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天候不順

5/27 今日は妙な天候の一日でした。予報に反して夏日になるかと思えば通り雨。

塗装は当然出来ませんから別な作業を進めました。
そのうちの1本が写真のTELESAの生地加工品(逆さに吊るされている個体)素晴らしいS・スプルース素材です。これで製作していい音が出なかったらワタクシの設計製作がダメってことになっちゃいますね。

こうした半加工/生地目処目状態でオーダー待ちで一旦寝かしつけます。後は受注時にピックアップ・システムが決まればキャビティ加工を済ませて即塗装に移行出来ますからね。

もう一枚の写真はセロギター用のテールピースを完成させた時点でのショット。ブリッジは前回製作済みのもので今回はブラス材から単品削り出ししました。セロギターのブリッジはこのペアのハードウェア・システムです。

仮に、この二つのパーツを専門の加工業者に図面添付で製作依頼した場合、たぶんペア料金でも7~8万の請求が来ると思われます。 依ってメーカーなどでは試作など単品製作品の製作原価は社内製造コストプラス全ての外注加工品単価の合計コストで算出される事が殆どですね。

tmpではそのすべてを手作りすることで単価を落としています。そもそも手工で単品製作すると言うのは、こういうことです。ライン製造品とは全く異なる世界ですね。

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待機中

5/25 ヨコハマ天気予報に反して晴れてます。最近の天気予報は翌日の天気予報ですら危ういなあ。

とは言え、湿度がまだ高めなのであと5%下がるのを待っています。
その間にセロギターのネックにフレットを打ち込んでいました。写真のネックもボディも既に設計変更が決まってますから今回1本切りの仕様。実はネック自体の指板R、ヘッドデザインの変更だけでなく、スケール設定そのものもセミロング・スケールに変更する事にしました。

当然、その他様々な部分も全て新たに設計を起こし直します。当然、全ての製作治具類も新たに作り直しです。これもこうした試作があって生まれる変更ですから試作作業は実に大切です。こうした場合に様々な設計に携わった経験や、製作作業全てを自ら行える事が大きなメリットとなります。
仮にこうした試作を外注に図面持ち込みで製作を依頼した場合、完成まで作り上げる事が出来るところ自体が実際には殆ど無いのですが、あったとしても100万以下でなんかとても受けてはくれないでしょう。要するに試作1本は百数十万円分のリスクが掛かっているという事です。
これが車業界では試作1台の開発費用は数億円~十数億円となるわけですね。

しかし、楽しい。笑っちゃうくらい指板面がラウンドしてますからねえ。しかもCFの3次元曲線での打ち込みですからかる~く千本以上リフレット経験の在るワタクシでもこんなのは滅多に経験してませんからね。でも楽しい。難しいから楽しい。

恐らく世界の誰もこんな楽器作っていないでしょうから余計楽しい。(^ ^)/

湿度が下がったら塗装作業スタートです。

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完成

5/24 ヨコハマは今日も小雨降る一日。

写真は随分長い間ほったらかし状態であった新品のチューンナップTakamine-DMP111N-NSです。
本日無事完成。ネック幅も狭く指板もラウンド仕様のエレキギター・プレイヤーに配慮した設定と言えるでしょう。
コントロール部も現状のピエゾに加えてエアーマイクも追加出来るデュアル仕様ですし、チューナーまで内蔵されているおりこうさん仕様。ノッチフィルターもライブでカット域を指定出来ますので便利でしょうね。

作業内容は燻煙処理、フレット再整形、ナット&サドル再整形各作業済み。弦はオーガスティンのブルーラベルでオクターブ整形済みです。元々の設定が指板RとサドルRがマッチしていなくて弦高も高めでしたが、全て再整形し直して弦高も最近のプレイヤーに考慮した充分低めの設定で仕上げてあります。調整に当たってタイラー製のナイロンガットの様なフラット・バランスを意識して調整してありますのでガットギターと言うよりエレキギター弾き向きのエレガットとして特化した設定です。
非常にナチュラルな落ち着いたサウンドに仕上がっていますよ。

このモデルは元が新品で11万チョイの価格(専用ハードケース付き)に対して¥95.000分程のチューンナップ作業を施してありますが、今回は最後のチューンド・エレガットとして処分販売します。
¥165.000+TAXでいかが?

仮に中古品の同モデルを半額程度で入手出来たとしても同じチューンナップ内容でしたら金額的には今回と同じ様なコストにはなってしまうでしょうから結果的には新品のベストコンディションのこの個体の方がずっとお得でしょうね。

1本のみですから申し込みの最も早かった方に即決定します。ご希望の方はメールにて。
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@5/28 この個体は販売完了致しました。

完成

5/22 今日は土曜日。湿度は若干高めですが何とか塗装も進行出来てまずまずの一日。

写真のフルチューンしたFJ製ジャズベも無事に完成。まあ、一言で言うのなら恐ろしくタイトだこと。
ミッドローの密度感がフツーじゃないですね。このサウンドを聞いたら通常のJBサウンドが薄っぺらに感じちゃうかもしれませんねえ。( ̄□ ̄;)

大まかな内容はピックガードとエンドピンそしてネックプレート以外は全てtmpのカスタム仕様と同じパーツで構成してあります。燻煙処理、ネック・グリップ変更、指板修正&CF化でのリフレット、ネック仕込み変更、ペグ変更、ブリッジ変更、ピックアップ・アッセンブリー/ALL・tmpカスタム製etc

写真で見るより実際にはもっとダークなターコイズ色です。しぶい。
これがtmpで用意した最後のフルチューンJBです。腕に覚えのあるベース弾き諸氏、お見逃し無く。

@現在このベースは購入希望の東京のHさんの現物チェックが終了するまでは取りあえず非売扱いとなっておりますのでご了承くださいませ。決まらなかった場合は再度オープン販売に戻します。m(_ _ )/

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5/26 本日この個体は販売完了となりました。

出荷のご案内&

5/21 いや~夏日でしたね。ゴキゲン。

湿度の多い時間帯を避けて塗装も進める事が出来ました。もういっそのこと梅雨も通り越して夏本番になって欲しいです。

出荷のご案内は大阪のIさんのCCRです。明日の最終便で届く予定です。まだ本体は寝ぼけてる状態ですが充分お楽しみ頂ける魅力を備えております。3ヶ月経過したあたりから本気で鳴り出しますからね。

Iさんのご希望はスリムなラウンドグリップでした。今回のネックは更に細めにする事は勿論可能でしたが、理想的なのは木部が完全に安定期に入ってからです。燻煙処理の効力で3年以内にtmpの楽器の木部は完全に安定期に到達致しますので製作から3年目のメンテナンス時期にリシェイプを無料で致しますので申し付けて下さいね。

暫くはたっぷりと弾き込んであげて下さい。ご依頼下さった事、そして完成までお待ち下さった事に感謝致します。ありがとうございました。m(u_u)m
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個別報告 大阪のIさん

5/20 ヨコハマ曇り空&小雨降り

写真は大阪のIさんご依頼のCCR-MM/P-90W-V・GTです。残すところ弦を張ってナットの溝きりと最終調整のみ。どシンプルで潔い仕様。
本日はここまでで終了して、これから予約した整体治療に出かけます。

Iさん、もうちょっとだけお待ち下さいね。
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個別報告 大阪のIさん

5/19 ヨコハマじめじめと雨が降り続いています。
昨日までに塗装と燻煙処理が行えて良かったです。

写真は浪速のIさんオーダー分のCCR-MM/P-90W-V・GTです。写真ではここまでですが実際にはボディ本体の組み込みは全て終了致しております。

カスタム製作品では生地段階で2~3回、塗装処理後に行う最後の燻煙は主に塗膜に対して行う為のものです。
オール・ラッカー塗膜の場合、経年変化でどんどん膜厚は薄くなり半世紀もすれば1/4以下まで痩せますがtmp製のカスタム品では最後の燻煙処理で元の塗膜はいっきに2/3程度まで痩せています。

完成間近のこのCCRも既に仕上げてあった塗膜に新たな痩せが起こっています。この段階での目痩せが最後の燻煙処理の影響に依るものです。

明日からはネックの最終仕上げに入って完成は21日の金曜を予定致しております。Iさんお楽しみに。

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もうすぐ完成

5/17 ヨコハマ快晴。塗装も順調。いい日だ。

写真のジャズベは昔のFJ製のフルチューン品。長らく作業を中断したままでしたが今週中には完成させる予定です。この個体は恐らく50本ジャズベを集めてもコレ程のボディとネックが当たり素材のペアは無いだろうと思われる良質素材のペアでした。
以前行っていた多くのチューンナップ品が2~3本の楽器から使えるボディとネックのマッチング・ペアとなる様に組み合わせて作製しておりましたが、この個体の様に最初からベストなマッチング・ペアで組み上げられた個体は滅多にあるもんではないです。実際100本集めても無いかもしれません。

それを今回tmpのカスタム仕様にフルチューン致しましたので恐ろしく鳴る個体になる事はもう明確です。一生モノとは正にこうした楽器を指す様なものです。それが30万を切る価格ですからね。
tmpで素材から用意したJB・チューンナップとしてはラスト1本です。勿論予約可です。ジャズベ弾きには宝物の様な1本だと思って下さって間違いないです。
29万+TAXで元の付属ソフトケースにて出荷致します。メールにてお申し込み下さいね。

隣のCCR/GTは本日塗膜の水研磨が終えたばかりのショット。明日から艶だし磨きからセットアップをスタートさせ今週中に完成予定です。お届けまでもう暫くお待ち下さいね。

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休日返上

5/16 本日は日曜。葬儀に参列した為に行えなかった昨日分の作業を本日行っています。
しかし晴れてはいても休日の周囲に配慮して塗装作業は行っていません。

写真はボウイング・ギター用のブリッジを設計を元に航空機のフレームと同じ素材のジュラルミンから削り出している工程毎のショットです。

まあ、こうした試作パーツはメーカーさんですと専門の単品加工業者さんに外注出しすることが殆どです。メーカーでは設計だけを行い実際に形にするのは外注と言う訳です。
たぶんこの個体の作りですと素材代金を別にして加工賃として4万程は請求が来るでしょうね。
中国の業者さんに依頼すればもっと安価でしょうけど。

ワタクシの場合はパーツを新たに設計した場合、ペグ以外のハードウェアは大抵自分で製作しています。試作は手作業、これが基本。
それは加工自体も設計者自身が行う事で様々な設定情報が得られるからです。本体の設定も自ら設計し製作を行っていますので最終的に得たいサウンド、響き方などを加工しながら設計や質量の問題点を含めてその的確/不適格性がデータとして自分の内側に流れ込んで来るものなのです。このデータが貴重なんですね。

近年のニッポンの物作りは製造コストの安い中国などで行う事が通例となってしまっていますが、実はこれが日本人が結果的に仕事を失うきっかけのひとつになってもいるわけです。要するに企画段階から設計までが国内、そして試作、検証、ライン生産と言った製造と開発の流れの現場が日本国内ではなく中国で行われている事で大きく分業化され全ての作業をトータルで行える人材が国内に育っていない傾向に有るのです。これじゃー、いけません。開発ノウハウ全てが外注先に留まり、彼らは多くの情報やノウハウを得て行くのですからね。

データさえ有れば機械を使って誰でも製作出来る利便性でトータルで奥深い物作りが行われなくなっているのですから技術立国ニッポンとしては非常に危険な状況です。
現実、楽器業界でも企画設計から完成まで全て一人で行える人間は滅多に存在しません。設計は自分では楽器製作が出来ない人がパソコン画面上で行っている事が多いですし、作る人は加工が専門で設計ノウハウは持たない、塗装は塗装だけ、とか。正に分業化しているのが現実なんです。

あえて素材を手加工すると加工者には様々な直接的な情報が得られるのです。この点は木工作業だけではないと言う事なんですね。素材の特性を設計者が体で知る訳ですからこれは大きな特典なんです。
それがトータルで見た場合、その中のどの部分を決定したり位置付けしたりしているかが掴めて来るので設計者がより的確な設計を行う基礎データとなって本人に蓄積されていきます。

そうした設計力は製品をコピーしてばかりいる者には身に備わるもんじゃないんですね。どうしてその素材を採用しその形状設定になったのか、その検証過程で得られる様々なノウハウを分からないままに形だけコピーしている様なものだからです。

ですから開発を途中で他者に委ねると貴重な情報を見落としたり見過ごしたりします。ですから分業制での物作りは誰にでも真似され易い内容のクオリティに留まり易いのです。

製品作りはお手本さえ有ればコピーは簡単。でもどうしても真似出来ないオリジナリティや味わい深い仕上がりやクオリティは1から10まで自ら作り上げた人間が一番優位なんです。
それは内面に積み上げて来た苦労や工夫や情熱の質がコピー人間には備わっていないからなんです。

そんな意味でもワタクシは誰かの真似をするくらいなら恥をかこうが何だろうが自ら悪戦苦闘すべきだと思いますね。
演奏だってそうでしょ?誰かの真似がウマク出来たにせよ、オリジナリティを追求して無い場合、結局その人の周りを物真似の枠が取り囲んでしまうのです。そこから抜け出せなくなっている人は結構多いんじゃないでしょうかね。

「あえて荒野を行け!」 これに尽きますね。( ̄ー☆

写真:左 ジュラルミン角材からラフ切り出し 中央:大まかな形状加工  下:最終形状
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出荷案内

5/14 今日は快晴。当然塗装しまくり。

写真のテレキャスターは以前THさんに製作したフル・チューンナップ品で今回スロープヘッド仕様に作り替えが無事に終了した時点でのショットです。納得のいくナチュラルな響きを備えるに至っています。
明日の最終便で到着予定ですのでお楽しみに。
予定以上にお時間掛かってしまって申し訳有りませんでした。m(_ _ )m

写真右は本日コーティングを進めたギター達です。だんだん塗膜が形成されて来ています。
ボウイング・ギターも取りあえずカラーリングしてあげました。既に次回試作では設定変更が決まってますので、まあ、コイツはワタクシのオモチャとなる身ですから適当に仕上げておきます。

明日は突然死された歳の離れた従兄弟の葬儀に出る為に作業は行いません。
彼はかなりギター好きであったらしく、製作家のワタクシのことを誇りに思っていたらしいのですが「いつかオジさんにtmpのギターをオーダーしますから!」と幾度となくメールをくれていたのですが、作るも何も本人は忽然とこの世から姿を消してしまいました。

プロを目指すわけでもないのだから既製品で充分。ギター自体に拘るよりも沢山練習をしなさい。

そう、つれない返事をしてしまったお詫びに保管してあったtmpの試作ネックを明日は仏前に供えに持参するつもりです。どうか安らかに。

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