人生を統治する力
こんにちは!タロット起業に必要な知識を発信している隼人です^_^
まずは、タロットそのものの知識は必要なので共有したい内容になります。
今日はタロットの「皇帝」のカードのフィルターから「人が自分の人生を舵取りする事」について話します^_^
タロット初見の方も読んでみて下さい。
タロットとか占いが好きな方は、ウエイト版タロット•カード「皇帝」は、よくご存知だと思いますが、「皇帝」は、22枚の大アルカナの4番目の カードです。
自分の人生の統治
「皇帝」は、自分という一つの国を統治して行く事を表しています。
「皇帝」の カードの絵で、まず特徴的なのは、皇帝が座る椅子の「羊」の彫刻です。僕(隼人)は、タロットを勉強し始めた頃、「羊」?「皇帝」に「羊」って、なんか大人し過ぎる動物だな…みたいに思いました(^_^;)
これは後で詳しく書きますが、占星術との対応によるわけです。
カードの絵の「皇帝」は右手に「アンク十字」を持っています。
これはエジプト十字とも呼ばれる生命の象徴です。
アンクの力を信じる者は一度だけ蘇る事が出来ると言われています。
また、現世と来世の間の境界を無事に超えるための通行証です。
タロット•カードは自分自身の事について表しているものなので、この「皇帝」という事から表される基本的な事は「自らの人生を統治する者」の象徴です。
「男性性」「父性」の象徴
「皇帝」は自分の中の男性性の象徴であり、父性の象徴です。自己に対する威厳、秩序の象徴が「皇帝」であり、人間は生命を得て、その生命力を元に何かをやろうとするし、必ず困難を克服しようとする命題を持っています。
一方で「皇帝」の人物の「アンク十字」は「金星」を表す記号とも類似しています。
これは自己を厳格に導く父性の象徴と、自己に愛と慈悲を与える母性の象徴が表されていると考えられます。
人間が誰でも持つ二つの原初的な要素です。
カードの順番から考えると、3番「女帝」からの原初の母性の影響が、この4番「皇帝」の中にあるという事だと思います。
人間は全て「皇帝」という存在であっても女性から産み落とされる存在ですから。
「皇帝」と「女帝」は人の中の、実際の父親と母親の元型でもあり、より広範囲な「父なるもの」「母なるもの」の象徴でもあります。
人が自分に対して厳格さと秩序を持って生きて行くために、また自分の人生においての他者との関わりには、母性に象徴される無償の愛情や包容力の心のベースが必要という事も起想させます。
特に他者に対する厳格さや秩序を求める「皇帝」という立場に自分を置いて考えた場合、尚更これは重要な事です。
古代の女神との関係性
古代の女神が中心的な規範を持つ地域の中には、女神の使いによる大地を肥沃にするための生贄の役割が、年老いた王である事もありました。
家父長制が、こうした習慣を廃止して来たわけですが、女神の地位を落とす事で自然界と人間が分離され、極端な暗黒に向かってしまいます。
それは女性に魂はあるのか?などの馬鹿げた思想にも至るわけです。
「皇帝」は社会というものを象徴するので、自分個人の周りでの小さな社会であっても社会性に関わります。
自分の中の「皇帝性」は、どのように自分と自分の周りに影響しているか?これが重要です。
エネルギーの「流出」と「個の自覚」の間
「生命の木」で「皇帝」が配置されているのは、「叡智」の世界、無限エネルギーが「流出」するセフィラ「コクマー」と、無限エネルギーを「個の自覚/自己の中心」に結びつけるセフィラ「ティファレト」の間です。
「叡智」の「コクマー」は人間には不可視の原理の領域です。
「第一動因」である無限エネルギーの発生元であるセフィラ「ケテル」から来たものを「流出」させるセフィラです。
これは不可視領域なので、こういう事だろうと人間が仮定するしか出来ない領域です。
この「叡智」については、5番「司祭」で考察していますので読んでみて下さい。
セフィラ「ティファレト」は、無限エネルギーを「個の源」に定着させるセフィラです。
「皇帝」の カードのテーマの場合、その象徴の中にある原初的な父性や、自分の中の厳格さや秩序、社会性、こうしたものを定着させるためのエネルギーが「ティファレト」で「個の自覚/自己の中心」の一部となって行きます。
エネルギーの「流出」の「コクマー」は「愚者のカード」で「第一動因」の」ケテル」と繋がり、「女帝のカード」で「制限」の「ビナー」、「司祭のカード」でエネルギーの「拡大」の「ケセド」とも繋がっています。
「個の自覚」の「ティファレト」は「恋人のカード」で「制限」の「ビナー」と繋がり、「隠者のカード」で「拡大」の「ケセド」、「正義のカード」で「意志」の「ゲプラー」、「死のカード」で「感情のネツァク」、「節制のカード」で「無意識」の「イエソド」、「悪魔のカード」で「思考」の「ホド」とも繋がっています。
「深淵」と「下層世界」の間のヴェール
この「深淵」の領域のセフィラから、より顕在性がある下層のセフィラの間には「ダース」と呼ばれる、「深淵」と「下層」を結びつけるエリアがあります。
この「ダース」は「深淵」と「下層」の間の「ヴェール」と呼ばれています。
「皇帝」と「獣帯」
ウエイト/スミス•タロットの監修者、アーサー•エドワード•ウエイトの所属した、魔術秘密結社ゴールデン•ドーンの伝統的カバラの「生命の木」の占星術の対応では、「コクマー」には惑星は割り当てられていません。
占星術の対応は「獣帯」になっています。
「獣帯」は主要な惑星か運行する黄道帯です。現在の「コクマー」の占星術の割り当てでは、「天王星」が割り当てられているものがあるので、一応、その意味を書いておきます。
無限エネルギーの「流出」のセフィラ「コクマー」には占星術の「天王星」が配置する考えもあります。
「天王星」は革命の星と言われ、古いものを壊して新しいものを創る、ルールや制限からの解放や独立を意味する天体です。
この領域の天体は個人的というより、社会的な影響として表れます。
「皇帝」のテーマの場合、この「天王星」の意味は当て嵌まる事が多いですね。
自分で自分の社会を構築する厳格さや秩序を用いて行くわけですから、この「天王星」の意味にあるような事は関係して来ます。
「個の自覚/自己の中心」のセフィラ「ティファレト」には占星術の「太陽」が配置されています。「太陽」は、「公に見せる自分」「権威性の象徴」「白日の元に晒す存在」の意味があります。
これは「皇帝」の持つテーマの中心的な事と重なります。
無限エネルギーを映し出す窓
「皇帝」の カードが配置される、セフィラ「コクマー」と、セフィラ「ティファレト」の間のパス(経路)は「へー」です。
「へー」は、原初の力と自己の間の関係全体を扱うパスです。
「へー」は「窓」の意味で、ヘルメス•カバラでは、惑星や石などの物体は「第一要因」からの光を映し出す「窓」とされて来ました。
パス「へー」には占星術の「牡羊座」が配置されています。
「牡羊座」は「春の始まりの星座」で「火の元素」のエネルギーと生命力の象徴の星座です。
セフィラ「コクマー」も伝統的には「獣帯」の全体を表し、無限エネルギーが「太陽」へと向かう降下を反映しています。
「へー」は創造の過程に関与するパスなので、季節の春という事だけでなく、全ての事柄の春の時期、全ての事柄の原初の段階を象徴します。
「へー」の「秘教の表題」は「夜明けの息子/力ある者の最高位」で、ヘルメス•カバラでは「栄光の象徴」「または力を持つ者の傲慢」、相反する両方に転じる要素としています。
「皇帝」のカードに「羊の彫刻の椅子」があるのは、こうしたセフィラやパス、占星術との深い関連からの象徴という事です。
なので冒頭で書いたように、勉強し始めの僕が…「羊」って「皇帝」を表すには大人しい動物?…みたいに思ったような(^_^;)、浅はかな事では無いという事です(^_^;)
試練の克服
「皇帝」が表すテーマは困難の克服、試練に大きく関わります。
人は親や社会からの伝統的、信条的なルールを必ず学んで、それを越えて行き個の行為の規範に繋げて行く必要がありますが、仮にルールを全て無視するような思考なら、それは先人が築いた基盤を使用しながら、自分は未来に貢献しないような醜悪な事になってしまいます。
一方でルールの枠内の事だけを、そのまま基盤とするようなら、その中の醜悪も全て受け継いだ人間になります。
多くの場合、社会的権威者が作り出して我々に見せている普遍性や威厳や秩序、現代なら何らかのステイタスの象徴は、自分達に都合の悪い情報を隠蔽して、自分達に都合のいい世界を演出している事が多いです。
「皇帝」の カードのテーマを通じて自分が関わっている社会を見るなら、新しいものが進歩で、古いものは愚鈍のような思い込みは危険だと思います。
自分の中の「皇帝」は、何を決定しているか?という事が重要です。
自分の中の厳格さが公正な形で使用されるなら、自分の領域を守って力強く保持する力として作用します。
しかし逆に作用するなら、ほとんど公正さに欠ける人生に陥ってしまいます。
無意識からの影響
自分の中の「皇帝」は、勿論、顕在意識からの影響より、無意識、潜在意識からの影響、刷り込みなどが反映して行為に至っていると思います。
だから逆に「皇帝」のテーマに象徴される事の、自分の行動面を冷静に見てみる事が鍵になります。
ナルキッソスのような自己愛性の「皇帝」になる事だけは絶対に避けたいですね^_^
今回の僕の、あなたと共有させてもらった記事が、何かの役に立てたなら嬉しいです^_^
コメントや、いいねを頂けたら励みになります^_^よろしくお願いします^_^