12/14(土) 土特早退
12/15(日) SS特訓 午前欠席
12/16(月)〜21(土) 学校&SAPIX 全休
1番苦しかったのはいつか…
そう聞かれると
あり過ぎてわかりません
ですが
1番追い詰められたのは…?
と問われると
間違いなくこう答えます。
12/14〜21日です。
入試を間近に控え出願の準備をしなければいけない時に、家庭学習も塾もストップしてしまいました。
受験を経験された方なら、それがどれほどの恐怖か想像がつくと思います。
12月は半分も学校には行けませんでした。
受験勉強のために学校を休んだわけではありません。全て病欠です。
担任の先生が随分と心配して下さり、欠席の日は毎回お電話して下さいました。
20代の男の先生でしたが、学生時代に塾のバイトをされていたからか、中学受験にも理解があり、応援して下さってました。
体調不良であっても次男が自分から言えないことを知ってからは、先生の方から次男に声かけして下さるようになりました。
私立受験する子は少なかったのですが、他のクラスの先生も、生徒達も、受験生への理解があって学校でストレスを感じることがなかったのは幸いでした。
次男が起き上がれずにいた1週間のちょうど真ん中くらいに、SAPIXの最終面談が入っていました。
12/20頃だったと思います。
11月にも面談していただきましたがその後、次男の体調も成績もさらに悪化していたので再度の面談です。
志望校と併願校を最終決定しなければなりません。
学校を休んで寝込んでいた次男を置いて、私は出かけました。
「志望校はA校でよろしいでしょうか?」
校舎長にそう聞かれて答えに窮しました。
9月に出していた志望校です。
夏休み前にオープンスクールに行って次男が気に入りました。
難関中の次のランクである上位校に属する学校です。SAPIX偏差値でいうと50台半ばくらいでしょうか。
40台後半だった次男の偏差値では到底足りていませんでしたが、これから伸びれば狙えるかもしれないと思い、第一志望に書いていました。
ですが
期待に反して成績は下がりました。
12月の判定では合格可能性は20%以下です。
「成績も下がっていますし、志望校の変更も考えています。今の成績ではとてもじゃないですが、狙えないと思っています」
私は神妙な顔で答えましたが、校舎長はそれには触れず
「〇〇塾のテストはどうでしたか?」
長男の通っていた塾の模試を受けていることもSAPIXの先生には話してました。
〇〇塾のテストは隔月で受けていて、10月は上がったのですが12月は7ポイント下がり、結局8月に受けた時と同じくらいになってました。
こちらの塾でもA校の偏差値と次男の成績にはかなり差がありました。
〇〇塾の偏差値を見た上で、校舎長は言いました。
「志望校はこのままでいきましょう」
「……」
私は何も言えませんでした。
肯定も否定もできなかったのです。
黙り込んでしまった私に校舎長はさらに話を続けます。
「ところで、初日の午後受験で考えていらっしゃるこの学校は、通ってもいいと思ってらっしゃいますか?」
初日午後入試はC校、第3志望の学校です。
偏差値は40台半ば。今の偏差値でギリギリ足りるかどうかという状態でした。
「はい。長男のお友達の弟さんが通ってらっしゃって、そちらのお母さんがとてもいい学校だと話してらっしゃったので」
「確かにそうですね。入ってから伸ばしてもらえる学校だと思います」
そして一呼吸置いてから、校舎長はこうおっしゃいました。
「彼の実力なら1日午後のC校は取れると思います。なので午前はA校でいきませんか?」
9月の段階ではA校を1日午前、第2志望であるB校は2回目の試験となる2日目午後に持ってくるつもりでした。
ですが、B校を1日午前に受ければ、A校よりかなり偏差値は下がります。
そうなるとA校は諦めることになりますが、今の次男の成績ではそちらの方が妥当だと私は思っていました。
「確かに今月の成績はよくありませんでしたが、彼は夏休み以降、算数は50以上を継続的に出しています。55を超えることも何度かありました。算数は十分に勝負できます。国語は漢字と語句で稼いで、理科を安定させれば可能性は上がります」
「ですが、今も具合が悪くて寝ています。恐らく今日の授業も欠席になると思います。こんな状態でA校なんて、とても…」
逆転合格は本人の強い意志と闘志があって初めて成せるものです。
気力も体力も尽きている次男にとてもそんな気概があるとは思えませんでした。
「お兄さんの学校を受けないと決めたのは、〇君本人でしたよね?」
「はい」
「では、A校を受けないというような言葉が彼の口から出ていますか?」
「いえ、それはまだ…」
「ご家庭でのご様子はよくお聞きしていますが、塾では違います。これまでと変わらず、明るく積極的です。彼はA校を諦めてはいませんよ」
「……!」
彼は諦めてはいません
その言葉が頭の中で何度も繰り返された
本当に…?
本当にそうなのだろうか
こんな状況になっていてもあの子は受けようと思っているのだろうか?
確かに
あんなに拒否していた兄の学校に対して、A校を受けないとは聞いたことがない。
「苦手な国語ですが、提出された過去問を見ると相性は悪くないと国語の講師も言っています。実際に半分程度は取れています」
過去問を解いて提出すると記述部分はSAPIXの先生に採点してもらえました。
8月末から解くように言われていたので、1科目ずつ、元気な時の合間を見つけて少しずつ解いていました。
合計で6割取れれば合格します。
国語で半分取れるのなら、足りてはいませんが、大きく足を引っ張ることはありません。
「困難な状態が続いているのは確かですが、彼が諦めない限り、頑張ってみましょう」
校舎長にそう言われて、最後の面談は終了しました。
SAPIXの校舎を出て
ぼんやり歩いてました。
背中を押されたような気分でした。
どんなに投げやりな態度を取っていても、あの子は諦めていないのか。
ならば
全力で支えてやらねばなりません。
きっと今もベッドの中で焦って、悔しくて、やり切れない想いに苦しんでいるはずです。
あとひと月
きっとまだ
やれることはあるはず…
12/22(日)から
次男は1週間ぶりにサピに復帰しました。
この1週間の体調不良はきつい胃腸炎だったと病院から診断を受けていました。
次男には
A校第一志望で出願することが面談で決まったと告げました。
この日以降
入試が終わるまで
体調を崩すことはありませんでした
負のスパイラルも
ようやく底を打ったようでした
冬休みに入って、ある事がきっかけで次男は元気を取り戻します。
泣いて暴れてケンカして
何度も心が折れて、また這い上がって
頭がおかしくなりそうな、今にも潰れてしまいそうな、理想とは程遠い受験でした。
涙を流しながら繰り返していた言葉は
「まだ大丈夫」
「ここからまた頑張れる」
感情むき出しでぶつかって、本当にめちゃくちゃだった受験生活
それでも
崩壊を寸前で免れたのは
粘る気持ち、しつこさを持ち続けたからかと思います。
そして、いま
次男はA校に通っています
とても楽しそうに
終
(長い連載になってしまいました。ここまでお読み頂いて感謝申し上げます)