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還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適解を求めるために、自分で意思決定して自分の人生を歩むため家つくりについてのヒントをお届けします
 

ユニットバスの選択で、TOTOのサザナは高い人気があります。

 

今回はそのサザナと競合するタカラのグランスパとの価格を比較してみたいと思います。

 

結論を先に言うと、同じ仕様では、皆さんがお買い求めになるときの価格はほぼ一緒です。

ところが希望小売価格、いわゆる定価は2倍くらいの差がありますので、40%や50%の値引率の高いTOTOの方がお得だと思われがちです。

これはメーカーの価格設定の問題で、本来の商品価値は希望小売価格の半分程度だということです。

 

メーカーが本当に自信を持って世に送り出す商品であるならば、安売りをするような商品を出すのは、自社の商品に対して自信がないのかと勘ぐってしまいます。

まぁ、大メーカーのTOTOですから、自信のない商品など市場に出すわけがないですね。だとしたら何のための値引き率なのでしょうか。

 

サザナはとても良い商品です。

ただ他のメーカーでも良い商品はあります。目先の値引き率にまとわされることなく、自分にとって何が必要かをよく考えた上でユニットバスの商品選定を行ってもらいたいと思っています。

毎年初詣にはさいたま市にある大宮の氷川神社に行くことにしています。

歩いても30分ほどです。背中の怪我をしてからよほど調子の良い年ではないと歩かなくなりました。

 

夜中の12時位に行くとたくさんの人ですし、正月三ヶ日の昼間それはそれはすごい人で賑わっています。

それが嫌なので、元日の早朝4時とか5時とかに初詣に行くことに決めています。

この時間ですと、人も少なく、とても静かな雰囲気の中で、新しい年の誓いを立てることができます。

 

早朝の静かな雰囲気でも、やっぱり若者のグループは元気がいいですね。楽しそうにしゃべったり笑ったりしています。

せめて、拝殿の前。お賽銭箱のある建物の付近だけでは、静かにしてほしいと思います。

 

近頃の若者はどうしようもないなぁなんて考えてしまうのは、自分が歳をとったせいなのかな。文句ばかり言う年寄りを老害と呼ぶのかななどと反省をしてみたりします。

 

でも考えてみたら、神仏の前に行ったら、厳かな気持ちで心静かに祈ると言うのが当たり前ではないでしょうか。

若者たちの周りには静かに手を合わせる人たちが大勢います。

気持ちを考えたら騒ぐ場所を考えるのが当たり前だと思います。

他社の気持ちを思いやるとか礼儀作法とかを教わることなく育ってしまったとも言えますね。

 

自由な世の中です。自己主張もできる世の中です。一方で、他人に対して何か干渉したりするとそれは良くないと言われてしまう世の中です。

でも伝えるべきものが伝える、教えるべきものは教える、人として当たり前のことを失わないようにするのが、歳を重ねたものの務めではないのかなと思います。

 

失われた30年とか言います。それは決して経済的なことだけはないと思います。本当に大切なものだけは失ってはいけないですね。

トイレのメーカーと言うと、TOTOとLIXLのどちらかになるのではないでしょうか?

その中でもTOTOのピュアレストシリーズはとても人気があります。

 

ピュアレストシリーズは、EXとQRのグレードがありますが、なんとメーカーの卸値(掛け率)が違います。

業者の立場で言うと、仕入れるときの掛け率が違います。

当然お客様に売るときの値引き率が違ってきます。

 

お客様はカタログにのっている希望小売価格で商品の値段を比べますが、実は値引き率が全然違うのですから、当然お客様が買うときの金額も違います。

なのに、この事はメーカーのショールームでは一切教えてくれません。

QRとEXを比べて、値段の差はこれくらいですと言う説明だけです。

 

普通に考えたら同じピアレストシリーズですから、値引き率が違うとは思いつかないですよね。

どうしてこのような売り方をするのでしょうか

個人的な意見ですが、とてもとても不誠実な仕事だと私は思います。

 

消費者や生活者の立場に立った値段決めではなく、メーカーの都合やリフォーム業者の都合によって価格設定だと思います。

 

今回はTOTOのピュアレストシリーズでお話をしましたが、他のメーカーでも商品によって値引き率が違うことが多くあります。

 

商品の選定において、希望小売価格はあてにならないっていうことを覚えておいてください。

今日は2024年の大晦日です。

毎年、年末年始になると住まいのトラブルが起きて、緊急な対応を依頼されることがあります。

 

1年前、2024年は元日にお風呂のドアレバーが壊れて開かなくなったと言う電話がかかってきました。

中に人が閉じ込められてしまっているとしたら1月1日であっても緊急出動したのですが、そうではなかったので、2日の日に自分でお客様宅に訪問しました。

職人さんに行ってくれと頼むわけにもいかないですからね。

自分で何とかなると思ったんです。

 

簡単に直せると思ったのですが、苦労しました。

結局、サッシ屋さんや大工さんに電話で状況説明をして、相談して、何とかお風呂に出入りすることができる状態までは修理しました。

 

トイレの水のトラブルで、水道屋さんに正月3日に行ってもらったこともあります。

大掃除で換気扇を分解したら、元に戻せなくなったので大晦日に出動したとか、いろんなことが起きます。

 

業者の立場で正直なことをお話しします。

緊急事態でお休みの時やお正月でも修理に行くのは、普段から当社を頼りにしてくれているお客様だからです。

しかも、料金を特別高くすることもありません。

 

一方で、何か工事があるたびに相見積もりで値段を比べている方からの依頼だとしたら、お休みですから無理ですと私はお断りします。

その姿勢が家を守る建築屋としていかがなものなのかと言う意見はあるかもしれません。

しかし私はお客様と同時に職人さんも守らなければいけないのです。

値段でしか仕事の価値を判断しない人の仕事を受けていては、職人さんは守れません。

高額なお金を出せば、年末年始でも緊急出動してくれる会社はありますので、そちらをご利用していただくしかないですね。

 

いざと言う時に助けてもらうために、職人さんやリフォーム業者とどのような関係を作ったら良いのかをぜひ考えていただきたいと思います。

 

 

ユニットバス選び。

今回は浴槽の断熱について解説します

 

メーカーのカタログを見ると、お湯が冷めないことを強調しているページがあります。

結論から言うと、どのメーカーも JIS(日本工業規格)の基準を満たすことを目指しているので大差ありません。

 

JISの性能試験では、浴槽周囲の気温が10度の環境下で、浴槽の70%に40度のお湯を張った状態でふたをして、4時間後の湯温低下が2.5度以内という条件を満たす浴槽を高断熱浴槽としています。

 

ここで、気をつけなければいけないのは、浴槽単体での断熱性能ではなく、お風呂の『ふた』をしたときに冷めないことなんです。

 

エコ住まいとかの補助金を使う場合、断熱浴槽だけでは対象外で、必ず高断熱のふたとセットにする必要があるのはこのためです。

 

お湯が冷めないと言っても、入浴中は蓋をしてませんからこの試験データは適応外になります。

誰かが入浴して、ふたを閉めて、その後にまた誰かが入浴する。

その入浴と入浴の間にお湯が冷めないと言う規格なのです。

 

あるメーカーの技術者からこんなことを聞きました。

「浴槽の素材によって断熱材の厚みを変えている」

つまり、浴槽の素材が冷めやすい素材の場合は断熱材を厚くする。

冷めにくい素材は断熱材を薄くしている。

規格の基準をクリアするための断熱材なんですね。

 

ユニットバス選びにおいて、どのメーカーのお風呂が冷めにくいのか?はあまり関係ないということです。

 

そしてもう一つ

お風呂のふたの断熱性能によって変わるわけですから、

むしろお風呂のふたの断熱性が悪いメーカーほど浴槽単体での断熱性が良いということにもなるかもしれませんね。

 

/田口寛英