ユニットバス選び。
今回は浴槽の断熱について解説します
メーカーのカタログを見ると、お湯が冷めないことを強調しているページがあります。
結論から言うと、どのメーカーも JIS(日本工業規格)の基準を満たすことを目指しているので大差ありません。
JISの性能試験では、浴槽周囲の気温が10度の環境下で、浴槽の70%に40度のお湯を張った状態でふたをして、4時間後の湯温低下が2.5度以内という条件を満たす浴槽を高断熱浴槽としています。
ここで、気をつけなければいけないのは、浴槽単体での断熱性能ではなく、お風呂の『ふた』をしたときに冷めないことなんです。
エコ住まいとかの補助金を使う場合、断熱浴槽だけでは対象外で、必ず高断熱のふたとセットにする必要があるのはこのためです。
お湯が冷めないと言っても、入浴中は蓋をしてませんからこの試験データは適応外になります。
誰かが入浴して、ふたを閉めて、その後にまた誰かが入浴する。
その入浴と入浴の間にお湯が冷めないと言う規格なのです。
あるメーカーの技術者からこんなことを聞きました。
「浴槽の素材によって断熱材の厚みを変えている」
つまり、浴槽の素材が冷めやすい素材の場合は断熱材を厚くする。
冷めにくい素材は断熱材を薄くしている。
規格の基準をクリアするための断熱材なんですね。
ユニットバス選びにおいて、どのメーカーのお風呂が冷めにくいのか?はあまり関係ないということです。
そしてもう一つ
お風呂のふたの断熱性能によって変わるわけですから、
むしろお風呂のふたの断熱性が悪いメーカーほど浴槽単体での断熱性が良いということにもなるかもしれませんね。
/田口寛英