心の融合と刷新
こんにちは！タロット起業に必要な知識を発信している隼人です^_^
まずは、タロットそのものの知識は必要なので共有したい内容になります。
今日はタロットの「節制」のカードのフィルターから、「人が自分の心を刷新して行く事」について話します^_^
タロット初見の方も読んでみて下さい。
「節制」のカードの図像
タロットとか占いが好きな方は、ウエイト版タロットカードの「節制」は、よくご存知だと思いますが、「節制」は22枚の大アルカナの14番。
「節制」のカードは、人が自分の中の相反するものを調合し再生する事を象徴するカードです。
「節制」のカードの絵を見ると、まず印象に残るのが、天使がカップを両手に持ち、片方から片方に移している姿です。
この図像の元型はウエイト版タロットより遥か昔の、ルネサンス期のイタリアで既に見られるものです。
現存、最古のヴィスコンティ•タロットにも、同様の図像が見られます。
これは当時の貴族がワインを水で割り節約する美徳、また、その調合の妙を表していました。
タロット以前から、この図像は存在すると言われています。
こうした歴史的背景の元に、ウエイト版タロットは、そこにカバラ思想などを用いて魔術系のタロットとして体系付けられているという事も頭に入れておく必要があります。
これは全てのカードについて言える事です。
その上で「節制」のカードは、「異質なものを混ぜ合わせる事」、それによるバランスを意味します。
あらゆる局面を結び付ける能力
ただし、「単なる中庸ではない」という事が重要です。「節制」の語源はラテン語の「temper」で、「程よく混ぜ合わせる」という意味があります。
即ち「様々な局面を融合する能力」です。「節制」の示す「融合」は、いわゆる、中を取り、日和見になる事ではありません。
これ、意外と日常でよくあると僕(隼人)は思ってます。
なんか人と人の間でトラブルとかあったり、意見を出し合ったりしてる時に「私は中立だから」とか、すぐ言って絶対、判断しない人！…
…もう！なんか、いかにも公平な人間みたいに！…すみません、愚痴りました(^_^;)
「節制」の天使のカップの位置を見てもらったら、水を移すには現実には不可能な位置関係にある事が分かります。
これは安易な一般思考では「節制」が示す「融合」は出来ない事を思わせます。
自分の中の融合と行動
天使の胸にあるマークの四角形は完成、安定、制限🟰日常生活を意味し、中の三角形は、その中で作用するエネルギーを意味します。
上向きの三角形は「火」🟰原初的な無限のエネルギーを表しています。
天使の足元に注目すると、右足を水に浸けて無意識/潜在意識の領域の自己を流入させている事が分かります。
左足の大地を踏む足は顕在意識、人生の様々な事柄からの流入、自分の中の全てを「融合」させている事が分かります。
そして天使の後方には光り輝く太陽に続く道が描かれています。
これは、「生命の木」の無意識領域から顕在意識に向かう段階を象徴します。
人が現実社会から一旦、撤退して自己の内面を磨いていた場所から、再び現実社会に戻って行く事を表しています。
即ち「節制」は観念のカードではなく、行動のカードという事です。
虹の女神イーリス
天使の右側を見ると花が咲いていますが、これはアイリスの花で、ギリシャ神話の「虹の女神イーリス」、「 Ἶρις, Īris」の英語読みはアイリスです。
「虹の女神イーリス」は天地を結ぶ虹であり、疾速、遠くの土地や海底でも瞬く間に移動する事が出来る女神。「神々の女王ヘラ」に仕えました。
この「イーリス」の疾速は、人間の脳内の精神活動、つまり、物質である脳と非物質である精神という二つの世界を自由に行き来出来る力が重要である事を思わせます。
人の中の、いくつものペルソナ
人は生活環境の中で、自分を自分の中で切り離して行く事で対処しています。
仕事の時の人格、私生活の人格、ある時は陽気な人格、ある時は冷たい人格、しかし、意識せずに被る仮面「ペルソナ」は、どれも本当の自分ではない事もあります。
その都度、仮面を被っているという自覚が無い事は、「本当の自分は何者なのか？分からない」という事に繋がります。
そして、社会の都合の良い人格に調整されているかもしれません。
「節制」の「融合」は完璧な人格を目指すものではありません。
自分の良い部分も悪い部分も認めて、自分の事を知り、ありのままの自分として自覚し、一つの人格として統合する段階です。
これはユングの分析心理学の表向きの自分「ペルソナ」と、抑圧された、もう一人の自分「シャドー」の統合とも重なります。
均衡を示す線上
「生命の木」で「節制」は「個の自覚/自己の中心」のセフィラ「ティファレト」と「無意識/現象」のセフィラ「イエソド」の間に配置されています。
「節制」は「均衡の柱」の線上で、宇宙的領域「第一動因」のセフィラ「ケテル」から「物質世界/顕在意識」のセフィラ「マルクト」を結ぶ三つのカードの一枚です。
「無限のエネルギー」から「自分の中心」(3番.女司祭)→「自分の中心」から「無意識/現象」(14番.節制)→「無意識/現象」から「現実世界」(21番.世界)の直線上のルートです。
この「生命の木」の直線上に配置される三枚のカードは象徴的に世界を構成する四つの元素とされる、「火•空気/風•水•土」の「生命の木」上の接点でもあります。
「火の元素」(エネルギー)と「空気/風の元素」(創造)の接点には、「3番.女司祭」、「空気/風の元素」(創造)と「水の元素」(形成)の接点には「14番.節制」、「水の元素」(形成)と「土の元素」(物質化)の接点には「21番.世界」が配置されています。
人間の支柱となる梯子
「節制」は「個の自覚/自分の中心」から「無意識/現象」」、そして「創造」から「形成」の接点にあるカードになります。
節制」が示唆する事への考察を通じて、比較的、分かりやすい形で、人生に影響する事を個人的な理解に取り込めると思います。
この「個の自覚/自分の中心」から「無意識/現象」の間のパス(経路)は「サメク」で、ヘブライ文字で「支柱」を表します。
自分の中の全ての「融合」と、それによる「あらゆる局面に適切に対処できる力」は、まさに、あなたの「支柱」となるものです。
既に説明した「生命の木」と「節制」の位置の関係で分かるように「サメク」は「生命の木」とカードの数、順番を一旦、断つ、「均衡の柱」上の「梯子」とも言われています。
この「サメク」のパスと「節制」に象徴される過程を開通させる事が重要です。
これが開通しないと大アルカナのカードの順番、「無限エネルギー」から「現実世界」への順番、または逆に戻って行く順番で、パス「アイン」に配置される「15番.悪魔」のカードのテーマやパス「ヌン」に位置する「13番.死」のテーマに進めません。
シャドーの存在を認識する試練
セフィラ「ティファレト」には占星術の「太陽」が配置されています。
そして、セフィラ「イエソド」には占星術の「月」が配置されています。
この占星術上の意味からも「太陽」の「自分の中心」「アイデンティティ」、古典占星術では「権威」の象徴、「公に見せる自分」の「太陽」と、「移ろいやすいもの」「質問者自身」を意味する「月」が、人の内面の「支柱」に大きく関わる事について考察できます。
ユングの分析心理学の観点から、公に見せる自分「ペルソナ」と、抑圧された、もう一人の自分「シャドー」の統合の段階が示されています。
上手く人に頼れずに、不器用に他者に、それを表現する事になる場合が多いと言われています。
例えば、高圧的に他者に要求してみたり、理屈を付けてクールに要求したりする状態になるので、他者に受け入れられず拒否されてしまいます。
これは「シャドー」の存在を半分、認めている状態であり、抑圧は解けているだけに辛い状況が続く事になります。
「個の自覚」の「ティファレト」は「皇帝のカード」でエネルギーの「流出」の「コクマー」、「恋人のカードで「形の母」の「ビナー」、「正義のカード」で「意志」の「ゲプラー」とも繋がっています。
「無意識」の「イエソド」は「星のカード」で「感情」の「ネツァク」と繋がり、「太陽のカード」で「感情」の「ネツァク」とも繋がっています。
幼少期に生まれたシャドー
この時に感じる辛さは、幼少期に親に認められずに抑圧した、もう一人の自分「シャドー」の感情、辛さです。
まずは、それを認めたくない自我、まだ統合された自分ではない事を認めたくない自分が居ると知る必要があります。
不器用で他者に拒否される自分は、「シャドー」の存在を、まだ完全には認めていないために起こる現象だと理解する事が「自己の統合」の鍵になります。
夢占いの観点からの「節制」
夢占いの観点から「節制」のカードに関連する、「虹の夢」を見た時は、事態が好転する、障害が無くなる意味を持ちます。
虹の色が鮮やかなほど幸運であると言われています。
「柱の夢」は、誰かの助けで悩みやトラブルが回避される暗示です。
夢に出て来た柱が太いほど頼りになる人物を表しています。
こういう夢占いなどの比較的、気軽になるための効果なども楽しみながら、「節制」のカードに象徴されるテーマを自己実現の役に立てて行くのも、いいかもしれませんね^_^
今回の僕の、あなたと共有させてもらった記事が、何かの役に立てたなら嬉しいです^_^
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