終了報告 2件
2017 0114 ヨコハマ 晴れ
晴れてはいますが、寒いですね〜
大雪に見舞われた地域の方はさぞ大変でしょうね〜。受験生たちもガンバレ!
本日はTAKモデルとジェームスと言うブランドのアコギの2本の作業を無事に終了させました。共に予定していた落とし所に着地出来ましたのでホッとしています。
通常のリペアーでしたら、指定された部分の修正で済むのですが、チューンナップの場合は修正ではなく作り変えですから、その効果を結果として出さなくてはいけません。そこが大きな違いなんです。リペアーであるなら指定個所の問題だけクリアー出来ていれば、あとは責任を負う必要はないわけですが、 t.m.p のチューンナップの場合は最初にお約束したレベルに結果的に到達していなければアウトなのです。結果を保証する、お約束する、もし出来ていなければ無料。
これが昔からの t.m.p のスタイルです。
例えば、 TAKモデルでしたら、この持ち込まれた市販個体がTAK氏本人所有の個体と比較してもソレを上回るポテンシャルを示していなくてはいけませんし、アコギの方もマーティンのクラプトンモデルと比較しても遜色ないレベルに持ち込むことが落とし所でしたから、現実そのグレードにまで上がっていなくては、ワタシとしては失敗と同じです。
こうしたチューン作業で難しいことのひとつに、依頼者さんには予算というものがあると言うことです。
今回のアコギでは出来ることなら問題のある指板の修正を行った上でのリフレットを行えれば、更にワンランク上のサウンドにまでグレードを上げることは出来たのですが、その場合予算が5万近く加算されますので今回はフルチューンは行えませんでした。
従って依頼者さんのご予算内で目一杯のサウンドを得られるために作業を行った次第です。
お仕事のご依頼を頂戴致しましたことをお二人に感謝申し上げます。m(_ _ )m
お受け取りのご希望日程をお知らせくださいませ。
予定外の作業
2017 0113 ヨコハマ 晴れ
今日は昨日の続きでKさんのアコギと同じくKさんのTAKモデルのチューン作業です。
この2本は土曜日に完成させる段取りで作業を行っております。
ギブソンのレスポールはアーチドトップ形状の為にコントロール部分のポットの取り付け部分の座グリも裏面から同じ深さで加工した場合、シャフトが長いポットを仕様する必要があります。でなければ、ポットを取り付ける部分をトップまでの座ぐる深さを変えて加工する面倒な状況になるからです。
なのでこのように量産品には同じ深さで座繰り加工してロングシャフトのポットで作業を簡略化してあるのです。
その場合、ロングシャフトのポットは値段も高いので、交換するたびに割高になります。
そこを配慮して今回は内部の座グリの深さをそれぞれ変更し、ロングシャフトタイプのポットでなくても取り付け交換が出来るように加工を済ませてあります。
その他、座グリ内部には導電塗料を塗布し、カバーパネルにも銅箔を貼ってアースを落としてありますのでノイズ対策は万全です。
アコギの方はCF加工もブリッジ台座加工も済ませてありますので、今日はナット&サドルの加工処理と追加オーダーされたLRバグスのM-1Pの取り付けを行っておりました、が!
なんとこの個体はサウンドホールが通常よりも直径で1センチ以上も小さくてピックアップが全くホールに収まらなかったのです。あれあれ・・弱ったなあ〜
仕方がないのでサウンドホールのピックアップを取り付けたい位置にM-1が治るようにトップ板とピックアップの方にも加工を加えて何とか取り付けたかった位置に納めました。
アコギへのピックアップ取り付けで理想的な取り付け位置はサウンドホールには一箇所しかありませんのでね。
この手の作業でこんなに時間を食ったのは初めてでしたね。でも結果オーライで問題無し。明日には完成させます。お二人ともお楽しみに。
目が死んだので終了
2017 0112 ヨコハマ 晴れ
今日も晴れ。
Hさんのスロープヘッド化したネックの塗装もトップコーティングです。
後は朝から写真のKさんご依頼のギブソン TAK Matsumoto モデルのチューンに集中していました。フレットファイリングをニアCF加工で仕上げ、次はポットは全て交換にしてMV+MT+2LCV回路で配線材を全て総交換して引き回しています。
元のパーツで使用するのはジャックとスイッチだけ。
しかし、CFフレット加工処理はルーペで拡大しながらの3時間作業なので、作業し終わりますと目も終わりますね。(@_@)クラクラしてます。
今回もCF設定算出値を元にフレット加工処理を行っています。
内角は89.3168度、0FでのRは1509.477、12フレットでのRは1821.477です。
それでも頑張って次の作業。いつもの如く、まずはフラットケーブルを手作りして、フラットケーブル以外の線材もベルデン製とヴィンテージワイヤーと混合で配線します。
ちなみに、ハンダは30年以上前にアルミットと言う国産ブランドが誕生した際にアルミットさんがわざわざワタシをその頃作業場の在った恵比寿まで訪ねて来てくださり、ニューブランドのアルミットです、お試しください、とサンプルを下さったのですが、その品質の良さから、もうかれこれ30年以上も使用させて頂いています。*写真のロールで2万以上の価格ですが、ずっと気に入っております。
そのアルミットさんも今ではトップブランドです。嬉しく思います。
経過報告 Kさんのアコギチューン
2017 0111 ヨコハマ 晴れ
今日も晴れ。助かります。
本日はネックの塗装を進めつつのKさんのアコギのチューンをスタートさせております。(諸々段取りの関係上です)
どうやらマーティンのトリプル Oのアレンジ設定の様子ですね。
今日の段取りは、ネック調整を行いCFフレット加工とブリッジの段差加工、ボールエンド位置修正を兼ねたグランドアース落とし、ここまでです。
後はLRバグスのM-1ピックアップが届いたら取り付けとアース接続、ナット&オクターブサドルを水牛の角から作成します。マーティンと引き比べても遜色ないレベルにまでチューンするのが今回のワタシの使命です。
以上が今回の作業予定で順調に進めています。明日はKさんのお友達の同じくKさんのギブソンLPーTak Matsusmotoモデルのチューンも進めて参ります。
フリー個体
2017 0110 ヨコハマ 晴れ
晴れてくれてありがたい。塗装が出来ます。
写真の個体は作業中の95'sのCS製テレキャスターです。ライトアッシュ材の個体。ネックグリップはリシェイプしてあり、太めのナイスグリップ仕上げです。
現在はスロープヘッド化を終了し、塗装工程にあります。
この後はフレットを打ちを済ませたらCF加工で仕上げ、ナットはWBHナットで仕上げます。サドルは既に元のブラス2連サドルをオクターブ加工を済ませてあります。
コントロールは元のピックアップを生かしてMV+2連ポットによるMT&LCV回路でまとめます。
ピックガードは新品のエイジドホワイト3P、サイドジャックはプレートジャック仕様に変更してクライオフラットケーブルで再配線します。
以上の作業で元のCS製を完全に凌ぐサウンドに作り変えます。
新年特別価格で税別¥238.000(ハードケース付き)
この個体はまだフリー個体です。1本きりですからご要望の方はメールにてお申し込みくださいませ。今月中の完成予定です。
経過報告 滋賀のHさん
2017 0109 ヨコハマ 曇りのち晴れ
ちまたはお休み中ですが、t.m.p は昨日から来客予定で試奏やら試聴やら、チューンの打ち合わせでした。
そのために作業も中断気味でしたが、それでもHさんのテレキャスターのネックはスロープヘッド化と指板R変更も済んで次のフレット打ち工程に進み、本日無事に打ち込みを終了、明日からの塗装工程への準備が整いました。
Hさん、順調に作業は進んでおりますのでご安心を。
また、ここまでご訪問下さった方々もありがとうございました。
結果的に新たなチューン作業が2本追加となりました。問題は工房内が作業待ちの楽器で溢れかえり一段と狭苦しい状況となっていることですね。(^_^;)
今日はただ働き
2017 0108 ヨコハマ 雨
いや〜寒いです。日曜日の今日はただ働きの日です。
と言うのも、今日仕上げているアコギは身内にプレゼントする楽器なので、ただ働きなのです。
実はワタシの母親がガン末期でして、妹夫婦が母と共に暮らしながら面倒をみてくれているので、ここでワタシは仕事が出来ているのです。
妹はともかく義理の弟が本当に優しい人間でワタシに代わって家を守ってくれているので彼には感謝しています。その義理の弟は大の昭和フォークのファンでして、いつかギターを弾いてみたい、と申していたので今回、彼にはナイショで中古のフォークギターを入手して t.m.p チューンして仕上げたという話です。
まあ、元が昔のヤマハのモデルで合板仕様ですから材のグレードは変えることは出来ませんが、設定変更で鳴り自体を格段に向上させることは可能ですから、その作業を行ったわけです。
まず、昔製造されたアコギに意外と多いのがナットのセンターがトラスロッドホールに貫通になっている仕様です。このままですとドンシャリ系の鳴りになってしまいますのでロッドキャップの上にしっかり木を接合してナットのセンターが宙に浮いた状態を変更します。これだけでも元との違いは聴き取れるだけ現れます。
あとはフルチューンでしたら指板修正&リフレットも、となるところですが、まあそれは彼が本格的にギターを弾く人になったらでイイでしょうから、今回はフレット擦り合わせをCF加工で仕上げ、ピッチを向上させています。
あとはブリッジ台座の段差加工と、内部に接ぎ木して、弦のボールエンド位置を深め、音の定位を下げ、同時にトップ変形が起こりにくい構造に変えてあります。
そしてナットとサドルを水牛の角で作成。まあ、作業工賃合計が本体の入手価格を完全に上回りますが、ここまでやれば20万台の市販品を上回る響きになりますので、やる価値は高いです。
もちろん、こうしたアコギへのチューンはこれまでにも相当数こなしてますが、まだまだ市販品のまま弾いてる方は多いでしょうからご検討ください。トップが変形して手遅れになってからじゃ遅いですしね。
そんなデッドなアコギが山ほど存在しますからね。チューンで作り変えてあげれば、その後は変形を起こさずに鳴りも向上します。
経過報告 Hさんのテレキャスター
2017 0117 ヨコハマ 晴れ
皆さんは連休なのかな?
本日はHさんのテレキャスターの大工事を進めています。
元のネックヘッドにはタバコの焦げ跡がかなり強く入ってましたから、その修正もHさんのご希望の一つでしたので、きれいに修正済みです。
このスロープヘッド化と同時に指板の上面Rを変更するために指板の削り修正を行っています。
このネックが少し捻れを生じながらの波打ち状態なものですから指板の落ち込んだ部分に合わせて指板を削ってしまうと全体のネック厚が薄くなってしまいますので、指板上面が波打っているからといって全体を削りまくるわけにはいかないのです。
要は完全に指板修正した場合よりも出来る限りネック厚が変化しない範囲で全体をまとめる削り作業が重要です。厳密には完全修正より0.2ミリ以内での高低差の話です。
あとはフレットを打ち込んで上面擦り合わせの際に上面を均一に整えることで、指板の削りを最小限に留めるまとめ方をします。かなり難しい作業でしたが無事に修正を完了しております。
話は少しズレますが、この個体のネック端末には品番シールがベッタリと貼り付けてあります。勿論ボディとネックのジョイント部分の密着精度出しの見地からは、ここにシールを張るなどあり得ないのですが、これによって名刺1枚程度の厚さの隙間が生じている訳ですが、とんでもない!って修正をするのが正解では無い場合もあるのが現実です。
そこが工業製品と楽器製作の大きな違いですね。
この密着しきっていない状態だっからこそ生まれるサウンドのキャラクターがフィットするプレイヤーの音楽性やスタイルが存在するからです。
例えば、ナイル・ロジャースの様なファンクなカッティングプレイヤーには刻み感が命と言えるわけで、ガッツリ鳴る様に全体を作り上げると、サスティーンが有り過ぎたり、ローが出過ぎたりしてカッティングの切れ味を阻害する傾向になりますので、プレイヤーにはミュート作業が余計に課せられてしまのです。
セットネック構造の楽器はロングトーンが持ち味になりますが、同時にそれがカッティングの切れ味は悪くなるのと同じ理由です。まあ、この様な部分に楽器のまとめ方の難しさがあるのです。
大雑把に言えばローカットサウンドでまとめるのがコツですが、 t.m.p では大好評のローカット回路仕様がありますので、しっかり鳴るように作っておいてLCVで低域のレンジをコントロールすればシャープでファンキーなカッティングでも対応可能です。
ナイル・ロジャースのストラトも t.m.p チューンしてあげたいですねえ〜(^~^)
プレイヤーは楽器を選ぶことは出来ますが、自分のスタイルに合わせて楽器を作り変えることは出来ませんので、そこはワタシの様な専門家の仕事になります。
どこをどう変えると、どこがどう変化するのかを全て把握し、それをコントロールして最終的な落とし所にフィックスさせていくのがチューンナップの極意です。
ですから、チューンナップはベテラン製作家やリペアーマンでも困難な作業と言われる理由がそこに有るのです。
設計の専門家でありながら、製作/修理のトータルなノウハウと技術を身につけないと、マスター出来無いのがチューンナップ作業だからです。
ちなみに、Hさんの今回の要望にはこのネック裏のシールは剥がすことになりますね。しっかり密着精度を上げて仕上げ直します。Hさん、お楽しみに。
本日2回目の報告
2017 0106 #-2
本日二つ目のブログ報告は写真での経過報告です。
1枚目はブログ#ー1で報告済みの滋賀のHさんのテレキャスターネックのスロープヘッド化作業のペグ穴埋め木処理の写真と、ヘッド裏に接ぎ木したショット。
次が在庫のチューン済みのストラトネックをアメリカから取り寄せたアルダーの2TSボディに仮マウントしたショットです。
ストラトのピックガードは本日作成しました。届いたボディがソフトレリックの2トーンサンバーでしたので、こうなるとピックガードも白系の1プライかな、と。
ブリッジもフェンダーのヴィンテージ仕様の新品トレモロを取り寄せ、サドルは t.m.p製のブロックサドルをマウントします。
ピックアップは t.m.p製ストラト。ピックアップカバーはフェンダー製のエイジドホワイトカバー、回路はMV+LCV+MT/5Way-SWですね。勿論、ピックアップのケーブルは昔のWEワイヤーで配線自体はお手製のフラットケーブルで引き回します。
ここまでやっての仕様で、販売価格22万+TAXですからね〜正にお正月プレゼントですね。
既にメールにて購入希望であられた島根のKさん、この仕様で宜しければ、そのままKさんの御売約扱いとさせていただきますが、キャンセルでも構いませんので、ご意向をあらためてご連絡をお願いいたします。
滋賀のHさんへ
2017 0106 ヨコハマ 快晴
気持ちよく晴れてます。寒いけれどね。
写真は滋賀のHさんからのチューン依頼品のフェンダー52リイシューです。
この楽器をどうして欲しいのかはご本人からメールでご要望をいただいておりますので、それを実現するためにどんな作業が必要か、そのご連絡であります。
まず、スロープヘッド化はご要望自体に含まれておりますので、いつものようにベスト設定で作業を進めますが、ご希望のサウンドニュアンスに対応するためには、現状のRのキツイ指板を250Rに変更してのリフレット作業が欠かせません。
指板のR設定は非常にサウンドに影響を及ぼしますし、このヴィンテージ・テレ仕様のままではご要望は満たせないからです。
また、ニアCF加工処理もお望みなので、この細くて低い現状のフレットではCF加工が出来ないので、その点でもリフレットは不可欠です。
それに現状でのこのネックは少し捻れながら波打っておりますので修正の必要があります。
同時にスロープヘッド化時点でネックの仕込み設定変更が必要ですので、仕込み部にも手を加えます。
その他では現状のピックアップからコントロールアッセンブリーに至るまでは基本このままで良いですが、配線だけはフラットケーブルで引き直しを行い情報量を増やします。また、現状のゴトー製ブラスサドルはアジャスタースクリューの軸径が細いために音痩せしてますから、元のネジ径を太いものに変更して、 t.m.p製の2連サドルと同じ径のイモネジに変更します。
もちろんナットも水牛の角を使用しての作成予定です。
上記の作業を全て行えば、ご希望にかなり近づけると思います。
但し、スロープヘッド化に適したゴトー製のペグの到着が月末になる様子ですので完成はそれ以降になる見込みです。
Hさん、以上がこの個体に対する作業プランですが、いかがでしょうか?
メールにてご指示を頂ければ、この内容にて作業を進めさせて頂きますので、ご連絡を宜しくお願い致します。