今日はただ働き | tmpブログ

今日はただ働き

2017  0108  ヨコハマ 雨

 

いや〜寒いです。日曜日の今日はただ働きの日です。

と言うのも、今日仕上げているアコギは身内にプレゼントする楽器なので、ただ働きなのです。

実はワタシの母親がガン末期でして、妹夫婦が母と共に暮らしながら面倒をみてくれているので、ここでワタシは仕事が出来ているのです。

妹はともかく義理の弟が本当に優しい人間でワタシに代わって家を守ってくれているので彼には感謝しています。その義理の弟は大の昭和フォークのファンでして、いつかギターを弾いてみたい、と申していたので今回、彼にはナイショで中古のフォークギターを入手して t.m.p チューンして仕上げたという話です。

 

まあ、元が昔のヤマハのモデルで合板仕様ですから材のグレードは変えることは出来ませんが、設定変更で鳴り自体を格段に向上させることは可能ですから、その作業を行ったわけです。

 

まず、昔製造されたアコギに意外と多いのがナットのセンターがトラスロッドホールに貫通になっている仕様です。このままですとドンシャリ系の鳴りになってしまいますのでロッドキャップの上にしっかり木を接合してナットのセンターが宙に浮いた状態を変更します。これだけでも元との違いは聴き取れるだけ現れます。

 

あとはフルチューンでしたら指板修正&リフレットも、となるところですが、まあそれは彼が本格的にギターを弾く人になったらでイイでしょうから、今回はフレット擦り合わせをCF加工で仕上げ、ピッチを向上させています。

あとはブリッジ台座の段差加工と、内部に接ぎ木して、弦のボールエンド位置を深め、音の定位を下げ、同時にトップ変形が起こりにくい構造に変えてあります。

 

そしてナットとサドルを水牛の角で作成。まあ、作業工賃合計が本体の入手価格を完全に上回りますが、ここまでやれば20万台の市販品を上回る響きになりますので、やる価値は高いです。

 

もちろん、こうしたアコギへのチューンはこれまでにも相当数こなしてますが、まだまだ市販品のまま弾いてる方は多いでしょうからご検討ください。トップが変形して手遅れになってからじゃ遅いですしね。

そんなデッドなアコギが山ほど存在しますからね。チューンで作り変えてあげれば、その後は変形を起こさずに鳴りも向上します。