原初の虚無の子供
こんにちは！タロット起業に必要な知識を発信している隼人です^_^
まずは、タロットそのものの知識は必要なので共有したい内容になります。
今日はタロットの「愚者」のカードのフィルターから「人が0に戻る時」について話します^_^
タロット初見の方も読んでみて下さい。
タロットとか占いが好きな方は、ウエイト版タロット•カード「愚者」は、よくご存知だと思いますが、「愚者」は、22枚の大アルカナの0番目のカードです。
「愚者のカード」の図像
「愚者」は、誰にでもある原点回帰の力、始まりの、始まりのカードです。
「愚者」の カードは、タロットカードが発祥して来たルネサンス期のイタリアでは、宮廷に雇われていた「道化師」を表していました。
当時の カードには番号も無く、これは社会のルールや秩序から外れた存在を意味しており、「狂人」「はみ出し者」という認識でした。
この存在は一方で、外部から来て秩序や、ある意味、固定観念を壊す存在です。
完全に不安定で完全に自由な存在
ウエイト版「愚者」はヘルメス•カバラ、「生命の木」と結び付き、性質が変化しています。
まだ何者でも無い存在です。
絵を見ると「愚者」は「火の元素」のエネルギーの象徴、「ワンド」を持っていますが、カバンかけに使い、本人は、その力を意識していません。
これは本人さえ分からない、形になっていないエネルギーを表します。手に持つ白い花は純粋性です。
つまり、まだ始まりもしていないけど、それだけに「無限の可能性」と「純粋性」を持った存在です。
何にも属さない状態で、落ちてしまうかもしれませんが、完全に自由でもあります。
犬が象徴する事
足元の「犬」は無意識や本能を表しています。
「愚者」は犬と一緒に旅をする姿で描かれていますが多くの御伽話や昔話で動物が主人公と一緒に旅をする物語がありますね。
これは自然の力や人間の中にある動物性も暗示していると思われます。
動物に助けられて冒険をする物語も多いですが、一方で死者の霊を追いかけ回したりする恐ろしい存在として動物や怪物が描かれる事もあります。
同じ動物に対する人間の感じ方の変化は、内なる自己への態度の事もあります。
これを、どう統合して行くのかは大きなテーマです。
また、多くの映画とかでも、最初は周囲から疎んじられて馬鹿にされてる主人公が、自分の原点や隠された力を知って活躍して行く物語がありますよね。
これも今の自分とは意識的には全く違う可能性を持った自分を、主人公が幼少期の思い出とかを通じて、原点回帰して行く事によって目覚めて行きます。
人は時には「愚者」のように0に戻る事が、本当の自分を見つけるためにいいのかもしれません^_^
赤い羽の象徴
「愚者」の頭には「赤い羽」があります。
これは、13番「死」の骸骨、19番「太陽」の子供にもあるものです。この「赤い羽」のある カードは人間の変容の受け入れ、あるいは拒絶の時を表すカードに共通しています。
「白い太陽」も純粋性を表しますが、占星術で「太陽」は「公に見せる自分」また日本には「お天道様が見ている」という言葉があるように「白日の元に晒す」存在でもあります。
「愚者」の カードのテーマの場合、自分が一旦、何にも頼れない、しかし完全な自由な状態にある事を示しているかもしれません。
トリックスター
「愚者」はトリックスターとしての一面もあります。これは、2番「魔術師」に繋がって行く展開性があります。アーサー王物語で「魔術師マーリン」はアーサー王の前に子供、乞食、百姓など様々な姿で現れます。
高い地位の王は尊大になりかけていて、仲間に指摘されるまで、それが「マーリン」だと気付きませんでした。
これは幻想を見抜く力が大切である事を表しています。リア王の物語に登場する「愚者」も、誰も王に言えない事を唯一、言える存在でした。
「王」を変容前の自分であると過程したら、様々な物語を自分と重ねて見る事が出来ます。
「愚者」は、自分の心に問いかける本能として現れる事もあります。
エネルギーの「回転の始まり」と「流出」
「生命の木」で「愚者」の カードが配置されているのは、「第一動因」「回転の始まり」のセフィラ「ケテル」と「叡智」、無限エネルギーの「流出」のセフィラ「コクマー」の間です。
「生命の木」の、「第一動因」のセフィラ「ケテル」と、「ビナー」、「コクマー」の三つは「天上の三つ組」と言われ、人間が、こうであろうと単に推測する事しか出来ない不可視の「深淵」の領域です。
また「生命の木」の「ビナー」から始まる「峻厳(形)の柱」(ボアズ)は「収縮性」を表します。
「収縮性」とはエネルギーが形になる時には、収縮し器に収まる必要があるからです。
量子力学で言えば「粒」の状態です。「コクマー」から始まる「慈悲(力)の柱」(ヤキン)は「拡大性」を表します。
エネルギーには形は無く混沌と広がるものです。量子力学では「波」の状態です。
「深淵」と「下層世界」の間のヴェール
「深淵」の領域の「天上の三つ組」より、顕在性がある下層のセフィラの間には「ダース」と呼ばれる、「深淵」と「下層」を結びつけるエリアがあります。
この「ダース」は「深淵」と「下層」の間の「ヴェール」と呼ばれています。
セフィラ「ケテル」は「第一動因」「回転の始まり」でです。意識からは一切の思考が不可能な世界。
これは、なぜ宇宙や惑星や人間が存在するのかは、人間には永遠に分からないという事と同じ意味です。
しかし、宇宙も惑星も人間も存在はしているのは事実なので、その分からない領域も「理解できなくても存在するのは明らか」という事になります。
「第一要因」の「ケテル」は「女司祭のカード」で「個の自覚」の「ティファレト」と繋がり、「魔術師のカード」で「制限」の「ビナー」と繋がります。
エネルギーの「流出」の「コクマー」は「女帝」のカードで「制限」の「ビナー」と繋がり、「皇帝の カード」で「個の自覚」の「ティファレト」、「司祭のカード」でエネルギーの「拡大」の「ケセド」とも繋がっています。
「回転の始まり」と「獣帯」
セフィラ「コクマー」は無限エネルギーの「原初の表出」、「流出」するセフィラです。
「叡智」の意味があり、多様な顕現は究極的には「コクマー」に由来します。
ウエイト/スミス•タロットの監修者、アーサー•エドワード•ウエイトの所属した、魔術秘密結社ゴールデン•ドーンの伝統的カバラの「生命の木」の占星術の対応では、「ケテル」、「コクマー」には惑星は割り当てられていません。
占星術の対応は「ケテル」は「回転の始まり」、「コクマー」は「獣帯」になっています。
現在の「ケテル」の占星術の割り当てでは、「海王星」になっているものがあり、また「コクマー」には「天王星」が割り当てられているものがあるので、一応、その意味を書いておきます。
「ケテル」に配置される事もある「海王星」は神秘性、無限、忘我、霊性、混沌、目に見えない世界を象徴します。
…この「海王星」の意味からすると、セフィラ「ケテル」の意味と重なるものだと思います。
「愚者」のテーマから見ると、まだ形を持たない無限の可能性なので、これは意味が重なると思います。
「コクマー」に配置される事もある「天王星」は革命の星と言われ、古いものを壊して新しいものを創る、ルールや制限からの解放や独立を意味する天体です。
この領域の天体は個人的というより、社会的な影響として表れます。
…「コクマー」は、まだ形にならないエネルギーの「叡智」「流出」なので、意味は合わない気がします。
「愚者」のテーマから見ると、縛りからの解放、ゼロからのスタートの解釈においては意味が合う部分があります。
叡智の原本からの複写
「愚者」が配置される「ケテル」と「コクマー」の間のパス(経路)は「アレフ」です。
「アレフ」は全てのエネルギーの源が、原本から複写されて行くように、我々が体験する宇宙を構成する最初の経路です。
本質と本質から生じる行為の間とも説明できます。「ある」と「する」の間、「名詞」と「動詞」の間、「存在」と「生成」の間とも考察できます。
人間が思い浮かべる事に当てはめると、そういう事です。それらの相互作用の全ては「アレフ」を通じて派生しています。
パス「アレフ」には、「風/空気の元素」が配置されています。
「風/空気の元素」は「思考•創造」の象徴です。「回転の始まり」から「原初の創造」を運ぶ象徴であると考えられます。
原初の虚無の子供
人は、いつも何かの目的を持ち、その目的を達成できなければ落胆したり、そういった感情で生きている事が多いですが、何が次の転機に結びつくかは誰にも分かりませんよね？
もしかしたら、今、取り組んでいる事が叶わなかっても、それが「存在」(過程)と「生成」(結果)の橋渡しになって自分でも思いもしなかった未来になる事もあります。
だから、自分で意味あると思う過程を歩み、「愚者」のように気の向くままに流転する事を受け入れるからこそ、また「魔術師」の情熱の段階がやって来るのかもしれません。
考えてみたら「愚者」の「気の向くまま」の段階が無かったら、人は「心機一転」する事は不可能ですから^_^
そう、「心機一転」！そんな時、人は「アレフ」の意味にある「原初の虚無の子供」に戻れるのかもしれません^_^
今回の僕の、あなたと共有させてもらった記事が、何かの役に立てたなら嬉しいです^_^
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