『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』&『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

 

『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』鑑賞前に、『エピソード7/フォースの覚醒』『エピソード8/最後のジェダイ』を再鑑賞。

 

中学3年の夏、劇場でシリーズ1作目を観て以来、リアルタイムでフォローしているシリーズ。その1作目は、好きな映画作品の10本に入るほど。黒澤明の『隠し砦の三悪人』にインスパイアされたと言われる宇宙活劇は、「子供も楽しめる大人の作品」として、SFというジャンルにとらわれることなく、映画史の金字塔となる作品群であることに疑いはないだろう。

 

オリジナル・トリロジー(エピソード4/5/6)とプリクエル・トリロジー(エピソード1/2/3)の間には16年のブランクがあり、プリクエル・トリロジーとシークエル・トリロジー(エピソード7/8/9)の間には10年のブランクがある。

 

そのシークエル・トリロジーの序章である『フォースの覚醒』の上映前に、オリジナル・トリロジー及びプリクエル・トリロジーを時系列順に(つまり、プリクエル・トリロジー→オリジナル・トリロジー)再鑑賞している。個々の作品のレビューは以下の添付を参照頂きたいが、その際に強く思ったのは、『スター・ウォーズ』はやはりジョージ・ルーカスの生み出したものであるということ。ファンの間では、オリジナル・トリロジーを上位に取ることが多いと思われるが、自分は『エピソード4』の何物にも代えがたい素晴らしさは認めても、トリロジー全体の出来としてはプリクエルをオリジナルよりも上位に取るものである。あのキュートなアナキンがダークサイドに落ちるという一貫したテーマの説得力がプリクエル・トリロジーにはあると思う。特に、『エピソード3/シスの復讐』のエンディングでの、アナキンとオビワンの「お前は"chosen one"だったのに」以下のやり取りはあまりに切ない。ジョージ・ルーカスは、エピソード4、1、2、3を監督しているが、エピソード4を別格としても、エピソード3はそれに伍する完成度だと感じさせた。

 

ジョージ・ルーカスが版権をディズニーに売った時点で、スター・ウォーズ・シリーズの輝きは失われたと思うのは、ファンとしては仕方ないところ。そして、監督がよりによって「そつない奴ナンバー・ワン」のJ.J.エイブラムス。ディズニーのリスクを取らないという戦略は明らかだった。

 

ゆえに、『フォースの覚醒』の個人的評価は不当に低かったと、今回観直して再認識した(「再」というのは、前作『最後のジェダイ』を鑑賞前にも観て同様に思ったため)。評価は、「3」から「4」に再評価する。

 

また『最後のジェダイ』は、『フォースの覚醒』に対する怒りから、『BRICK ブリック』(2005年)や『LOOPER/ルーパー』(2012年)で自分が評価していたライアン・ジョンソン監督に変更されたことで過大評価していたことを確認した。評価は、「5」から「4」に再評価する。

 

シークエル・トリロジーの弱さは、まずはヴィランのカイロ・レンの情けなさ。善悪の対立項が主軸となる作品では、悪役が光れば光るほど作品の魅力は増すものである。ダークサイドに落ちたといいながら、ぶれぶれの姿勢には怒りすら覚える。スター・ウォーズ・シリーズで一番好きなヴィランのキャラクターはダース・モールだが、彼はヴィジュアルのよさもあり、かつライトセーバーの達人(ダブル・ライトセーバー!)でもあった。ひよっこジェダイのレイや、所詮ストームトルーパーのフィンとライトセーバーで戦って互角というのは相当ショボいと言わざるを得ない。

 

また、ジェダイの純血主義を否定するシークエル・トリロジーの設定は、ファンとしては許せないところだろう。ルーク・スカイウォーカーが最後のジェダイでないのなら、レイがジェダイを継承するというのは間違いのないところなのだろうが、彼女の両親は酒代のために彼女を売った下衆な類であり、ジェダイのカリスマ性はどこにもないと思ってしまう。

 

そして全世界同時公開の『エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』は、またもやJ.J.エイブラムスに監督に戻っているので、相当期待度を下げて観なければいかないだろうと覚悟している。まさかディズニーは、ドル箱のスター・ウォーズ・シリーズをこれからも続けるなんていう展開にはならないであろうことを祈りつつ。

 

スター・ウォーズ・シリーズの個人的評価の順は「4 > 3 > 1 > 2 > 5 > 6 > 8 > 7」

 

『スター・ウォーズ エピソード4/新たな希望』 (1977) ジョージ・ルーカス監督 ★★★★★★★★★★ (10/10)

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』 (1980) アーヴィン・カーシュナー監督 ★★★★★★ (6/10)

『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』 (1983) リチャード・マーカンド監督 ★★★★★ (5/10)

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』 (1999) ジョージ・ルーカス監督 ★★★★★★★ (7/10)

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』 (2002) ジョージ・ルーカス監督 ★★★★★★ (6/10)

『スター・ウォーズ  エピソード3/シスの復讐』 (2005) ジョージ・ルーカス監督 ★★★★★★★★ (8/10)

『スター・ウォーズ  エピソード7/フォースの覚醒』 (2015) J.Jエイブラムス監督 ★★★★ (4/10)

『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』 (2017) ライアン・ジョンソン監督 ★★★★ (4/10)