小さな花のひとりごと -30ページ目

小さな花のひとりごと

乳がん再発の心の動きを綴っています。
現在、肺、縦隔、骨に転移していますが、治療のおかげで元気に過ごすことができています。
やれることをやれるうちに。

近所の耳鼻咽喉科クリニックは
今どき院内処方です。
コロナからずっと、薬が足りないニュースを耳にしますが、
どこで足りないのかなと不思議でしたが、今日分かりました。
こういう小さなクリニックに医薬品が届いていなかったんですね。

あまりに頭痛と喉痛と咳がひどくて、微熱も辛くて、再び耳鼻咽喉科へ行きました。

診察室のドアに
「薬が出せません。処方箋を出すので薬局に行ってください」の張り紙が貼ってありました。
つい3日前にはなかった張り紙です。

抗炎症剤は
4日間飲んでみて、もう見切りをつけました。
今、欲しいのは鎮痛解熱薬です。

実は自宅にロキソニンがたくさん在庫になってます。
それを飲んでいいか教えてほしくて行ったようなものでした。
答えはOK。 
抗がん剤を飲んでると、別の医薬品にすごく過敏になります。
何しろ抗がん剤が大事。
もう一つ、心配だったことは
こんなに咳ばかりして熱も出て、肺に負担をかけて、まさか間質性肺炎の引き金になりませんよね?と
聞きたかったのです。
抗がん剤の副作用だから心配ないよ、と言ってくれましたが
なんだか勝手に心配してます。
風邪なのか何なのか、とにかく早く治ってほしいです。


3月という月は、ウキウキします。
誕生日が3月というのもあるのでしょうか。
長く寒い冬が過ぎて、やっと春が来たと感じる開放感がなんとも言えません。
 
昨年の3月1日は、緩和ケアを初受診した日でした。
あの日に、何かが進み始めました。
 
何もできないと言われていた治療が進んだこと、
主治医を代えることができたこと、
介護保険の手続きなど、
停滞していた自分や周りのいろいろなことが動き始めて、今の状態にまで回復できたことは、
全てがあの日がスタートでした。
 
緩和ケアってすごいですね。
当初、自分は緩和ケアしか行くところがないんだと思っていました。
そういうところだと勘違いしていたのも学びました。
 
昨年と比べてどれくらい回復したのか、実際には身体に訊かないと分からないけれど、
(CTとかレントゲンとか診ないとね)
体感的にはすごく回復しています。
それだけで充分です。普通の生活ができるのですから。
 
先日は、群馬県下仁田町に紅梅を観に行きました。

梅の濃いピンクはキレイです。
桃の花みたい。
紅梅の実は食べられるのか調べたら、
白梅の実に比べると、実が小さく果肉が硬く、軽い苦みがあるため、
食用としては白い梅の実が好まれるようです。
なるほど、だから梅林には紅梅の木が少ないんですね。
有名な南高梅は、種が小さく果肉が多く柔らかいので、ねっとりとした質のいい梅干ができるそうです。
紅梅と正反対です。
 
山道を登りながら、梅の香りを楽しみ、紅梅の花を観て、視覚・嗅覚の五感を刺激して
春そのものにどっぷりと癒されました。
梅が終る頃には、桃の花。そして桜。
ウキウキしないわけがありません。
 

娘親子がしばらく我家に来ていました。

 

滞在中、突然娘が激烈な花粉症になったのです。

もともとアレルギー体質で花粉症も持っていましたが、

今回は花粉症どころではなくて、

中耳炎と副鼻腔炎も発症し、39.5度の発熱までも!どこもかしこも炎症だらけなのを高熱が訴えています。

何に感染したのでしょうか。咳も休みなくしています。

 

案の定、赤ちゃんに移り

私は喉が痛くなってきました。

1週間前の白血球は1500です。

これはマズイなと、元気なうちに早めに耳鼻咽喉科にいきました。

お医者さんにも、

「鼻もなんでもないし、喉が痛いと言うけれど、これは安静にして寝ていればいいのでは?」

と、そのまま帰されそうなくらいの軽症でしたが。

 

普段なら、これくらいでお医者さんに行くわけがありません。

白血球の数が問題なのです。

それを切々と訴えて、抗炎症薬を処方してもらいました。

 

 

その夜から声が枯れ、

喉がますます痛くなり、37度台ですが熱も出ました。

処方箋も貰わずに帰宅していたらどうだったのかな。

もっと辛かったのかな。

比べることはできないけれど、これくらいで済んでいるのはお薬のおかげもあるかな。

 

医者嫌いの私が、

これはヤバいと思えば早めに行動するんだ、やればできるんだなと思った最近の出来事です。

娘の重症具合を目の当たりにして、ああなったらヤバイと心底思ったのも私を揺り動かしましたが。

コロナのためにずっと会えなかった友人(アロマの生徒さん)と
4年ぶりにランチしました。
本来なら昨年に会う予定でしたが、私の再発で延期になっていました。
 
反回神経にガン細胞が悪さをすることで声帯がうまく働かず、
かすれ声しか出なくて、水を飲むのもむせて、ただ話すことに体力を使って疲れていた昨年です。
当たり前の「おしゃべりをする」「一緒にご飯を食べる」ことができないと
もう先がないと心配させてしまうかなと、会うのを遠回しに断っていました。
 
1年後に再会できたのは奇跡と思うくらいです。

せっかくなので、美味しいものを食べてゆっくりおしゃべり。
美味しいものを食べられるのも、おしゃべりできるのも、
思い返してみれば信じられない喜びです。
 
友人(アロマの生徒さん)の大切な親友が、乳がんの再発をしていたことを聴いていたので、
再会した時に詳しく聴こうと思っていました。
できるなら、私も逢ってハンドトリートメントをしてあげたり、
同じような悩みがあれば一緒に話ができたらいいなと考えていました。
(こんな風に考えられるのも自分にゆとりができたなと実感します)
 
ところが、その親友は昨年の9月に亡くなったと教えられました。
・・・本当にびっくり。
言葉を失いました。
 
私は、再発に気づくのが遅すぎて、一時は医者にも匙を投げられた身ですが、
悔いが残らないように生かしてもらった術後20年を過ごしてきました。
私よりずっと若い彼女はキチンと経過観察していた矢先に、術後5年を前に再発してしまい、
しかも昨年秋に逝ってしまったと聞いた時には、
どうしても不思議で理不尽で、納得できる理由が見つかりません。
 
のんびり生きていていいのだろうか。
やはり今、自分にできることをやらなければ。
考えるだけでなく実際に前進しなければ。
やりたくてもできなかった人たちに申し訳ないと、ダラダラ生きている自分に活を入れようと思います。
ランチした店内の一部です。ゆっくりできました。
 
 
 
今日は真冬の寒さですが、
先日までの暖かさで日当たりの良い場所ではミモザも咲いてきています。
ポンポンみたいに可愛くて春を告げてくれる花。
(そういえば、春の色は黄色とピンクのどちらをイメージするか、話題にしたことがあります。
菜の花やミモザの黄色、何と言っても桜のピンク。難しい選択です)
 
昨年の今頃は
散歩もできないほど体調が悪く、
植物に気持ちが向かっていなかった事を思い出しました。
今年は車の座席から、まだ咲く前なのに「あ、ミモザ」と見つけてしまいます。
 
当時、
小さな目標として「桜を観る」と掲げていたので、
桜の咲く時期には元気に歩きたいと思っていました。
元気とまではいかなかったけれど、4月初めに桜を観られて目標達成しました。
嬉しかったです。
散りかけた桜と、周りには咲き終わった白木蓮や早咲きのツツジも咲いていました。
 
バタバタと過ごした冬が過ぎて、春が来たことを実感したのを覚えています。

さてさて今年も桜は目標の一つです。

風に揺れる桜の花びらを眺めて、季節の移り変わりを楽しめる今に感謝して、

春を迎えよう。

桜を観よう。