正11年(1922)

 

伊東深水「新美人十二姿 おしろい」
大正12年(1923)

 

川瀬巴水
「旅みやげ第一集 仙台山の寺」
大正8年(1919)

 

川瀬巴水
「東京十二ヵ月 三十間堀の暮雪」
大正9年(1920)

 

川瀬巴水
「東京十二ヵ月 谷中の夕映」
大正10年(1921)

 

川瀬巴水
「旅みやげ第二集 大坂道とん堀の朝」
大正10年(1921)

 

川瀬巴水
「旅みやげ第二集 宇治平等院ノ一部」
大正10年(1921)

 

川瀬巴水「牛堀][原画・校合摺・試摺を含む]」
昭和5年(1930)

 

名取春仙
「初代中村雁治郎の紙屋治兵衛」
大正5年(1916)

 

山村耕花
「四代目尾上松助の蝙蝠安」
大正6年(1917)

 

山村耕花「梨園の華
十三代目守田勘弥のジャンバルジャン」
大正10年(1921)

 

川瀬巴水「雪の増上寺」
大正11年(1922)

 

以下、第3章、第4章をその2として掲載します。

 

川瀬巴水・吉田博・伊東深水

/世界を魅了した木版画
新版画は、江戸時代に目覚ましい進化を遂げた浮世絵版画の技と美意識とを継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆したジャンルです。版元・渡邊庄三郎(わたなべしょうざぶろう・1885-1962)のアイデアをもとに、伝統的な技術を用いながらも画家たちの新鮮な感覚を重視して生み出された数々の優品は、アメリカを中心に国内外で広くファンを獲得してきました。今や「shin-hanga」は、「ukiyo-e」とともに、世界の共通語になりつつあります。

本展は、千葉市美術館が誇る新版画コレクションから選りすぐった約120点で構成されます。橋口五葉の《浴場の女》や伊東深水の《対鏡》といった最初期の初々しい傑作から、川瀬巴水の情感豊かな日本風景、吉田博の精緻な外国風景、山村耕花や吉川観方による個性的な役者絵を経て、昭和初期のモガを鮮烈に描いた小早川清《近代時世粧》に至る、新版画の成立から発展形への歴史をたどることができる充実の内容です。美人・風景・役者の各ジャンルの花形作家たちの競演と、伝統技術の粋と革新的な表現の煌びやかな融合をぜひご堪能ください。

 

千葉市美術館所蔵

新版画―進化系KIYO-Eの美

展覧会図録

2021年8月25日発行

編集:西山純子(千葉市美術館)

    吉田洋子(山口県立萩美術館・浦上記念館)

    日本経済新聞社文化事業部

発行:日本経済新聞社©2021

 

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