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その後華々しい成功を飾るスター・ウォーズ・シリーズの幕開けの本作の日本公開は、アメリカでの公開の1年以上後のことだった。アメリカでの公開当初は子供むけのB級作品と評されることもあったようだが、日本上陸時にはそうした評価を覆すだけの成功を収めての凱旋だったと当時中学3年生で劇場に足を運んだ自分は記憶している。
そのオリジナル・ヴァージョンをレーザー・ディスクで観賞。
「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」と画面奥の方にスクロールしてゆくオープニング直後の、宇宙艦がずーーーーんと描き出される冒頭のシーンからノックアウトされ、上映中にずっとわくわくしながら観ていたと覚えている。
黒澤明監督『隠し砦の三悪人』に登場する狂言回しの百姓コンビの太平と又七とをまねてC-3POとR2-D2が作られたとされるが(自分にとっては、ジョージ・ルーカスは絶対観ていないであろう『キャプテン・スカーレット』のハックとジョーのイメージだったが)、彼らの親しみ深いキャラクターが、スター・ウォーズ・シリーズをそれまでのマニアックなSF作品とは一線を画す娯楽作品とする重要な役割を果たしている。
とにかく砂漠のシーンが印象的。今となってはお馴染みのBGMをバックに、ルーク・スカイウォーカーがタトゥイーンの沈む二つの太陽を眺める哀愁漂うシーンは、まさに西部劇の情感豊かなシーンを思わせる。
そしてハイライトは、やはり反乱同盟軍の戦闘機隊によるデス・スターの攻撃シーン。今でこそ同様のスピード感、躍動感は映画やゲームで味わえるが、あの当時としては画期的だったと感じる。
エピソード1のアナキンですらジェダイになるには歳を取りすぎてると言われたのに、ルークはなぜ成人後にジェダイになれたのかとか、双子の一人のルークをオーウェン・ラーズとベルの夫妻に預けた後、オビ=ワンはどこに行っていたのかとかの突っ込みは置いておいて、それまでSFヲタ以外にはアピールしないSF映画を、老若男女楽しめる作品としたという、当時は唯一無二の作品であり、以降、良質なSF映画が百花繚乱の今観てもやはり古くなっていない素晴らしい作品である。
★★★★★★★★★★ (10/10)
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』予告編