千葉市美術館で「ジャポニスム 世界を魅了した浮世絵」を観た!その1
千葉市美術館で「ジャポニスム 世界を魅了した浮世絵」を観てきました。
ジャポニスム 世界を魅了した浮世絵
19世紀後期〜20世紀初めにかけて、大量に海を渡った日本の美術工芸品は、西洋の美意識に大きな影響を与え、ジャポニスムという動向として広がっていきます。中でも浮世絵版画は、多くの西洋画家たちに直接影響を与えたことが知られています。西洋の芸術家たちが浮世絵に出会った時、何を新しいと感じ、感動し、自らの芸術に取り入れようとしたのでしょうか。この展覧会は、ジャポニスムの画家たちの作品が浮世絵から取り入れた視点をきっかけとして、浮世絵の特性と魅力を再発見しようとするものです。浮世絵の名品を中心に、欧米、ロシアからジャポニスムの作品を加えた約220点を展示する、これまでにないユニークなテーマの浮世絵展です。
ジャポニスム
江戸時代を通して大衆にとって身近な存在であった浮世絵版画は、明治時代に西洋からもたらされた”美術”という価値観に値するものとも気づかれることのないまま、大量に欧米に渡り、ジャポニスムと呼ばれる動向を導きました。
大浪のインパクト
葛飾北斎のこの作品は、世界で最も有名な浮世絵と言えるでしょう。そのインパクトは、西洋の芸術活動に大きな影響を与えました。
江戸っ子の誇り
――水の都・橋と船のある風景
水の都江戸では、隅田川を中心に江戸っ子が誇る橋があり、その景観が愛されて浮世絵に多く描かれました。橋脚を大きくとらえる独特の構図が印象的です。
鳥の眼
――空飛ぶ浮世絵師
周囲に高台や建物がなくても、浮世絵師は頭の中で自在に視点を高くして風景を描きました。この影響を受けて、西洋画でも俯瞰図が多く描かれるようになり
ます。
色彩としての黒
黒=墨は、浮世絵版画の色の中でも、最も重要で効果的な色とされいます。西洋版画にも取り入れられた、黒い線と面の印象的な表現に注目します。
驟雨――自然・瞬間・風情
降る雨や雪を描く絵は伝統的な西洋画にはほとんどありませんでした。なぜ浮世絵は、自然が見せる一瞬の表情を、主題に取り上げてきたのでしょうか。
展示構成
プロローグ ジャポニスムとは何か?
第1章 大浪のインパクト
第2章 水の都―江戸・橋と船
第3章 空飛ぶ浮世絵師―俯瞰の構図
第4章 形・色・構図の抽象化
第5章 黒という色彩~影と余韻
第6章 木と花越しの景色
第7章 四季に寄り添う―雨と雪 宇
第8章 母と子の日常
エピローグ 江戸の面影―ジャポニスム・リターンズ
以下、会場で撮影した作品の一部
以下、「その2」へ続く
朝日新聞:2022年2月15日