白頭巾参上 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

白頭巾参上 その2

前回に続いて「白頭巾参上」(69~70年)である。
全35話、夕方6時台の30分ドラマで、少年向けとも言えるのだが、レギュラーに子供はいないし、そもそもあまり出てこないし、白頭巾にお約束なセリフがあるわけでもない。夜10時台の放送でも違和感はない気がする。
ゲストに目を向けて見ると、第1話は宗方勝巳、山岡徹也、山波宏で始まり、以降は姫ゆり子、新藤恵美、和崎俊哉、穂積隆信、城所英夫、原良子、永山一夫、川合伸旺、永井秀明、近藤正臣、汐路章、高木二朗、藤岡弘、石浜朗、三島ゆり子、堀田真三、樋浦勉、杉山昌三九、上野山功一、田口計、武原英子、鮎川いづみ、神田隆、御木本伸介、霧立はるみ、草野大悟、鮎川いずみ、戸上城太郎、沼田曜一、松木路子、亀石征一郎、葉山良二、高橋俊行、波田久夫、岸田森、最終話は森次浩司(康嗣)、斉隠寺忠雄(西園寺章雄)といったところである。
本作にもプロデューサーとして仲川利久の名があり、古川ロックはレギュラーで、二瓶康一(=火野正平)も二度メインゲスト的に登場している。個人的には17話「黒い殺意」に出てくるゲストの役名が印象に深い。色丹の次郎江幡高志)、歯舞の五郎守田学哉)、根室の熊蔵鈴木金哉)というものだ。劇中で蝦夷地出身などという発言はないし、もちろん北方領土とは何の関係もない話である。白頭巾も中々にダークな部分もあり、五郎は斬り捨てるが、次郎は味方に引き入れ、親分である熊蔵と戦おうとするのである。21話「死を招く男」は洋服に身を包んだ医者ジョーヂ坂田沼田曜一)が登場。少年期に船が転覆したが生き逃れ異国で医術を学び、復讐のために帰国したのだ。復讐相手の腹を裂き、研究材料にしようとする恐ろしい奴である。道伯大瀬康一)とは一度会っただけだが、白頭巾を見て道伯であることを見破っている。ちなみに「坂口」とクレジットされているが、劇中では坂田と言っている。25話「子の刻」は牢破りをした大五郎戸上城太郎)が道伯の家に立てこもる。その子分の一人が気違い馬武周暢)といい、実際に少し気がふれているという危ない奴だ。
スタッフに目を向けると企画に沢田隆治の名がある。「てなもんや三度笠」等で有名なプロデューサーである。「必殺シリーズ」の山内久司は朝日放送の同期だと言う。
音楽は山下穀雄で、OPは13話までインストだが、14話からバラード調の歌に変更される。浜丈二が歌う「白い影の男」である。スキャット入りのムード歌謡という感じだ。作詞は脚本を担当する淺間虹児。本作はほぼ淺間と松原佳成が脚本を担当しているが、第1話は推理作家でもある香住春吾が書いている。香住は本作ではこの一本だけである。
途中から製作協力として「OT企画」とクレジットされるが、これは大瀬の会社である。「O」は大瀬のことで、「T」は妻である女優・高千穂ひづるのことであろう。高千穂とはゴルフクラブで知り合ったらしい。1年に1回づつ(いずれも10月10日)、三度目のプロポーズで婚約に至ったという。
大瀬の主演ドラマは本作が最後となっている。俳優と実業家を並行させていたが、義父(プロ野球審判だった二出川延明)の要請もあり、72年に俳優業を引退した。