前回からかなり間があいてしまいました。
ビッグ6の最後を飾るのは、ハンドスタンド(逆立ち)です。
ステップ1:ウォール・ヘッドスタンド
ステップ2:クロウ・スタンド
ステップ3:ウォール・ハンドスタンド
ステップ4:ハーフ・ハンドスタント・プッシュアップ
ステップ5:ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ6:クローズ・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ7:アンイーブン・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ8:ハーフ・ワンアーム・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ9:レバー・ハンドスタンド・プッシュアップ
ステップ10:ワンアーム・ハンドスタンド・プッシュアップ
逆立ちといっても、このシリーズの最終目標は「片腕逆立ち腕立て伏せ」です。
これができれば、自分の全体重の94%を片腕で持ち上げられる事になる(片腕の重さが体重の6%として)ので、体重が63kgの小生だと片腕で約59kgを挙げる計算になります。
逆立ちで鍛えられるのは肩(三角筋)がメインですが、指(握力)・腕・僧帽筋・広背筋の他、姿勢を維持するための体幹の筋肉が幅広く鍛えられます。
☆逆立ちは肩の痛み対策に有効なトレーニング☆
C.C.では例によってステップ1から漸進的に鍛えることで、ローテーターカフも無理なく理想的なフォームで鍛えられます。
ローテーターカフは三角筋などの大きな筋肉の下に隠れている小さな筋肉群ですが、肩関節の保護や可動に関わる重要な筋肉群です。
三角筋と比べると小さくて弱い筋肉の集まりなので、激しいトレーニングや不自然なフォームによって簡単に傷ついてしまいます(そして、治りにくい)。
三角筋のような大きい筋肉は刺激に強く回復も成長も早いですが、ローテーターカフは刺激に弱く回復も成長も遅いのが特徴です。
小生も経験がありますが、大きい筋肉群が成長すると嬉しくなって、つい頑張ってしまいます。
回復の早い筋肉を基準にして強い刺激を与え続けると大きい筋肉は成長しますが、ローテーターカフのように弱くて回復が遅い筋肉は回復する前に次々と刺激が加わると傷ついてしまい、成長どころかボロボロになっていきます。
この痛みを無くすには、痛みが軽くなるまでその箇所のトレーニングをしないこと(痛みの程度によっては数ヶ月~数年単位)と、痛みが治まった後に正しいフォームでトレーニングをすることで、小さい筋肉群を徐々に鍛え上げるしか方法はありません。
☆C.C.の「逆立ち」は肩に優しいトレーニング☆
ローテーターカフは、高負荷によって損傷しますが、肩関節にとって不自然なフォームでエクササイズをしても傷つきます。
肩関節にとって「不自然なフォーム」はさておき、肩関節にとって「自然なフォーム」とは、例えると電車の網棚の上にバッグを押し上げるときのポーズです。
(下図を参照)
左と右、力が入るのはどちらでしょうか?
断然、左(のはず)です。
右のように腋を開いて肘が外側に開いてしまうと、脚から生じた力が背中を通って肩~肘まで伝わったところで肘から外に逃げてしまい、持ち上げる際に余分な力を出さなくてはいけません。
もし画像右のフォームのほうが力が入ると思っている人がいたら、それは「力が入る=必要以上にリキんで力を出す」と勘違いしているのです。
なぜって、分かりやすく言うと10kgの荷物を持ち上げるのに20kgの力を出すって、どう考えても効率が悪いからです。
不自然なフォームでは力が出にくいだけでなく、ローテーターカフが制御できる肩の関節可動域を無視した動きになります。
この状態で肩を動かし続けると、ローテーターカフは簡単に傷つきます。
ましてや高重量で負荷をかけるとたった1回の動作でもローテーターカフは損傷してしまうでしょう。
肩を痛めているトレーニーは多いですが、その痛みの原因の多くはローテーターカフの損傷と云われています。
ポール曰く、トレーニーの多くが肩を痛める原因は、肩のトレーニングの多くが肩関節の可動域を外れた不自然なフォームだからなのだそうです。
また、過度な負荷も肩を痛める原因で、これはウェイト・トレーニングだけでなく、キャリステニクスであっても自分に合っていないレベルのエクササイズを続けると起こり得るともしています。
C.C.のハンドスタンドやハンドスタンド・プッシュアップのフォームは、上の画像でいうと左に該当するので、肩関節可動域でのエクササイズとなり、無理なく怪我なく鍛えられるという訳です。