お宝映画・番組私的見聞録 -9ページ目

進め!青春 その2

前回に続いて「進め!青春」(68年)である。
今回はまず生徒役について紹介する。高木浜畑賢吉)が担任の2年C組にはサッカー部員が多く集まっている。野呂大谷直)、吉野鍋谷孝喜)、劇中で名前が出てこない赤塚真人、マネージャーである亜矢子徳永礼子)、タマ子夏純子)などである。他には新聞部員の由美水沢有美)、麗子田坂都)、優等生で高木にも否定的な片桐大沢健三郎)、早苗高橋厚子)といった顔ぶれだ。
女生徒役は東宝ニュータレント出身者が多い。水沢有美は5期、高橋厚子は6期、徳永礼子(後にれい子)は8期である。しかし、一番若いのは水沢(当時17歳)で、合格した時は14歳だったことになる。6歳から子役として活動しており、小学生の時に「ロック物語」(63年)にレギュラー出演。本名は小沢有美だが、水沢と誤表記され、そのまま芸名にしてしまったとのだという。
水沢と大谷直、赤塚真人、そして剛達人(中沢治夫)は、「でっかい青春」でも生徒役で出演していた。水沢は「青春とはなんだ」「これが青春だ」にも生徒役で出演している。鍋谷孝喜は、東宝の青春ドラマよりは森田健作主演の松竹の一連の青春ドラマで生徒役を演じている印象が強い。田坂都も両方に出演している。
夏純子は2話までは本名の坂本道子名義である。18歳で若松プロの「犯された白衣」「続日本暴行暗黒史」(67年)に出演。翌68年に東映の「喜劇競馬必勝法 一発勝負」に出演といったキャリアでの本作出演であった。その後、東宝や大映の映画にも出演。70年8月から日活の専属となったが、翌年には日活のロマンポルノ路線への転向により、今度は松竹へ移籍している。
本作での高木、片桐、河野亀井光代)といった役名は「飛び出せ青春」(72年)でも使われることになる。ちなみに、高木は石橋正次、片桐は本作にも出演の剛達人、河野は主演となる村野武範に受け継がれる。
さて「進め!青春」は、わずか11回での打ち切りとなったわけだが、最終話はちゃんと最終話らしくなっている。メインゲストは柴田昌宏で、過去3作全てに生徒役としてレギュラー出演していた。知っている人も多いだろうが父が潮万太郎、姉が弓恵子、弟が柴田侊彦だ。今回は高三の優等生である近松という役だが、当時28歳である。ストーリーは近松の東城大(漢字は適当)推薦入学が決定。一方サッカー部は一部リーグ昇格が西山高校部員大半の食あたりによって不戦勝によって決まろうとしていた。部員は喜ぶが高木はそれを断り、試合に勝って堂々と昇格しようと訴える。それを、通りがかった近松が聞いていた。木村剛達人)に、「不戦勝と推薦入学とどう違うんだ」と言われたこともあり、プライドの高い彼は推薦を断り試験を受けて臨もうとするのだった。江島教頭平田昭彦)は高木に「近松がもじ受験に失敗したら、責任をとれ」と迫る。高木のサッカー部への発言であり、近松に直接言ったわけではないのだが、発言は事実なので言い訳はしなかった。結果、近松は東城大受験に失敗。高木も辞職することになる。というような話で、もちろんラストはめでたしめでたしとなるが、ちゃんと最終話っぽい。
まあ番組自体は打ち切りになってしまったが、浜畑賢吉は一気に売れっ子役者になっていくのである。

進め!青春

月も替わったので、いきなりだが青春ドラマである。短期間で終わってしまったため、ある意味幻のドラマと化している「進め!青春」(68年)である。
「青春とはなんだ」「これが青春だ」「でっかい青春」に続く、東宝青春学園シリーズの第4弾である。夏木陽介、竜雷太による前3作は大成功を収めたが、二人が演じたスーパーマン教師ではなく、生徒共に成長する新米教師を描いていこうと、当時は「劇団四季」に在籍しておりまだ無名だった浜畑賢吉が主役に抜擢された。番組スタート直後に26歳になり、主題歌もミュージカルの舞台をこなす彼が声高らかに歌っている。前3作はモノクロであったが、本作はテレビ映画としては初めて16ミリカラーで撮影された、ある意味記念すべき作品だったのである。
しかし、スタートした時期が悪かった。メキシコオリンピック開催時期に重なってしまったため視聴率があまり伸びず、早々と打ち切りが決まったのだという。68年10月後半にスタートし、年内いっぱいで終了したので、全11回という短さである。そのためか、再放送もほとんどされず、ソフト化もされていない。
CS放送がスタートしてまもなくファミリー劇場で放送されたようだが、自分が加入してから一度もされていない。25年は経つのだが、そのファミ劇も、個人的にはほぼ見る番組がないチャンネルになってしまった。そんなわけで、自分も一度も見たことのない番組の一つだったわけだが、先ごろネット上で見ることができたのである。
浜畑が演じるのは私立日東高校の新米社会科教師・高木進。同校の卒業生でもあり第1話の時点で既に赴任はしている。実家暮らしで、家族は父・勝之進宮口精二)、母・はな賀原夏子)、妹・純田中美恵子)がいる。勝之進と日東高の校長・戸川東野英治郎)は友人でもある。江島教頭平田昭彦)は、同校の理事でもあり、人事の決定権を持つという人物。しかし、戸川は江島にへーこらしているわけではない。江島も戸川を上司として扱っている。同僚の教師として登場するのは数学のベテラン美川先生大塚道子)、ヒロイン役である英語の河野真知子先生亀井光代)くらいである。また保健室勤務の養護教員が熊木愛子岡田可愛)で、真知子と愛子は基本的に高木の味方で、江島教頭は最大の敵ということになる。岡田可愛は「青春とはなんだ」の第1話から「でっかい青春」の最終話まで全121話全てに出演していた。当時まだ20歳になりたてで、女生徒役でも不思議はないが、前作で既に生徒役ではなかったので、この形になったのだろう。本作も全話に出演し計132話皆勤賞となった。これは自立して生活していたので、1本でも休むと給与に響くからということらしい。実際は出番がなくても監督に頼み込んで出演させてもらっていたという。
初回、高木は着ていく服のがなくなり学生服で登校するはめになる。登校中に絡むのがサッカー部キャプテンの木村剛達人=当時・中沢治夫)だ(高木が顔を隠しているのでわからない)。剛達人が生徒役で登場したのは前作「でっかい青春」の後期からである。この「進め!青春」の時は19歳だったので、生徒役が似合っていたが、3年後の「飛び出せ青春」(72年)でも生徒役だったのは周知であろう(高校5年生だが)。本作でも高木の受け持つ2年ではなく、3年の役なので、授業のシーンにはいない。次回に続く。

風雲真田城

もう一つだけ、山崎プロ関連の作品を。前回の「孫悟空西へ行く」が終了後に作られたのが「風雲真田城」(64~65年)である。放送時間は日曜夜6時半であり、時系列が前後してわかり憎いかもしれないが「バックナンバー333」(65~66年)の前番組にあたる。
本作は山崎プロ単独ではなく、朝日放送も製作に加わっている。主役の真田幸村を演じるのは往年のスター高田浩吉である。歌う映画スター第1号として戦前より活躍。あの鶴田浩二の師匠にあたる人物であり、「田」と「浩」の字は高田から貰ったものである。高田の次女が高田美和だ。
60年、50歳目前にして松竹を退社し、第二東映(61年はニュー東映)に移籍する。そこでも主演スターではあったが、そもそもが作品を倍にすれば売り上げも倍になるはず、という子供のような発想で誕生したのが第二東映であり、当然人も倍にしなければばらなくなり質の低下を招き、人気の低下をも招いた。そして時代劇が斜陽となりニュー東映は廃止、東映の中心は任侠映画へとシフトしていった。その中心スターが高倉健であり、自分の弟子であった鶴田浩二という皮肉だった。
そのような背景から、この64年辺りから活動の中心を舞台・テレビに移したところだったのである。それにしても、よく山崎プロ辺りが往年の大スターを呼べたものである。本人もよく出演する気になったなと思ってしまう。
さて他の出演者だが、判明しているところでは高田夕紀夫霧隠才蔵)、江田嶋隆猿飛佐助)、尾上鯉之助三好晴海入道)、千早健真田大助)、谷口勉穴山小助)、丸凡太海野六郎)、加地昌美戸隠薫)等である。他の真田十勇士が登場するかどうかは不明だ。高田夕紀夫は高田という苗字から想像つくと思うが、浩吉の息子である。主題歌は浩吉の歌う「風雲真田城の歌」だが、夕紀夫の歌う「霧隠才蔵の歌」もクレジットされており、挿入歌で使われているのかもしれない。高田夕紀夫の役者としての活動は本作と他二本くらいで、基本的には浩吉の裏方だったようだ。
佐助役の江田嶋隆はここで紹介した「孫悟空西へ行く」「無敵わんぱく」「バックナンバー333」の全てにその名がクレジットされている山崎プロ御用達のような役者である。所属だった可能性もある。60年代にその活動は集中しているようで、正直顔がわからないのだが、佐助役は二枚目と相場が決っているので、そうなのだろう。尾上鯉之助、丸凡太は「孫悟空~」から引き続きの出演。丸凡太は猪八戒役だっただけあって、太目で丸顔のようで、古川ロックに近い感じか。この人は東京ぼん太世志凡太の陰に隠れてしまったのかもしれない。加地昌美演じる薫はくノ一で、本作のオリジナルのようだ。網タイツ姿だったらしい。他にもゲストか準レギュラーか不明だが伊達政宗役で近衛十四郎が出演していたらしい。
スタッフでは監督の一人に船床定男の名が見られる。「月光仮面」「隠密剣士」「マグマ大使」等で知られる監督である。またバラエティ番組の「風雲たけし城」というタイトルは本作から来ているという話だ。
最後に山崎プロがらみの作品が、一切ソフト化や再放送されないのは、寄せられた情報によるとプロダクション倒産後にフィルムが散逸してしまった、つまり様々な人の下に渡ったからということらしい。

孫悟空西へ行く

再び山崎プロダクション絡みの作品になるのだが、その山﨑プロが単独で制作したらしいのが「孫悟空西へ行く」(64年)である。
タイトル通り「西遊記」の実写版だが、映画ではエノケンの時代から実写西遊記はあるのだが、テレビの方ではどうだろうか。堺正章主演の「西遊記」(78~80年)がまだ、イメージに強いかもしれない。そこから遡ること15年、例によって再放送もソフト化もされておらず、自分も最近まで知らなかったのが「孫悟空西へ行く」なのだ。
やはり例によってOPのみ見ることができたが、躍動する孫悟空に扮するのは尾上鯉之助である。名前通り歌舞伎役者出身だが、その世界ではあまりパッとしない存在だった。ある時分に従姉妹である東千代之介に誘われ東映入りを決める。そのタイミングで伏見扇太郎が病に倒れ、ピンチヒッターで鯉之助が「さけぶ雷鳥」(57年)の主演に起用されたのである。57年は東映娯楽版と呼ばれる少年向け時代劇8本で主役となるが、あまり人気を得られず、すぐに脇に回ることになったのである。当時は細身だったが、次第に太り出し悪役を演じるまでになったのである。実際に「素浪人月影兵庫」の初期(65年)に武芸者揃いの5兄弟の長男を演じたりしていた。ずっと年上の千葉敏郎宍戸大全を差し置いてだが、特に違和感はなかった。その辺りなので、ちょっと太めの孫悟空という感じである。
ちなみに、伏見扇太郎も映画で孫悟空を演じている一人だ。他に坂東好太郎三木のり平などが演じている。
他のキャストだが、上田寛沙悟浄)、丸凡太猪八戒)、林雄太郎三蔵法師)というもの。誰やねんという感じだと思うが、上田に関しては「特別機動捜査隊」にゲストで見たことがある。林に関しては他の出演情報は見つからない。ナレーターは何故か中村玉緒が起用され、兄である中村扇雀(坂田藤十郎)がゲストで出演したこともあるようだ。その林の正体は15年後に明らかになる。実は中村鴈治郎の隠し子だったとうものだ。つまり扇雀や玉緒は腹違いの兄弟だったというわけだ(彼らの本名は林)。当時の日刊スポーツに舞台の父を撮り続けている45歳のカメラマンと書かれていた。そしてこの「孫悟空西へ行く」がクローズアップされていたのである。何故15年も経ってなのかと考えると、丁度前述の堺正章の「西遊記」が放送されていた時期だったからではないだろうか。
悟空や沙悟浄、猪八戒のメイクは京劇風といった感じ。OPは男性コーラスグループが歌っているのだが、作者ヤタイトル、誰が歌っているかも不詳となっている。ダークダックスデュークエイセス辺りだと聞く人が聞けば判りそうなのでボニージャックス、サニートーンズあたりか。もちろん、名も知らぬ合唱隊の可能性もあったりするが。、
YouTubeには、OPからサブタイが出るところまで挙がっているのだが、そのサブタイが「第14話 怪獣モンスラー」となっている。どんな怪獣が興味深いが見ることはできないだろう。

白頭巾参上 その2

前回に続いて「白頭巾参上」(69~70年)である。
全35話、夕方6時台の30分ドラマで、少年向けとも言えるのだが、レギュラーに子供はいないし、そもそもあまり出てこないし、白頭巾にお約束なセリフがあるわけでもない。夜10時台の放送でも違和感はない気がする。
ゲストに目を向けて見ると、第1話は宗方勝巳、山岡徹也、山波宏で始まり、以降は姫ゆり子、新藤恵美、和崎俊哉、穂積隆信、城所英夫、原良子、永山一夫、川合伸旺、永井秀明、近藤正臣、汐路章、高木二朗、藤岡弘、石浜朗、三島ゆり子、堀田真三、樋浦勉、杉山昌三九、上野山功一、田口計、武原英子、鮎川いづみ、神田隆、御木本伸介、霧立はるみ、草野大悟、鮎川いずみ、戸上城太郎、沼田曜一、松木路子、亀石征一郎、葉山良二、高橋俊行、波田久夫、岸田森、最終話は森次浩司(康嗣)、斉隠寺忠雄(西園寺章雄)といったところである。
本作にもプロデューサーとして仲川利久の名があり、古川ロックはレギュラーで、二瓶康一(=火野正平)も二度メインゲスト的に登場している。個人的には17話「黒い殺意」に出てくるゲストの役名が印象に深い。色丹の次郎江幡高志)、歯舞の五郎守田学哉)、根室の熊蔵鈴木金哉)というものだ。劇中で蝦夷地出身などという発言はないし、もちろん北方領土とは何の関係もない話である。白頭巾も中々にダークな部分もあり、五郎は斬り捨てるが、次郎は味方に引き入れ、親分である熊蔵と戦おうとするのである。21話「死を招く男」は洋服に身を包んだ医者ジョーヂ坂田沼田曜一)が登場。少年期に船が転覆したが生き逃れ異国で医術を学び、復讐のために帰国したのだ。復讐相手の腹を裂き、研究材料にしようとする恐ろしい奴である。道伯大瀬康一)とは一度会っただけだが、白頭巾を見て道伯であることを見破っている。ちなみに「坂口」とクレジットされているが、劇中では坂田と言っている。25話「子の刻」は牢破りをした大五郎戸上城太郎)が道伯の家に立てこもる。その子分の一人が気違い馬武周暢)といい、実際に少し気がふれているという危ない奴だ。
スタッフに目を向けると企画に沢田隆治の名がある。「てなもんや三度笠」等で有名なプロデューサーである。「必殺シリーズ」の山内久司は朝日放送の同期だと言う。
音楽は山下穀雄で、OPは13話までインストだが、14話からバラード調の歌に変更される。浜丈二が歌う「白い影の男」である。スキャット入りのムード歌謡という感じだ。作詞は脚本を担当する淺間虹児。本作はほぼ淺間と松原佳成が脚本を担当しているが、第1話は推理作家でもある香住春吾が書いている。香住は本作ではこの一本だけである。
途中から製作協力として「OT企画」とクレジットされるが、これは大瀬の会社である。「O」は大瀬のことで、「T」は妻である女優・高千穂ひづるのことであろう。高千穂とはゴルフクラブで知り合ったらしい。1年に1回づつ(いずれも10月10日)、三度目のプロポーズで婚約に至ったという。
大瀬の主演ドラマは本作が最後となっている。俳優と実業家を並行させていたが、義父(プロ野球審判だった二出川延明)の要請もあり、72年に俳優業を引退した。

白頭巾参上

今回は時代劇に戻るのだが、大瀬康一、古川ロック繋がりで「白頭巾参上」(69~70年)である。
放送時間はTBS系日曜夜6時半ということで、前回の「バックナンバー333」や「わんぱく砦」と同じなのだが、山崎プロは絡んでいない。朝日放送と松竹の制作だ。
本当はこの前番組である「黒い編笠」(68~69年)にしようかとも思ったが、あまりにも情報がないので見送った。大瀬康一主演時代劇というのは一緒で、トレードカラーが黒から白になったというわけである。また、「黒い編笠」までは、長年続いたダイハツ一社提供だったのだが、「白頭巾」はタイガー魔法瓶一社提供となっている。ちなみに、裏番組として「サザエさん」がスタートしている。
この「白頭巾参上」だが、つい先ごろCSで初放送されたのである。おそらく、30~40年は陽の目を見ていなかったと思うのだが、映像は綺麗で驚いた。主演は前述のとおり大瀬康一で、彼が扮するのは町医者・八代道伯。「ヤブの先生」などと言われているが、腕は確かなようだ。そんな彼のもう一つの顔が、悪に立ち向かう謎の剣士・白頭巾である。真っ白い着物に身を包んでおり、時代劇でこういう場合、実は将軍の血筋とか身分が高かったりすることが多いが、特にそういうバックボーンはないようである。金を貰うわけでもないので、完全に正義感からの行動らしい。「破れ傘刀舟悪人狩り」や「あばれ医者嵐山」とかも平素は医者というのは同じパターンである。
他のレギュラーは古川ロック扮する同心・水上新二郎。道伯とは親しいが、彼が白頭巾であることは知らない。その妹が小橋玲子扮するきくである。クレジットでは、大瀬に続く二枚目に二人の名が並ぶのだが、大方小橋、古川の順になっており、小橋の役名は「妹きく」となっているので、最初は道伯の妹かと思ってしまった。せめて「水上きく」とかにしろよとかどうでもいいことを思ったりした。小橋は当時16歳で、歌手デビューもするなどアイドル的な人気があった。この前年の「怪奇大作戦」でのさおり役が有名であろうか。後は水上付きの目明しである河上一夫扮する文吉がほとんどの回に登場する。
また、レギュラーというわけではないが、毎回のように違う役で登場する大部屋役者たち。黛康太郎、丸尾好弘、山内八郎、藤原英昭、田代進など。この中では黛、丸尾、山内は「必殺シリーズ」等でその名をよく見かけるであろう。丸尾は殺陣に定評があり、浪人などの役が多いが印象には残りにくい顔だと思う。山内は屋台の親父、そばや、牢番などザ町人という役が多い役者である。大瀬の付き人出身であり、「康」の一文字は大瀬から得ている。眉が太いので「黛」なのかもしれない。藤田まこと扮する中村主水が初登場する「必殺仕置人」で彼に一番最初に斬られたのが黛である(次が大滝秀治)。後に芸名を黛康三筑波健と変えている。
ところで白頭巾だが、頭と顔の周辺を覆っているだけで、顔の下半分を隠してはいない。つまり、ほぼ素顔をさらしているようなものだが、水上やきくが彼を見ても道伯だと気づくことはない。まあ、そこはお約束というものだが。
次回に続く。

バックナンバー333

しばらく時代劇が続いているが、話の流れで今回は現代劇である。だいぶ前に取り上げたことはあるのだけれども。話は前後するのだが、「わんぱく砦」の前番組だったのが「バックナンバー333」(65~66年)だ。つまり、日曜の夜6時半から放送されていたわけである。この番組に関しても「わんぱく砦」「無敵わんぱく」と同じく、朝日放送と山崎プロダクションの制作で、ほぼ再放送されることもなく、過去にソフト化されたこともない(はず)である。
ただ、本作に関しては見た記憶はあるのだ。内容も出演者も一切覚えていなかったが、タイトルにもあるナンバー「333」のダイハツ製のスポーツカーが走り回っていたことだけ記憶にあった。「ベルリーナ」だと思っていたが正解は「コンパーノ・スパイダー」であった。日曜の夕方だったような気がするのだが、さすがに本放送ではなかった気がする。
本作に関してもこの時から一切映像を見たことはなかったのだが、「わんぱく砦」「無敵わんぱく」同様にYouTubeにOP(+ED)が挙がっていたのである。2種類存在しており、放送期間はぴったり1年(全53回)だったようだが、前期と後期で出演者が違っているようだ。
主演は「月光仮面」「隠密剣士」でお馴染みの大瀬康一だ。当時は3年に渡る「隠密剣士」が終了して4カ月が経過しているタイミングであった。彼が扮する鶴見大介はレンタカー会社を経営しているのだが、ひとたび事件が起こると、探偵でも何でもないのに「ナンバー333」の車に飛び乗って事件解決に乗り出すのである。
前期のレギュラーが、原田糸子江川光子)と神戸瓢介丸山鯛郎)で、助手というか、レンタカー会社の社員ということになるのだろうか。この映像には名前が出てないが、三ツ矢歌子も前期のレギュラーだったようだ。OP映像は高速を走るコンパーノである。後期はサーキットを走るレースカーの映像に代わっている。後期レギュラーと思われるのが、古川緑九=古川ロック杉山六九)、浅野公恵明子)、二瓶康一=火野正平元太郎)である。この後「わんぱく砦」で活躍することになる古川と火野がここから登場していたのである。浅野公恵は詳細不明だが、関西を拠点にしていた女優で「部長刑事」へのゲストで出演が多かったようだ。当時は子役だったのかもしれない。その「部長刑事」を演じた一人で、wikiに名前のある飯沼慧大東勉)もレギュラーだったのかもしれない。やはり挙がっている映像には名前はないが、子役時代の麻丘めぐみが本名の藤井佳代子で出演していたという。、
あと、映像にクレジットはないが、OPの「スリースリースリー」という歌と演奏はシャープ・ホークスによるものだと言う。シャープ・ホークスと言えば安岡力也だが、確かに安岡の声に聞こえる。バックバンドを含めて一時期10人の大所帯になったというが、バックバンドは「ザ・シャープ・ファイブ」として独立する。これが本作が放送されている時期のようで、10人体制の時の演奏が使用されているのかもしれない。

無敵わんぱく

わんぱく砦」の終了から約10カ月を経てスタートしたのが「無敵わんぱく」(68年)である。放送時間も日曜から火曜の夜6時に移っているが、こちらも個人的には一度も見たことはない。前作と出演者も製作スタッフもほぼ一緒であり、(おそらく)一度もソフト化されていないのも一緒である。本作もYouTubeでOPのみ見ることができた。今回は実写とアニメを合成させたような、なかなかファンキーな作りになっている。七人のメイン出演者の顔がよくわかる。
前作で主役だった竜之介佐藤正三郎)のみ降板しているが、一人だけしかも主役を切るとは考えづらいので本人の意思ではないだろうか。スケジュールの都合かもしれないし。というわけで繰り上げ主役となったのが伴刀二瓶康一火野正平)である。十杯古川ロック)、ドロン宇野正晃)、学者加島こうじ)、ベソ加賀爪正和)はそのまま登場。ちなみに、古川の芸名が緑九からロックの表記に変わっている。そして新顔が栗若保積ペペ)である。当時10歳で、「わんぱく砦」と同時期に放送されていた「丸出だめ夫」(66~67年)で主役をやっていた人気子役だ。さらに、前作では風来和尚役だった里井茂が本作では丸之介役に替わっている。OPを見る限り7人でワイワイやっているので、今回は里井も少年役のようである。大柄で丸い感じは古川ロックと何となく似ている。そう言えば、この時点では普通にチビの子供だった保積ペペだが、この5~6年後には180cmまで伸びるのである。
監督に仲川利久という名が見えるが、この時点では朝日放送のディレクターだったようだが、後にプロデューサーとなる。必殺シリーズでその名を見かけた人も多いのではないだろうか。火野正平が「新仕置人」「商売人」「うらごろし」でレギュラーになったり、古川ロックが「仕留人」で主水藤田まこと)の同僚で出演していたり、よくゲストで出演していたのは、仲川との縁が大きかったのではないだろうか。
脚本はほとんどの回を「ガメラ」シリーズで知られる高橋二三が手掛けたようだ。ちなみに「にいさん」と読む。2月3日生まれだからのようだ。
宇野、加島、加賀爪は子役のうちに、そのキャリアを終了したようである。里井も70年以降の活動記録は見当たらない。保積ペペは「飛び出せ青春」「われら青春」といった青春もので活躍。「飛び出せ」の時はまだ13~14歳で、高校生役をやっていたのである。2013年以降はテレビ・映画とも出演記録はない。「われら」の時は留年して高校5年という役柄だったが、実際はまだ16歳であった。古川ロックも97年に糖尿病で亡くなっている。57歳であった。ちなみに父の古川ロッパも糖尿病を患い、61年に肺炎と全身衰弱で亡くなったが、やはり57歳であった。火野正平によると、佐藤正三郎里井茂も亡くなったとのこと。そう語っていた火野も昨年亡くなっている。75歳であった。合掌。
 

わんぱく砦

今回は、前回までとガラリと変わり、時代劇ではあるが少年向けの「わんぱく砦」(66~67年)である。ここで取り上げたことはあるかもしれないが(忘れた)、一度も見たことがないという状況は変わっていない。本作は「テレビ探偵団」で紹介された際も、超マイナー番組と言われ、見ていた人が少ないのは確かなようだ。理由として、放送時間が日曜の夜6時半からだったということが挙げられていた。この時間帯で真っ先に思い浮かぶのは「サザエさん」だろうが、まだ始まっていない(69年から)。「わんぱく砦」はTBS系での放送だったようだが、裏には「シャボン玉ホリデー」「バットマン」などがあったらしい。考えて見ると我が家も当時は「シャボン玉ホリデー」を見ていたはずで、自分も子供ではあったが、裏で何を放送しているかとか、この時間帯では気にしていなかった気がする。
おそらくだが、再放送もほとんどされておらず、現在に至るまでそのビデオやDVD等のソフトも発売されたことはないと思われる。本作は朝日放送に加え、山崎プロダクションが制作していたが、この山崎プロがらみの作品はほぼ、事実上の封印状態になっているようなのだ。つまり、当時にリアルタイム視聴していなかった人は一度も見たことのない作品ということになってしまう(再放送にも巡り合わなければ)。丁度入れ替わるように始まった「仮面の忍者赤影」(67~68年)が超メジャーな作品であるのとは対照的だ。
映像そのものが存在しないかもと思っていた中、OPだけではあるがYouTubeで見ることができた。ただ、OPはアニメなので、知らない人が見たら普通にアニメ作品と思うかも。まあ、わんぱく繋がりで「ワンパク番外地」やその前番組「ハレンチ学園」も中身は実写でもOPはアニメだったりするので、結構あるのかもしれない。
さて、「わんぱく砦」の内容だが、戦国時代を舞台に六人の孤児たちがさまざまな困難や事件を乗り越えていく、ということである。というわけで必然的にレギュラー陣はほぼ子役になるのだが、リーダーのたつまき竜之介佐藤正三郎、いつも算盤を持っている伴刀左衛門二瓶康一=火野正平)、忍術少年ドロン宇野正晃)、発明少年の学者加島こうじ)、泣き虫のベソ加賀爪芳和)、大食漢の力持ち十杯古川緑九=古川ロック)。ほぼと書いたのは古川は当時すでに27歳である。名前から分かると思うが、古川ロッパの次男。火野が10歳下の17歳で、芸能活動を長く続けたのはこの二人くらいで、撮影当時は同じ家に住んでいたという(山崎プロ社長の別宅らしい)。古川は見た目通りの大食漢で、付き合って食べていた火野は胃拡張になったと後に語っている。あと、風来和尚里井茂)もレギュラーのようだ。和尚といっても本人は年寄ではない。まあ30代くらいだろうか。里井茂は50~60年代にかけて活躍した喜劇畑の人らしいが、詳しいプロフィールはわからない。それは主役の佐藤正三郎も同様で、火野と同じように50年代終盤から子役として活躍。映画出演もあり、大映の「高校三年生」(64年)では、倉石功の弟役(中二設定)で出演。劇団ひまわりの所属だったようだ。69年には大映で4作品に出演。「ある女子高校医の記録 続・妊娠」では、生徒ではなく浪人生の役をやっている。火野より1~2歳年上だったのではないだろうか。佐藤は映画もテレビも70年以降の主演記録はなく、この辺りで引退したと思われる。全45話ということで、それなりに人気はあったのだろう。

十手無用 九丁堀事件帖 

今年に入ってからは、ここで取り上げたことのない(はず)の時代劇を取り上げたきたが、今回のはやったことがある。もう10年くらい前だよな、と思っていたら4年前だった。当時と違うのは、2話分だけだけど見て書いたので、少しは違ったことが書けるかもしれない。
というわけで、高橋英樹としては異色なドラマ「十手無用 九丁堀事件帖」(75~76年)である。何が異色化と言えば、本作は高橋版「必殺」なのである。だから、高橋英樹にしては斬る人数は少ないのである。この当時は本作や「影同心」「長崎犯科帳」など必殺の亜流番組が登場していた。結局、本家には叶わなかったと思うのだが、印象には強く残っている。
英樹扮するのは元同心の榊夢之介で、彼を中心にそのグループは既に結成されている。本職は屋根職人の鉄平桜木健一)とその妹おくみ栗田ひろみ)、年老いた女形の菊造木田三千雄)、寡黙なヒゲ男・マサ下之坊正道)、そして元は盗賊で現在は植木屋のからくり仁左衛門片岡千恵蔵)である。ちなみに、千恵蔵の本名は植木正義だ。この中ではおくみはサポート役で、マサはめったに殺しには参加しない。記憶では3~4回程度だったような。何のためにいるのかよくわからない。
他にもレギュラーはおり、夢之介の元同僚である秋山久蔵深江章喜)、メンバーのたまり場である飯屋の伝八桂小かん)、女金貸しのおしん児島美ゆき)、15話から登場する芸者おさよ丘さとみ)など。深江や桂小かんなどは英樹とは日活繋がりであろう。丘さとみは東映のお姫さま女優の一人で、東映ニューフェース2期生。高倉健今井健二が同期となる。65年に結婚して引退したのだが、75年に離婚し女優に復帰したばかりの頃である。
第1話のゲストは真野響子、柴田侊彦だが、メイン悪役は汐路章でピンでクレジットされており、中々ないことである。汐路を頭に盗賊15人くらいだろうか。菊造とマサは一人づつで、鉄平が四人くらいで、後は夢之介がぶった斬る。ちなみに鉄平の殺し技は小判投げで、のどを切り裂くというもの。後で回収するのだろうか。江戸の後期でも1両は3~5万円程度の価値はあったようなので。
2話では悪役も川辺久造、浜田寅彦、中井啓輔、近藤宏、横森久と名のある役者がずらり。1話では殺しに参加しなかった仁左衛門が賭場で、毒針が飛び出す仕組みの煙管入れで、近藤と横森に針を討つ。首に刺さった近藤は数分平気だったのに、手の甲に刺さった横森がすぐに苦しみだすと同時に近藤も苦しみだすのだった。残る三人は座敷の一室で、鉄平は何故か天井から川辺の御猪口に毒を垂らすのだが、気づかれてしまう。しかし夢之介が現れ、「貴様らのような悪党には十手無用」と三人を斬る。菊造もいたが、逃げようとした中井の前に立ちはだかっただけ。鉄平と菊造は何しに行ったのか謎であった。
前述のように2話まで改めて見ただけで、残りはほぼ忘れているが、4話のゲストを見ると金田龍之介、今井健二、中田博久に加え、小田部通麿、有川正治、山口幸生の名が並ぶ。「仮面の忍者赤影」の第2部卍党編でその卍党忍者を演じていたのが小田部、有川、山口だ。前述の汐路は「赤影」では、1,3,4部にそれぞれ敵役で登場している。ちなみに、その主演であった坂口祐三郎(当時は徹)は11話、白影役の牧冬吉は7話、甲賀幻妖斎役の天津敏は10話にゲストで出演している。