◆キャリステニクスは、どこでも、どんな状況でも始められる◆
キャリステニクスとは「自重による筋力トレーニング」のことで、ウェイトを使わずに自分の体重のみで身体を鍛える方法(メソッド)の総称です。
Convict Conditioning(以下、C.C.) は、巷に数多ある〇〇式トレーニング、〇〇メソッドのようなキャリステニクスの1つの方法です。
キャリステニクスには、屋外にある器具(鉄棒など)を使う種目もありますが、雨で外出できない場合、自宅にあるもので代替が可能なため、天候に左右されることがほぼありません。天気の悪い日にジムに行くのが億劫になる、ということもありません。
 
 
◆数あるメソッドの中で、なぜ Convict Conditioning なのか◆
他のキャリステニクス・メソッドの詳細を全て知っている訳ではありませんが、キャリステニクスを紹介している参考書籍を読むと、部位別・目的別にたくさんの種目が紹介されています。紹介されていますが、多くは紹介だけに終わっているような気がしました。

とにかく紹介されている種目が雑多で、本を手に取った人が、今の自分の体力・筋力レベルに合ったエクササイズがどれなのか(これ重要)が不明なまま筋トレを始めることになります。
さらにこれを続ければ、写真に使われているモデルのような身体になれる(こんなことがができる)という目標が見えません。しかも写真に使われているモデルは、そこまで魅力的な身体をしておらず、別になりたいとも思えないという。。。
目標が見えないまま無理なエクササイズを続けて、なんとなく肘や肩や膝を痛めて、結局フェードアウト、、、となってしまいがちです。
小生も過去、参考書を頼りに、とりあえずできそうな種目から自宅トレーニングを始めましたが、すぐに辛くなり、長くは続けられませんでした。
 
 
◆自宅トレーニングが続かない理由(自己分析)◆
で、Convict Conditioning(以下、C.C.) を1年半続けてきた今、当時の宅トレ(キャリステニクス)が続かなかった理由を振り返ってみると、
1.最終的にはウェイト・トレーニングに誘導する論調だった
2.紹介されているエクササイズのレベルが初心者向けではなかった
3.初心者~中級者~上級者と順序立てたプログラムになっていなかった

4.エクササイズの種類が雑多すぎた
のではないかと思います。

一つ一つ分析してみましょう。
 
1.最終的にはウェイトに誘導する論調だった
キャリステニクス本なのに、載っているエクササイズに物足りなくなったら、ウェイトやマシンなど道具を使いましょうって纏め方、ズルくないですか?この本を一冊やりきれば、こうなります。そこから先を目指したいならウェイト・トレーニングをしましょう、ならわかりますが。
 
またバランスボールが必要なエクササイズがあったりと、何かしら道具を揃えないとできなエクササイズがあるのも気になりました。
確かにキャリステニクスだけでは「筋肥大」に関してはウェイト・トレーニングには敵いません。
キャリステニクスである程度の結果を得たのち、さらなる高みを目指すためにウェイト・トレーニングを始めるのは、個人の自由です。
しかし、ウェイト・トレーニングができない(ジムに通いたくない・通えない)からキャリステニクス本を買ったのに、最終的にはウェイト・トレーニングしましょう、と云われてしまうと、詐欺に遭ったような気分になります。

これはあくまでも小生の想像ですが、自重トレはあくまでもウェイト・トレの補助的エクササイズと考えている人たちが、多くない自重トレの知識を総動員してまとめたのが、小生が手に取った本だったのではないでしょうか。
 
2.紹介されているエクササイズのレベルが初心者向けではなかった
これもプロのウェイト・トレーナーが考えたエクササイズであることに起因していると想像しています。
長年筋トレをしていて身体のベースができあがっている人にとっては、簡単な準備運動レベルのエクササイズであっても、手首と二の腕の太さが同じ人が可能なエクササイズでなければ、初心者向けとは云えません。
「このエクササイズはどの部位に効く、云々」という薀蓄は詳細に書かれていましたが、「このエクササイズはどういうレベルの人向け」ということは書かれておらず、大雑把に初級・中級・上級という区分がされているだけでした。
 
しかし、この書籍で初級エクササイズとして紹介されていたフル・プッシュアップ(腕立て伏せ)やフル・スクワットは、実はかなりレベルが高いエクササイズです。
フル・プッシュアップができない人はニーリング(膝着)・プッシュアップを、フル・スクワットができない人はハーフ・スクワットから始めましょう的なことは書かれていましたが、それらでも初心者にはハードルが高いエクササイズだと思います。
 
ちなみに、Convict Conditioning System(以下、C.C.S.)のカリキュラムに上述のエクササイズを当てはめると、ニーリング・プッシュアップはステップ3、ハーフ・スクワットはステップ4、フル・プッシュアップとフル・スクワットはステップ5に該当します。
つまり、一般的には筋トレ初心者向けと認識されているエクササイズは、中級者向けのエクササイズなのです。
 
もちろん個人の体力・筋力・考え方・やり方次第なので、いまの小生の考え方が絶対に正しいとは云いませんが、1年半C.C.に取り組んできた経験から感じているのは、正しいフォームで行なうフル・プッシュアップは決して初心者向けのエクササイズではない、ということでした。
 
3.初心者→中級者→上級者と順序立てたプログラムになっていなかった
エクササイズによってはレベルアップが可能なエクササイズが紹介されていましたが、ほんの一部であり、あってもスリー・ステップ程度でした。しかも、ほとんどのエクササイズはC.C.S.に例えるとステップ4~6に該当する難易度です。
C.C.Sのステップ4~6って、どういうレベルかと云えば、
例えば、筋トレ初心者Aさんの過去の運動歴から現在の身体能力を4段階に分けて考えてみると、
 
①学校の体育の授業以外やってこなかった、
②学校の部活(同好会レベル)で運動していた、
③学校の部活(大会出場レベル)で運動していた、
④社会人になっても継続して運動をしている、
 
大雑把ですが、こんな感じで考えてみます(「②を経て④の人」と「③を経て④の人」とではまた違うと思いますが、複雑になるので割愛します)。
全員これまで本格的に筋トレに取り組んだことがない初心者という設定ですが、
同じ初心者でも、①と④とでは、身体の出来上がり方という点で、体力・筋力に大きな差があります。
上記①~④を踏まえて、C.C.S.のステップ4~6のエクササイズに挑戦してみると、どうなるか?
 
①の人・・・ステップ4.1ができない、
②の人・・・ステップ4.2がおそらくできない、
③の人・・・ステップ4.2が精一杯、
④の人・・・ステップ4.3までやってやれないこともないが完全クリアは無理、
 
個人的な主観ですが、こんな感じです。
具体的にC.C.を知らない方には、訳が分からないかもしれませんが、かなりハードルが高いということです。
 
実際、小生は③→④に該当しますが、C.C.を始めて1年半で、いまだにステップ5を完クリしているのは2種目(スクワットとレッグレイズ)のみで、他はステップ2~4を継続している状況です。
 
4.エクササイズの種類が雑多すぎた
3とも関連しますが、種類が多いうえにレベルの高いエクササイズとそうでもないエクササイズが混在していて、まとまりがありませんでした。
具体的に云うと、
腹筋というカテゴリーに4~5種類のエクササイズが紹介されていましたが、腹直筋に1種目、外腹斜筋に1種目、腹横筋に1種目という具合に、腹筋の中の細かい筋肉毎に1種目づつあてがわれていました。
またスクワットなら、大腿四頭筋にはこれ、ハムストリングスにはこれ、大臀筋にはこれ、中臀筋にはこれ、とスクワットだけで何種類やらせるのか、と突っ込みを入れたくなるほどです。
エクササイズの性質上、複数の部位を鍛えられる種目もありましたが、おおよそはこんな感じです。
こういう筋肉を分離して鍛える方法は、キャリステニクスのみでは刺激が弱いので、鍛えるには効率が非常に悪くなります。
 
ウェイトを使えば少ない回数で特定の部位に効かせることができるので、短時間で鍛えることができますが、ウェイトを使わないと回数をこなすしかないので、時間がかかります。
それをカバーするため、掲載するエクササイズのレベルを高くせざるを得なかったのでは、と考えています。
(エクササイズの強度が高ければ、ウェイト同じく比較的短時間で強い刺激を筋肉に入れられる)
 

当時は、筋トレに関して今ほど深く考えていなかったので、
ウェイト・トレーニングに比べて簡単な自重トレなのになんでできないんだろう、と思いつつフェードアウトしてしまいましたが、今考えると、こういうことだったんだなと思います。
 
つづく